■日本代表

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■日本代表、欧州遠征は2連敗

 読者の皆様、ご無沙汰しております。

さて、ハリルジャパンの欧州遠征ですが、残念ながら2連敗に終わりました。

ブラジルとベルギーが対戦相手でしたが、ブラジルはドイツ・スペインと共に現時点における世界三強を形成しているというのが当研究所の評価であり、タレントぞろいのベルギーも戦力的に日本より格上なのは明白でした。

ポゼッション(パス)サッカーを信奉している管理人スパルタクですが、今の日本代表がポゼッションサッカーをやってブラジルやベルギーに勝てると無邪気に信じてしまうほどの夢想家ではありません。

ハリルジャパンがカウンターサッカーでブラジル・ベルギーを相手にどれだけやれるかを最大の注目点としてゲームを見ていましたが、2連敗という実力差通りの順当な結果になってしまいました。

 欧州遠征の初戦となったブラジルとのテストマッチは、日本代表の選手たちが悪い結果に終わることを恐れ、弱気で消極的なプレーに終始してしまったことが最大の敗因だったように思います。

試合の立ち上がりは、日本の各選手が相手のボールホルダーに体を寄せ厳しくプレスをかけて、自由に攻撃できないようにしていましたが、ブラジルの選手たちがパスのつなぎをスピードアップさせたりドリブルなどの個の能力によって、プレスをかける日本の選手が1人はがされると、その後方に控える選手たちが相手に抜かれることを極度に恐れ、ドリブルで前進する相手に際限なくズルズルと後退するようになって、ブラジルに好き放題やらせてしまいました。

ネイマールのPKで先制点を奪われると、こうした傾向はもっとひどくなり、堅守速攻どころかブラジルの攻撃をほとんど止められずに次々と失点を重ね、前半でゲームは決まってしまいました。

攻撃面でも日本の選手は失敗を異常に恐れていたように見えます。

マイボールになって、前方にフリーの味方がいるのに、日本のボール保持者は前方へのパスがミスになってブラジルの逆襲を食らうことを恐れているのか、すぐにはタテパスを入れず、モタモタしているうちにフリーの味方がいなくなって、横パス・バックパスに逃げるシーンが目立ちました。

これでは速攻なんて夢のまた夢です。

「相手に抜かれることを恐れ、ひたすらズルズル下がる守備」と、「タテパスがミスになってカウンターを食らうことを恐れ、ひたすら横パス・バックパスに逃げる攻撃」の組み合わせ。

まるで2014年ブラジルW杯におけるザックジャパンのコートジボアール戦・コロンビア戦のVTRを見ているかのようでした。

「ノーリスク・ノーリターン」とか「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なんて言ったりしますが、カウンターサッカーだろうがポゼッションサッカーだろうが、失敗や悪い結果を恐れて選手が攻撃・守備の両面でやるべきことをやらなければ、試合に勝てるわけがありません。

当研究所は、ザックジャパンがブラジルW杯で敗退した最大の原因は、選手たちが失敗を恐れ弱気で消極的なプレーに終始してしまったことだと指摘しました。

(当ブログ過去記事・日本代表のブラジルW杯総括(その1)

ブラジルW杯直後に日本サッカー界で「ザックジャパンはポゼッションサッカーのせいで負けた」とさんざん言われましたが、日本の選手たちにカウンターサッカーをやらせてみても、弱気で消極的なプレーのせいでこういう内容のゲームをやってしまうわけで、改めて当研究所の指摘が正しかったことが証明されたように思います。

どういう戦術を選択するかに関わらず、ミスプレーや悪い結果にビビッてこういう弱気で消極的なサッカーをやっている限り、ロシアW杯での日本代表の成功はあり得ません。

逆に、ブラジルはポゼッションサッカーをやらせてもカウンターサッカーをやらせてもピッチ内の状況に応じた使い分けが見事で、2014年W杯直後に日本サッカー界で言われた、「ブラジルでスペイン代表が敗退したから、ポゼッションサッカーという戦術はもう終わりだ」という主張が今さらながら馬鹿馬鹿しくなるぐらいのクオリティでした。

 続くベルギーとのテストマッチでは初戦の反省が見られ、相手に抜かれることを恐れずに厳しいプレスをかけて相手に自由に攻撃をさせないということがかなり出来るようになりました。

しかし攻撃面で大きな課題が残ったように思います。

ハリルジャパンは、ボールをゴール前へ運ぶ「攻撃の形」やバイタルエリアで相手守備陣を崩してゴールを奪う「得点パターン」といったようなものがほとんど見られず、このレベルの相手と試合をすると、相手が致命的なミスでもしてくれない限り「ゴールの匂い」がほとんどしません。

ロシアW杯アジア予選では、ワントップの大迫選手へロングボールを放り込んで、彼のポストプレーで前線の起点をつくることでボールを相手ゴール前まで運ぶというのがハリルジャパンの数少ない攻撃戦術でしたが、大迫選手といえどもブラジル・ベルギー代表クラスのセンターバックが相手だと、ほとんどポストプレーをやらせてもらえず、攻めの起点をつくるのに苦労していました。

アジア予選でロングボールを多用するクオリティの低い攻撃をハリルジャパンがやってきたツケがここで回ってきたように思います。

この試合ではロングボールを放り込む単調なカウンター攻撃が通用しなかったせいでしょうか、「ポゼッションサッカー」という語が適切でないなら「パスサッカー」で攻撃する場面が少なくなかったのですが、選手同士の連携とかやりたいプレーの共通理解といった面で練習や実戦経験の不足が見て取れ、だったらアジア予選の段階からハリルジャパンが格下相手にこういうサッカーをやっておけば、この試合ではもっと高いレベルのパスサッカーを強豪ベルギーの胸を借りて試せたのにと思いました。

