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■日本代表、守備組織の崩壊でベネズエラに惨敗(その2)

前回の続き

 選手個々の評価ですが、この試合で特筆すべき活躍をした選手はいませんでした。

及第点の出来だったのは山口選手。屈辱的なゲーム展開の中、ロシアW杯最終予選のイラク戦を彷彿とさせるようなミドルシュートで、かろうじて一矢を報いてみせました。
しかし相手からのボール奪取やパスによる攻撃のビルドアップへの関与などボランチとしての本業についていえば、質・量の両面でまだまだ物足りないところがあります。

後半から途中出場の古橋選手は、小気味よいプレーで重苦しいムードに支配されていたチームの攻撃を活性化させました。ゴールやアシストなど目に見える爪痕を残すことはできませんでしたが、今後も継続して見てみたい選手です。

 逆に、左サイドバックに入った佐々木選手は、惜しいシュートはあったものの散々な出来。彼のおかげで負けたような試合になってしまいました。
前半8分にはベネズエラのワントップ・ロンドンとの空中戦にいとも簡単に競り負けてヘディングシュートを叩き込まれ、30分には安易に相手のボール保持者に飛び込んで抜かれてしまい、佐々木選手が上がったウラのスペースを崩されて2失点目の伏線に。33分には、またしても簡単にエレラとの空中戦に競り負け、エレラが落としたボールにロンドンが詰めてハットトリックを献上。仮にジャンプ力で劣り、相手に先にボールに触られてしまったとしても、空中で自分の体を相手にぶつけ、ボールの落下点からズラして正確なヘディングを許さないなど、やり方はいくらでもあるはずですが、そうした努力がまったく見えません。一対一の戦いにおいて、キャリアのピークを過ぎてプレミアから中国リーグへ“都落ち”となったロンドンやラ・リーガでプレーするエレラにまるで中学生のようにあしらわれてしまいました。
攻撃面でも、たとえ1人でも味方のFWがフリーならダイレクトでクロスを入れてそれがピタリと合えば得点につながるのに、無駄に切り返すことで味方のFWは動きなおさなければならず、相手にマークを修正する時間を与えてしまうことで得点チャンスを失っていました。
日本のすべてのサッカー選手を応援するのが当ブログの基本姿勢ですので、これまで「モノの言い方」には気を付けてきたつもりですが、もうはっきりと言わなければならない時期に来ました。佐々木選手のプレーは日本代表にふさわしいレベルにはありません。それは彼が初めて代表キャップを記録した試合でのプレーを見た時もそうですし、アジアカップ2019を経て今の今までずっと思ってきたことです。以前であれば「大ケガで長期間休んでいたから」というエクスキューズが許されたかもしれませんが、それもここまででしょう。
30歳という彼の年齢からすれば、これから劇的な「伸びしろ」は期待できず、長い目で見て辛抱して育てていくような選手ではありません。同じチンチンにやられるにしても、まだ20代前半の若い選手に経験を積ませた方が日本サッカー界全体にとっての利益になるでしょう。森保監督は、明らかに彼の能力を過大評価していると思います。

植田選手は、ラインコントロールやコンパクトな守備ブロックをつくるために、味方に指示を出さなければならないディフェンスリーダーの立場にありましたが、その責務を果たせませんでした。
相変わらずゾーンディフェンスに基づいたポジショニングの取り方がおかしくて、彼の左にいる畠中選手や右にいる室屋選手が相手のボール保持者に応対するためタッチライン方向へ動いても、植田選手だけはその場で動かないので畠中・室屋両選手の背後に危険なスペースを空けてしまっています。たとえ自分がマークすべき敵選手がその場で動かなくても、自分の左右にいる味方が相手のボール保持者に応対するために動いたら、自分が見ていた敵選手のマークを味方に受け渡して畠中選手や室屋選手の方向へスライドすることで、彼らが動いたことで空いたスペースを埋めなければなりません。ゾーンディフェンスに関してわからないことがあれば、吉田選手や冨安選手に質問すると良いでしょう。
またボールウオッチャーになってしまうことが多々あり、チームの2失点目でロンドンに簡単に前を取られてシュートされたのもそれが原因です。4失点目では、ソテルドのシュートを体をそらして避けてしまったことが失点につながりましたが、「相手のシュートを体を張って止めるのは痛いから嫌」ということであれば、プロのサッカー選手は諦めた方が良いです。ちょっと前まで「痛いプレーは大歓迎」と言っていたように思うのですが、あの勇ましさはどこへ行ってしまったのでしょうか。

畠中選手も、サイドにボールがある時にボールウオッチャーになってしまいがちで、チームの3失点目でエレラがヘッドで落としたボールに対し畠中選手の方が近い位置にいたのに、背後からきたロンドンに気づかずに押し込まれてしまったのは反省点です。ボールはひとりでにゴールへ飛び込むのではなく誰かがシュートすることで飛び込むわけですから、ゴール前ではまず「人をつかまえる」ことが重要です。2失点目の場面でも、ロンドンにポストプレーを簡単に許してしまったことが失点の伏線になりましたが、やはりボールウオッチャーになってしまっていたため間合いを開けすぎていて、ロンドンにタテパスが入った時に対応が遅れてしまいました。植田選手もそうなんですが前方にいる味方の足元へつけるパスもミスが多かったですね。
プレミアリーグ経験者やスペインリーグの現役プレーヤー達と対戦したことは貴重な経験になったはずですので、この失敗を決して無駄にせず次に生かして欲しいです。

