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■日本代表、サウジとのスキャンダラスな一戦を制す

 昨日、日本代表のアジアカップ2019決勝トーナメント1回戦となるサウジアラビアとのゲームが行われ、日本が1-0で勝利しました。

対戦相手のサウジアラビア代表は全員が自国リーグでプレーしています。

その戦力を評価すれば、ホームで日本の勝利、アウェーで引き分けが一番確率が高い試合結果と見ていました。それを踏まえれば、中立地で日本の勝利という結果は順当でしたが、試合内容は悪かったと思います。

守備はともかく、日本は攻撃の形をまったくといって良いほどつくれず、数少ないセットプレーからのワンチャンスをゴールに結びつけ、それを最後まで守り切っての苦しい勝利でした。

また試合に勝ったからこそ負け惜しみで言っているのではないということをわかってもらえると思いますが、この試合を裁いた審判団には「政治力」がかかっていたように見え、明らかに相手に当たって出たのに日本のCKをまったく認めないなど、ジャッジが両チームにとって公平中立なものとは決して思えませんでした。

それではこのスキャンダラスな試合での日本代表のゲーム内容がどうだったか見ていきましょう。


    ☆       ☆       ☆


 守備面に関しては良かったと思います。というか、ほぼ90分間守備しかしていないゲームでしたね。

コンパクトな守備ブロックをつくって自分たちが守るべきスペースを限定し、相手に攻撃での自由を与えていませんでした。

中盤でもっとプレスをかけてボールを奪ってから攻撃につなげることができればなお良かったのですが、日本の選手が正当なボディコンタクトからボールを奪っても、主審がすべて日本のファールにしちゃいましたから、やむを得なかったかもしれません。

 攻撃に関しては組織力が極めて低く、選手同士に連動性のかけらも見られませんでした。

チームとしてのボールキープ力がなく、前へポンポンロングボールを蹴ってしまい、周囲の味方が攻め上がるための時間がつくれないので、あっという間にボールをロストしては相手の波状攻撃を浴びてしまいました。

数少ないセットプレー以外、相手からゴールを奪う手段が皆無に等しく、もし1点でも失っていたら精神的にガタガタッといって、立て続けに逆転ゴールを許してしまうと、そこで「終わり」というサッカーになってしまっています。

この試合はオマーン戦に出た“主力組”が戻ってきたわけですが、オマーン戦の課題として当研究所が指摘していたことがまったく改善されていません。

むしろウズベキスタン戦に出ていた“サブ組”の方がクオリティの高いサッカーをやっていました。

この試合に関して、UAEの新聞が「ウズベキスタン戦に出ていた日本代表の方が見ごたえがあって流動性のあるサッカーをやっていた」と書いていたそうですが良く見ていますね。私も同感です。

いくらジャッジがひどかったとしても、もっと攻撃のやりようはあったはず。

一本調子でロングを放り込んではすべて相手にボールを拾われ、波状攻撃を浴びてアップアップの展開だったわけですから、時間帯によっては攻め急がずに、ボールをチームでポゼッションする遅攻を上手く使い分けられたら、もっと楽に勝てたと思います。

そのためには、味方のボール保持者をサポートして複数のパスコースを確保するための正しいポジショニング(下図)を取り、トライアングルをつくりながらボールをアタッキングサードまで運んでいくことが必要になりますし、そうしたチーム戦術は、特別な才能に恵まれていなくてもできるはずです。


適切
(クリックで拡大)



ダイアモンド



守備はともかく攻撃面では試合内容に何ら見るべきものはなく、より高度なサッカーをするためのチャレンジをすべて避けていました。

こういうレベルの低いサッカーをやって結果が出たとしても選手の成長は見込めませんし、長い目で見て日本サッカーの発展のためにならないと思います。



    ☆       ☆       ☆



 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、守備に決勝点ゲットに大活躍だった冨安選手。
若い彼が守備でアジアの強豪相手に十分通用したことは大きな収穫でした。当研究所は「センターバックは専門職であり身長は最低でも185㎝以上欲しい」とずっと言ってきましたが、中澤・闘莉王のコンビ以来、ようやく世界で戦えるCBがそろってきたように思います。攻撃陣がパッとしない中、クレバーな動きでマークを外して値千金の決勝点もゲット。

遠藤選手は、中盤でのボール奪取力が非常に素晴らしかったですね。ボランチとして攻守のバランスを考えたポジショニングを取りバック陣を助けていました。あとは「顔出しの動き」の質と量を高めてボール保持者に常にパスコースを用意する動きができればなお良いです。
 
吉田選手は、顔面で相手シュートをセーブするなどディフェンスリーダーとして奮闘。
ただ自陣左サイドでの軽い対応から一発で抜かれたプレーは反省点ですし、マイボールになった時、味方がまったくいないところへロングボールを蹴って自分たちでゲームを苦しくしていました。

