■世代交代を強く印象づけたオマーン戦(その2)

 前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず清武選手。トップ下として攻撃の組み立ての中心になり、大迫ら前線の選手に好パスを出し続け、PKを含む1ゴール2アシストの大活躍。
フォーメーションを変更して清武選手がいなくなった後半、攻撃をうまく組み立てられなくなったのを見ても、中盤やバイタルエリアでボールが持てる彼の存在の大きさがわかります。セットプレー時に精度の高いボールが蹴れるキッカーとしても貴重で、当研究所は8月のUAE戦後、ずっと日本代表のトップ下に彼を推薦してきましたが、その期待にたがわぬプレーぶりでした。
 以下の点を改善していけばもっと良いトップ下になれます。 ボランチやサイドの選手がボールを持っているときは、そちらの方へ寄ってパスが受けられるポジショニングを必ず取る事、そしてボランチからバイタルにいる自分の足元へパスが入ったら確実にトラップして、できれば半身で受けて相手ゴールを向くことです。クラブで出場機会がないのであれば、OBLAトレーニングのような持久走を無理のないように注意しながら毎週最低2回は行うべきでしょう。

大迫選手は、ヘディングからのゴールも良かったのですが、トップ下からのボールを足元へ確実に収めて反転してからの正確なシュートが鮮やかでした。ゴール前での決定機に緊張して全身に力が入りすぎ、ゴールの枠から大きく外したシュートを打つ日本人選手が大変多いのですが、彼は適度にリラックスして冷静になって正確なシュートが打てるところがポイントが高いです。大迫選手が順調に成長していってくれれば、日本代表が長年探していたセンターFWという名のパズルの1ピースがカチッとハマるかもしれません。
 ただ、相手DFとの駆け引きはもっと改善できます。味方のボランチの位置まで下がってくるのはセンターFWとして動きすぎです。バックラインと一直線に並んでいる時間を少なくして、あえて相手ゴールから遠ざかることで、相手DFラインのウラのスペースを広く空けるような動きを常に意識してやること。ケルンの試合でもそうなんですが守備のときに手を使って相手をひっぱるのがクセになっているようで、それを繰り返しているとすぐにイエローカードが累積して大事な試合に出られなくなってしまいます。並走する相手からボールを奪う時は、自分の太ももの外側を相手の太ももに当てて、相手のバランスを崩して奪うよう当研究所は推奨していますが、これは「ボールを奪う時に100%ファールを取られない必勝マニュアル」ではありませんので、原口選手が与えたオーストラリア戦でのPKのように、どこでやるかは十分注意して欲しいです。

小林祐選手はボランチとしての起用でしたが、得点力があるところを見せてくれました。彼は攻めで気の利いたパスが出せますし、正確なシュートを打つために欠かせないゴール前での落ち着きや度胸も評価が高いです。ボランチとしては永木選手よりかなり攻撃センスがあるように見えます。 守備面でも今のところ目立ったミスはありませんし、攻撃的な大型ボランチとして今後が楽しみになってきましたが、左足が使えるので、日本代表が人材不足に悩んでいる右サイドハーフで起用しても面白いのではないでしょうか。

斎藤選手は左サイドを中心に攻撃面で動き回ってまずまずの出来。ただ、もう少しインパクトのある活躍が欲しかったですね。前半18分のプレーは、ペナルティエリアの中でボールをワンタッチもちすぎてしまったためにシュートチャンスを逸してしまいました。

永木選手は、相手からボールを奪い返すプレーはなかなか良かったと思いますが、攻撃に移った際のパス展開力に不満が残りました。そのあたりを今後どれくらい伸ばしていけるかが課題です。

出場時間が短かった原口選手は、本来であれば評価の対象外にするところですが、良い機会ですので普段のプレーで気になっている点を一つ。彼が左サイドからドリブルでカットインしてミドルシュートを打つ時、そのほとんどがゴールの左へ大きくそれていってしまい、まったく入る気がしません。こういう場合は、カットインドリブルから右足のインにかけたコントロールシュートを、ゴールの右上スミに決めるようなプレーをまず覚えるべきです。

 逆に丸山選手は、センターバックとして空中戦に競り負けて相手のポストプレーを許してしまったプレーが1度ありましたし、後半42分に相手選手ともつれて簡単に転倒してピンチになりそうになったことも問題です。パスやクリアも相手にそのままボールを渡してしまうようなミスが散見され、しばらく経験を積ませないと実戦での起用はきついかもしれません。空中戦の強さやパスの正確性では植田選手の方が現時点では上ではないでしょうか。

