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■日本代表、コロンビアに工夫無く、力負け(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、卓越した個人技で中盤での攻撃のビルドアップに、チャンスメークに、そしてシュートにと獅子奮迅の働きをした中島選手。コロンビアの選手2人ぐらいに囲まれてもボールを失わないキープ力は素晴らしいですし、ドリブルも相変わらずキレキレでした。

ただ、後半に守備が得意とはいえない中島選手のサイドを集中的に攻められると、中島選手も攻めあがることができなくなり、チーム全体としての攻め手も失ってしまったところは、今後解決すべき課題です。

 逆に冨安選手は、やや不運ながらも自身のハンドで相手に決勝点となるPKを献上。
アジアカップから日本のDFによるハンドが続いていますから何らかの対策が必要でしょう。例えば自分がペナの中にいて相手のシュートが来そうな場面では、両手を体の線から出ないようにして自分の股間を抑え、金的や肺をボールの強打から守るようにするとか...。
ハンドを取られたプレー以外では、ファルカオを始めとするコロンビアのアタッカー陣に対し、地上戦でも空中戦でも大きな穴を開けることなく守れたのは大きな収穫でした。

昌子選手は、コロンビアの攻撃陣を怖がってしまったのか、バックラインを下げすぎてしまい、MF4人でつくるラインとの間にスペースをつくってしまったのは課題です。
後半21分ドリブルするムリエルとの一対一の場面では、相手にスピードの緩急をつけられるとついていけずに抜かれ、あわや失点かというピンチを招いてしまいました。ドリブルする相手に対し、スピードの緩急やフェイントをかけられると足を滑らせたり尻餅をつかされたりして抜かれ失点というシーンをリーグアンの試合でも見かけますが、ワンサイドカットをせずに、自分の左右どちらも抜かせまいとして結局どちらも抜かれてしまっていることが、昌子選手が一対一で簡単にやられてしまう原因のように思います。
ドリブルしてくる相手との一対一の局面では、まず相手の利き足がどちらかを考え、利き足側を切って相手にボール扱いが苦手な方の足で持たせてから奪うようにすると、一対一に勝てる確率があがります。相手が両方の足で同じようにボールを扱える時は、シュートの角度が広くなるピッチ中央方向を切って、相手をサイドへ追い込むことが基本となります。
また、後半1分にパラシオスへのスライディングタックルが空振りとなりやはり失点のピンチを招いてしまいましたが、一度寝てしまうと挽回はほぼ不可能になりますから、スライディングタックルはボールに足が届く100%の確信がある時以外、自重すべきでしょう。

佐々木選手は前半21分、左サイドでの相手のダイレクトパスによる攻撃によって不意を突かれ、ビジャにウラを取られて決定的なピンチを招いてしまいました。相手と自分のスピードの差を考慮して適切な間合いをとることで、自分のウラへパスが出たときに相手にスピードでブッチ切られないようにする必要があります。

柴崎選手は 後半20分のピンチに良く戻り、彼のクリアのおかげでチームの失点が1減りましたが、中盤での攻撃のビルドアップ、つまりバックからパスを受けて2列目の3人に確実にボールをつなぐというボランチにとって一番重要な仕事に対する貢献度が低いです。
CBやSBがパスコースを探しているときは、速やかに寄せて自分がフリーなら半身でボールを受けてスッと前を向き、2列目の選手がフリーでいるうちに正確にパスをつなぐという、地味ですが本当に重要な仕事をコツコツとこなして欲しいのです。
そうした仕事を中島選手の個人技に頼ってしまっているので、彼がドリブルでアタッキングサードへボールを運んでくれると柴崎選手も攻め上がって味方に良いパスが出せるのですが、後半に相手が取ってきた「中島封じ」の対策によって彼が機能しなくなると、チーム全体としても攻め手を失ってしまい、それがこの試合の勝敗の分かれ目となってしまいました。
先月のアジアカップでも、中島・大迫両選手がいなかったオマーン戦やサウジ戦では先制した後チームとしてボールをキープして攻めることができなくなってしまいましたが、これから先も、中島・大迫両選手がいない状態で重要な試合を戦わなければならないケースが出てくるかもしれませんし、そういう場合は柴崎選手が中心となって日本の攻撃を組み立てて欲しいです。
このゲームで失点した後、香川・乾両選手が投入されると再び柴崎選手も良いプレーができるようになりましたが、これを見て思ったことは、皆さんロシアW杯での柴崎選手の活躍が目に焼き付いていると思うのですが、それはボールキープ力のある香川選手や乾選手、あるいはダブルボランチを組んだ長谷部選手がサポートしてくれていたから、柴崎選手もあのような活躍が出来たのではないか、ということです。もしそうであるなら、攻撃の中心選手として柴崎選手はまだ「独り立ち」できていないということになりますので、それが今後の課題となるのではないでしょうか。
この試合DFラインを下げすぎていて、ダブルボランチから前のMF4人でつくるラインとの距離が大きく離れ、日本の守備ブロックが間延びしてしまい、広く空いた中盤のスペースを相手のカウンター時に使われてしまいましたから、守備ブロックをコンパクトな状態に保つために、DF陣にバックラインを上げさせるか、それとも低いバックラインに合わせて自分を含むMF陣を下がらせるのか、ゲームキャプテンを任されていた柴崎選手がハッキリとした指示を出して欲しいです。