また攻撃面での「核」というか、攻めの中心となってチャンスメークしたりゴールしたりする選手が見当たらないことも気になります。

結局ゲームのほうは、攻撃が機能せず得点を奪うことができないでいるうちにシャドリにドリブルで崩され、最後はロメル・ルカクにきっちり決められて2連敗。

「カウンターサッカーしか戦術の引き出しがないハリル監督は、相手に先制されるとそれを打開する手段を持たない」と当研究所はさんざん言ってきたわけですが、その通りになってしまいましたね。

これは余談ですが、もちろん日本代表を応援して見ていたのですが、改めてデ・ブルイネの上手さ・強さにはホレボレさせられました。ゲームに勝つために一切の無駄をそぎ落とした質の高いプレーの数々を見るたびに、彼の上手さに本当に感心させられます。

 相手が世界の強豪ということもあって、日本人選手はたとえテストマッチでも手を抜かずに全力でプレーしますが、「要領よくやった者の勝ち」という価値観を持つ人たちのほうが世界では圧倒的に多いので、この2試合の結果・内容を額面通り受け取ることはできません。

ブラジルも、ケガを避けながら日本からもらえる高額のファイトマネーをゲットするために、7割ぐらいの力加減でゲームに入り、PKで先制した後はカウンターサッカーに切り替えてかなり流していたように見えました。

ネイマールを下げてメンバーをガラリと入れ替えた後半はなおさらで、「後半だけならブラジルに勝った」なんて何のなぐさめにもなりません。

ベルギーのプレスディフェンスの厳しさや一対一の競り合い・攻撃時のパスワークの速さも、W杯の本番ではこんなものではないでしょうし、テストマッチとW杯の予選・本戦のような公式戦の結果・試合内容は分けて考える必要があります。

ザックジャパンも、テストマッチでオランダに引き分け、ベルギーに勝ったことで勘違いしてしまった面があったように思います。

ハリルジャパンの欧州遠征は、相手との実力差からして「順当」と言える2連敗という結果に終わりました。

本番で好成績を残したいなら、日本代表がたとえ負けてもロシアW杯グループリーグ敗退という実際の痛みをもたらすことがないテストマッチでさえ、必ずしも本気でプレーしていない相手に対して極度に失敗を恐れて腰がひけたような内容の試合をやり、こういう結果に終わってしまったという点について、日本サッカー界は重く受け止めるべきではないでしょうか。

それでは、当研究所は再び冬眠に入ることにします。




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■読者の皆さんへ

 今回は、記事の最後に読者の皆様へ大切なお知らせがありますので、よろしかったらお付き合いください。

それでは最初の話題です。

 前回エントリーのコメント欄に、おそらく日本代表を長く見てきて、サッカーをよく御存じと思われる読者の方から、「ジーコの時はどうだったの?」という非常に鋭いご質問を頂きました。

あの時、当ブログはどんな記事を書いていたかというと、こんな感じでした。


当ブログ過去記事

ジーコ監督の4年間は何だったのか?(その1)

ジーコ監督の4年間は何だったのか?(その2)

ジーコ監督の4年間は何だったのか?(最終回)


ジーコジャパン時代(2002年7月-2006年6月)に一体どんなことがあったのか、リアルタイムで見ていない代表サポも多くなったんじゃないかと思いますので、ざっと振り返ってみます。

八百長という手段を使わずに2002年W杯で日本サッカー史上初となるベスト16進出に成功したトルシエジャパンは、決して悪い結果ではなかったのですが、大会後に激しい批判が巻き起こります。

その先頭に立ったのが、「私をキャプテンと呼びなさい」と皆に命じた「絶対にその名を口にしてはいけないあの人」で、「トルシエの組織サッカーは代表選手をがんじがらめにし、個性をつぶした」と全否定し、彼が独断で次期代表監督に指名したのが、「個の自由に基づくサッカー」を提唱するジーコでした。

アンチェロッティのミラン、ライカールトのバルサ、モウリーニョのチェルシー、ベニテスのリバプールなど、選手個々の能力が高いのは当たり前、それを優れた戦術でいかに高いレベルのチームとしてまとめあげていくかという争いが、世界のサッカー界の頂点で繰り広げられていたその時、日本サッカーはそれに背を向け、正反対の方向へと突き進んでいくことになります。

そうした意味において、当時の日本サッカー界はまさに「狂気の時代」で、深夜にやっていたサッカー番組でも、マリノス出身の解説者が「神様ジーコ」が提唱する「個の自由」を何度も絶賛していましたし、UEFAチャンピオンズリーグの中継を見ていても、後に水色のJリーグクラブで監督をすることになる解説者が「やっぱり最後に問題を解決するのは個の力なんですね」と力説していました。

「日本人選手が自分の頭で考えて正解を導き出すことができるようになれば、日本サッカーはもっと強くなる」という理由で、ジーコ監督は代表選手に必要最低限の指示しか出さず、あとは自由放任で好き勝手やらせるという指導法が取られたのですが、リンク先の記事に書いてある通り、それはあまりにも非現実的な理想論であり机上の空論そのものだったのです。