川島選手は、4失点に関しては防ぐチャンスは無かったと思いますが、前半17分に相手のクロスをダイビングキャッチしたプレーですが、あれを前にこぼしてはいけません。一歩間違えれば失点につながりかねないミスでした。

柴崎選手も、対人守備や自らのパスでチームの攻撃をビルドアップしていくプレーは前回キルギス戦より少し改善されましたが、ゲームキャプテンとして十分な働きをしたとは言えません。前から積極的に相手のボール保持者にプレスをかけるのか、それともいったん自陣にリトリートしてコンパクトな守備ブロックをつくり、そこからプレスをかけなおすのか、チーム全体で意志の統一をはかることができるようにチームメイトに指示を出して欲しいですし、0-2となったあと明らかにチームがパニック状態に陥っていましたから、そういうときにこそキャプテンとしてチームメイトを勇気づけてやって欲しいです。
 プレー面では、前半38分に自陣でボールロストして相手のショートカウンターから失点する原因となったのは反省点ですし、前半21分に相手ゴール前にドリブルしたとき、次のプレーの第一選択肢はシュートではなかったでしょうか。

橋本選手は、相手のボールホルダーに対する寄せが甘く、相手の速いパス回しにプレスが後追いになってしまうなど、中盤での守備に苦戦。攻撃をビルドアップしていくときのパス出しもミスが多かったです。
普段Jリーグで対戦している相手とスペインやイタリア・ブラジルのリーグで現役でやっている選手との差を体験できたでしょうし、この経験を次に生かして欲しいです。

中島選手は攻守両面で大ブレーキ。
守備時のポジショニングが中途半端であり、サイドにいる相手のボール保持者にキッチリ詰めるでもなく、かといってボランチと同じラインまで下がり守備ブロックをコンパクトに保つでもなく、あいまいなポジショニングを取るので彼のウラにスペースが空き、そこをベネズエラに狙われたことが大量失点の原因の一つとなりました。パスコースを切りながら相手のボール保持者からボールを奪い切るつもりで本気のプレスをかけるか、さもなくば速やかに味方のボランチと同じラインまで下がり、コンパクトな守備ブロックを形成してから、改めてプレスをかけていくべきです。
 攻撃面でも、中盤の低い位置から強引なドリブルを仕掛けていっては止められというプレーを繰り返していたため、常にベネズエラが守備態勢を整えた後に攻撃をしなければならず、チームの攻撃が機能しない一つの原因となっていました。前半0-4という結果がそれを証明しています。
誤解して欲しくないのは、ドリブルをしてはいけないと言っているのではありません。どのエリアでドリブルを始めれば、チームの攻撃を機能させられるのかTPOを考えて欲しいと言っているのです。中島選手は負けず嫌いで有名だそうですが、意地になって効果的でないプレーを繰り返しても、良い結果は得られないでしょう。

原口選手も、自らのパスで攻撃のビルドアップしていくプレーやチャンスメークの面で不満の残る出来でしたし、中島選手に感化されてしまったのか、強引なドリブルで攻めに時間をかけて結局ボールロストしてしまうプレーが目につきました。

浅野&鈴木選手は、ほとんど機能せず。4-4-2の2トップは、ゴールをあげるのはもちろんのこと、中盤に下がって攻撃のビルドアップに参加したり、サイドに流れてパスを受けることでチームの攻撃に幅をつくったり、片方のFWがもう1人のFWのためにラストパスを出しゴールをお膳立てしたりと、幅広い仕事をこなさなければならないのですが、単純に相手のバックラインのウラへ走り込むぐらいで、味方からグラウンダーのパスを引き出す動きが質・量ともに全然足りませんでした。
もっとも両選手とも普段クラブで4-4-2のFWをやっているわけではありませんし、2人で2トップを組んだ経験もあまりないでしょうから、ぶっつけ本番でいきなり機能させろと言う方が酷というものでしょう。この経験を糧にして次の機会に生かして欲しいです。
 鈴木選手に関して言えば、せっかく親御さんから頂いた立派な体があるのですから、ポストプレーのやり方を覚えれば国際マッチでも通用するんじゃないかと思います。
後方から来るパスを受ける時、フリーであれば半身で受けてすぐに相手ゴール方向へ向けばよいのですが、自分のすぐ後方に敵選手がいるのであれば、相手ゴール方向へ背を向けて自分の体を使ってスクリーンすることで相手からボールを守る必要が出てきます。(つまりポストプレー)
味方からのパスがグラウンダーで、敵選手が自分に対して体を密着させてこないならば、両手を後方に出して背後に敵選手がいないか探りつつ、ボールをトラップする瞬間に自分の間合いに入られないようにハンドオフして、自分が狙ったところへボールを落とします。相手が背後から体を密着させてきた時は、両手を広げ腰をやや落としお尻を突き出して自分の体重を背後にいる敵選手に預けます。その上で自分が狙ったところへボールを落としても良いですし、相手と自分の体が密着しているところを支点にしてボールと一緒に前方へターンすれば上手く入れ替わることができます。味方からのボールを受ける瞬間、相手が後退することで自分が背後に倒れれば、上手くいけばファールをもらえます。これがポストプレーの基本です。

