■アジア8枠という“堕落”(その1)

 2026年W杯の出場国が48に拡大される予定になっていることは皆さんすでにご存知のことと思いますが、先月30日国際サッカー連盟(FIFA)が各大陸ごとの出場枠を発表しました。

それによりますと、ヨーロッパが13から16に、アフリカが5から9、南米が4.5から6、北中米カリブ海が3.5から6、オセアニアが0.5から1にそれぞれ拡大される予定です。

問題のアジア枠なんですが、現在の4.5から8に拡大されることになっています。これで46ヵ国。

残り2の出場国を決めるため、ヨーロッパを除く各大陸から
1ヵ国づつと、W杯開催国を出した大陸からの1ヵ国を加えた、計6ヵ国で争われるプレーオフも実施されるので、アジアから最大9ヵ国が2026年W杯に出られる可能性があり、この案は5月のFIFA理事会で最終決定される予定となっています。

 W杯出場枠を48に拡大するという案について当研究所は反対というのは以前お話した通りですが、アジア枠が現行のほぼ倍となる8というのは、アジア各国のブラジルW杯における成績を踏まえてみれば、かなり無理があるように思います。

現在行われているロシアW杯アジア3次予選の成績に当てはめれば、A・B組それぞれ4位のシリアとUAEにまで無条件で出場権が与えられることになるわけです。

さらにアジアの8枠を東アジアと西アジアで4づつ分配しようというトンデモナイ話まで出ています。

現時点における東アジア諸国のFIFAランキングをもとに、
日本・オーストラリア・韓国・中国をシード国とし、2026年W杯アジア最終予選・東アジア地区A組の組み合わせをシミュレーションしてみると、例えばこんな感じに。


A組

日本 香港 ベトナム カンボジア ラオス


この予選で1位になったチームがW杯出場権獲得なんて、堕落以外の何物でもありません!

今から10年後に、日本以外の4ヵ国が劇的に強くなってサウジやオーストラリアのレベルになったり、W杯でグループリーグを突破できるぐらいの実力をつける可能性がゼロとは言いませんが、難しいと思います。

クラブと違って代表チームは実質的な活動日数が限られており、W杯予選やアジアカップのような真剣勝負の公式戦は、数少ない貴重なチーム強化の場となっています。

現在行われている予選も、サウジやオーストラリア・UAEのような世界と戦う上で最低限のレベルの相手と、負ければW杯に行けなくなる真剣勝負を繰り広げていることが、日本人選手の成長や代表チームの強化にとってプラスになっていることは間違いありません。

W杯の直前に欧州や南米の強豪国とテストマッチをやればいいじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、テストマッチはたとえ負けてもW杯に行けなくなるという実際の痛みを伴わないので、日本人選手はほとんどプレッシャーを感じることなく、自分の実力をほぼ100%発揮してのびのびプレーすることができます。

逆に欧州や南米の強豪国の選手たちにとっても、テストマッチに勝ったところでご褒美としてW杯決勝トーナメントへの出場権がもらえるわけではありませんから、「ケガをしないように適当にプレーしておくか」となりやすく、テストマッチでいくら好成績を残しても真剣勝負であるW杯の本番の成績とはあまり関係がありません。

それは予選突破後のテストマッチで怖いもの知らずでプレーしてオランダと引き分け、ベルギーにアウェーで勝利して大会前に「ベスト8も狙える」と言われたザックジャパンが、ブラジルW杯では「好成績を残さなければ」という精神的プレッシャーのためか各選手が金縛りにあったように動きが重く、先にナーバスな状態から脱して自分たち本来のプレーができるようになったコートジボアールに初戦で逆転負けを喫し、結局グループリーグ敗退に終わってしまったという事実からも明らかです。

2018年からUEFAネーションズリーグが始まる予定であったり、他大陸の国とのテストマッチは最低2試合組まなければ実施できないなどといった縛りができるなど、日本が欧州や南米の強豪国とテストマッチを組むことが年々難しくなっている事情もあります。

ですから日本代表のチーム強化にとって、W杯アジア予選が簡単になりすぎるというのは非常に問題なのです。エンターテインメントとしての面白さ・スポーツファンにとって魅力あるコンテンツという視点からもどうなんですか、これ。

ましてや東アジアと西アジアで4つづつ出場枠を分け合うなんて、とんでもありません!

体の線が細い東アジア人(モンゴロイド)は、体格がゴツい白人や黒人と比べてフィジカルコンタクトに一番弱い傾向があります。

最近はだいぶ改善されてきましたが、足元の細かい技術がそこそこある東南アジアのチームが、これまでなぜW杯出場権やアジアカップの優勝トロフィーが取れなかったのかと言えば、身長が低く(今から10年ぐらい前まではチームの平均身長165㎝とかザラだった)フィジカルコンタクト能力が日本やオーストラリア・韓国・中東各国などと比べて絶望的に低かったからです。

W杯出場権のアジア枠を東西に分け、日本が東・東南アジアのチームとだけ予選をやることになれば、相手のフィジカルコンタクト能力が弱すぎて、日本人選手個々の強化につながらず、W杯の本番で欧州や南米・アフリカのチームと対戦したときに、相手のフィジカルの強さに対応できなくなる恐れがあります。

当研究所としては日本代表の強化にとって何が一番大事かを考えて、W杯出場枠を48に拡大することも、アジア枠を東西で4づつに分け合うことも大反対なんですが、もしアジアの出場枠が8になった場合でも、イラン(ほとんどが白人)やアラブ諸国(白人・黒人とその混血の混成)などフィジカルコンタクトに強い中東のチームと日本が対戦できるようなW杯アジア予選のフォーマットに、せめてなって欲しいものです。

日本サッカー協会からは、アジア8枠はもろ手を挙げて大歓迎みたいな話しか聞こえてこないのですが、何が日本サッカーの進歩・発展のために大切なのか、見失っているように見えます。

ところで、なぜFIFAはW杯の出場国を急拡大したり、アジアを超優遇して8も出場枠をくれたのでしょうか?

次回はそのあたりをツッコんで考えてみましょう。

つづく



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■コメント

■ [名無しさん]

中国を出してチャイナマネーが欲しいというのは良く聞きますね
実際の所はわかりませんが
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