■日本代表

■またしても同じミスを繰り返したハリル監督

 昨日、W杯アジア3次予選のイラクVS日本戦が中立地であるイランのテヘランで行われ、1-1で日本は引き分けてしまいました。(イラク国内がほぼ内戦状態のため)

対戦相手のイラクは、国内組の選手を中心にイタリアやUAE・サウジ等でプレーする海外組を合わせたチーム。日本との実力差は、ホームでもアウェーでも日本が勝たなければいけないレベルの相手と見ていました。

当然、中立地開催であれば絶対に勝ち点3を取らなければいけないゲームだったのですが、引き分けという結果に終わってしまったことは大変残念でした。

試合内容も最悪だったと思います。

        ☆        ☆        ☆

 それではこの試合のゲーム内容を分析していきますが、ハリルホジッチ監督は、昨年10月にホームでやったイラク戦とまったく同じ失敗を繰り返してしまいましたね。

日本は、たちあがりから各選手がうまく連動したパスサッカーでゲームを支配。前半8分にCKから大迫選手のゴールで先制点をあげたところまでは非常に良かったです。

まとまった陣形を保ったまま選手同士が適切な距離を保ってサポートし合うパスサッカーは、自陣と敵陣の間を長い距離走って往復する必要性が少なくなるため、あのような気候に適した攻撃戦術と言えます。

ここまで非常にうまくいっていたのですから、イラクに攻められる時間帯はあってもそのままパスサッカーで行って、2点目3点目を取ってこのゲームの結果を確定してしまえば良かったのです。

ところが毎度毎度のことながら、ここからが大問題。

1点を守ろうという意識が強すぎる日本は、急に守備ブロックを自陣深くに下げてしまい、パスサッカーのイラクにゲームの主導権を握られます。

攻撃は先制ゴールをあげるまでとはガラっと変わって、バックからひたすら浮き球のロングボールを前線の大迫選手へ放り込む、いつものタテポンサッカーへ。

しかし、大迫選手のポストプレーは相手にすでに研究し尽くされているようで、ほとんど前線で基点をつくれませんでしたし、ロングボールを蹴ったあと自陣から長い距離を走らなければならない味方の押し上げがどうしても遅れるので大迫選手も孤立して、追加点をゲットできるようなチャンスはほとんどつくれなくなっていきます。

相手ボールになったらなったで、今度は押し上げた選手が自陣へ向って長い距離を走って戻らなければならないので、気温37℃以上の酷暑の中でこのような戦術を選手にやらせるのは「愚か」の一言。

後半は、いったんイラクの攻勢が止まり、日本も何度か攻撃できるようになりますが攻めに厚みを欠き、追加点は奪えません。

そうこうしているうちに、バックとGKとの連携ミスから同点ゴールを許してしまいます。

ここまで、グラウンダーのパスを使ったコレクティブ・カウンターから先制点をあげたあと、1点を守ろうとする弱気なハリル監督の指示で、ロングボールをひたすら前線へ放り込むタテポンサッカーへ戦術を変更して、まったくシュートチャンスをつくれなくなり、後半に同点ゴールを許したホームのイラク戦とほとんど同じ展開。

違ったのは、試合終了間際にハリル監督の采配ミスを帳消しにしてくれる山口選手のミラクルゴールがなかったことだけ。

だからこの試合の前に、口を酸っぱくして言ったのです。

1点を守ろうとして中盤を省略したタテポンをやると、相手の攻撃を押し返して追加点をあげるための攻め手がなくなり、専守防衛の守備陣もついに耐え切れず、ホームでのイラク戦やアウェーのオーストラリア戦みたいに自滅するよと。


当ブログ過去記事・イラク戦をどう戦うべきか?