酒井高選手は、相手と競りながらのバックパスからピンチを招きそうになったり、ファールスローをとられて相手ボールにしたりと相変わらずイージーミスが多いです。相手の浮き球のパスをダイレクトでクリアしておけば何でもないのに、わざわざペナの中でワンバウンドさせてから処理しようとしたのも、いつ自分の背後から追い抜いてきた相手FWにボールをかっさらわれるかわからない危なかっしいプレーです。キックの技術に自信がないのかもしれませんが、GKが近くにいると自分がクリアすべきボールでもすべてGKに任せようとするクセは本当に直さないといけません。

酒井宏選手はアタッキングサードに侵入すると、体に無駄な力が入るのでクロスやパスがどうしても不正確になってしまいます。相手のペナの中にいる味方にパスを出すときには、適度に体から力を抜いて「どうぞ決めてください」という柔らかいパスを出せる、そんな心の余裕が欲しいです。

浅野選手はPKを獲得したのはラッキーでしたが、自分の前方にゴールとGKしかいない決定機にまたしてもシュートせずにパスに逃げてしまったのにはガッカリしました。FWに入ったときも、いくら監督から「ウラヘ抜けろ」と指示されたのだとしても、いつもウラヘウラヘのワンパターンではゴールできません。相手ゴールから遠ざかる動きで敵のバックを引きつけ、DFラインのウラを広く空けておいてから、味方のボールホルダーがバイタルエリア付近で前を向いたタイミングでウラへ向かってダイアゴナルランすべきで、そういうDFとの駆け引きも覚えないと。
右サイドハーフとして守備ブロックをつくる時に、逆サイドにボールがある時はピッチ中央へしぼって守備ブロックの横のコンパクトさを保つことも忘れてはいけません。
浅野選手に宿題を出しておきます。もしアーセナルで活躍したいのなら「マシューズ・フェイント」が完璧にできるように徹底的に練習しておいてください。まずは右足のアウトでボールを押し出して相手の右を抜くフェイントが完璧にできるように練習し、それができるようになったら左足で相手の左を抜くフェイントを完璧にできるようになるまで練習します。浅野選手が自分の武器であるスピードを120%生かしたいならマシューズフェイントの修得は必須です。浅野選手に直接コンタクトが取れる方がこれを読んでいたら彼にそう伝えておいてくださると非常にありがたいです。

岡崎選手は2トップのセカンドストライカーとして起用されましたが、シュートシーンはほとんどなく、相手に競り負けてボールロストが目立ち、あまり意味のないバックパスも多かったですね。

本田選手はまたしても右ウイングでの起用でしたが、清武選手とからむ場面もあったものの、自分がやりたい理想のプレーに足元の技術や体力・スピードがついてきていません。右サイドの一対一で相手を1度も抜けないどころか、後半10分のプレーが象徴的ですが、このレベルの相手にさえ簡単にデュエルで負けてボールを失ってしまうことが2~3度ありました。キックの技術が低下しており、シュートもラストパスも直前にいる敵選手にボールをぶつけてしまうミスが多すぎます。
本田選手のコメントを見る限り、サッカー選手としての自分の実力を客観的に評価するということがまったくできていません。彼の脳内ではビッグクラブで大活躍するメッシやスアレス・C.ロナウドクラスの選手のつもりなのかもしれませんが、世界のサッカーレベルを甘く見てオフシーズンに怠けていた結果、技術・体力トレーニングが決定的に不足しており、それがサッカー選手としての彼の衰えに拍車をかけています。
代表でもクラブでも右ウイングとしてひどいプレーを繰り返してチームに多大なる迷惑をかけているのに、自分にとって不都合な事実から一切目をそらし、現実からかけ離れた誇大妄想のような発言を繰り返しています。
おそらく今、本田選手にとって耳に心地よい事しか言わない「イエスマン」のみに囲まれた“桃源郷”の中で、自分が見たくない現実からすべて逃避して、白昼夢を見ながらさまよっているような状態なんじゃないでしょうか。
それはミラニスタへのブーイング批判や、スソにポジションを奪われたのは自分のプレーが悪かったからではなく契約があと1年しか残っていないからという言い訳、さらに本田選手が代表で良いプレーをするためには彼のミスを指摘する周囲の声が耳に入らないようにすることが重要などといった、責任転嫁のコメントからも良くわかります。
自分に対する賞賛しか聞きたくないといわんばかりの本田選手ですが、大きな勘違いをしています。応援の反対は批判ではありません。無関心です。 自分の貴重な時間や金を使ってスタジアムに来てサポーターがブーイングするのは、チームなりその選手なりを応援しているからであり、本当に嫌いなら無視すれば良いだけの話です。長友選手や岡崎選手・長谷部キャプテンら親しい友人が忠告してあげないと、このままでは本田選手は取り返しのつかないところまでダメになってしまうでしょう。
現時点において、本田選手のプレーはFWをやれるようなクオリティにはありませんし、それを本人が自覚できないなら、監督がベンチに下げるという決断を下すしかありません。