当時は代表選手の多くがJリーグでプレーしていましたし、中田英寿選手や中村俊輔選手など少数が欧州でプレーしていたものの、彼らだけでミランやバルサでやっている当時最先端の戦術に対抗できるオリジナルのものを考え出すことなんて、どだい不可能なことでした。

ジーコは、自分がプレーした1982年スペインW杯当時のセレソンが使っていた中盤を台形にした4-4-2で、選手ひとりひとりが瞬間的なひらめきで攻撃も守備もやる“フッチボウ・アルチ”(芸術的サッカー)をやらせたかったようですが、選手たちの希望でトルシエ時代から慣れ親しんできた3-5-2が多く使われるようになります。

しかし初めから意図したものだったとは思えませんが選手たちが「自分の頭で考えた」結果、“フラットスリー”に代表されるトルシエ時代のゾーンで守る3-5-2から、対戦チームのフォーメーションとのかみ合わせでマッチアップする相手にこちらの選手を当てはめて守備をする、1980年代のようなマンマーク・ディフェンスぎみの3-5-2へと流されていきました。

この時代、欧州では10人のフィールドプレーヤーでコンパクトな守備ブロックをつくり、相手が使えるスペースを限定する組織的なゾーンディフェンスが高度な発展をとげていきましたが、日本サッカー界にゾーンディフェンスの導入が遅れた元凶は、このジーコジャパンにあったと思います。

(代表に本格的なゾーンディフェンスが導入されるのはその8年後、南アフリカW杯直前の岡田ジャパンから)

では選手たちに「個の自由」を与えた結果、日本代表の攻撃はどうなったかというと、ボールの出し手と受け手しかサッカーをやっておらず、それ以外の選手は足を止めてひたすらボールウオッチャーになっていて、ボール保持者はパスコースが無いので、前線の2トップへバックからロングボールをひたすら蹴りこむということを繰り返していました。

(あれ? 最近こういうサッカー、どこかで見たような)

こういう「個の能力頼み」のサッカーは、当時の日本代表のような「個の能力が低いチーム」には最悪の組み合わせであり、ジーコジャパンは当然のように、一番大切な舞台で間違った戦術を選択をした「罰」を受けることになります。

2006年ドイツW杯の初戦では、ダラーッと間延びしたマンマークぎみの3-5-2というジーコジャパンの弱点をオーストラリア代表のヒディンク監督に見抜かれ、ロングボールを1トップのビドゥカに当てて、日本の3バックの前方に大きく空いているスペースに彼がボールを落とし、それをキューウェルら2列目が拾ってという攻撃で防戦一方となり、相手のミスで先制したものの最後の最後で守り切れず大逆転負け。

ジーコが事実上、監督としての仕事を丸投げしていましたから、「俺はスタメンで使ってくれなければ、やる気が出ない」などとふざけたことを言い出す主力選手が続出して、チーム内は無秩序状態に陥っていました。(いわゆる腐ったミカン問題)

そこで中田英寿氏が、練習や試合でチンタラやっている味方にカツを入れる「ピッチ内の監督」みたいな役割を引き受けざるをえなくなったのですが、たぶんチームメートから「同じ選手の立場のくせにエラそうに」という反発があったんだと思いますが、中田選手がどんどん孤立していき大会中にチームは空中分解。

大敗を喫したグループリーグ最終戦のブラジルとのゲームの後、ドルトムントのジグナル・イドゥナ・パルクのピッチで仰向けになって寝ながら涙を流す中田選手に、チームメートの誰も近寄らなかったことがそれを象徴していました。

結局ドイツW杯の日本代表は、壊滅的な敗北に終わります。

ジーコジャパン時代というのは、せっかくトルシエジャパンまで強化がうまく行っていたのに、「個の自由」という妄想に憑りつかれた日本が世界のサッカーの進化からどんどん引き離されていった「失われた4年間」でした。

ジーコは、住金サッカー部を日本を代表する強豪クラブに育て上げた功労者であることは間違いありませんが、プロ監督としてはまったくの素人であり、一種の「ハロー効果」で日本サッカー界が「サッカーの神様と言われた名選手だから名監督になるだろう」という錯覚を持ってしまったことが、あのような悲劇を招くことになってしまいました。

当ブログも、「個の自由」ではドイツW杯で勝てないことはわかっていたので、「ジーコジャパンはこのままではダメだよ」という記事を書き続けていたのですが懸念した通りの結果に終わり、当時は「これから失敗することがほぼわかっているのに自分ではどうすることもできない」というもどかしい気持ちでいっぱいでしたね。

前述したように本格的なゾーンディフェンスの導入が遅れるなど、日本サッカー界はその後も長く「組織戦術は個性をダメにする」というジーコジャパン時代の負の遺産を引きずり続けることになるのですが、それが「個の能力を高めるべきか、チームの組織力を高めるべきか」という不毛な論争につながっていきます。

当研究所は「サッカーはチームスポーツなのだから個の能力も組織力も両方高めるべきであり、個の能力を引き上げるのは時間がかかるから、その間は組織力を高めてカバーすべき」という考え方でした。

ところがサポーターも含めた日本サッカー界では、「0か1か」「白か黒か」「個か組織か」という1ビットしか脳ミソの処理能力がない人がいて、サッカーブログ界隈でも「チームの組織力で個の能力の低さをカバーすることはできない。だから個の能力が低いチームは、高いチームに絶対に勝つことはできない」という主張が多かったように思います。

