■日本代表

■日本代表、サウジに完敗

 ロシアW杯アジア予選の最終戦がサウジアラビアのジッダで行われ、日本はサウジに0-1で敗れました。

対戦相手のサウジ代表は、全員が国内リーグでプレーしています。日本との実力差は、日本のホームで日本の勝利、アウェーで引き分け程度と見ていました。

W杯本大会を見据えれば、ここで勝利してこそチームの成長があるのであって、日本代表選手はブンデス、プレミア、ラ・リーガ、セリエAなどでプレーしている以上、最低でも引き分けにはしておかないと。

そうした意味で、敗戦という結果はあってはならないものでしたし、試合内容も最悪だったと思います。サウジ相手に結果も内容も屈辱的な完敗でした。

それでは試合内容を詳しく見ていきます。

        ☆        ☆        ☆

 この試合の勝敗を決定づけた最大の要因は、ハリルホジッチ氏とファンマルバイク氏の、長期的なチーム強化のプランづくりや適切な戦術・選手のチョイスを含む「プロサッカー監督としての能力差」だったと思います。

前半は、ポゼッションサッカー(パスサッカー)で攻めるサウジに対して、オーストラリア戦のようなハイプレスではなくチーム全体をやや引き気味にして、そこから“デュエル”を仕掛ける日本がボールを奪い返すと、“タテに速い攻撃”で反撃する展開となります。

しかし日本は、選手間に連動性が欠けておりパスがなかなかつながらず、質の高いゴールチャンスをつくることができません。

またしてもまたしてもまたしても右ウイングで起用された本田選手が、相手のサイドを攻略できないばかりか、サウジの選手にチョンと足を出されるとたちまちボールをロストして反撃を食らうシーンが二度三度と目立ちました。

中盤においてパスで攻撃を組み立てられないハリルジャパンがボールを相手ゴール前へ運ぶほぼ唯一の手段は、大迫選手へのロングボール&ポストプレーなわけですが、この日センターFWに入った岡崎選手はそういうプレーがほとんど期待できません。

気温32℃の猛暑では90分間プレーが続かないと見たサウジは「前半は0-0でOK,後半に勝負をかける」というゲームプランだったようで、後半開始からポゼッションサッカーによる攻撃を強めてきます。

対するハリルジャパンはオーストラリア戦のようにプレスがかからず、相手のドリブルやパス攻撃を見ながらズルズル後退するばかり。

後半18分にサウジにきれいにパスをつながれ、日本のDF陣が中央を崩されて失点。

先制したサウジはポゼッションサッカーから、自陣にゾーンディフェンスによる4-4のコンパクトな守備ブロックを形成し、1点を守りながらカウンターアタックでゲームを決定づける追加点を狙う戦術にチェンジします。

これに対してハリルジャパンは、あいかわらず何の工夫も無いロングボールを前線へ放り込み続けますが、サウジにDFライン背後のスペースを狭くされて、浅野選手がウラヘ抜け出してもボールはそのままゴールラインを割り、ボールを受けられず。

かといって、これまでずっとロングボールを使った「タテに速い攻撃」をやってきたせいで、ゾーンディフェンスによってスペースを限定されているサウジの守備ブロックの中でパスをつなぎ、相手の守備を崩すポゼッションサッカーで同点ゴールを奪うだけの力もありません。

最後は吉田選手を前線にあげて、ひたすらロングボールを放り込み続けましたが追いつけず。結果も試合内容もハリルジャパンの完敗に終わりました。

 もう何度も言っているように、ハリル監督は「守ってカウンター」という戦術しかできないのは明白ですが、カウンター戦術は、相手が前へ出て攻めてくることで中盤や相手の背後にできるスペースを利用してゴールをあげようとするものです。

ですから先にゴールを奪われ、相手が自陣に引くことで背後のスペースを消されると、とたんに苦しくなります。

そのようなシチュエーションは、ロシアW杯本大会でいくらでも起こり得ますよ。

だからこの試合のように、自陣に引いた相手にゾーンで守るコンパクトな守備ブロックをつくられても、その守備ブロックの中でパスをつないで相手DFを崩しゴールを奪う「プランBの戦術」、つまりポゼッションサッカーが絶対に必要になるのです。

