■第4回spartakの人生を変えたチーム―92年ポーランド代表

 ユーロ92も終わり、世界のサッカー界が’94アメリカW杯に向かって動き出した1992年の晩秋、管理人スパルタクの人生を変える3番目のチームと出会います。
 
 衛星放送がある現在と違い、海外サッカーの試合がめったに観られない鎖国の状態にあった当時の日本で、”出島”の役割を果たしていたのが、TV東京系深夜番組の”ダイナミック・サッカー”だったのは前回お話しました。

 その番組でアメリカW杯ヨーロッパ予選、オランダ対ポーランド戦がとりあげられ、スパルタクは当日ワクワクしながら番組の開始を待っていました。

お目当ては当然、ファン・バステン、ライカールト、クーマンに売出し中の若者ベルカンプがいるオランダでした。しかし番組がはじまってみると私に衝撃を与えたチームはオランダではなかったのです。

 今やシンジ・オノ選手のホームとなったロッテルダムのデカイプ・スタディオンにポーランドをむかえたオランダは、試合が始まるとボールを支配して、先制点を奪うべく激しくポーランドを攻めたてます。
しかし、ポーランドは激しいプレスとかたい守備でオランダに自由にはやらせません。

そして前半19分、ポーランドがプレスからボールを奪うと、スコン・スコーンとグラウンダーのダイレクトパスをつなげ、その間にMFのコズミンスキがオーバーラップして味方FWを抜き去り、押し上げていたオランダの最終ラインを突破にかかると、これまたダイレクトでスルーパスが出ます。

それがコズミンスキにぴたりと合って、あっという間にオランダのGKと1対1、これを彼が落ち着いて決めてポーランド先制。
この間、ポーランドがボールを奪ってからゴールするまで10秒かかっていなかったんじゃないでしょうか。

このポーランドのカウンターのあまりのすばやさ、あまりの巧みさ、そしてあまりの美しさに私、スパルタクはカミナリにうたれたように、しびれてしまいました。

 ホームで思わぬ失点を食らったオランダはあわてて総攻撃をかけます。しかしこれがポーランドの思うツボ。

またもや中盤のプレスでボールを奪ったポーランドはスコン・スコーンとダイレクトパスを2~3本通すと、浅くなっていたオランダの最終ラインの裏に抜け出したFWコバルチクにスルーパスが見事に通り、高速ドリブルでオランダゴールへ一直線。
コバルチクが難なくボールをゴールに流し込んでポーランドが2-0とします。

ポーランドのナイフのように鋭いカウンターに、もうスパルタクはシビレまくりです!

 しかし前半終了間際ホームタウン・デシジョンぎみの、ポーランドにはかわいそうなPKをとられ、これをファン・フォッセンが決めて、オランダが追いすがります。

 後半が始まると1点返したオランダが落ち着きを取り戻していて、ゲームを支配。3分にまたもやファン・フォッセンに決められ同点に。
このあとはオランダの攻撃をポーランドがしぶとく耐えて、結局2-2の引き分けに終わりました。

 どちらかというと遅攻が多い南米サッカーの影響でしょうか、昔から日本にはどうもカウンターをちょっとバカにしたところがありました。

確かに当時のアジアで主流のスタイルだった、DFラインからロングボールを前線に放りこんで「そら走れ!」みたいな、FWの個人能力と偶然だけに頼ったカウンターには魅力を感じませんが、ポーランドのカウンターは違いました。

中盤で味方がプレスをかけているときに、2トップとトップ下の最低3人は、その局面で常にボールを奪った後の事を計算しながら、ポジショニングを修正していました。だからこそダイレクトパスが面白いようにつながるのです。 

そしてボールを奪うと、ものすごく強くて速いダイレクトパスが出るのですが、強いボールが来てそれをノー・トラップで、しかもボールが浮かないようにグラウンダーでダイレクト・パスするのですから、正確な技術が要求されるはずです。

そしてパスが次の選手に渡る前に、後ろの選手がオーバーラップしてパスを受けた選手を追い越して、敵ディフェンスの薄い方へ薄い方へとしかける動きが、スムースに連続してゆくさまは、まったく美しいの一言です。

 100%主観的ですが、これまでスパルタクが観てきたなかでは「世界で最も美しいカウンター・アタック」と断言します。

94年W杯の優勝候補と言われたコロンビア・アルゼンチンを破った、ハジ・ラドチオウ・ドミトレスクの3人が織り成す、カウンターアタックも美しかった。

第三位は90年代後半のシェフチェンコ・レブロフがいて名将ロバノフスキーがひきいるディナモ・キエフでしょうか。
こうしてみると東欧は美しいカウンターの産地なんですかね。

 ともかく92年のポーランド代表に出会えたのは私の人生にとって大変なラッキーでした。(なんでビデオにとっておかなかったんだろう!)

そしてドイツやイタリア、オランダなどのW杯常連のビッグネームとは違って、ポーランドのようなW杯にたまにしか出場できない欧州の中堅どころでも、こんなにすばらしく美しいサッカーをみせてくれ、選手もサッカーを知り尽くしているということに感動した私は、「ヨーロッパ恐るべし!」と思うのでした。
(逆に2002年W杯のポーランドはその没落ぶりがちょっと悲しかったです。)

 余談ですが、もし私がサッカークラブのオーナーになったら、好みの監督と好みの選手を集めて、世界で最も美しいカウンター・アタックをやらせます。

そして私は自分のサッカー専用スタジアムのVIP席でそれを眺めてシビレたいものです。

ゴール裏のクルヴァ席にはウルトラ達がいて、「スパルタクオーナー、金は出しても口出すな!」なんて横断幕を出されて。
そんな夢、一生かなわないだろうなァ~。

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1992.10.14 デカイプ・スタディオン(ロッテルダム)
W杯ヨーロッパ予選  
   オランダ  2-2   ポーランド

GK メンゾ       GK バコ
   クーマン         アダムチュク
   ファン・アーレ      スヴチュク
   ヴィチュへ        ブルゼツェク
   ヨンク          チャチョウスキ
   ヌマン          コズミンスキ
   ライカールト       レシャク
   ファン・フォッセン    ヴァルジチャ
   ヴォータース       ジオベル
   ベルカンプ        コセツキ
   ファン・バステン     コバルチク

アメリカW杯・欧州予選2組

1 ノルウェー 本大会へ
2 オランダ  本大会へ
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3 イングランド
4 ポーランド
5 トルコ
6 サンマリノ 
  

■コメント

■Re: 第4回spartakの人生を変えたチーム―92年ポーランド代表 [はじめまして]

ダイナミック・サッカー懐かしいです。コヴァルチック&コズミンスキの名も久しぶりに聞きました。
当方も「ダイナミック・サッカー」でフットボールに目覚めた一人。マテウスのコーナーからのダイレクトボレーなどいまだに「語れ」ます。
当方の一番人生を変えたチームは94年のFCバルセロナでしょうか。セヴィージャを撃破し、デポルティボが引き分けたため
4連覇が決まったあのシーン、さらに一週間も経たないうちにアテネでミランに「悪夢」を見せられた試合。
ダイナミックサッカーがなければサッカー好きにはなっていなかったかもしれません。
それほどに伝説的な番組だと思うんですが、「ダイヤモンドサッカー」の影に追いやられる知名度。以外にこの番組を知っている人は少ないのかもしれませんが、当方にとってのバイブルです。
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