もちろん個の能力が高いに越したことはないのですが、南アフリカW杯での岡田ジャパンは組織的なゾーンディフェンスで、インテルミラノのエトオ・マジョルカのウェボ・トットナムのアスエコトらを擁するカメルーンや、アーセナルのベントナー・フェイエノールトのトマソン・ユベントスのC.ポウルセンらを擁するデンマークの攻撃をしのいで勝つことで、そのような主張は間違いであることが改めて証明されるわけですが。

今も、「カウンターサッカーかポゼッションサッカーか」という「0か1か」の不毛な議論があり、ブラジルW杯以降「カウンターが善で、ポゼッションは悪」と主張する人がこの日本で大変多くなりました。

当研究所は「ポゼッションもカウンターも必要であり、シチュエーションごとに適切に使い分けるべき」という考え方なのですが、「カウンターサッカーが善で、ポゼッションは悪」と考える1ビット脳の人は、自分と違う考え方を持つ人間も全員1ビット脳なんだから「ポゼッションが善でカウンターは悪と考えている」と思い込んでいるようで、「0か1か」以外に「00も01も10も11も110101という選択肢もある」ということが全く理解できないようです。

つまり「ポゼッションもカウンターも必要であり、シチュエーションごとに適切に使い分けるべき」という考え方が。

同じカウンターサッカーをやるにしても、ロングボールをひたすら蹴りこむのではなくて、ボールを奪い返したら相手の守備の薄い方へ薄い方へとグラウンダーのパスをつないで、最後はスルーパスを通してGKと一対一の形をつくってゴールをあげるコレクティブカウンターという頭を使った戦術もあるのですが、今の監督さんの能力では無理みたいです。

これは余談なんですが、キャンプ地選定の失敗から始まったザックジャパンの敗退、開幕試合のブラジル対クロアチア戦での日本人主審による「誤審」騒動など、日本サッカー界にとって2014年ブラジルW杯は「地の利が無かった」というか、ひたすらツイていない踏んだり蹴ったりの大会になってしまいました。

実は大会直前に「絶対にその名を口にしてはいけないあの人」が久しぶりにテレビに出てきて、「自分がジーコを代表監督にしたのは間違っていなかった」みたいな大嘘を言っていたので、それを聞いた(アルトゥール・アントゥネス・コインブラ氏ではない方の)サッカーの神様がお怒りになり、日本サッカー協会にバチが当ったのだろうか?と今もひそかに思っています。

 それでは最後に読者の皆様へお知らせです。

2005年2月に行われたドイツW杯アジア予選の対北朝鮮戦から、2017年9月のロシアW杯アジア予選のサウジアラビア戦まで足かけ12年以上に渡って、日本代表の全ての試合のレビュー記事を書き続けてきましたが、しばらくブログの更新をお休みします。

その理由は、ハリルジャパンがやっているロングボールを前へひたすら蹴りこむ「頭の中まで筋肉」みたいなサッカーが、私にとって「娯楽」ではなく、見ているのがつらい「苦行」そのものだからです。

本当は、「バイタルで香川選手がボールを持って前を向くと、相手DFラインの背後へ左ウイングの乾選手がダイアゴナルラン、相手バックは前へ出てボールホルダーである香川のパスコースを消すか、それともウラヘ抜ける乾へついて行くか一瞬迷ったところで香川からスルーパスが出て、それを受けた乾がGKとの一対一を冷静に制してゴール!いやあ日本代表の攻撃はレベルが高かったですね」みたいな解説記事をいっぱい書きたいんですよ。

しかし現実は、ロングボールをひたすら前へ蹴って相手バックにヘッドでクリアされ、またロングを蹴って相手にクリアされ、ウラヘ抜ける浅野選手へロングを放り込んでもボールに追いつけず相手のゴールキックになり、またロングを蹴って相手バックにヘッドではね返されという作業をひたすら繰り返すだけというハリルジャパンの稚拙なサッカーは見たまんま。

それ以上解説のしようがありません。

昨年10月のイラク戦あたりから、ロングボールをひたすら前へ蹴りこむハリルジャパンの「タテポンサッカー」がひどくなったように思いますが、ドローに終わった今年6月のイラク戦で我慢の限界に近づき、先月5日にポゼッションサッカーのサウジにタテポンサッカーの日本が敗れたことを告げる試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、私の心の中で何かが大きな音を立ててポッキリと折れたような気がしました。

正直言ってサウジ戦のレビュー記事を書きあげるのもやっとのことだったのです。

自分や日本サッカー協会を批判する記事を書いた記者を全員現場から締め出して岡野俊一郎さんから苦言を呈されていた「例のあの人」もそうなんですが、「応援の反対は批判である。だから一切の批判を許さない」みたいな勘違いをしている人が少なくありません。

そのチームなり選手なりを応援していて、もし悪い点があればこうすれば改善されるんじゃないかと思うからこそ批判するのであって、応援の反対は批判ではありません。無関心です。

プロサッカーのような娯楽産業が、観衆から批判されなくなったらおしまいです。

どっかの代表監督も、サッカー記者が自分を批判したという理由で「これからも監督を続けるかわからない」などと突然言いだし、W杯出場が決まった試合の記者会見をボイコットしていましたが、記者から批判されたという理由でいちいち辞任していたら、マルセイユやパリサンジェルマンなんか1年間で365人の監督が必要になります。

ハリルジャパンのサッカーをレストランの料理に例えれば、確かに炭水化物やタンパク質のような最低限の栄養素(W杯アジア予選突破)が含まれているのですが、私にとっては激マズでこれまで完食するのがやっとでした。

料理には、ドイツ・イタリア・スペイン・イングランド・ベルギー産の高級食材(選手)が使われているのですがね...