しかしポゼッションサッカーのように、複数の選手が連動して狭いスペースの中でパスをつないで攻撃するためには、足元の技術と戦術トレーニングのためにそれなりの時間が欠かせません。

普段からポゼッションサッカーをやっているチームに、カウンターサッカーをやらせるのは容易ですが、普段ロングボールを放り込むカウンターサッカーばかりやっているチームに、その戦術が相手に通じなかったからと言って、すぐさまポゼッションサッカーにチェンジしろと指示しても、それはまず不可能です。

この試合のようにね。

それについては、今から2年前の記事で述べた通りです。


(当ブログ過去記事・二手三手先を考えてサッカーをするということ(その1)

(当ブログ過去記事・二手三手先を考えてサッカーをするということ(その2)
   

行き当たりばったりで試合ごとに選手をとっかえひっかえし、長期的なチーム強化のプランを持たなかったハリル監督のツケがこの試合に回ってきた感じです。

 それに比べると、ファンマルバイク氏のプロ監督としての能力の髙さが際立ちました。

日本よりも個の能力で劣り、国際経験の無い選手しか与えられていないにもかかわらず、狭いスペースでもワンツーを挟みながらパスをつないで辛抱強く相手を攻め、ゴールをこじ開けられるだけの戦術を授け、1点取ったらオーソドックスながらも堅実なゾーンディフェンスによるコンパクトな守備ブロックを形成してカウンターで追加点狙いと、巧みな戦術の使い分け。

頭蓋骨の中まで筋肉みたいな、技も工夫もないハリルホジッチ監督の単調なサッカーと比べ、サウジのサッカーからは文化・文明の香りがしました。

そう、オランダ流のポゼッションサッカーというヨーロッパ文化の香りがね。

これでもし、サウジ人選手の「個の能力」が日本人選手より上回るようになったら、本当に手も足も出なくなりますよ。

サッカーは足元の技術だけで勝敗が決まるわけではありませんから、サウジがW杯本大会で必ず成功できるとは限りませんが、日本サッカー界の育成担当者の皆さんは、危機感を持った方がよいです。

ハリル監督が守備のできる選手中心にチームを組んでいるせいもありますが、この試合に出場した選手の平均値は、ボールを正確に蹴る・止める・ドリブルする足元の技術に限って言えば、サウジの方が上だったように思います。

ウマル・アブドルラフマンに代表されるUAEなんかも、足元の技術が高い選手が育ってきており、日本サッカー界も危機感をもって、個のレべルでボールを正確に扱う技術をどうしたらもっと高めることができるか、もう一度見直す必要があるのではないでしょうか。

足元の技術が大切なのはもちろんですが、シュートも含めたヘディングで自分が狙ったところに正確にボールを送る技術が、日本人選手は世界標準から大きく劣っているように見えます。

 というわけでロシアW杯アジア予選最後の試合は、結果も試合内容も日本の屈辱的な完敗でした。

この試合はファンマルバイク監督による、オランダ流ポゼッションサッカーの勝利であり、「ザックジャパンが負けたのはポゼッションサッカーのせいだ」といってハリル監督を日本へ連れてきた霜田正浩・前技術委員長の「妄想」の敗北であったように思います。

選手個々の評価は次回とします。

つづく



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<当ブログ過去記事>

なぜパスサッカーなのか?(その1)

なぜパスサッカーなのか?(その2)

サッカーで強くなるために一番重要なこと



  

■日本代表、ロシアW杯出場決定!!(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、貴重な先制ゴールをあげた浅野選手。自分をマークしていたスミスが完全なボールウォッチャーになっていたこともありましたが、長友選手のクロスを正確なボレーで決めてくれました。シュートを大振りせず、GKを外してゴールできるよう確実にミートすることだけに集中していたところが良かったです。
 ただ、井手口選手みたいに自分でドリブルしてシュートできるところで弱気になってパスを選択したり、右サイドバックの酒井宏選手とのコンビネーションがかみ合わないシーンも多かったので、そこは課題です。