 逆に柴崎選手は、CKから冨安選手のゴールをアシストしたのは良かったのですが、流れの中でのプレーでは、一本調子でタテに速いパスを出してしまうのでチームとしてボールをキープすることがまったくできず、相手の波状攻撃を90分間受け続けてしまう一因に。チーム全体としてボール保持者にパスコースをつくるような動きができなかったこともありますが、攻撃的なボランチの重要な仕事として、自分のところでタメをつくってボールをキープし、味方が攻撃のためのポジショニングを取る時間を稼ぐような緩急をつけたプレーが欲しいです。

南野選手は、攻撃面でほとんど機能していません。基本的に「フィニッシャー」なので南野選手にボールを供給してくれる味方が必要なのですが、中島選手が負傷離脱中で、チーム内にボールキープ力のあるパスの出し手がほとんどいないことが機能しない原因となっています。

原口選手は前半35分のプレーで 相手ボール保持者と一対一になっている長友選手をカバーしたときのポジショニングがおかしく、長友選手の右ナナメ後方にポジショニングしていれば、アルムワラドのドリブル突破を許してシュートを浴びることを防げたと思います。

酒井選手は相手セットプレー時に、ファーポスト側へボールが来ると対応が遅れて相手のマークを外してシュートを打たれることが多いのは改善点です。

武藤選手はまったく必要のないラフプレーが原因で大切な次の試合を累積警告で出場できなくなってしまいました。
後半14分のカウンターシーンでは、ニアポスト側へ切り返したためシュートコースが無くなってしまいましたが、最初にファーポスト側に切り返すことはできなかったでしょうか。
   


    ☆       ☆       ☆



 森保監督の采配について分析しますと、審判団がサウジの12・13番目の選手になっていましたから、あえてこういうゲームをやったのかもしれませんが、それにしても守備はともかく攻撃戦術のクオリティが低すぎます。

攻撃面での組織や選手同士の連携といったものがまるで見られず、セットプレー以外に相手からゴールを奪う手段が見当たりません。

ウルグアイとのテストマッチで見られたあのワクワク感が完全に消えてしまいました。

ウルグアイ戦での森保ジャパンの攻撃が素晴らしかったのは、チーム戦術というよりも“ドリブルお化け”のボールを相手ゴールまで運ぶ力がスゴすぎるおかげだったことが明らかになりつつありますが、攻撃戦術=中島選手というのでは困ります。

むしろ中島・大迫両選手が使えない“飛車角落ち”の苦しい状況だからこそ、チーム全体で組織的にボールをキープして相手ゴールまで運び、各選手が連動して相手の守備組織を崩し、得点を狙うような戦術が必要だと思います。

トルクメニスタン戦の記事でも指摘しましたが、中島選手が抜けたことでボールを相手ゴールまで運ぶ力が落ちており、森保監督が“主力組”として送り出すメンバーも、システムとしてあまり機能していません。

「使う」「使われる」という表現はあまり好きではありませんが、キープ力があって相手ゴールまでボールを運べる「使う選手」が足りず、味方からパスを受けてゴールを奪う「使われる選手」の比率が多すぎて、チーム全体としての「ボールを相手ゴールまで運ぶ力」が落ちてしまっているからです。

前述のようにトップ下といっても南野選手は司令塔タイプの「使う選手」ではなく「使われる選手」であり、2列目に「使う選手」がいなければ南野選手にボールが供給されず、彼本来の力を発揮することは出来ません。

左サイドの原口選手・右サイドの堂安選手も「使う」「使われる」両方できると思いますが、どちらかといえば「使われるタイプ」でしょう。

もちろんワントップの武藤選手は「使われる選手」です。

本来なら攻撃的なボランチである柴崎選手が周囲の味方と連携しながら自分のところでボールをキープしてタメをつくり、2列目より前の選手が攻撃のポジションを取る時間をつくってやってからパス出しする「使う」選手になれれば良いのですが、受け手の準備が整っていようがいまいがダイレクトで前方へパスを出してしまうため、その多くがボールロストとなって、「使われる選手」に良い形でボールが届きません。

今の日本代表は、大会直前に強豪とテストマッチをやるようになったらまったく通用しなかったハリルジャパンのタテポンサッカーのようになってしまっており、西野さんがロシアW杯で卓越した技術でボールキープができる乾選手を抜擢してチームを生き返らせたことを思い出しますが、その時と同様、チーム全体のバランスを考えて「使われる選手」を減らして「使う選手」を増やすべきだと思います。

次戦は武藤選手が出場停止ですから、北川選手もポストプレーがあまり得意ではないという点では同じなのでシュート決定力の実績を買って南野選手をワントップに持ってきて、トップ下には強いフィジカルコンタクト能力でボールをキープして前へ運べる堂安選手、左サイドには乾選手を入れて、右サイドにはスピードとキープ力を兼ね備えた伊東選手はどうでしょうか。

もし伊東選手をジョーカーとして取っておきたいのであれば、右サイドの先発を原口選手にして、試合の終盤に伊東選手を右サイドに入れたら、その時間帯にへばってくるであろう左サイドの乾選手のところに原口選手を回せばよいかと思われます。

ここまで攻撃面で柴崎選手がほとんど機能しておらず、セットプレー時のキッカーさえ確保できるなら、遠藤・塩谷のダブルボランチで守備を安定させた方が良いかもしれません。塩谷選手にはミドルシュートでドカンがありますしね。