「ともかくボールがゴールに入りさえすればいい。サッカーは勝てばいいんだよ勝てば」という人にとってはそれで十分ハッピーなのかもしれませんが、もちろん栄養(試合に勝つこと)も大事ですけど、私は食事に味の良さも求めそれを楽しみたいのです。

「味の良さ」とは、選手個々の高い技術であったり、考え抜かれたチーム戦術の見事さであったり、それがサッカーというスポーツが持っている本当の楽しさだと私は考えています。

これからもテレビの前から日本代表を応援し続けますし、ロシアW杯で良い成績をあげることを祈っておりますが、再び「記事を書きたい」と思える試合を見る日が来るまで、代表戦レビュー記事の更新を一旦お休みします。

もしかしたらそれは来月かもしれませんし、来年かもしれませんし、現時点では何とも言えないのですが、気が向いたらJリーグや日本のユース代表の話題を取り上げて、どうしたら日本サッカーはもっと強くなれるのかを提案する記事を書くかもしれませんので、その時はよろしくお願いします。

それではひとまず、ブログをお休みすることにします。

長い間ご愛読頂きましてありがとうございました。

            国際サッカー戦略研究所所長・スパルタク




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↑これまで応援ありがとうございました。



  

■ハリルホジッチ監督の采配はどうだったのか?

 (日曜に急な仕事が入ったので記事の作成が遅れました。スミマセン)

 今回はかねてからのお約束通り、ロシアW杯アジア3次予選におけるハリルホジッチ監督の采配がどうだったのか、その評価をしたいと思います。
 
 本題に入る前に、日本がロシア行きを決めた今月のオーストラリア戦直後に、それまでハリル監督を批判していたマスコミに対し「手のひら返しだ」という逆批判が多くのサポーターから巻き起こりましたが、

手のひら返しで「当たり前さね!!!」

(某空中海賊の船長の声で脳内変換されてしまった...)

サッカー批評というものは、監督なり選手なりチームなりを、1試合ごとに客観的事実にもとづいて評価し、どうしたらより良いサッカーができるのかを提案していくものであって、監督が悪い采配をしたら批判し、次の試合で好采配を見せたら「手のひら返し」で評価するのは当たり前。

2010年W杯が終わったあと「岡ちゃんゴメン」とか言っているサポーターにも違和感を持ちましたが、「手のひら返し」「岡ちゃんゴメン」などと言っている人は、監督や選手を「好き」という感情で100%支持するか、「嫌い」という感情にもとづいて全否定するかして、「○×が代表監督をやっているかぎり絶対に勝てるor勝てない」という考え方をしているのだと思います。

だからそういう人たちは、その監督が就任してから辞任するまで「良い監督」あるいは「悪い監督」と一貫して同じ評価をし続けなければならないと思い込んでいるのでしょうが、それはサッカー批評ではありません。

「ロシア行きを決めた試合が素晴らしかったから、これまでハリル監督がやってきたことすべてが正解だったんだ」という考え方は、間違いです。

当研究所は、特定の監督や選手をひたすら崇拝するのではなくサッカー批評をするブログですので、お間違えのないようお願いします。

 それではW杯アジア3次予選のハリル監督の采配を大学の成績評価風に、優(80点以上)良(70点以上)可(60点以上)不可(59点以下 落第)で評価するなら、条件つきで「可」です。

なぜ「条件つき」かはあとで述べることにしますが、一つのサッカーチームが勝ったり負けたりするのは監督の采配(戦術の選択や選手の起用法)というたった一つのことが原因ではありません。

そのチームに所属する選手の能力レベル・選手のコンディション・試合をするスタジアムの環境などいくつもあげられます。

ではW杯アジア3次予選グループBの6ヵ国について、各代表選手の能力レベルを比較してみましょう。


 サウジアラビア サウジリーグのオールスターチーム

 オーストラリア イングランド・ドイツ・中国などでプレー

 UAE UAEリーグのオールスターチーム

 イラク 国内組を中心にイタリアやUAE・サウジなどでプレー

 タイ タイリーグのオールスターチーム

これに対して、日本代表を率いるハリルホジッチ監督に与えられた選手は、ブンデス・プレミア・セリエA・リーガエスパニョーラ・リーグアン・ベルギーリーグ等でプレーしています。もちろんJリーグ組もいます。

もしこの6ヵ国を率いる監督さんの能力がすべて同じだったとしても、トップ通過して当たり前の戦力をハリル監督は任されていたと言えます。

ところが、タイに2勝は当然としても、サウジ・UAE相手に1勝1敗、イラクとも試合内容からして2引き分けも同然、オーストラリアに1勝1分が唯一の救いだったわけで、ハリル監督はライバルより優れた戦力を与えてもらっているのに、アジア各国とほぼ互角の勝負を演じてしまっており、監督としての能力に疑問符がつく結果となりました。

最終的にグループ3位に落ちてプレーオフに回ったオーストラリアにしても、今は欧州4大リーグの2部クラブでプレーする選手が多く、リバプールのキューウェルなどプレミアでプレーする選手中心に固められていた2000年代よりも選手が小粒になったように思います。

