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■アジアカップ2019に臨む日本代表メンバー発表

 来年1月に開幕するアジアカップ2019のために招集された日本代表メンバーが12日に発表されました。以下の通りです。


GK 
   東口 順昭 (G大阪)  
   権田 修一 (鳥栖)
   シュミット・ダニエル(仙台)

DF 
   吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド) 
   冨安 健洋 (シントトロイデン:ベルギー) 
   長友 佑都 (ガラタサライ:トルコ)
   酒井 宏樹 (マルセイユ:フランス)
   槙野 智章 (浦和)
   三浦 弦太 (G大阪)
   室屋  成 (F東京)
   佐々木 翔 (広島) 

MF 
   中島 翔哉 (ポルティモネンセ:ポルトガル) 
   南野 拓実 (ザルツブルク:オーストリア) 
   堂安  律 (フローニンゲン:オランダ)
   柴崎  岳 (ヘタフェ:スペイン)
   遠藤  航 (シントトロイデン:ベルギー)
   原口 元気 (ハノーファー:ドイツ)
   守田 英正 (川崎)
   伊東 純也 (柏)
   青山 敏弘 (広島)

FW 
   大迫 勇也 (ブレーメン:ドイツ) 
   北川 航也 (清水)
   浅野 拓磨 (ハノーファー:ドイツ) 



 前回エントリーで当研究所が期待するアジアカップ代表メンバーをあげておきました(下図)が、森保監督は、9~11月のテストマッチの結果を踏まえた、比較的順当なメンバー選考をしたように思います。

乾・香川選手らベテラン勢の招集を見合わせたのは、彼らの実力はもうわかっているわけですし、現状ではレギュラーポジション獲得に苦しんでいて、冬の移籍市場で何かアクションがあっても良いようにという配慮なのかもしれません。

リーグアン・ツールーズへの移籍が間近に迫っている昌子選手の名前が無いのも同じ理由かもしれませんね。



            大迫
           (武藤)
           (鈴木)
    

     中島     南野     堂安
    (原口)   (中島)   (原口)
    (乾)    (鎌田)   (伊東)


        柴崎     遠藤
       (守田)   (守田) 
              (冨安) 
     
    長友   吉田   昌子   酒井       
   (冨安) (昌子) (冨安) (室屋) 


            GK


サプライズがあったとすれば、鹿島の鈴木選手がまたしてもケガで招集不可能となったことが関係しているのかもしれませんが、ハノーファーの浅野選手が呼ばれたことです。

浅野選手がゲームに出た時の映像はなるべくチェックするようにしていますが、彼がなぜブンデスで結果を出せないのかと言えば、相手DFとの駆け引きがいっつもワンパターンだからです。

足の速さが浅野選手の唯一にして最大のストロングポイントということで、彼は試合中に相手バックラインのウラで味方からパスを受けてゴールを決めることを狙った動きを繰り返していることがほとんどです。

しかしブンデスレベルのバックであればそれを読んで対応することは簡単で、浅野選手のマークを担当するDFは、バックラインの前のスペース(バイタルエリア)で彼にボールを持たれてもさほど怖くはないので、自分のウラを取られないように浅野選手とある程度距離を保ったポジションを取ることができます。

そこでバックラインのウラへパスが出ても、守備側が先にボールに追いつくことができます。だからハノーファーの選手としても浅野選手へパスを出しにくいところがあるんじゃないでしょうか。

いくら浅野選手の足が速いからといっても彼より2~3m前方からスタートすれば、ヨーイドンでダッシュしても守備側の選手が先にゴール地点(ボール)に到達できますし、自分の体で背後からやってきた浅野選手をブロックしながら前へ飛び出してきたGKにボールをキャッチさせることもできます。

わかりやすく言えば、浅野選手は相手チームのDFに「自分はいつもじゃんけんでパーを出します」と宣言してから、本当にパーばかりを出してじゃんけんの勝負を挑んでいるようなものです。

たまに、うまく相手のウラへ抜け出してパスを受けてGKと一対一になれてもシュートを外してしまうので、こうなると「お手上げ」ですね。

しかし浅野選手がウラ抜けだけでなく、バイタルエリアでパスを受けて前を向き、フェイントで相手を揺さぶってDFの前からシュートを決める能力や、ドリブルなど個で対面の相手を抜き去ってシュートする能力を身に着けたりすれば、浅野選手をマークするバックにしてみれば、バイタルエリアで前を向かせると危ないから彼から離れたポジションを取ることはできず、かといって密着マークをしすぎると、今度はバックラインのウラへパスが出たときにスピードで振り切られ、自分のウラを取られてGKと一対一の場面をつくられてしまうリスクがあるということで、対応が一気に難しくなります。