事前の報道では、あくまでもタテポンサッカーをやらせたいハリル監督と、40℃近い環境でそれは無茶なので、ある程度ボールをポゼッションして相手を走らせることで自分たちの体力を温存したい選手側とで意見が食い違い、長い時間ミーティングが行われたそうですが、先制ゴールをあげるまでは選手側がやりたい戦術でいって、1点取ったあとはハリル監督の言うとおりにタテポンをやって、どうしても欲しかった勝ち点2を失ってしまったということじゃないでしょうか。

もしそうならハリル監督は、またしても采配ミスで選手たちの足を引っ張ったことになります。

ホームのイラク戦・アウェーのオーストラリア戦・そしてこの試合と何度同じミスを繰り返せば、学習するのでしょうか。

ハリル監督は、サッカーIQが低すぎます。

 監督の弱気なメンタリティが日本の各選手たちのプレーにも影響を与えていたように見え、クリアしておけば何でもないところを、CKから失点したくないという気持ちが強すぎたのでしょう、敵選手を自分の体でブロックして味方GKにボールをキャッチさせようとしたDFのプレーが致命的な失点につながってしまいました。

こういうプレー一つとっても、監督のサッカーに対する思想・哲学が反映されるものです。

1点を取ったらそれを守り切ってゲームを終えたいという、ハリル監督の消極的で弱気すぎる考え方は「勝者のメンタリティ」とは言えず、実際、勝利という結果につながっていません。

 また2次予選の段階からずっと指摘しているように、ハリル監督は選手の特徴や長所短所・選手間の優劣を正確に見抜いて、適材適所のポジションで起用するということができません。

 



                大迫           

      久保                  本田

                原口     
                 

             遠藤    井手口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島



上記が、この試合の先発メンバー&フォーメーションです。

シリア戦後にハリル監督が「すべてが間違っていた」とコメントしていたので、「えっ、攻めの形がまったくつくれなかった前半戦と改善された後半戦との違いがわからなかったの?」と、私は嫌な予感がしていたのですが、良い攻撃の形をつくれていたシリア戦の後半のシステムをそのまま持ってこずに、ぶっつけ本番でこのようなスタメンにしたことについてはひとまず脇に置いておきます。

それにしても、2次予選の初戦でシンガポールと引き分けたときから、敗戦でのスタートとなった3次予選開幕のUAE戦、そしてもう少しで致命的な引き分けとなるところだったホームでのイラク戦で、さんざん機能しなかったにもかかわらず、性懲りもなくこの試合で右ウイングに本田選手を持ってくるハリル監督は学習能力というものが無いのでしょうか?

前述のように、キックオフからパスサッカーで攻めていたときは、本田選手のところでボールをキープしてタメをつくり、ある程度は攻めで貢献できていました。

しかし1点リードしたあとは、チームがタテポンサッカーになったこともあって、ほとんど機能せず。

本田選手はスピードや技術で右サイドをタテに抜くことができず、ほぼ100%カットイン・ドリブルしてくることが確実なのを相手に研究し尽くされており、イラクは2人がかりでインサイドを切ってきて、真横にドリブルしながらアバウトにあげるクロスはすべてはね返され、精度の低いシュートも決まらず。

さらにハリル監督は、自分が送り出した選手がピッチ内で異常な動きをしていても気づくことができません。

昨年11月にホームでやったサウジ戦で、前半5分に久保選手が足を痛め、強いボールをほとんど蹴ることができなくなったにもかかわらず、後半ロスタイムまで気づかずにプレーさせてしまうということがありましたが、この試合の後半でも足を痛めてしまった久保選手、そして酒井宏両選手にもっと早く気づき、交代させることはできなかったのでしょうか。

実際のゲームでは、後半17分に脳震とうを起こした井手口選手に変えて今野選手を投入し、25分にまだ動けていた原口選手に変えて倉田選手を入れたのですが、その直後に失点。

勝ち点3を取らなければならない日本は最低でもあと1ゴール必要になったのですが、そのタイミングで酒井宏選手が動けなくなってしまいます。

そこでハリル監督は、酒井高選手を代わりに投入したのですが、この采配はあり得ませんでした。どう考えてももう1点取りに行く選手起用ではありません。

もし私が監督だったら乾選手を入れて左ウイングとし、足を痛めてほとんど動けない久保選手はトップ下でボールのつなぎ役に徹してもらい、倉田・遠藤のダブルボランチにして、酒井宏選手が抜けた右サイドバック(右SB)には今野選手をもってきます。

