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■若き日本代表、香港に大勝

 E-1選手権の第二戦、日本代表対香港代表のゲームが昨日韓国・釜山で行われ、日本が5-0で勝利しました。

対戦相手の香港は、国内リーグでプレーする選手を中心に、中国リーグでやっている海外組をあわせたチーム。

もともとイギリスの植民地だったので、東アジアでもっとも古くからサッカーが根付いた地域の一つで、1910年に創設されたサウスチャイナ(南華体育会)は、東アジアでは珍しい総合型スポーツクラブであり、そのサッカー部門は国内リーグ優勝41回を誇ります。

1970年代までは日本もなかなか勝てなかったのですが、日本でもプロリーグが開始された93年以降は完全に引き離し、それも過去の話となりました。

日本との力関係はホームでもアウェーでも日本が勝てる相手、特にホームや中立地でのゲームでは大量点差での勝利が求められるレベルの相手です。

香港はベストメンバーでしたが日本はU-22代表候補がスタメンのほとんどを占める実質2軍チームであり、ブレーメンの大迫勇也選手ら海外組がプレーした時と同様に、中立地で大量点をあげての勝利が達成できるか注目していましたが、5-0での勝利という結果は順当でした。

試合内容の方は、相手との実力差が大きかったこともありますが、まずまず良かったと思います。



    ☆       ☆       ☆


 まず攻撃面から日本のゲーム内容を分析していきますが、この試合のスタメンを前回中国戦に出場しなかった選手で固めてきました。

その分現地入りしてから試合当日まで、攻撃での連携を深めるための練習時間が取れたのでしょう、選手間のコンビネーションは中国戦に出たメンツよりも良かったですね。

香港は4-3-2-1のいわゆる“クリスマスツリー”で来たのですが、極めてマンマーク志向の強い守り方で、これは明らかに戦術的な失敗でした。

日本の選手の動きに合わせてマークする香港の選手もついて行かなければならないので、自分たちが守るべきスペースを広げられてしまい、広いスペースで個の能力が高い日本の選手との一対一に挑まなければならないという不利な状況を自ら作り出してしまいました。

個の能力が低い方のチームが広いスペースで一対一の闘いを挑んでしまうと、個の能力が高い方の選手はスピードに乗った状態でドリブルを仕掛けられるのでますます有利になりますし、選手どうしの距離が広がっているため守備側はチャレンジ&カバーも効きにくくなります。

そしてマンマークゆえに一対一に負けてしまうと、ゴール前でフリーな日本の選手がどんどん生まれてしまい、失点を重ねていきました。

前半戦で4ゴールというのはまずまず良いペースでしたが、相手の足が止まってきた後半にわずか1ゴールだったところは、アグレッシブさが足りなかったですね。
 
相手の守備ブロックの外側でパスを回すことで時間を消費し、その時点でのスコアでゲームをクローズさせようとするようなゲーム運びが見られましたが、これがノックアウトステージの試合なら問題ないのかもしれませんが、大会の優勝を狙うなら1点でも得失点差の数字を稼いでおきたいところで、後半戦のゲームの運び方はちょっと消極的だったのではないでしょうか。

もし香港と一緒に日本の選手も足が止まってしまったということならば、世界トップレベルの相手と戦うインテンシティが不足しているということです。Jリーグを見ていて、欧州各国リーグと比べたインテンシティの低さはいつも気になります。

また味方からパスを受けるときに、相手ゴール方向へ向かってトラップできる状況でも、自陣に向かって後ろ向きにトラップしてバックパスという、チームの攻撃を無駄に遠回りさせてしまう消極的なプレーも目につきました。

相手のレベルがレベルだけに、目に見えるミスにはなっていませんが、パスの細かなズレもかなり見られ、自分の思い通りにボールを蹴る・止めるの基本プレーを丁寧かつ正確にお願いします。

 守備面では、相手の攻撃力が低かったこともあって、ほとんどピンチらしいピンチはありませんでしたが、浮き球のロングボールをワントップのサンドロに当てる香港の攻撃に、田中駿選手や畠中選手が手こずっていましたね。

サンドロが後方にいる日本のバックに体重を預けてきて一緒に倒れてしまったり、あるいはサンドロのユニフォームを後方から掴んだりしていずれもファールを取られていました。

浮き球のボールを胸から下でトラップしようとしているポストプレーヤーへの対処方法ですが、あまり早い段階で相手に密着してしまうと相手はこちらに体重を預けてきてポストプレーが上手い選手であればあるほど対応は難しくなりますから、ボールを胸や足でトラップする直前のタイミングで相手の背後から足を出してボールを蹴り返してしまうことで相手のポストプレーを妨害すると良いでしょう。