 長友選手は 左サイドからあげた自らのクロスで浅野選手の先制点をお膳立てしました。あのゴールの半分は彼の正確なクロスで決まったようなものです。これまで相手バックのウラのスペースへクロスを落そうとしてGKに近すぎるところへボールを蹴り、ことごとくキャッチされてしまうケースが目立っていましたが、今回はオーストラリアがDFラインを高くあげていたので、見事にアシストが決まった感じでした。もしDFラインのウラが狭い時は、相手選手の間にボールを落すようにすると、もっとアシストが増えるのではないでしょうか。

 井手口選手は、完全に「個の能力」で奪い取った追加点が圧巻でした。原口選手のプレスによってこぼれて来たボールを拾うと、ドリブルで相手2人の選手をかわして正確なミドルシュートをゴール右上スミに叩き込むスーパーゴール。
セットプレーのキッカーを任されていたことからもわかるようにキックの精度があり、確か前半に左サイドでドリブルしながら右足アウトサイドでゴール前へクロスをあげたプレーがありましたが、ゴールにこそつながらなかったものの、あれはシビレましたね。
これで自らのパスでチーム全体の攻撃を操ったり、スルーパスを出して味方のゴールをアシストする高い能力がついてくれば、代表のインサイドハーフ・攻撃的なボランチはもちろんトップ下も十分任せられます。
サッカー選手として体は決して大きい方ではありませんがフィジカルコンタクト能力が高く、守備での1対1にもほとんど勝ってボールを何度も奪っていました。
これまで日本人MFは、攻撃能力が高いと守備能力が低く、守備力が高ければ攻撃力が低いという選手がほとんどでしたが、彼は攻守両面で世界に通用するポテンシャルを持っているように思えますし、ヤット選手や宇佐美選手が言っていたことの意味がわかった気がします。
不調に陥らない限り代表で継続して使ってあげて、W杯本大会までハイレベルの経験を積ませるべきで、本人も地に足をつけて努力し、天狗になって毎晩クラブで遊んで朝帰りなんてことにさえならなければ、すごい選手に成長する可能性があります。

 乾選手は、左サイドで攻めの基点となり、大きな貢献。
足元の技術が高い彼のところでボールがキープできるので、味方が押し上げるための適度なタメをつくることができました。直前のシリアとのテストマッチで出来が良かったので、6月のイラク戦でもそのまま左ウイングで先発させるべきと考えていましたが、解説者の多くが左ウイングの先発に原口選手を予想し、ハリルホジッチ監督のチョイスは久保選手となりましたが、もしイラク戦で彼を左ウイングに起用していれば、あのような結果にはならなかったんじゃないでしょうか。

 大迫選手は、シリア戦・イラク戦でほとんど機能しなかったポストプレーが突然復活。
前線で体を張ってロングボールを収め、基点となったことは評価できるのですが、周囲の選手とのコンビネーションは今ひとつでした。
ただ、ポストプレーに一生懸命になりすぎると、ゴール前でシュートが打てませんから、チーム全体でパスで攻撃を組み立て、インサイドハーフやウイングがラストパスを供給し、ゴール前の良いところで待っている彼にゴールを決めさせたいところです。

 酒井宏選手は、右サイドの守備で相手とのマッチアップにほとんど勝利し、前へ駆け上がってチャンスメークにも積極的にからみました。ただ、浅野選手とのコンビネーションをもっと高める必要があります。

 逆に吉田選手は、6月のイラク戦の失点シーンとまったく同じミス!
後半4分に、日本のペナルティエリア内へ相手のパスが出て、自分が積極的に関与してタッチラインへ向かってクリアしておけば何の問題もないプレーなのに、背後にクルーズがいたにもかかわらずボールをそのまま見送り、GKの川島選手にキャッチさせようとして2人で交錯して転倒。もしクルーズにうまくボールを突かれていたらまたしても痛恨の失点をしていた可能性があります。こういう消極的で弱気なプレーほど失敗するリスクの高いものはないと何度も何度も指摘してきましたが、いつになったら理解できるのでしょうか。