これなら乾選手中心にもう1ゴール狙って十分攻撃できる布陣ですし、酒井宏選手が抜けた守備の穴も本職がセンターバックの今野選手で埋められるはずです。(下図)



                大迫           

      乾                  本田

                久保     
                 

             倉田    遠藤      
                  

      長友     昌子    吉田    今野    

                
                川島




過去記事をサルベージするのが面倒なのであえてやりませんが、これまで何度も指摘したように、ハリル監督は、代表各選手のプレーの特徴・長所短所・選手間の優劣を正確に見極めるということができないので、突然のアクシデントに見舞われたときに、臨機応変に選手を起用してピンチを乗り切るということもできません。

「右SBのポジションを争うのは酒井宏と酒井高。だから宏樹がダメなら高徳」という脳ミソがカチコチに硬直した発想しかできないのでしょう。

やはりハリル監督は、サッカーIQが低すぎます。

 この試合の会場となったダストゲルディスタジアムの芝の状態が心配だと盛んに報道されていましたが、上記の「イラク戦をどう戦うべきか?」で述べたとおり、ほとんど問題ありませんでした。

にもかかわらず、荒れたピッチ対策でひたすら浮き球のロングボール攻撃をやり続け、攻撃でパスを出せる選手ではなく、遠藤・井手口・倉田ら守備に強い選手ばかりをピッチに送り出したのだとしたら、いったいどこを見てサッカーをやっていたのかと言わざるを得ません。

「イラク戦は勝ち点3を取らなければいけない試合だ」ということを監督はちゃんと理解できていたのでしょうか。

ロングボールを前線へ放り込むタテポンサッカー(いわゆるタテに速い攻撃)とマンマークディフェンス(デュエル)という、20年前のカビが生えたような古臭いたった一つの戦術を、気温40℃近い酷暑の中だろうが、タイやイラクのように相手が自分たちより格下だろうが、前の試合と同じ失敗を何度も何度も繰り返そうが、ただひたすらやり続けることしかできないハリル監督。

「この選手はこのポジションで」「芝が悪いからロングボール攻撃しかできない」などと、一度思い込んだらどんなに自分のチームが上手くいっていなくても軌道修正することができず、頑迷に同じことを繰り返すことしかできないおじいちゃん、というのがハリル監督に対する評価です。

同じボスニア人でも、戦術の引き出しがいくつもあって、上手くいかなければ臨機応変に修正し、数学者のように論理的なチーム作りをしていたオシム前監督とは、似ても似つかないタイプの監督さんです。

90年代初めのヨハン・オフト時代から、歴代代表監督をずっと見てきましたが、 プロサッカー監督としての能力は最低クラスのように思われます。

実際にやっているサッカーの内容からして、J1下位からJ2レベルぐらいではないでしょうか。

 「最低限のノルマである勝ち点1を取ってW杯出場に王手をかけたのだから、次のオーストラリア戦に勝てば良いじゃないか」と考える人もいるでしょうが、オーストラリアより弱いイラクに勝てなかったのですから、いくらホームとは言え、8月のオーストラリア戦に勝つのは現状では相当厳しいと思います。

今のハリルジャパンには、「ゴールを奪うための明確な攻撃の形」というものが皆無であり、イラクより格段に守備力の高いオーストラリアから点を取るのは非常に困難です。点が取れなければ試合に勝てません。

サッカーというスポーツは、技術や身体能力のほかに「選手の自信や積極性」というものが勝敗を大きく分けます。

もしオーストラリアに勝てずに自信を失った状態でアウェーのサウジ戦を迎えれば、予想もしなかった最悪の結果もあり得ます。

残念ですが、ここでハリルホジッチ監督を解任し、新しい監督のもと、残り2か月の貴重な時間を使って新しい戦術を選手たちに授け、万全の態勢でオーストラリア戦を勝ちに行くべきです。