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 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず前半8分に先制ゴールをあげた菅選手。相手バックのクリアをフカさずに、上手く抑えたボレーシュートで豪快に決めてくれました。ただ、味方との連携や攻撃参加のタイミング・クロスの質についてはもっと良くなるはずです。

田川選手は、左CKから下がりながらの難しい体勢でしたが、上手く背中に当たったボールがゴールに吸い込まれてチーム2点目をゲット。しかし、前半14分と後半37分の決定機のどちらか一つは決めないといけません。

小川選手は、前半24分に田川選手のパスをバイタルで受けると相手バック3枚の前からシュートし、ゴール左隅に正確に決めてくれました。これまでの日本人選手にありがちだったのは、ゴール前で最後までパスを出せる味方を探し続け、もうパスできないのでしょうがなくシュートを打つみたいな消極的なプレーで、「アタッキングサードにおけるプレーの第一選択肢はシュート」ということを当研究所は口を酸っぱくして言ってきましたが、ボールをトラップした瞬間に「今ならシュートが打てる。だから打つ」という彼の決断が無ければ生まれなかったゴールでした。前半ロスタイムには菅選手のシュートが田川選手に当たってこぼれてきたボールを押し込んで2点目。後半12分に大島選手のクロスを相手がクリアしきれず、こぼれてきたボールを頭でプッシュしてハットトリック達成。いずれも「自分のところにボールがこぼれてきたらこうしよう」という心の準備が出来ていなければ生まれない得点であり、ゴールへの嗅覚が鋭いストライカーらしい3ゴールでした。

右ウイングバックで先発出場の相馬選手は、個人技とスピードで右サイドを切り裂いて何度も香港の守備を混乱に陥れ、チームの大勝に貢献。サイドで相手と一対一になった時に消極的なバックパスを選択する場面がありましたが、一対一のバトルでほぼ全勝状態でしたから、前半の途中で香港の左SBを交代に追い込むぐらいガンガン積極的に仕掛けていっても良かったように思います。

大島選手は、ボランチの位置から自らのパスで攻撃を組み立て、自分が任されたCKから田川選手のゴールを演出して1アシストの活躍。
足元の技術の高さはさすがですがラ・コルーニャの柴崎選手と同様、彼の課題も守備力の低さであり、川崎のゲームを見ていても守備はほぼ免除されているような状態なので、ボランチというポジションにこだわるならもっと攻撃力の高いチームに対しどれだけ守れるようになったのか気になるところです。

 逆に大迫敬選手は、後半10分に相手のセットプレーからゴール前に入ってきた浮き球のボールのクリアが弱くなり、相手にクロスバー直撃のシュートを打たれてしまいました。田中碧選手と交錯しそうになって難しい状況でしたが、「自分が処理する」とハッキリ声掛けし、キャッチするかフィスティングで相手のいないところへボールをしっかり飛ばすかしたいところ。

名前のあがらなかった選手は及第点の出来か、プレー機会が少なく評価の対象外です。


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 香港とのE-1選手権第二戦は、5-0という試合結果は順当なものでしたし、試合内容の方も、相手との実力差はありましたが、まずまず良かったと思います。

ただ4ゴールした前半はともかく、相手の足が止まってくる後半にわずか1ゴールというのは、アグレッシブさが足りないように思います。

この試合に出た選手たちは、大迫勇選手や南野選手・中島選手らフル代表のレギュラー陣がいない状況で、自らの実力をアピールしてポジションをゲットする絶好のチャンスだったのですが、貪欲にゴールを求めてもっともっと積極的にプレーしても良かったのではないでしょうか。

 最後に余談ですが、イギリスの植民地時代、香港の国歌はイギリス(イングランド)と同じ“ゴッド・セーブ・ザ・クイーン”だったのですが、1997年に中国に返還されると、中国の国歌と同じものが使われるようになりました。

この試合の前にも香港の国歌として中国のものが流されましたが、香港サポーターから大ブーイングでしたね。

香港で“犯罪”をおかした人物を中国へ移送して裁判にかける“逃亡犯条例”を、香港政府とそのバックにいる中国政府が成立させようとしたところ、「人権侵害」だとして多くの香港市民が反政府デモを今もなお繰り返しているニュースはご存知かと思いますが、中国は外国にいる香港出身者にも相当嫌われていることを実感させられました。




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