山口選手も、ボランチというチームが攻撃のビルドアップしていく時に中心となるべきポジションを任されているのにパス受けの動きが足りなさすぎますし、攻撃面でほとんど貢献できていません。個の能力が高いコロンビアの選手が相手で、得意はなずの対人守備でも一対一で競り負ける場面もありました。

堂安選手は、強引なドリブルから盛んにシュートを打っていきましたがほとんどがワクを外れていき、ゴールという結果が出ませんでした。ミドルシュートを打つことが間違いということではありませんがアイデアが不足しており、相手も堂安選手が次にどういうプレーをするのか予測しやすく、それが結果につながらない原因のように思います。
ペナルティエリアの直前までドリブルしてしまうと、相手もバックラインを下げてウラのスペースが狭くなり、相手バックが2~3人いる前からミドルシュートを打つというワンパターンの選択肢しか無くなってしまいます。
オフサイドにならずに相手DFラインのウラでボールを持ち、相手GKと一対一の形をつくればゴールできる確率が一番高くなりますから、まずはそういうプレーを狙うべきでしょう。
例えば、右サイドでボールを受けてカットインドリブルを始めたら、相手DFラインのウラにスペースがあるうちに、ダイアゴナルランした味方(この試合で言えばトップの鈴木選手や南野・中島選手)にスルーパスを出してゴールを決めさせたり、逆にバイタルにいる南野選手や鈴木選手にいったんボールを預け、スルーパスをだしてもらってウラへ抜けだした堂安選手が相手GKとの一対一を制して決めるといった、コンビネーションプレーをもっと磨いていくべきです。
ゲーム前やゲーム中にチームメイトとそうした共通理解を深める必要がありますし、クラブでもウラへ抜けるマヒにスルーパスを出してゴールを決めさせたり、逆に自分がマヒからスルーパスをもらってゴールを決めたりするプレーを増やしていけば、相手も堂安選手のプレーを絞りづらくなって、カットインドリブルからのミドルシュートというプレーも生きてくると思います。

南野選手も、強引にゴリゴリシュートを打っていきましたが精度に欠けました。昨年秋のテストマッチでは彼の非常に正確なシュートに感心していたのですが、最近は結果を出すことに焦っているのか、ゴールや相手GKの位置を確認する余裕がなく、シュートも不正確になっているように見えます。
ワントップに入る選手や中島・堂安両選手にスルーパスを出してゴールを決めさせるなど味方とのコンビネーションを高め、攻撃のバリエーションを増やしていくことで、自分のゴールという結果にもつながっていくと思います。
また、中盤での攻撃のビルドアップにもどんどん参加して、チームがスムーズに攻撃できるようにして欲しいです。それによって自分のシュートチャンスも増えることになります。

 いつものように名前の挙がらなかった選手は及第点の出来か、プレー時間が短く評価の対象外ですが、鈴木・小林・鎌田そして香川選手はもうちょっと長くプレーを見たかったですね。


    ☆       ☆       ☆


 森保監督の戦術面では、南野選手のゼロトップは試みとして面白いと思いました。今後も機能するかどうか試していく価値は十分あると思います。

ただ、中島選手や大迫選手がいないとチームとしてボールをキープして攻撃することができなくなってしまうというアジアカップで露呈した課題が依然解決されていません。

この試合ではコロンビアのケイロス監督の采配によって、攻撃力はめっぽう高いものの守備が得意とは言えない中島選手のいる左サイドを後半になって集中的に攻撃されると、中島選手のドリブルが封じ込められるという形で、攻められっぱなしだったアジアカップのサウジ戦と同じような状況を招いてしまいました。