 選手個々の評価は次回とします。

つづく




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■シリアとのテストマッチ、課題と収穫(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず大迫選手。
相手選手が2人3人と囲んできてポストプレーをなかなか思うようにやらせてもらえなかったのですが、同点ゴールのシーンでは原口選手からのボールを受け、自分がつぶれながらオーバーラップする長友選手に絶妙のパス、なかなか破れなかったシリアの最終ラインを初めて崩したこのプレーは値千金でした。
DFラインのウラヘワンパターンで走りこむ味方が多い中、バックの前へ下がってパスを受け、DFラインの背後へスルーパスを出すことで、自分たちが攻めやすいようにDFラインのウラのスペースを広く保つことができるようなポジショニングも良く考えられています。あとはゴールだけでしょうか。
岡崎選手も彼のポジショニングやスペースの使い方をよく見習って欲しいです。

後半から出場の乾選手はゴールやアシストは無かったものの、卓越した個人技で左サイドで違いをつくり出しました。彼のところでボールをキープして攻めの基点をつくったり、ドリブルで対面の相手をはがしてサイドを突破し、シュートを打ったり、チャンスメークしたりと左サイドを制圧。メッシばりに、相手の股の間にボールを通して抜くドリブルもありましたね。
ただ、ペナルティエリア(PA)内にいる味方にパスを出してリターンをもらおうとしていたようですが、プレーが細かすぎて、味方がミスをしたり相手に防がれたりしてチャンスをつぶしていました。ドリブルでPAに入る直前まで来たとき、前方が敵味方でゴチャゴチャしていたら、みんなの頭を超すようなシュートに切り替えた方が良いと思います。イメージとしては、右足のインにかけたコントロール・シュートをゴール右上スミに決める感じです。

今野選手は、ゴール前へよく詰めて、同点ゴールを落ち着いてゲット。
まだ負傷箇所が本調子ではないのだと思いますが、中盤で攻撃を組み立てる際に、パスを引き出す動きはまずまず良かったのですが、もらったボールを前の選手に確実につなぐという部分では課題が残りました。
もっとも、彼がボールを持ってパスコースを探しているのに、まわりの選手がパスを受ける動きをしてくれないという場面もしばしばでしたから、彼だけの責任ではありません。

長友選手は、ポストプレーをした大迫選手からのパスをもらって左サイドを駆け上がり、絶妙のクロスから今野選手のゴールをお膳立てしました。

 逆に酒井宏選手は、ゴール前でマルドキアンへのマークを放してフリーでヘディングシュートを許してしまう原因に。
直前にいた昌子選手が相手のクロスにかぶってしまったこともありましたが、酒井宏選手が相手のエースFWをしっかりマークしていれば、防ぐことができた失点だったかもしれません。左サイドで相手選手がバックパスをした瞬間、日本の4バックが「ああ、これでもう大丈夫」と気をゆるめ、それぞれマークすべき相手を放した瞬間、倉田選手が抜かれたことで日本のバック陣がまったく準備できていないタイミングでクロスが入ってきて、それでやられてしまったように思います。
タイムアップの笛が鳴るまで90分間集中すること。たとえマイボールの時間帯でも一瞬でも気をゆるめれば、やられてしまうのがサッカーというものです。

倉田選手はインサイドハーフとしての出場でしたが、良いスルーパスが1本あったものの、バックやアンカーからパスを引き出して、それを3トップへ供給するという役目に関しては物足りなさを感じました。味方からパスを引き出す動きが少なすぎますし、球離れが良い攻めのパスを味方へ正確に出すというシーンも少なかったです。後半は少し良くなったので、辛抱して経験を積ませる必要がありそうです。 
失点シーンでは、PAのカドで相手に簡単に抜かれてしまい、正確なクロスを許してしまいました。守備の一対一で絶対に負けないで欲しいです。

