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■主力選手欠場への備え

 今年行われる予定だった日本代表の試合はすべて終了し、来年1月のアジアカップが迫ってきました。

ウルグアイ戦は相手が新生・森保ジャパンの情報をほとんど持っていなかったため、特に攻撃面で出来すぎのところがありましたが、べネズエラ戦では相手に研究されてちょっと苦しみました。

それでも森保ジャパンの強化策は今のところ上手く行っていますし、その方向性は間違っていないと思います。

ベネズエラ・キルギスとのテストマッチを前に、11月シリーズの課題として、GK・センターバック(CB)・サイドバック(SB)そしてボランチの選手層を厚くすることをあげておきました。

では11月シリーズの結果はどうだったかCBに関して言えば、プレミアでプレーするFWロンドンを擁するベネズエラ相手に起用されたシントトロイデンの冨安選手が安定したパフォーマンスを見せてくれ、今後の成長がますます楽しみになってきましたし、ボランチではキルギス戦に出場した川崎の守田選手が攻守においてルーキーらしからぬ落ち着いたプレーぶりで、やはり収穫はありました。

GKに関しては、仙台のシュミット・ダニエル選手の足元の技術や高いフィード能力が目を引きましたが、GKの本業ともいえる厳しいシュートを打たれた時のポジショニングやキャッチング・セービング能力をもっと見てみたいところです。

SBは、レギュラーの左・長友、右・酒井の両選手とサブ組との差を埋めるところまではいきませんでした。

右SBで起用の室屋選手はまずまず及第点でしたが、左SBはちょっと人材難ですね。

広島の佐々木選手は攻守両面で物足りない出来でしたし、横浜Mの山中選手は代表初ゴールは良かったものの、守備力はもっとアップさせる必要があるように思います。(残念ながら山中選手はケガで来年1月に代表招集できるか不透明に)

キルギス戦全体から言えることは、SBはもちろん中島・南野・堂安・大迫ら攻撃の主力選手と“控え組”と目されている選手との間にまだまだ力の差があるということです。

世界の強豪国といえども、まったく戦力に差のない代表チームを2つ分用意することは容易なことではありません。もちろんそうならないことを強く願っていますが、アジアカップでは主力組の選手が累積警告等なんらか理由で出られないゲームがあるかもしれず、日本が優勝するためには、それに備えておくことが欠かせません。

それが今回のテーマです。

 森保ジャパンの攻撃面におけるストロングポイントは、中島・南野・堂安ら二列目の3人とワントップの大迫選手のコンビネーションです。

もし中島選手が試合に出られない時は、左サイドハーフ(SH)に原口選手、堂安選手が出られない時は、右SHに柏の伊東選手かこちらで原口選手を起用する手もあるでしょう。好調であればニュルンベルクの久保選手も選択肢に入ってくるのでしょうが、ブンデスへの適応に手こずってなかなか出場できていないようですね。(下図)


           大迫
          (武藤)
          (鈴木)
    

    中島     南野     堂安
   (原口)   (中島)   (原口)
   (乾)    (鎌田)   (伊東)


        DM     DM

     
    SB   CB     CB    SB       


           GK



もし原口選手が調子を落としてしまえば、左SHに乾選手あたりが呼ばれるのかなと思いますが、やはりべティスでの適応に苦労していますね。

セビージャに移籍した直後の清武選手のプレーを見た時も同じように感じたのですが、格上のクラブに移籍してチームメートは上手い選手ばかり、自分のところで絶対にミスしたくないという気持ちは良くわかるのですが、乾選手の場合もミスにもゴールにもつながる可能性がある前方への攻めのパスよりも、無難だけれどもちっとも面白くない横パス・バックパスが移籍直後の試合から非常に目立ちます。

「格上のクラブでも成功したいので大事に行きたい」ということで気持ちが守りに入ってしまい、パスにしろドリブルにしろプレーから怖さがなくなって相手チームに脅威を与えられず、そのことがベンチを温めている原因になっているのではないでしょうか。

「ノーリスク・ノーリターン」という言葉があるように、彼に限らずサッカー選手が成功するためには、失敗を恐れず全力を出し切ることに常に集中する勇気を持つことが大事だと思います。

南野選手が出場できなくなった時は、左SHに原口選手を入れて、トップ下に中島選手を回してはどうでしょうか。
あるいはシントトロイデンでゴールを量産している鎌田選手にチャンスを与えても面白いのではないかと思います。   

ドルトムントの香川選手もトップ下候補の1人で、彼が出場した試合はなるべくチェックするようにしていたのですが、ベンチ外となることが多くてレベルの高い試合に出ることが長期間できていない影響なのか、スピードやアジリティ・得点力が落ちているように見え、心配しています。

センターFW大迫選手の代役となると難しいですね。
特にポストプレー能力で彼に匹敵するものを持っている日本人選手はちょっと見当たりません。

11月シリーズでも杉本選手が試されましたが不満の残る出来でしたし、その点鹿島の鈴木優磨選手の方がポストプレーが収まりそうな気もするのですが、ケガで彼を試せなかったのは痛かったですね。

もっともJ1最終節の鹿島VS鳥栖戦では、ポストプレーも含めて鳥栖のCB高橋祐治選手に抑えられてなかなか仕事をさせてもらえず。高橋選手が力をつけてきたなと思う反面、鈴木選手はFWとしての能力アップがまだまだ必要に思います。