           南野



    乾      堂安    伊東
   (原口)         (原口)



        遠藤    塩谷



   長友   吉田    冨安   酒井


           権田



ウズベキスタン戦で効いていたボランチの青山選手がヒザの故障でチームを離脱してしまったのが痛いのですが、誰を代わりに招集するのでしょうか。

プレーをまったく見ておりませんが、ヘーレンフェーンの小林選手はいかがなものでしょうか。あるいはFWの駒が足りていないのでシントトロイデン鎌田選手を呼んでFWやトップ下に入れれば、苦しいチームを救うラッキーボーイになってくれるかもしれません。



    ☆       ☆       ☆



 審判団がサウジの12・13番目の選手になっていた苦しい試合でも勝利という結果を手に入れた選手たちはよく頑張ったと思いますが、この試合を見てショックだったことが2つありました。

1つ目は、攻守の組織戦術で日本はサウジに完敗だったこと。

サウジは、ファンマルバイク元監督時代からポゼッションサッカーに大転換しましたが、ボール保持者を複数の選手が適切な距離(10m以内)でサポートしつつ組織的にパスを回して多くのシュートチャンスをつくり、ボールをロストしてもそのエリアに多くの選手がいるのですぐに組織的なプレスをかけて短時間でボールを回収することができるという、バルサやオランダのパスサッカーを長年見てきた当ブログ管理人にとっては馴染みのある戦術でした。

今は個の能力、特にフィジカルコンタクト能力で勝っているので、どうにかこうにか得失点の帳尻を合わせて試合に勝つことができていますが、もし将来的にサウジ人選手の能力が日本人選手と並んだり上回ったりした場合、チーム戦術面で劣る日本は手も足も出なくなるでしょう。

また足元の技術に限って言えば日本人選手を上回っているサウジの選手も見られ、日本サッカー界全体がこの試合の内容を重く受け止め、足元の技術・フィジカル能力・戦術の理解力などで世界トップクラスの選手をこれから数多く育成していかないと、アジアレベルでさえ日本サッカーの優位性を保つことはできないと思われます。

W杯やチャンピオンズリーグの決勝戦で活躍するような日本人選手を輩出させたいなら、サウジの選手からプレスをかけられても冷静さを失わず、味方の足元へ正確無比なパスをつなぎ、質の高い組織的なサッカーを当たり前のようにできるような選手を育成しなければなりません。

 2つ目は、アジアナンバー1との評判だったイルマトフ主審でさえ、ああいう笛を吹くんだなということがわかったことです。

サウジの選手がシミュレーション気味に倒れれば、すべて日本のファールになるところから始まって、逆に堂安選手が倒されてもサウジのファールにはならず、相手に当たってボールが出たのに日本のCKがことごとく認められない、南野選手の胸か肩でのトラップからのシュートチャンスがハンドと判定されるなど、日本の得点チャンスは審判団によってトコトンつぶされていたように見えました。

誰がこの試合の審判団に「政治力」をかけて、あのようなジャッジをさせたのか知りませんが、決してその人たち自身のためにならないと思います。

また再三再四言っているように、日本サッカー協会はどうしてアジアサッカー界の腐敗を放置しているのでしょうか。

アジアサッカー連盟の規律委員会など権力のある部門に日本人関係者を送り込んで、すべてのチームにとって公平中立なジャッジが確保されるよう積極的に活動して欲しいです。

スポーツは「筋書きのないドラマ」だからこそ面白いのであって、ゲームをやる前からどちらが勝つか筋書きが決まっており、その筋書きが実現するように審判団があの手この手で「出来レース」を演出するような茶番劇ほど、クッソつまらないものはありません。

そんな茶番劇を2時間とか3時間かけて見るのは時間のムダですし、そんな試合がこれからも続くようなら代表戦を見るのはやめて、バルサやマンチェスターC戦を追っかけるようにします。

 次の試合の相手ベトナムも油断ならない相手ですが、失敗を恐れて消極的な守りに入ったサッカーではなく、日本代表が勇気を持ち、攻守両面で積極的にチャレンジする良いサッカーが見たいです。




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■コメント

■Re:日本代表、サウジとのスキャンダラスな一戦を制す [名無しさん]

政治力とか中東の笛とかではなく、ズバリ「審判買収!」というべきでは?
そしてこの試合のMOMは「汚オイル」マトフw
ただし彼も好き好んで買収されたのでは無く、あのサウジの刹サツ人皇太子からの本人か身内への危険を仄めかすような脅しで、泣く泣く従ったのでしょう。

もちろん皇太子側はこの脅しをバラサレたら困るので、その保険として相手に必ずお金を受けとらせ、同じ穴のムジナにイルマトフを落とし込んでいるでしょう。そうしないと悪ワルの心理としては安心できない訳ですよ。

ただイルマトフも泣く泣く金を受けとる条件として、試合を一発で壊すキムチ札とPKだけは「出さない」ことを刹サツ人皇太子側に認めさせて、最低限の「良心と誇り」を守った、、、これが妥当性 or 合理性をもった推測ですね。
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