 良い面・悪い面が見られた選手としては、本田選手。
インサイドハーフにまわってからは、攻撃の基点となって良い攻めのパスを何本か出せていましたし、フィジカルコンタクトの強さを生かして相手からボールを奪い返すなど守備面でも良いシーンがありましたね。
ザッケローニ元監督も言っていたように、やはり今の本田選手にはインサイドハーフやボランチなどのセントラルMFが向いているように思います。
ただ、ミランでほぼ1年間ベンチ生活だったせいか、体のキレや実戦カンが欠けているように見えますので、セントラルMFとして使ってもらえるクラブへ移籍して1シーズンを通して試合に出続ける必要があります。
課題としては、パスを受けるための動きがまだまだ足りないことと、早すぎるタイミングで相手4バックの前のスペースに本田選手が入ってしまうと、そのエリアに人が多すぎて攻めで使いたいスペースがつぶれたり、相手のバックラインを下げることでウラのスペースも狭くなってしまうので、3トップも含めてバイタルエリアやゴール前へ行くタイミングをできるだけ遅らせることで、自分たちが攻めで使いたいスペースを残しておくことなどがあげられます。
後半29分にGKと一対一になった場面は絶対に決めないといけません、相手をよく見ずに決め打ちしたことでGKの正面にシュートが行ってしまいましたが、キックフェイントを入れてGKが動いた方向と逆のワク内に打つとか、ループシュートを狙うとか、きりかえして相手DFをかわしながらボールを左足に持ちかえて打つなどといった、ゴール前での心の余裕が欲しいです。

原口選手は、MF陣からなかなか良いボールをもらえなかったので苦しんだところもありましたが、何度かシュート場面に顔を出していましたね。ただミドルシュートの精度が低すぎます。自分の狙ったところへ正確にシュートが行くように、必要であれば専属コーチをつけてでもシュート時のキックフォームを1からつくり直す必要があるように思います。

昌子選手はまずまずの出来でした。失点シーンではかぶってしまいましたが、これから実戦経験を積んでいくことで問題なく解決されていくことでしょう。

久保選手は、どういうわけだか疲れているように見えました。昨年11月にやったオマーンとのテストマッチでも、原口選手がどういうわけかヘトヘトに疲れていたのですが、好調だからといってハリル監督が練習のさせ過ぎで、大事な試合前に消耗していなければいいのですが。

        ☆        ☆        ☆

 貴重なテストの機会となったシリア戦ですが、ハリル監督の人選にも問題があって、前半戦はほとんど攻撃を組み立てることができませんでした。

左ウイングに乾選手、右インサイドハーフに本田選手を投入した後半は、中盤で攻撃がちゃんと組み立てられるようになって、あとはゴールを決めるだけというシーンを何度もつくり出すことができたのは収穫でした。

ただ、攻撃の選手全員が相手DFラインのウラヘ一斉に動いてボールをもらおうとしてしまうので、バックラインのウラのスペースを自分たちで狭くして得点しづらい状況をつくってしまう場面もありました。

11人の敵選手を相手ゴール前にはりつけにして、両サイドからクロスを入れまくるというのは、決して良い攻めの形ではありません。

相手4バックの前のスペース、ゴール前のスペースに走りこむタイミングを十分考えながらやって欲しいです。

        ☆        ☆        ☆

 いよいよ13日に迫ったイラク戦ですが、どういう風に戦うべきかについては以前述べた通りです。

スタメンとフォーメーションについては、こんなのはどうでしょうか。

 

                 大迫           

      乾                   久保

            今野      本田     
           (倉田)       

                 山口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島



足の状態に問題が無ければ左インサイドハーフに今野選手、ちゃんと守備をサボらずにやるという条件付きで右インサイドハーフは本田選手です。この2人に山口選手がからんで中盤で攻撃を組み立てて行き、3トップに攻めのパスを配球していきます。

守備時は乾・久保の両選手がインサイドハーフのところまで戻り、4-1-4-1みたいな形で守備ブロックをつくります。

イラク戦に向けた最後の注意点としては、「目の前のプレーに没頭するな、いつもゲーム全体のことを考えろ!」です。

今はゴールが欲しい時間帯なのか、それとも相手から波状攻撃を受けて苦しい時間帯なのか、前者ならボールを奪ったら前へ攻めのパスが必要ですし、後者ならいったんボールをどこかでキープして、味方が呼吸を整える時間をつくって、相手の攻勢を断ち切る必要があります。