 長谷部選手は、次にどういうプレーを選択するかの判断が遅く、ボールを持ちすぎて奪われたり、バックパスが相手へのプレゼントボールになってしまうなど、幸い失点にはつながりませんでしたが実戦カンはまだ戻っていないようでした。 
この試合はアンカーで起用されましたが、適材適所で考えれば井手口選手と共にインサイドハーフで並べた方が良かったように思います。

 山口選手は守備でバランスを取っていたものの、インサイドハーフとして攻撃面では不満が残る出来。もっとも彼の個性やプレースタイルから言って、適材適所のポジションはアンカーではないでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 ハリルホジッチ監督の采配を評価しますと、浅野・井手口両選手を起用するなど、この試合で若手の抜擢が当たったのは良かったのですが、2次予選から3次予選の前半まで、結果が出ないにもかかわらず不調のベテランを、しかも不向きなポジションでいつまでも引っ張って使い続け、もっと早い段階から、過去の実績やその選手がプレーしているクラブの「格」ではなく、合宿中のプレーの良し悪しで誰を起用するか決めていれば、ここまで予選突破に苦しむことはなかったはずです。

また、この試合に勝てた最大の要因は、リードしても自陣に引いてその1点を最後まで守り切ろうとせず、追加点を奪うために勇気をもって攻め続けたことだと思いますが、もし「1点取ったら引いて守れ」という指示をハリル監督が出していなかったら、H&A双方のイラク戦はもっと楽に勝てていたでしょうし、アウェーのオーストラリア戦も勝ち点3が取れていた可能性があります。

この試合でようやく、選手起用もチームの戦い方のチョイスも当たったわけですが、同じ采配ミスをもう二度と繰り返さないで欲しいです。

        ☆        ☆        ☆

 ロシアW杯行きがかかったこの試合、2-0で勝利という結果は順当なものでしたし、試合内容の方も、日本代表選手たちの闘志を前面に出した積極的なプレーが非常に素晴らしかったです。

選手たちの積極性あふれる強気なメンタルが、これまで劣勢だったオーストラリアの選手との1対1で互角以上に戦えた最大の要因だと考えています。

もちろん多くの日本人選手が欧州各国リーグでプレーするようになり、普段からフィジカルコンタクトに強くて体格も大きい白人・黒人プレーヤーと戦っている経験も非常に大きいですね。

ガンバ・セレッソ両クラブの育成組織も素晴らしいと思います。

しかしロシアW杯の本番でも、初戦だろうがグループリーグ突破がかかった最後の試合だろうが決勝戦だろうが、こういう積極的で強気な守備や試合運びができなければ全く意味がありません。

抜かれるのが怖いからと、ドリブルする相手が前へ進んだ分だけズルズル後退したり、相手に追いつかれることを恐れ、前半5分に1点取ったら残りの85分をひたすら守ろうとするような、弱気で消極的なサッカーをやってしまったら、過去のW杯と同じ過ちをもう一度繰り返すことになるでしょう。

 ただこの試合の日本代表は、攻撃面における選手間のコンビネーションにはまだまだ大きな課題を抱えており、もっとレベルの高い相手からゴールを奪うためには、このままではいけません。

井手口選手のゴールに象徴されるように個の能力で勝ったような試合でしたが、こちらより個の能力が高い相手と当った時は、たちまち行き詰ってしまうことになるでしょう。

来月に国内でハイチとのテストマッチが予定されていますが、これからはできるだけ強い相手とテストマッチを、それもアウェーでやりたいところです。

同じCONCACAF(北中米カリブ)から対戦相手を呼ぶなら、プリシッチのような将来有望な若手が出てきて、今やメキシコと互角以上に戦えるようになったアメリカなんかどうでしょうか。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