守備側にしてみれば、浅野選手がパーを出すのかチョキを出すのかグーを出すのか予想を絞れないということです。

だから浅野選手にシザースフェイントやダブルタッチの技術を習得した方が良いと以前勧めたのです。

高度なフェイントやドリブル能力を身に着けることがどうしてもできないというなら、相手DFの前でパスを受けて前を向き、ゴールにつながる正確かつ決定的なパスを出す能力だって構いません。

サッカーにおいて、選手にしろチームにしろ「それを世界の誰も止められない場合を除き、たった一つのことしかできないということそれ自体が弱点となる」のです。

ある選手が右足だけでしかボール扱い(シュートやクロス)ができないのなら、守備側は右足側を切って苦手な左足で不正確なシュートやクロスを打たせるようにすれば良いですし、ある選手が周囲を生かすパスを出すことができずにドリブルしかできないのであれば、初めからパスの可能性を捨ててドリブル突破を防ぐような対応に専念すれば良いですし、ある選手がバックラインのウラでパスを受ける動きしかできないのであれば、自分の前でパスを受けて前を向かれる危険性を心配することなく、ウラを取られないようなポジショニングを取ることができます。

浅野選手にクラブでも代表でも結果を出すことができるよう応援する意味で、あえて取り上げてみました。

 続いてチームとしてのアジアカップの戦い方ですが、森保監督はメンバー発表の記者会見で相手チームに研究されることについて警戒しているようでした。

もちろん相手チームに研究され対策を立てられることについて備えなければなりませんし、自分たちも相手を研究する必要はあります。

しかし伝統的に「研究万能論」の傾向が強い日本サッカー界では、自分たちが研究され対策を立てられることを異常に恐れたり、自分たちが相手をスカウティングして立てた「対策」を、ピッチ上の状況おかまいなしに、何も考えずに一本調子にやってしまうことがあって、それは好ましいこととは言えません。

ハリルジャパンがロシアW杯アジア予選で苦戦したのは、カウンターサッカーがふさわしくない状況でも、ひたすらロングボールを放り込む「タテに速いサッカー」をやってしまったからです。

前述のように選手個々はもちろんチームレベルでも、それを世界の誰も止められない場合を除き、たった一つのことしかできないということそれ自体が弱点となります。

どんなシチュエーションでもカウンターサッカーしかできないチーム、逆にどんなときでもポゼッションサッカーしかできないチーム、あるいは、どんなときでもサイド攻撃しかできないチーム、逆に中央突破しかできないチーム、ドリブル攻撃しかできないチーム、細かいパスばかりでミドルシュートを打たないチームに対して、対戦相手がスカウティングにもとづく正確な予測を立て対策を講じることは簡単です。

自分たちが「たった一つのこと」しかできないことが、相手チームの対策を有効にさせてしまうと言えます。

ですから、ピッチ内の状況を見ながら選手たちが自分の頭で考え、ボールを自分たちでポゼッションして攻撃するのか、それともカウンター攻撃を狙うのか、サイドから攻めるか中央突破を狙うのか、前線からハイプレスをかけて相手ゴールに近いところで奪うかそれとも守備ブロックをつくってからのプレスで特定の方向へ相手のボール保持者を追い込んで奪い返すのか、戦術を適切に使い分けることで、相手に日本対策の的を絞らせないことが重要です。

そのためには、試合ごとに小手先の対策を立ててそれを忘れてというのを繰り返していくのではなく、サッカーで勝つために必要な基礎・応用力をユース年代から長期戦略で日本人選手に身につけさせることも大切なことです。(下図)

ムダ!
(クリックで拡大)

基礎が大切
(クリックで拡大)


 アジアカップはPK戦がありますから、その対策や練習も欠かせません。

「自分はPK戦で蹴りたくない」という人は、日本代表選手としてふさわしくないと個人的には考えますから、代表に招集されたすべての選手にPKを蹴るという覚悟をもって欲しいですし、それがベストを尽くした結果なら成功しても失敗しても、その選手を叩くサポーターはいないと思います。

逆にここでビビってしまう程度のメンタルの持ち主であればどんなにサッカーが上手くても、W杯本大会でのPK戦も含め、今後プレッシャーのかかる公式戦では、その選手に何も期待できません。