今、攻撃や守備が上手くいっているのか、それとも上手くいっていないのか、もし上手くいっていないなら原因は何か? ゴール前へ走りこむタイミングが早すぎていないか、FW全員が一斉にワンパターンで同じ動きを繰り返していないか、 守備ブロックはタテヨコに十分コンパクトになっているか、相手のボール保持者を自由にさせていないか、11人の選手が目の前のプレーに夢中になってしまうのでなくて、つねにゲーム全体の事を考えてプレーできる「ピッチ上の監督」になって欲しいのです。

それができるようになれば、今度のイラク戦で必ず良い結果が得られるはずです。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2017.6.7 味の素スタジアム(調布)

          日本 1 - 1 シリア


        今野 58'      マルドキアン 48'



        GK 川島      GK アルマ

        DF 長友      DF ジェニヤト
           昌子         O.アルミダニ
           吉田         アルサリハ
           酒井宏       アルアジャン

        MF 山口      MF タミル
          (井手口 53)     アルマワス    
           香川         (アルドゥーニ 90+)
          (倉田 10)       Z.アルミダニ
           今野         (ナックダハリ 65)
          (浅野 63)       アルムバイド
                       (アルリファイ 78)
        FW 原口          ユーシフ
          (乾 59)       (ジャファル 90+)
           大迫
          (岡崎 85)   FW マルドキアン
           久保         (アルシュブリ 85)
          (本田 46)



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■シリアとのテストマッチ、課題と収穫

 昨日、日本代表はシリアとのテストマッチを行い、1-1で引き分けました。

シリア代表は、イラク・ヨルダン・中国などでプレーする海外組に国内リーグに所属する選手をあわせたチームで、日本との実力差はホームで日本の勝利、アウェーで引き分け程度と見ていました。

ホームでドローという結果は残念だったのですが、これはあくまでもテストマッチであり、決して良いこととは言えませんが、私はあまり悲観していません。

試合内容は、日本の方に課題がたくさん出たように思いますが、収穫もありました。

        ☆        ☆        ☆

 日本代表の先発メンバーは以下のようなものでした。

 

                大迫           

      原口                  久保

            香川      今野     
           (倉田)        

                 山口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島



 シリアは、立ち上がりからフィジカルコンタクトの強さを生かしてガチガチ体をぶつけながら厳しくプレスをかけてきたので、仮想イラクとして非常に良いトレーニングになったように思いますが、日本は攻めで苦しみましたね。

シリアは日本をちゃんと研究して試合に臨んでくれたようで、大迫・久保両選手がポストプレーをやろうとすると、すぐさま2~3人の選手で取り囲み、前線で基点をつくったり味方にボールを落したりするプレーを徹底的につぶしにきました。

そうしたこともあって、日本は中盤でグラウンダーのパスを中心に、攻撃を組み立てようとしたのですが、選手同士のコンビネーション不足で良いパスがつながらず、前半はほとんどシュートチャンスをつくれませんでした。

これまでハリルジャパンが、浮き球のロングボールを多用したクォリティの低いサッカーをやってきた弊害がはっきりと表れた試合でした。

スタメンのMF陣を見れば、中盤でゲームをつくれそうなのが香川選手ぐらいしかいないのに、開始10分で負傷退場してしまったのは非常に痛かったですね。

代役の倉田選手に期待がかけられましたが、山口・今野両選手がボールを持ってパスコースを探していても、2人から遠すぎるポジションで立ち止まっていることが多かったです。それでは中盤で攻撃を組み立ててパスを3トップに供給することはできません。

そうではなくて、例えば右インサイドハーフの今野選手がバックからパスを受けるために下がり、バックから出たパスが今野選手に向って転がっている間に、倉田選手は次の展開を読んでピッチのやや右に寄り、今野選手の5~7mナナメ前方のグラウンダーのパスが受けられるポジションでサポートしてやり、前を向いた今野選手がダイレクトもしくはワントラップした後タイミング良くパスを出して、今度は倉田選手に向ってボールが転がっている間に、彼をサポートするために久保・大迫の両選手がグラウンダーのパスが受けられるバイタルエリアのポジションに移動、2人のFWのどちらかが倉田選手からのパスを相手4バックの前で受け、DFラインのウラヘ抜けるもう1人のFWのためにスルーパスを出したり、あるいは直接DFラインのウラヘ走りこんで倉田選手からのスルーパスもらってゴールを決めるような、何手先ものプレーを読んだ11人のプレーヤーによる連動性が欲しいのです。