そのオーストラリアが過大評価されてしまったのは、代表戦を中継したテレビ局が「W杯の予選で日本はオーストラリアに勝ったことがありません」と、盛んに危機をあおったせいでしょう。

「オーストラリアは楽勝の相手です」と言ったんでは、視聴率が取れないからです。

「数字は嘘をつかないが、嘘をつく人間は数字を使う」とは良く言ったもので、これも一種のフェイクニュースだと思います。

確かに数字の上では予選で勝った経験はありませんでしたが、「だから日本はオーストラリアより格下だったんだ。それをハリルジャパンが勝って、初めて日本がオーストラリアの上に行く歴史をつくったんだ」と言えば、それは嘘になります。

2006年以後に限って言えば、アジアカップ2007の準々決勝でPK戦の末オシムジャパンがオーストラリアを破っていますが、2010年南アフリカW杯アジア予選までは、オーストラリアの方が日本より力関係は上だったと思います。

しかし南アフリカ以後、オーストラリアの世代交代失敗が明らかになる一方、本田・長友・香川らの世代が台頭した日本がアジアカップ2011の決勝でオーストラリアを1-0でくだし、アジア最高となる4度目の優勝を飾りました。

「日本とオーストラリアの力関係が逆転するという歴史」をつくったのはまさにこの時であって、それを「報道しない自由」を行使してアジアカップ2011のデータを一切サポーターの目に触れないようにしながら、視聴率をあげるために危機感をあおるだけあおっていた某テレビ局の罪は重いと言えます。

ブラジルW杯アジア最終予選でもオーストラリアと当たりましたが、H&A2試合とも、ポゼッションサッカーで攻める日本に対し、オーストラリアが「弱者のカウンター」で対抗する展開となり、アウェー戦では先制したもののウッチーがもったいないPKを取られ、あともう一歩のところで勝ち切れず、ホームゲームはザックジャパンがちょうど不調の時期に入っていたこともあって2引き分けに終わりました。

データの上では、今回初めて日本がオーストラリアにW杯の予選で勝ったことになりましたが、オーストラリアは以前よりも選手が小粒になっており、日本人選手とのレベルの差を比べれば、日本の勝利はある意味自然だったように思います。

「歴史をつくった」というのは大げさで、テレビ局の宣伝に乗せられすぎです。

 それでは「どうしてここまで日本代表はロシア行きに苦しんだのか」と言えば、原因は3つあると思います。

(1)ハリル監督の選手起用法が適切でない

(2)ハリル監督の戦術が適切でない

(3)ハリル監督は、同じ失敗を何度も繰り返し、学習能力が低い

(1)に関して言えば、ハリル監督は代表各選手の特徴、長所・短所、選手間の優劣を見抜く能力が低く、それゆえチームが機能するように選手を適材適所のポジションに配置することができません。

予選の前半は、高齢化で能力が低下していたり不調に陥ったりしていた本田・岡崎・香川選手らベテラン勢の起用にこだわり、初戦のUAE戦で負け、次のタイ戦にはどうにか勝てたものの、ホームのイラク戦はあともう少しで致命的な引き分けとなるところでした。

サウジをホームに迎えた第5戦で、ようやく清武・大迫選手らロンドン世代を攻撃の中心にすえて勝利を収めることができたのですが、ハリル監督はその選手がプレーしているクラブの「格」で誰を起用するか決めて、新しい選手を起用して失敗することを極度に恐れていたように見え、慎重を通り越して臆病という表現がピッタリでした。

2次予選の段階から、ハリル監督が若手に適切なアドバイスと出場チャンスを与えていれば、宇佐美・浅野・武藤・小林祐希・昌子・植田選手なども、もっと早いスピードで成長し、クラブでも代表でもしっかり実績を残していたはずです。

香川・清武という現世代で最も才能のある選手をハリル監督が使いこなせていないことも大いに問題です。

(2)については、ハリル監督がたった一つの戦術しか使えないことに問題があり、守備戦術は、マークの受け渡しはするものの、フォーメーション上マッチアップする相手にこちらの選手をハメていく、ほとんどマンマークに近い「デュエル」、

攻撃戦術は、バックから前線へ浮き球のロングボールを放り込ませて、FWにポストプレーをさせるか、相手のウラでボールを受けろとひたすら指示する「タテに速い攻撃」です。

守備はともかく、このような攻撃戦術では、相手に引かれてウラのスペースを消されると、とたんに機能しづらくなります。

実際2次予選のシンガポールやカンボジアとのゲームで、相手に「自陣に引いてカウンター」というサッカーをやられて大苦戦したわけですが、3次予選になってもハリル監督は「タテに速い攻撃」が通用しなかった場合に備えた「プランB」を考えておかず、H&Aのイラク戦2試合や、アウェーのサウジ戦のように、相手に先制されたり同点に追いつかれたりして、こちらがどうしてもあと1点取らないといけないという場面で得点力不足に苦しむ原因となっています。

要は、戦術の使い分けが全然できていないということです。ロシア行きを決めたあと、マスコミが「ハリル監督はカメレオンのように戦術を変える」と高く評価していましたが、これについては最後に述べます。

ともかく、ハリルジャパンは攻守にわたってチーム組織のレベルが低く、ただ11人の選手をピッチ上に並べて、あとは選手個々の能力で攻撃も守備も何とかしろという色合いが濃い、選手の能力が高いおかげで勝てているサッカーで、監督の貢献度は極めて低いと思います。