        ☆        ☆        ☆

 オマーンとのテストマッチは、4-0の勝利という結果も良かったですし、日本代表の試合内容も攻守両面で組織的かつ効果的なものであり、改善点はあるもののまずまず良かったと思います。

後半立ち上がりからチームのインテンシティが落ち、守備ブロックがバラけたこともあって相手に攻められる時間帯をつくってしまったことは反省点です。

前半は4-2-3-1のトップ下に清武選手がいたので、センターFWである大迫選手の2ゴールを引き出すなど攻撃が上手く機能しましたが、彼を外して4-4-1-1みたいなシステムになるとあまり機能しませんでしたね。

もし2トップにするならセカンドストライカータイプばかりを並べるのではなく、センターFWタイプの大迫選手に、浅野・久保選手らセカンドストライカータイプを組み合わせるべきだと思いますが、清武選手や原口選手が好調なので、現状ではトップ下をなくして4-4-2にする必然性を感じません。

 この試合では、清武・大迫・小林祐選手らの活躍が際立った反面、本田・岡崎両選手のプレーにはあまり関係なくゲームが進んで行き、世代交代を強く印象づける試合となりました。

特に、当研究所が今年8月のUAE戦後からトップ下に強く推薦していた清武選手の活躍が目立ちました。

香川選手はクラブで自分の課題を解決して復活してくれることを信じていますが、今は清武選手を信頼してトップ下を任せるべきです。

もちろん、体が小さくて守備力の低い選手を守備的MFに起用するような間違ったロジックではなく、その選手のプレーの特徴を正しく見極めて適切なポジションで起用することが大前提なんですが、ハリルホジッチ監督は小林祐選手や植田選手など若いプレーヤーをもっと信頼して、勇気を出して使って欲しいですね。

「ノーリスク・ノーリターン」という言葉があるように、負けるリスクを怖がってベテランばかりを使っていると、彼らの肉体の衰えが原因で、試合に勝つというリターンが得られないどころか、逆に負けてしまう可能性が高くなってしまいます。日本代表の強化が今まで停滞していた大きな原因の一つがベテラン偏重の選手起用にあると思います。

21歳でW杯予選やCLリーグでゴールをあげているキミッヒ(ドイツ代表&バイエルン)みたいな選手が、この日本からもっともっと出てきてほしいです。

        ☆        ☆        ☆

 いよいよ15日に迫ったサウジ戦をどう戦うかですが、攻守の戦術はこのオマーン戦のやり方から変える必要はないと思います。

DFラインをできるだけノーマルに設定しながら、コンパクトな守備ブロックをつくってゾーンで守り、組織的なプレスでボールを奪い返したら、ダブルボランチ+トップ下を中心にショートパスをつないで攻めるべきです。

相手はオランダ人監督なので、こちらの陣形の弱点を突くようにゲーム中に柔軟にフォーメーションを変えてくる可能性があるので、どう対応すべきか各選手とも心の準備はしておくべきでしょうし、オーストラリア戦の失点シーンのように数的不利な状況をつくられてサイドを突破されそうになった場合は、ボールがあるサイドとは逆のボランチ1枚がDFラインまで降りて、ゴール前の危険なスペースやフリーになっている敵選手をケアすると良いのではないでしょうか。

システムはこんな感じで...


               大迫  
           

      原口      清武      小林祐
                       (斎藤) 

            山口   長谷部   
                 

     SB     森重    吉田   酒井宏
    

                西川


トップ下の清武・センターFW大迫の両選手は変える必要を感じませんし、左足が使えてクリエイティブな攻めのパスが出せ、ゴール前で落ち着いて正確なシュートが打てる小林祐選手を右サイドハーフで使ってみると面白いのではないでしょうか。クラブでボランチを任されていますから、守備力の面でもそれほど不安はないはずです。

ともかくサウジ戦は何としても勝利が欲しいです。埼玉スタジアムへ試合を見に行くサポーターの皆さん応援よろしくお願いします。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

    2016.11.11 茨城県立カシマサッカースタジアム

         日本 4 - 0 オマーン


      大迫   32'
      大迫   42'
      清武(PK)64'
      小林祐  90'+


     GK 西川        GK アルルシャイディ

     DF 酒井高       DF アルナハル
        丸山          (サングール 83)
        吉田           アルバルシ
       (森重 79)        マブルーク
        酒井宏         アブドルサラム
                      M.アルラワヒ
     MF 永木
       (小林祐 68)   MF アルサーディ
        山口           アルシュヤディ
        斎藤           ライド・イブラヒム
       (原口 74)        アルファルシ
        清武          (ナシブ 69)
       (久保 71)
        本田        FW アルラザイキ
       (浅野 61)       (サラム 63)

    FW 大迫
      (岡崎 61)



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