相手の守備陣形を見た瞬間、どのルートを通してボールをバイタルエリアまで運び、最終的にDFラインのウラへ走りこむ味方にパスを通して相手GKとの一対一の形をつくるのか、日本代表の11人が同じピクチャーを頭の中で描くことができるような、共通理解にもとづく連動性です。

こうしたことが自然にできるように、これからも継続して練習していくことです。

ただ、ハリル監督が送り出したMF3人(香川選手を除く)では守備的過ぎて、それをやるにはちょっと荷が重かったかもしれません。

 前半戦で攻撃の形がほとんどつくれなかったことに業を煮やしたハリル監督は、後半からメンバーをガラっと変えました。

後半18分以降のメンバーを見てください。


 
                大迫           

      乾                    浅野

            倉田      本田     
                  

                井手口  
                  

      長友     昌子    吉田    酒井宏
    

                 川島


 後半キックオフから本田選手を右ウイングに入れたのですが、やはり機能せず。

しかし、後半14分に左ウイングに乾選手を入れ、18分に右ウイングに浅野選手を投入して、右ウイングの本田選手を右インサイドハーフにもってきたことで、がぜん日本の攻撃が良くなります。

特に、足元の技術がある乾選手のところで攻撃の基点がつくれるようになり、彼は個の能力でマッチアップしている相手をはがしサイドを崩してシュートやチャンスメークができるので、それが大きかったですね。

やはり「ウイングプレーヤー」というものはこうでなくちゃいけません。

本田選手も、片側をタッチラインで限定されることなくピッチを180°広く使うことができるインサイドハーフのポジションから、攻めで良いパスを何本か出していました。フィジカルコンタクトの強さを生かして相手からボールを奪い返すシーンもありましたね。

私は、もう2年前から「本田選手をボランチにコンバートすべき」と提唱してきたわけですが、今の本田選手には、ボランチやインサイドハーフのようなポジションしか代表で生き残るチャンスはないということが再確認されたと思います。

ただACミランで控え選手としてほぼ1年間ベンチ生活をしていたことが原因と思われる、動きのキレや実戦勘が鈍っていることも感じましたね。

 後半のメンバーで良い攻撃ができたことで、イラク戦に向けて希望が出てきたのですが、相手バックラインを攻略してゴールを奪うための「攻撃の最終ステージ」のところで、日本代表のいつもの悪いクセがまたしても顔を出してくることになりました。それは以下の3点。

(1)3人のFWを中心に、相手DFのウラヘ走りこむタイミングが早すぎ

(2)相手4バックの前のスペースに人が多すぎ

(3)味方のボールホルダーに近づきすぎ

まず(1)についてですが、味方が相手ボランチの前やサイドのスペースでボールを持って前を向くと、こちらのFW全員が一斉にワンパターンの動きで相手のウラヘ走りこんでしまうので、相手4バックもつられてズルズル後ろに下がり、ウラのスペースがどんどん狭くなっていきました。こうなると相手のウラでスルーパスを受けるのが難しくなって逆にゴールから遠ざかってしまうことになります。

スルーパスを受けるためにDFラインのウラヘ走りこむのは、味方が相手4バックの前のスペースでボールを受けて前を向いたタイミングです。焦らなくてもそのタイミングで十分間に合います。

また相手ボランチの前やサイドのスペースで味方がボールを持って前を向いたら、少なくともFWの1人は相手4バックの前のスペースでその味方からパスを受ける動きをすること。