ハリル監督の采配面でもう1点だけ付け加えるとすれば、アウェーのオーストラリア戦とH&Aのイラク戦なんかが典型的なんですが、日本代表は選手の能力が高いので前半の比較的早い時間帯にゴールをあげられることが多いです。

ところが先制したとたん、ハリル監督から「自陣に引いてロングボールを放り込め」という指示が出ると、日本の選手が気持ちで守りに入ってしまい、消極的なプレーで相手に押し込まれる一方となって最後には同点に追いつかれるというパターンが多かったですね。

こういう消極的で臆病すぎる采配も、今回の予選でなかなか良い結果が出ずに日本が苦しんだ原因となりました。

最後の(3)についてですが、どんな名監督でもミスはあるのですが、ハリル監督は同じミスを何度も繰り返し、学習能力というものがあるのか疑問に思うこともしばしばでした。

初戦のUAE戦で、右ウイングにスピードに劣る本田選手を入れ、ポストプレーができない岡崎選手をワントップに入れ、不調に苦しむ香川選手をトップ下で起用して負けるという結果に終わったわけです。

普通の監督さんならもう同じ失敗は繰り返さないはずですが、性懲りもなく第3戦のイラク戦で本田選手を右ウイング・岡崎選手をワントップで使い、あともう少しのところで引き分けるところだったのです。

当研究所は反対ですが、どうしてもベテラン中心のチームをつくりたいならフォーメーションを4-2-3-1から別のものに変え、本田・岡崎選手のプレースタイルに合った別のポジションで起用するなど、いくらでもやり方はあったはずなのですが。

サウジとの第5戦以降、大迫や清武・久保選手ら若手に切り替えて良い結果が出たのに、イラクとの第8戦で再び、右ウイングに本田選手を起用して痛い引き分け、最後のサウジ戦にも機能しないと初めから分かり切っているのに、本田選手を右ウイング・岡崎選手をワントップで使って完敗を喫するなど、ハリル監督に学習能力というものがあるのでしょうか。

 「いや、ロシア行きを決めたオーストラリア戦はハリル監督の采配がバッチリ決まったじゃないか」という反論が、多くの人から返ってきそうです。

確かにホームでのオーストラリア戦は3次予選におけるハリルジャパンのベストゲームだったと言えます。アウェーのUAE戦は、その次に内容の良い試合だったように思いますが、この2試合って本当にハリル監督の戦術で勝ったのでしょうか。

3月のUAE戦は、今野・香川(後半から倉田)の両インサイドハーフがハイプレスをかけ、ボールを奪ったら大迫・久保・原口の3トップ中心にショートカウンターで攻めて2-0で勝ったゲームでしたが、「こういうサッカー、どこか別のチームで見たような?」という既視感が私にはありました。

W杯行きを決めたオーストラリア戦でも、アンカーの長谷部選手が攻守でバランスを取りつつ、井手口・山口の両インサイドハーフでハイプレスをかけ、ボールを奪ったら大迫・乾・浅野の3トップ中心にショートカウンターで相手を攻めて、やはり2-0で勝ったのですが、この試合を見て「疑惑」は「確信」に変わりました。

「これは今シーズン序盤のガンバ大阪の戦術じゃないか」と。

3バック・2トップ(ガンバ)と4バック・3トップ(代表)の違いこそあれ、ボール奪取力に優れるインサイドハーフでハイプレスをかけ、ボールを奪ったらショートカウンターで相手を攻めてゴールをあげることは共通しています。

オーストラリア戦では、アンカーの遠藤選手の役割を代表では長谷部選手が果たし、今野(井手口)・倉田選手の両インサイドハーフの役割は、そのまんま井手口選手と山口選手が果たしているわけです。

こう考えると、なぜハリルジャパンの戦術がカメレオンのように変わるのかが一発でわかりますよね。

UAEやイラクに取りこぼすなど低迷するハリルジャパンにとって、前半戦のヤマ場はアウェーのオーストラリア戦であり、後半戦のヤマ場はアウェーのUAE戦とホームのオーストラリア戦だったわけです。

そして苦しむハリルジャパンがヤマ場を迎えるたびにガンバ出身の西野技術委員長が助け舟を出して、誰を代表に呼ぶかも含め、手取り足取りハリル監督に試合に勝つための戦術を教えてあげていたのではないかという疑惑が浮上してくるわけです。

ちなみにアウェーのオーストラリア戦は、ゾーンで守ってカウンターというサッカーでしたが、これはリオ五輪の手倉森監督(現代表コーチ)の戦術そっくり。

W杯アジア3次予選のハリル監督の采配を「条件つきの可」と評価した理由はまさにこれで、もしハリル監督が自分の実力で予選突破を決めたのでなく、ガンバ大阪の長谷川健太監督の答案を「カンニング」して試験にパスしたのだとしたら「退学処分もの」、つまりクビです。

外国から代表監督を招聘するのは、欧州を中心とした先進的な戦術を日本に導入するという重要な意味があるのであって、その外国人監督がJリーグクラブの戦術を丸パクリして試合に勝ったのだとしたら、高いカネを払ってそもそもそんな人を連れてくる理由があるのでしょうか。

オフトからアギーレまで、いろんな外国人監督を代表戦で見てきましたが、こういう人はちょっと記憶にありません。

これからロシアW杯まで8か月あまりの準備期間があるわけですが、西野さんを含む日本人スタッフの助けを一切借りずに、ハリル監督と彼が連れてきたコーチ陣だけで代表戦の指揮を取らせて初めて、「カンニング」抜きの本当の実力がわかるのではないでしょうか。