         2017.8.31 埼玉スタジアム2002

        日本 2 - 0 オーストラリア

      浅野  '41
      井手口 '81


     GK 川島        GK ライアン

     DF 長友        DF ミリガン
        昌子          セインズバリー      
        吉田          スピラノビッチ
        酒井宏
                  MF レッキー
     MF 長谷部        ルオンゴ
        井手口        アーバイン
        山口         (アミニ 86)
                     スミス
     FW 乾           ロギッチ
       (原口 75)      (ケーヒル 70)
        大迫          トロイージ
       (岡崎 87)      (ユリッチ 61)
        浅野
       (久保 89)    FW クルーズ




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■日本代表、ロシアW杯出場決定!!

 昨日、ロシアW杯アジア最終予選の対オーストラリア戦が埼玉スタジアムで行われ、日本代表は2-0で相手をくだし、6大会連続でのロシアW杯行きを決めました。

今回の対戦相手・オーストラリアは、イングランド・ドイツ・中国などでプレーする選手を中心に構成されており、日本との実力差は日本のホームで日本の勝利、アウェーで引き分け程度と見ていました。

ただ、前回イラク戦でのハリルジャパンの試合内容・結果が相当ひどかったので、一時はどうなることかと思いましたが、2-0で順当に勝利してくれたのは本当に良かったです。

ゲーム内容の方は、選手ひとりひとりが闘う気持ちを90分間見せてくれ、積極的にプレーしていたところが非常に良かったですね。

それでは、日本がロシアW杯行きを決めた試合を詳しく分析していきたいと思います。

        ☆        ☆        ☆

 この試合に勝てた要因は3つあると思います。

(1)個の能力で相手を上回ることができた

(2)気持ちで守りに入らなかった

(3)オーストラリアの作戦ミス


 まず(1)について。

日本人選手の多くは、ボールを正確に蹴る・止めるといった足元の技術面では、以前からオーストラリアの選手より上回っていましたが、フィジカルコンタクトの能力で劣っていたために空中戦を含めた1対1で劣勢でした。

しかしこのゲームでは、地上戦でも空中戦でも相手との1対1で互角以上に戦うことができていました。

前半15分すぎから、パスサッカーで攻める相手に押し込まれて我慢する時間帯が長く続きましたが、ピンチにつながりそうなタテパスが入ったところで相手選手に厳しくコンタクトしてミスプレーを誘うことで、決定的なシュートシーンをつくられるところまでは行かせず、後半はフィジカルコンタクトでガチガチ行くプレーをさらに強め、1対1に勝ってボールを奪うシーンが増えていきました。

このレベルの守備は、日本サッカーが世界で戦う時に最低限のベースとなるものです。

闘志を前面に出した、気迫のこもったこのような守備がいつでも出来るのなら、ブラジルW杯で日本代表があのような結果に終わることはなかったはずですし、チームの攻撃戦術がカウンターでもポゼッションでも、そう簡単には失点しないはずなので、ロシアW杯はもちろんそれ以後もずっと継続していって、レベルをどんどん上げていって欲しいです。

 次に(2)についてですが、オーストラリア戦に向けた日本代表の課題として、

「先制しても、その1点を最後まで守り切ろうとせず、相手の攻撃を我慢するところは我慢して、積極的に追加点を狙いに行く」

ということをあげておきました。


(当ブログ過去記事・オーストラリア戦・サウジ戦に臨む日本代表メンバー発表


6月のイラク戦では、先制したあと同点に追いつかれることを極度に恐れ、守備ブロックを自陣深くに下げて相手の攻めを受けて立ってしまい、攻撃ではパスカットを恐れて前線へロングボールをひたすら蹴りこむサッカーをやって自滅したわけですが、この試合の日本代表選手から、弱気で消極的なプレーがほぼ消え去っていました。