相手4バックの前のスペースでFWなりMFなりがパスを受けて前を向くことができれば、相手DFは必ず大慌てでプレスをかけてきます。そうなると相手のバックラインはジグザグ状態になり、別の味方がオフサイドにならずに相手バックのウラのスペースでスルーパスを受けやすくなるのです。

そのタイミングでDFラインのウラ5mでボールの転がりが弱まるようにポンとパスを出してやれば、味方と相手GKが一対一という形をつくりやすくなります。後はそれを決めるだけ。

日本のFWなりMFなりが相手4バックの前のスペースで味方からパスを受ける前にまわりをよく見ておき、誰がDFラインのウラヘ抜けてゴールを決める役目をするのか確認して、パスをもらって前を向いてから誰に出すか慌てふためかないように準備しておきます。

誰がバックの前で基点をつくってスルーパスを出すのか、誰がウラヘ抜けてボールをもらいゴールを決めるのか役割分担が出来ていないから、ボールをポゼッションする時間が長いばかりでゴールが決まらないのです。そうした役割分担を3人のFW+インサイドハーフ等がゲーム中の局面ごとにアイコンタクトするだけで「感じ合って」できるようにしておくこと。

もともと日本人は仲間が何を考えているのか、その「空気」を読むのが大得意のはずでしょう?

(2)に関しても(1)と同様、得点を焦るあまりゴール前へ走りこむタイミングが早すぎるということです。相手4バックの前のスペースに4人も5人もの味方がひしめいていると、相手選手まで引っ張ってきて攻撃で使いたいスペースをつぶしてしまい、自分たちで相手ゴール前に「2階建てバスを置く」ような状態をつくってしまうことになります。

乾選手がシュートしたら、相手DFじゃなくて味方の選手がナイスクリアしてしまうという場面がありましたが、人がウジャウジャ多すぎるからそうなってしまうのです。

よって相手バックの前のスペースに侵入する味方は多くても3人で十分。

3次予選の開幕戦となったUAEとの試合ほど極端ではなかったのですが、それと良く似たスペースの使い方のミスがこの試合でも見られました。(下図)

バランスが悪い


何度も何度も言いますが、理想的なスペースの使い方はこうです。(下図)


バランスが良い


(3)も、味方のボール保持者に対してわずか1~2mの距離でパスをもらおうとする選手が少なくないのですが、やはり多くの敵選手を狭いスペースへ引っ張ってきてしまい、かえって攻撃しづらくなっています。

日本の選手が狭いスペースでゴチャゴチャとくっついているので、相手の選手1人で日本の選手2人をマークできるようなマズイ状況をつくり出してしまっています。

スイッチプレーのような例外は除き、ボール保持者に対し3m以内に接近するのは極力避けること。5~7mの距離かつグラウンダーのパスを受けられるスペースにポジショニングすることでサポートすれば十分。ピッチを広く使うことで相手も守りにくくなります。

 守備に関しては、失点シーンは個人的なミスが原因でしたが、相手のボール保持者に誰もプレスに行かず、全員がズルズル下がるだけというシーンが見られ、コンパクトな守備ブロックからどういう決まり事でもってプレスをかけて相手からボールを奪い返すのか、もう一度再確認した方が良いです。

ボールを奪いに行って相手に簡単にかわされてしまうシーンも見られましたが、敵ボール保持者に対しての応対の仕方は、失点リスクが高いピッチ中央方向を切ってサイド方向へ追い込むようにしたり、相手の効き足側を切ってボール扱いが苦手な足の方向へ追い込むなどして、「いける」と思ったタイミングでボールを奪いに行きます。

当ブログ関連記事・手倉森ジャパンのリオ五輪・総括(その3)

そして1人がボールを奪いに行ったら、もう1人がカバーのポジショニングを取り、もし1人目が抜かれたとしても、ドリブルで抜きにかかった相手がボールを体から大きく離したりバランスを崩したタイミングで2人目がカットする「チャレンジ&カバー」も欠かせません。

シリアのフィジカルの強さにも手を焼きましたが、フィジカル争いの勝ち方は以前書いたとおりです。

当ブログ過去記事・おめでとう手倉森ジャパン

 選手個々の評価は次回にしましょう。

つづく


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