そしてこれが冨安選手のハンドを誘発してこの試合の勝負を分ける分岐点となりました。

昨年秋のウルグアイ戦後の記事でも、森保ジャパンは攻守のバランスが取れておらず、守備力が不足していると指摘しましたが、コロンビアのように攻撃力の高いチームに中島選手のサイドを攻撃されたらどうすべきか、それが解決すべき新たな課題となりました。

一つのソリューションとしては、中島選手が守備力をアップさせることを待つこと。

もう一つは、彼の守備の負担が軽くなるようなフォーメーションを用意することです。

例えば、W杯のグループリーグでフランスやベルギーのような強豪チームと当たってどうしても負けたくない、守備重視で最低でも勝ち点1が欲しいというゲームについては次のようなシステムにするのも一つの案でしょう。




 ▲5-3-2



      ▲大迫    ▲南野
             (堂安)
            

          ▲中島
 

    
       ▲小林   ▲遠藤


   
  ▲長友 ▲冨安 ▲吉田 ▲昌子 ▲酒井


    ☆       ☆       ☆


 コロンビアとのテストマッチを0-1で落としてしまったという結果については残念でしたし、試合内容も、特に攻撃面で工夫やアイデアに乏しく、強引なドリブルをゴリゴリ仕掛け、遠目からミドルシュートを打っては外すという単調な攻撃が多かったように思います。

中島選手や大迫選手がいなかったり、ポストプレーなどの得意なプレーが相手の対策によって封じ込められてしまうと、日本代表はチームとしての攻め手を失ってしまうというアジアカップで露呈した課題がこのゲームでも解決されず、それが敗因となってしまいました。

コロンビアが「中島封じ」として、日本の左サイドを集中攻撃してきても、ダブルボランチを中心に攻撃をビルドアップして中央や右サイドから反撃できれば、この試合の結果も違っていた可能性がありますが、防戦一方となって相手の波状攻撃に我慢しきれず、冨安選手のハンドを誘発してそれが決勝点となってしまいました。

このゲームのあと、「コロンビアに善戦した」ということで一部のメディアやサポーターに満足感が漂っているようですが、個人的には違和感を覚えます。

「強豪に善戦したけど結局は負けた」というのは、1998年フランスW杯に出場した第一期岡田ジャパンからベルギーに負けた昨年のロシアW杯までずっと経験してきたことですし、「もうそれで満足する時代は去った。日本代表選手のほとんどが欧州でプレーしている今、もう次のステップに進むべきだ」というのが自分の考え方です。

昨年秋のウルグアイ戦のあと、あるサッカー系の掲示板に、日本代表の勝利に気持ちよく酔いたいんだからヤボなこと言うなといわんばかりに、「テストマッチだからウルグアイに4-3で勝ったことを額面通りに受け取れない」という意見に対する批判が書き込まれていましたが、サッカーというスポーツにおいて、W杯のような公式戦と単なるテストマッチ、ホームとアウェーの区別をつけずに、ぜんぶ一緒に考えていると、とんでもない勘違いをする可能性があります。

コロンビア代表の両サイドバックは国内リーグでプレーしているので、時差がバリバリある地球の裏側から日本にやって来てプレーしているはずで、マッチアップした中島・堂安両選手がドリブルでゴリゴリ行けても、それはある意味当然と言えます。

逆に、もし日本がW杯の南米予選に参加して、アウェーのバランキージャで本気のコロンビアと対戦した時、森保ジャパンがこのゲームと同じレベルのプレーしかできないならば、例え大迫・吉田選手を加えてフルメンバーでぶつかっても、手も足も出ずに0-3の完敗を喫する可能性があります。

そうした意味で、「捉え方によっては危険」とこのゲームを評価し、「今言えるのは、自分たちが良い勝負を演じていることに満足するレベルではないということ」というコメントを試合後に残した柴崎選手と、私はまったく同じ意見です。

〈了〉



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■コメント

■ [名無しさん]

中島選手の課題は前々からずっと指摘されていたことで、何をいまさらといった感じですね。
いつも過大評価しすぎじゃないでしょうか。
柴崎選手がW杯で活躍できたのは、長谷部、香川両選手が彼の特徴を生かすために損な役回りを引き受けていたであろうことは、当時から指摘されていました。
何を今更ですね。
当時気付いていなかったのですか?
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