■日本代表、UAEにリベンジ!

 ロシアW杯アジア3次予選、日本代表の今年最初の試合がUAE・アルアインで行われ、日本はUAEに2-0で勝利しました。

今回の対戦相手、UAE代表は全員が国内リーグでプレーしており、日本との実力差は、日本のホームで日本の勝ち、UAEのホームで引き分け程度の相手と見ていました。

本来ならば「引き分けでもOK」と言いたいところだったのですが、オーストラリアがアウェーのUAE戦で勝ち点3を取っていますし、何といっても3次予選初戦のホームであんな負け方をした相手ですから是が非でも勝ちたいゲームでした。

そうした意味において、2-0で日本の勝利という結果は素晴らしいものでしたし、試合内容の方もまずまず良かったのですが、W杯本大会で当たるレベルの相手を見据えれば、攻守で改善すべき点もまだまだ残されています。

それでは試合内容の方を詳しく分析していきましょう。

        ☆        ☆        ☆

 試合全体の進め方としては、先制ゴールをあげるまではまずまず良かったのですが、リードしたあとは「1点を守ろう」という意識が強くなりすぎ、こちらの4バックが引きすぎてしまって相手にやらなくてもいい得点チャンスを与えてしまっていたように見えました。

そこで相手に1点でも許していたら、この試合全体の結果もまったく違ったものになっていたはずですが、相手のレベルにも助けられてどうにかこうにか乗り切った直後にこちらが追加点を奪ったことで、日本の選手がより自信をもって戦えるようになり、攻守にわたってプレーがより良くなって、2-0のまま試合をクローズさせることができました。

「重要な試合でこちらが先制した。このまま勝ち点3が欲しい」という気持ちもわからないではないですが、リードを守ろうとするあまり、選手個々が精神的に守りに入ってしまってプレーが消極的になり、大逆転を許すという事例はサッカーでは本当に多いので日本代表も十分注意して欲しいです。

 攻撃面に関しては、昨年10月の対オーストラリア戦・11月のサウジ戦に引き続き、良くなっています。

その理由はシンプルで、ホームでのUAE戦を落とす原因となった戦術面での誤りが修正されたから。

その誤りとは、3トップが得点を焦ってあまりにも早いタイミングで相手ゴール前へベッタリと張りつき、そこにトップ下や攻撃的なボランチまでが密集して4トップ・5トップのような形になってしまうことです。

これをやると、自分たち自身で相手のウラのスペースを消してしまい、敵選手をたくさん引っ張って来ることで「相手ゴール前に2階建てバスを止める」ような状態を自らつくってしまうことになります。

それは昨年8月のUAE戦直後に指摘した通り。

(当ブログ過去記事・日本代表の試合内容、どこが悪かったのか?) 
(当ブログ過去記事・イラク戦・オーストラリア戦にのぞむ日本代表メンバー発表!

この試合もそのあたりが修正されており、久保選手の先制ゴールシーンに象徴されるように、サイドにボールを展開したとき久保選手がいったん下がって相手バックの前のスペース(バイタルエリア)でパスを受ける動きをします。

それによって相手4バックのウラに自分が走りこむためのスペースをつくっておいて、酒井選手がボールを持って前を向いた瞬間、久保選手がスピードに乗って相手のウラのスペースへ向ってラン、酒井選手からのアーリークロスを上手く合わせて貴重な先制ゴールを奪うことができました。

さらに、右サイドハーフに普通にスピードのある久保選手を入れたことによって前回UAEと対戦したときよりもチーム全体の攻撃スピードが格段にアップし、相手の守備態勢が整わないうちにチャンスメークからシュートまで持って行けるようになったことも大きいですね。

UAEのバックは自分の前にいる相手にはまずまず強いのですが、後ろに下がりながら対応するときはガックリと弱くなります。それが久保選手の先制ゴールを生んだもう一つの要因です。