もしどうしてもPK戦で蹴るのが怖くてしょうがない選手がいるなら、他の選手に知られないような方法で森保監督に正直に申告させて、その選手はPK戦を蹴らせないようにするべきでしょう。

 最後に、アジアカップ2019では、グループリーグを決勝戦までの移動距離が長くなる1位で通過するか、それとも移動が楽な2位通過を狙うかという話も出ていますね。

過去を振り返れば、アジアにおいて日本代表は「イジメられっぱなし」でした。

自国開催で優勝した1992年大会は別としても、2004年大会は、南国・奄美大島とほぼ同じ緯度にありながら大河が合流する中華ナベの底のような風通しの悪い地形のため、夏の暑さが特に厳しいことで中国でも有名な都市・重慶で4試合も戦うことを余儀なくされ、東南アジア4ヵ国の共同開催となった2007年大会でも、日本は一番蒸し暑いベトナムでグループリーグを戦い、2015年大会では、グループリーグにおいて国土の広大なオーストラリアで日本は常に移動を強いられたにもかかわらず、日本の対戦相手となったパレスチナ・イラク・ヨルダンは日本戦の前に移動する必要がなく体力を温存できる(初戦で当たったパレスチナを除き、イラクとヨルダンは前の試合と日本戦の2試合連続で同じスタジアムで試合ができる)チートなスケジュールが組まれる始末。

さらに、アジアカップにしろW杯にしろA組から試合が始まるので、予選グループが3つならC組、4つならD組、8つならH組のように、初戦が始まるのが遅いグループになればなるほど決勝トーナメントに入ってからの試合間隔が短くなるので、他のグループのチームより休養日が少なくなって不利になることが多いのですが、96年大会以降のアジアカップを見ると、日本は日程的に不利なC組とかD組ばかりに入れられるんですよね。

抽選で決めているはずなのに、確率論から言って不自然なくらいに。

つまり、他のアジア諸国は自分たちが有利になるように「政治力」を使っていろいろとやっている一方、国連にしろFIFAにしろAFCにしろ「国際機関はどの国に対しても常に公平だ」と信じて疑わないナイーブな日本人は、ボケーっと何もしないうちにやられっぱなしなんじゃないかと。

別に、日本だけ有利な日程を組んでくれと言いたいわけではありません。

W杯アジア予選も含めフェアで公平な大会運営ができるよう、日本サッカー協会(JFA)がアジアサッカー連盟に人を送り込んで積極的にアジアサッカー界の浄化のために動くとか、真っ当な努力をしていただきたいだけです。

JFAに対しては「代表選手を守るためにもしっかりしてくれ!!」と声を大にして言いたいですね。

しかしこうしたことは決して良いこととは言えないのですが、アジアカップでのこうした「イジメ」が日本を逆に強くしていったというか、そうした逆境をタフに乗り越えてアジア最高となる4度の優勝を成し遂げたからこそ、ロシアW杯で唯一決勝Tに進出し、ベルギーと互角にやり合うような現在の日本サッカーの強さにつながっているわけで、2019年大会でも日本代表の選手たちが逆境を乗り越えて1試合ごとに着実に成長し、アジアの頂点に立った先輩たちに続いてほしいです。

UAEでもアウェ-ゆえに日本代表にとって不利なことがあって、それに対してマスコミが「スタジアムの芝生が~、気温が~」と大騒ぎするかもしれませんが、選手たちはそれに対して神経質になったり不安になったりするのではなく、ドーンと構えて自分たちの実力を出し切ることに集中することが一番大切だと思います。

森保監督が選手として出場した92年大会からアジアカップは見ていますし、広島ビッグアーチで行われたサウジとの決勝戦での高木琢也選手(当時)の胸トラからの美しい決勝ゴールを今も鮮明に憶えていますが、あの初優勝から現在につながる日本サッカーの快進撃が始まったように思います。

来年1月のアジアカップも、今から楽しみになってきましたね。




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■コメント

■Re:アジアカップ2019に臨む日本代表メンバー発表 [スタイルを変えるな。]

日本がパッとしないのはコロコロと監督・スタイルを変えるからです。
Jリーグでも何年も同じ監督が指揮を取り続けるチームは強くなります。
湘南ベルマーレや松本山雅FCなどがそうです。
堅守速攻なら堅守速攻、ポゼッションならポゼッション、両刀使いなら両刀、コロコロとスタイルを変えてはダメです。
それが弱体化に繋がります。
J2から這い上がれないチームを見ていても一目瞭然でわかると思います。
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