それでダメだったら躊躇なく解任すべきです。

日本サッカー協会(JFA)は、もしハリル監督が途中解任されたら後任にル・グエンを考えていたという一部報道がありましたが、彼はやめておいた方が良いと思います。

彼は南アフリカW杯でカメルーンを率いていましたが、インテルのエトオやトットナムのバソング・アスエコトなど、岡田ジャパンよりはるかに能力の髙い選手を任されていたのに負けてしまいましたし、その後オマーン代表を指揮していた時はなおさら、ザックジャパンにコテンパンにやられていた記憶しかありません。

個人的には、東京ベルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が、もっと正確に言うと、彼のアシスタントであるイバン・パランコ・サンチアゴコーチが気になっています。

カタルーニャ人の彼はバルサファミリーの一員で、守備的なサッカーが得意なロティーナ監督に、攻撃面でアドバイスをしているそうで、ロティーナ監督も「非常に助かっている」と高く評価しています。

まだ若くて監督の経験は無いみたいですが、「彼に日本最高の選手を与えたらどんなサッカーをやるだろうか」という興味があるのです。

もしイバンコーチだけでは経験面で不安があるなら、西野さんがロティーナ監督とセットで面接して、「日本代表を、ポゼッションサッカーとカウンターサッカーを適切に使い分けることができるチームにして欲しいのですが出来ますか?」と質問して、西野さんが納得できる答えが返ってきたら、東京ベルディの社長さんにお願いして招聘してみてはどうかと思います。

この夏に、かつてベローナを指揮していたマンドルリーニ氏が来日して自分を売り込んでいましたが、スペインやイタリアなどの欧州4大リーグで実績を残してきた監督さんが日本サッカー界に売り込みをかけるケースが増えており、JFAもしっかりアンテナを張っておいた方が良いです。

 というわけで、ハリル監督の3次予選の采配を再評価してみました。

日本代表が予選敗退をしなくて本当に良かったと個人的には思っていますが、ロシアW杯に向けてのワクワク感は正直ありません。

今のところハリルジャパンは、「攻めすぎ」という相手の失敗にツケこんで勝つ、受け身な「カウンターサッカー」という戦術しかできないチームです。

これは2010年南アフリカW杯に出場した岡田ジャパンが「いつか来た道」を、もう一度たどろうとしているのであって、運が良ければベスト16まで行けるかもしれませんが、日本サッカー界にとってそれ以上の意味合いは無いと思います。

ベスト8以上に行けば、何らかの意味が生まれるかもしれませんが...。

ハリルジャパンのサッカーをフィギアスケートに例えれば、失敗する可能性の高い4回転ジャンプ(ポゼッションサッカー)は一切ナシにして、3回転ジャンプだけの演技(カウンターサッカー)で手堅く得点を稼いでオリンピック(W杯)に勝とうとするようなものです。

2014年ブラジルW杯でザックジャパンが4回転に挑戦して転倒してしまったことにコーチ陣(JFA)がビビッてしまったからですが。

そして五輪のアジア選考会(W杯アジア予選)においてオーストラリアは4回転ジャンプで転倒して3位に終わりましたが、サウジは成功させて最後に銀メダルを取りました。

4回転に成功する資格は、4回転にチャレンジし続けた者だけで与えられるのであって、失敗を恐れて困難なチャレンジから逃げようとしているハリルジャパンがロシアで手堅く高得点をまとめたとしても、後に残されるのは3回転しか飛べない選手たちです。

それが本当に日本サッカーのためになるのでしょうか。

ザックジャパンのポゼッションサッカーはアジアレベルでは大成功だったのですから、アウェーのオーストラリア戦は別としても、今回の予選も基本的にポゼッションサッカーで行ってロシア行きの切符をゲットし、W杯本番までのテストマッチで、自分たちより強い相手に最低限でも引き分け、あわよくば勝ちを狙うカウンターサッカーをトレーニングすれば良いというのが私の考えでした。

興味深かったのはこの予選のラスト2節で、オーストラリアは「守ってカウンター」で日本と引き分け、最後のタイ戦に勝てばダイレクトでロシアへ行けたのに、ポゼッションサッカーというたった一つの戦術しかできなかったためにプレーオフに回り、カウンタ-サッカーというたった一つの戦術しかできないハリルジャパンは、最終節でポゼッションサッカーのサウジに先制され、相手が1点を守り切るために自陣に引いてカウンター戦術に転換すると、手も足も出ないまま敗れ去りました。

日本ではいまだに「カウンター」か「ポゼッション」かという、ゼロサム理論でしかサッカーを考えられない人が多いのですが、たった一つの戦術しかできないチームは、それ自体が弱点となるということが、改めて証明されたのではないでしょうか。

サッカーの面白さって、技術や知恵(戦術)でどうやって相手に勝つかというところにあるんじゃないかと思うのですが、ハリル監督の指示でロングボールを前へひたすら蹴りこむ「頭の中まで筋肉」みたいなサッカーが始まると、私にとっての代表戦は「娯楽」ではなく、耐えがたい「苦行」そのものになります。

最近、自分の限られた余暇の時間を日本代表観戦に費やすのが疑問に思えるようにさえなりました。

3度のメシよりサッカーが好きで、奇しくも1990年北京アジア大会の日本VSサウジから代表戦をずっと見てきた私を、たった2年間でそう思わせるようになったハリルホジッチ監督おそるべしと言わざるを得ません。



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