 攻撃面での課題をあげるとすれば、大迫選手のポストプレーに頼りすぎているところでしょうか。

後方からロングボールを大迫選手に当てて彼のポストプレーから前線で基点をつくるという攻撃がかなり多かったのですが、こればっかりに頼っていると、世界トップレベルのセンターバックに大迫選手のポストプレーを封じ込まれてしまった場合、一気に攻めの手段を失ってしまうことになります。

また大迫選手が相手ゴールに背を向けたポストプレーばかりに忙殺されてしまうと、バイタルエリアでセンターFWを前へ向かせ、相手バックの前あるいは後のスペースで味方のサイドハーフやトップ下からパスをもらってシュートという攻撃の形もできなくなってしまいます。

この試合の日本は4-1-2-3(守備時は4-1-4-1)のフォーメーションを使いましたが、攻撃のバリエーションを増やすためにも“2”のインサイドハーフがもっとがんばって、バックやアンカーから受けたボールをグラウンダーのパスで、センターFWや両サイドハーフに数多く供給できるようになると、もっと楽に試合に勝てるようになるでしょう。

 守備に関しては結果的に無失点に抑えこそしたものの、攻撃よりは課題が多かったように思います。

この試合の守備戦術は、かなりマンマーク寄りのゾーンディフェンスで、10人のフィールドプレーヤーが組織的に動いて相手が使えるスペースを限定するよりも、結果的にスペースが広くなってしまっても相手選手をつかまえることを優先させる戦術でした。

そのため、特にこちらが先制ゴールをあげたあと、それぞれの選手が気持ち的に守りに入ってしまい、4バックが後ろに引きすぎてしまったために、DF4人のラインとMF4人のラインとの間に広大なスペースをつくってしまいました。

そうなってしまうとアンカーの山口選手1人だけではカバーしきれなくなり、UAEに広くなったスペースを使われてプレスが後手後手にまわり、何度か決定機をつくられてしまうことに。

川島選手のビッグセーブがなければ、この試合の結果も大きく変わっていたかもしれません。

W杯本大会でUAEよりも能力が高いチームと当った場合、このままでは大量失点しかねないと思います。

4バックが必要以上に怖がって下がりすぎないようにし、相手がバックパスをしたときなどフリーで前方へパスできない瞬間にしっかり押し上げること。もしバックが押し上げられないのであれば、MFの4人が相手のボールホルダーを追いかけ回してあまり前へ行きすぎず、つねにDFの4人とMFの4人との間のスペースをコンパクトに保つようにしなければいけません。

 最後にまとめますと、日本代表のゲーム内容は攻守にわたってまずまず良かったと思います。

ただ、UAEレベルの相手はW杯本大会にほとんど出てこないか、もし出てきたとしても出場32ヵ国中最弱レベルなので、この試合に勝ったからといって決して満足することなく、つねに目標を高く持って次の試合までに課題をきっちりと修正して欲しいと思います。

この試合の日本の戦術としては、まずは失点しないこと、負けないことを最優先にどちらかといえば守備にやや重心を置き、そこからゴールを狙いに行ったように見えました。

それは守備時の4-1-4-1の採用や、インサイドハーフに今野選手を起用したことからもうかがえました。

逆に言えばUAEが相手であっても、慎重に「石橋を叩いて渡る」ような戦術を取らなければならないレベルに日本代表があるということでもあり、それでは世界の強豪国に勝ってW杯で良い成績を残すという目標を実現するうえで不安が残ります。

代表チームはクラブと違い、試合数や活動日数が極めて限られています。

W杯直前のテストマッチ数試合でチーム力を劇的にアップさせることは困難なので、予選という限られた真剣勝負の場で選手個人もチーム全体も着実に成長していかなければなりません。

選手個々の評価は次回にしましょう。

つづく




サッカー ブログランキングへ
↑いつもポチッと応援ありがとうございます。



  

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 



管理人多忙につき、マメにレスを差し上げられません。
ゴメンナサイ。
もちろん、すべてのコメントは拝見させていただきますが、サイトポリシーに違反したものは、予告なく削除します。
悪しからずご諒承ください。

プロフィール

スパルタク

  • Author:スパルタク
  • FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ






   

ブログ内検索