ケガから復帰したばかりのニューカッスルの武藤選手も、今月のプレー内容によっては候補にあがってくるでしょう。

ただ武藤選手にしろ鈴木選手にしろ北川選手にしろ、努力して高いポストプレー能力を身に着けてくれることが理想ですし、ポストプレーが出来てラストパスも出せ、ドリブルやフェイントなど個で局面を打開して足でも頭でもゴールを量産できるという、何でも完璧にこなせるFWが日本代表にいてくれれば本当に理想的なんですが、世界を見渡してもそんな選手はまずいませんし、大迫選手が起用できない時にポストプレーに向かない別の選手に彼の代役を無理してやらせるよりは、その試合に起用できる選手のプレースタイルにあった攻撃システムを考え、その中でそれぞれの選手に合った役割を与えた方が良いのではないかと思います。

アイデアの一つとして、かつてサッカー草創期のオーストリア代表に「紙男」の異名を持つセンターFWがいましたが、大迫選手が使えない時の「奇襲策」として南野選手をワントップにして「偽の9番」として動いてもらい、トップ下に柴崎選手を起用してみてはどうでしょうか。
(下図)



           南野
    


    中島     柴崎     堂安


        DM    DM

     
    SB   CB    CB   SB       


           GK



柴崎選手がボールを持っている時、南野選手が自分をマークする相手CBを引き連れ中盤に向かって下がってきたところで、中島もしくは堂安の両SHが南野選手が空けたスペースを利用しながら相手バックラインの前かウラへ走り込み、そこへ柴崎選手がパスを出してゴールを決めさせたり、もし南野選手に相手CBがついてこなければ、南野選手がフリーでパスを受けて前を向けますから、そこで二列目の3人のいずれかが南野選手を追い越しながらパスを受けてゴールを決めれば良いでしょう。

強力なFWが2人いれば、4-2-3-1にこだわらず4-4-2にしても良いと思うんですが、現状では欧州各国リーグ等でゴールを量産しているFWが見当たりません。

 それではまとめとして、個人的に考えるアジアカップに向けた日本代表を。(下図)



            大迫
           (武藤)
           (鈴木)
    

     中島     南野     堂安
    (原口)   (中島)   (原口)
    (乾)    (鎌田)   (伊東)


        柴崎     遠藤
       (守田)   (守田) 
              (冨安) 
     
    長友   吉田   昌子   酒井       
   (冨安) (昌子) (冨安) (室屋) 


            GK


 GKは、東口・権田・シュミットの3人のうち、森保さんがベストと考える選手を選べば良いでしょう。

CBはディフェンスリーダーの吉田選手を軸に、リーグアンに移籍間近と報じられている昌子選手を招集できるかどうかで状況が変わってきそうですが、監督さんがいけると判断されるなら、「将来への投資」 として試合に勝ちながら経験を積ませ成長させるという意味で冨安選手をレギュラーCBに抜擢しても良いと思います。

左SBは、肺気胸で出場が危ぶまれた長友選手が驚異的な回復を見せ、どうにか間に合いそうなのは朗報ですが、二番手以降の選手とは差があります。

長友選手が出られない場合はマルセイユの酒井選手を左に持ってきて、右に室屋選手という手もありますが、もしCBで冨安選手を先発起用させないのであれば、大会直前合宿で練習させて行けそうなら彼をここで使ってみてはどうかなと思います。

森保ジャパンは二列目より前の攻撃力が高いので、SBは守備に重きを置いても良いと個人的には考えていますし、スピードがあって足元の技術もしっかりしている冨安選手ならSBとしての攻撃参加も何だかんだ言ってできちゃうんじゃないかと。

右SBは、酒井選手がやはり頭抜けていますね。

ボランチには、クラブで試合に出て実戦感覚を取り戻し、守備能力も向上させるという条件つきで、まず柴崎選手。

より守備的なボランチには順当に行けば遠藤選手が選ばれそうですが、現状では守田選手とそれほど大きな差はないと個人的には考えています。

イランやオーストラリアのようなフィジカルの強い相手にガチガチ行ってボールを奪えるようなら、守田選手にレギュラーポジション獲得のチャンスは大いにあるでしょう。

冨安選手に関しては、もちろんCBとして育ててほしいのですが、CBとして先発させないならボランチで起用しても面白いと思うんですよね。

プレーをまったくチェックできていないんですが、ヘーレンフェーンの小林選手がどうしているのか気になります。代表のボランチあるいはトップ下としてプレーできるポテンシャルはあると思うのですが...。

二列目より前については前述したとおりです。

 というわけでアジアカップ2019に向け、主力選手が試合に出られない時に備えた「プランB」をいろいろと考えてみました。

アジアカップの開幕まで欧州各国リーグではまだ試合がありますし、国内でも天皇杯が大詰めを迎え、鹿島はクラブW杯に出場します。そこでの代表候補選手たちの活躍によっては「プランB」も変わってきそうですが、皆さんはどう考えるでしょうか。




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■コメント

■ [名無しさん]

大迫の代わりがいない論は他でもよく見ますが、コスタリカ戦では小林悠が良い連携を見せていたこと、浅野やU21では前田のような快速タイプを使ったりしていたことから、大迫とは違うタイプのワントップも十分可能だと思います。

今の森保ジャパンで一番替えのいないのは南野で、タイプとしてはゴール近くのポジションで高い得点力のある選手。鎌田の戦力化に期待したいところです。

ロシアでの西野ジャパンの攻撃陣はゴールに近いトップ・トップ下の得点力が乏しく(セットプレーからの2得点)、それを両サイドの二列目が補っていましたが(4得点)、ゴール近くのポジションが点を取らないというのは歪な配置でもありました。香川が呼ばれないのはこのあたりが理由かなと思います。

ベネズエラ戦では現状でもまだ得点力が足りないという結果でしたので、得点力をさらに重視して南野鎌田の2トップとか見てみたいです。
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