相手の攻撃に対し、消極的かつ受け身にならなかったこと。それがこの試合に勝てた最大の要因だったように思います。

前半終了間際に先制ゴールをゲットして、後半の立ち上がりから早く同点に追いつきたいオーストラリアに攻められましたが、そこで気持ちで守りに入り、守備ブロックを必要以上にズルズル下げてしまうのではなく、「攻めの気持ち」を持って相手のボール保持者にどんどん体をぶつけていき、何度もボールを奪い返して攻めにつなげていきました。

欧州や南米・アフリカの選手と比べ、日本人選手のフィジカルコンタクトの弱さがずっと言われてきて、当研究所もその対策をずっと提案してきましたが、身体能力やフィジカルコンタクトのスキル以外に、選手個々の気持ちの持ち方も、1対1におけるフィジカルコンタクトの勝敗に大きく関係しているのではないかと考えていたのですが、前述の(1)で述べたように、この試合で日本人選手がオーストラリアの選手とフィジカル面で互角以上の戦いができたのは、「攻めの気持ち」を持って強気なプレーを90分間続けることができたからではないかと思います。

1対1での戦いでもチーム対チームでの戦いでも相手をビビらずに、攻守両面で「攻めの気持ち」を持ち、90分間積極的なプレーを心掛けることは、サッカーの試合に勝つために最も重要な基礎となります。

 最後の(3)についてですが、オーストラリアの作戦は正直すぎたというか、ちょっとナイーブだったんじゃないでしょうか。

オーストラリアの立場からすれば、最終戦は勝ち点3を取れる確率が高いタイとホームで戦えるわけで、同じく最終戦で日本とサウジが星のつぶし合いをやることが分かっている以上、アウェーの日本戦で勝利を目指すは当然としても、どちらかといえば守備重視で「最悪でも0-0でOK」というサッカーをやれば、ロシアW杯行きの確率は高まったはずです。

ほぼカウンターサッカーしか戦術の引き出しがないハリルジャパンにとっては、そういうサッカーをやられた方が確実に苦しかったと思います。

ところが実際は、オーストラリアが普通に前へ出て攻めてきてくれましたので、ハリルジャパンのリアクションサッカーが上手くハマる状況を、オーストラリア自身がつくってしまったところがありました。

6月のイラク対日本戦のスカウティング・ビデオを見て、ハリルジャパンの試合内容がボロボロだったことや、コンフェデで南米王者のチリに善戦したことも、「普通に攻めればたとえアウェーでも日本に勝てるでしょ」というポステコグロウ監督の判断につながったのかもしれませんが...。

オーストラリアのバック陣は、ウエストハムでプレーしていたルーカス・ニールがいたころの固さが無くなっていますし、3バックの両サイドのスペースを日本に徹底的に突かれ、ゲーム中に修正が遅れたことも敗因となりました。

オーストラリアの3-4-2-1に対し、日本の4-1-2-3は左右ウイングがオーストラリアのアウトサイドをマークしていましたから、大迫選手のワントップに対し、オーストラリアがバック3人で守るような形になって、2対1の数的優位をつくっても、なおセンターバック1枚が遊んでしまっている分だけ、攻撃面で不利だったように思います。

日本の4-1-2-3に対して3-4-2-1をぶつけるのは、少なくともマッチアップ的にはアドバンテージが無かったんじゃないでしょうか。

オーストラリア代表がパスサッカーに転換してまだ2年あまりであり、名波・中田英寿選手はおろか、1990年代前半にラモス瑠偉選手が2列目をやっていたころからパスサッカーをやっている日本代表とは年期が違うわけで、何かを判断するのは時期尚早すぎます。

もしオーストラリアのパスサッカーが高いレベルで完成して日本が現状のままだと、いずれ手も足も出なくなってしまう可能性がありますが、さてどうなりますか。

 というわけでロシアW杯行きを決めたこの試合、日本代表の闘志を前面に出した強気かつ積極的な戦いぶりが、かつてないくらい素晴らしかったですし、それが局面局面での1対1に勝利し、試合全体にも勝つことができた最大の要因だったと思います。

日本代表選手個々の評価は次回にしましょう。

つづく



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