■コンフェデ総括

 2週間にわたって好勝負が展開されたコンフェデは、ブラジルとアルゼンチンという南米の二大強国の間で決勝戦が戦われ、4-1のブラジルの圧勝で幕を閉じました。

この大会で感じたのは、「もはや完全に南米は死んだ」ということです。 「何言ってんだ、決勝戦は南米同士の対決だったじゃないか」とツッコミが入りそうですね。

これについて象徴的だったのはブラジルで、守備では組織的にボールを持つ相手に激しくプレスをかけ、

ボールを奪うと瞬時に攻守のモードを入れ替えて、ワンタッチ・ツータッチのダイレクトプレーで相手をまたたく間に崩して、すばやく相手のゴール前へと殺到してフィニッシュまで持ちこんでいました。

もともと個人能力では世界一とも言えるブラジルの選手が、勤勉にそして基本に忠実に組織プレーをやってくるのですから、かなうはずがありません。

組織の完成度では、アルゼンチンやドイツよりかなり勝っていたようにみえました。 メキシコも悪くはありませんでしたが、ブラジルには及ばなかったような気がします。

そのような組織サッカーに、ロナウジーニョやカカといった選手が創造力あふれる個人プレーで、ときおりスパイスを利かせるのですから、本当に心憎いばかりでした。

 ブラジル代表の監督・パレイラは非常に現代的なサッカー哲学を持っており、94年アメリカW杯でも高度な組織サッカーでブラジルを4度目の優勝に導きました。

しかし、W杯優勝を勝ち取ったにもかかわらずブラジル国民は、パレイラのサッカーを「守備的で面白くない」「自由奔放なブラジルらしくない」と言ってこき下ろし、彼は代表監督の座から去りました。

もしブラジル国民が94年の時と違って、パレイラのサッカースタイルを支持しつづけるならば、06年W杯優勝の大本命はブラジルとなるでしょう。

パレイラのサッカースタイルには、ボールを相手から奪ったらまずトップ下の10番の選手に預け、

10番の選手はゆっくりとドリブルしながらハーフウェーラインをこえていき、「さて、どこへキラーパスを出してやろうかな?それとも華麗なドリブルで最終ラインを突破してやるか?」と考えながら攻撃するという「古き良き南米スタイル」の面影はみじんも感じられません。

その意味で「南米は死んだ」と思ったのです。

 もっともそれは今回のコンフェデからではありません。
今振り返ると94年大会が「古き良き南米」が死んだその時だったと思います。 

非常に組織的な、ある意味欧州の香りさえするパレイラ・セレソンが優勝したかげで、二つの極めて南米らしい2チームが敗退していきました。

その一つは天才司令塔のバルデラマが、アスプリージャ・リンコン・バレンシアの3トップをあやつるという超攻撃的サッカーのコロンビアで、

南米予選ではアウェーのブエノスアイレスでアルゼンチンを5-0の大差で撃破して南米予選トップ通過を決めて、アルゼンチンをオーストラリアとのプレーオフへと追いやり、それをみたペレが94年W杯優勝の本命にあげていたほどでした。

しかし本大会では、攻撃の多くの場面でいったん10番のバルデラマにボールを預けるために、攻めがどうしても遅くなってしまい、

いつも相手の守備陣型がととのった後から攻撃をはじめるために、個の能力は高いのでボールをまわそうと思えばいくらでもまわるのですが、
敵陣の前でえんえん球回しをしているだけで、最終ラインはいっこうに崩れませんでした。

ルーマニア戦やアメリカ戦では、そうこうしている内に相手の中盤のプレスからボールを失って、カウンターを食らい、早々と2連敗。
スイスには勝ったもののアメリカを去っていきました。

 もう一チームはアルゼンチンで、バティストゥータとカニーヒアの強力2トップとマラドーナ、バルボが織り成す、敵ゴール前の密集地帯での細かなパス交換によって、華麗な中央突破を見せてくれる「これぞアルゼンチンだ」というチームでしたが、

ルーマニアと決勝T一回戦であたり、ハジ・ラドチオウ・ドミトレスクらが繰り出す電光石火のカウンターにもろくも崩れ去り、コロンビアと同じ運命をたどりました。

 これ以後世界のサッカースタイルが急速に統一化され、まったく無くなってしまったわけではありませんが、各国の個性やスタイルの差が少なくなってしまったのは、しょうがないとは言え、さびしいものを感じます。

90年代前半ごろまでは存在し、サンパウロ州選手権のクラシコ、コリンチャンス対パウメイラス戦で見れたような、ゆったりと優雅で、自由奔放な「古き良き南米サッカー」はもう見れないのでしょうか?
  

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