名前のあがらなかった選手は及第点の出来か、プレー機会が少なく評価の対象外です


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 森保監督の采配について、まず選手起用の面で疑問を感じました。

W杯の予選と違い、いくらでも失敗が許される貴重なテストマッチの機会ですから、選手層を厚くするためにもっと若手を積極的に起用し経験を積ませるべきでしたが、GKには川島選手、左SBに佐々木選手というベテランが起用され、若手が経験を積む貴重な機会が失われたように思います。

川島選手も佐々木選手もこれから劇的な「伸びしろ」が期待できる年齢ではありませんし、GKに中村選手、左SBにもっと若い選手を招集して起用していれば、同じ大敗を喫するにしても日本サッカー界とって「将来への投資」になったはずです。

キックオフ後の采配についても不可解のように思え、明らかに佐々木選手が守備の穴になっていたのですから、どんなに遅くても0-2となった時点で交代させて傷口がこれ以上広がらないように手を打つべきでしたが、0-4となりもはや挽回不可能な状況になるまでベンチが何も動かなかったことについて理解に苦しみます。

また中島選手の独りよがりなプレーが、チームの攻撃が機能しない大きな原因となっていたのも明白でしたが、どのエリアでドリブルをすれば効果的なのか、森保監督が明確に指導すべきです。

そうすれば中島選手もちゃんと理解してくれると信じていますが、もし監督の指導を無視するようであれば、「どんなに上手い選手でもアンタッチャブルなスターはいらない。スターはチームなんだ」ということを代表選手全員に知らしめるために、態度を改めるまで中島選手の起用を見合わせるべきです。

森保監督としては、選手が自分の頭で考えて正しい判断ができるようになって欲しいという意図から、こうした問題をあえて放置しているのかもしれませんが、選手が同じような失敗を繰り返して正解にたどり着けそうにないならば、指導するなり最低でもヒントを与えるなりしないと、「選手が自分の頭で考えて正解を導き出せば、日本サッカーは強くなる」といってドイツW杯本大会まで自由放任主義を貫いた結果、壊滅的な敗北を喫したジーコジャパンの二の舞になりかねません。


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 19日に行われたベネズエラとのテストマッチは、1-4の惨敗というあってはならない結果に終わりましたし、試合内容の方もひどかったです。

この試合の日本代表は攻守両面で組織になっておらず、モダンなパスサッカーを展開したベネズエラに組織力でも個の能力でも完敗でした。

このゲームに出場した多くの選手は、世界的に見て自分の実力がどの位置にあるのか痛感したと思いますので、これを貴重な経験にして世界に通用するプレーヤーになって欲しいです。

今月17日に行われたU-22代表のゲームからわずか2日後にこの試合があったわけですが、そのせいで森保監督は選手に組織戦術を浸透させるための十分な時間が取れず、このような惨敗を招いてしまったのでしょうか。

ベストメンバーが揃ったはずのU-22代表もコロンビアに負けてしまい、フル代表と五輪代表の監督兼任は無理だという主張が出ていますが、一番の問題はU-22代表の試合からたった2日後にA代表のテストマッチを組んだ日本サッカー協会(JFA)にあると考えます。

14日にキルギスとのW杯アジア予選をやったあと17日は練習日に当て、19日の試合はフル代表ではなくU-22代表のテストマッチにしておけば、こんなことにはならなかったはずです。

FIFAインターナショナルウインドウの期間中に、A代表と五輪代表で3試合を組めば、テレビ中継の広告収入や入場料収入で営業的に美味しいのはわかりますが、JFAにとって代表戦は看板商品のはずです。

その看板商品としてクオリティーの低い試合を粗製乱造していけば、顧客であるサポーターはいずれそっぽを向くでしょう。

JFAにとってそれが本当に利益になるのか、じっくり考えるべきです。

 最後に余談ですが、日本代表の新しいユニフォーム、実際に選手が着てプレーすれば印象が変わるのではないか、キルギス・ビシケクのスタジアムの照明が薄暗いから、日本のスタジアムの明るいカクテル光線のもとで見ればマシになるのではないかと思ったんですが、やっぱりダメでした。

背中側の水色が「日本晴れ」を表すというのはわかったんですが、単純に前側の色が美しくないんですよね。いやハッキリ言って色が汚らしいんです。ユーウツな灰色の曇り空にしか見えません。

あと、赤い色の背番号も視認性が最悪で本当に見にくいです。

ラ・リーガでピンク色のボールを導入したら、サポーターから「見にくい」とコテンパンに叩かれて、たった一節でボツになったのですが、JFAにあのユニフォームはやめようと言える勇気を持った人はいないんでしょうか。




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