■日本代表、ブラジル相手に大健闘もグループリーグ敗退

 コンフェデレーションズ・カップ決勝トーナメント進出をかけた直接対決となったブラジル戦。

結果はブラジルと引き分けたものの、健闘空しく日本は次のラウンドへと進むことはできませんでした。 いつものようにゲームを振り返ります。

 試合は序盤から日本とブラジルが激しく攻め合う展開。
4分に加地選手のゴールがオフサイドで幻となったあとの10分、日本のCKがクリアされ、そこからロナウジーニョとロビーニョのカウンターで崩されて失点。

その後のブラジルの攻撃をしのぐと、日本ペースになり、柳沢選手のバック・ヘッドのシュートが惜しくも外れた後の27分、中村選手が素晴らしいミドルをブラジルゴールへ叩き込み、同点とします。

しかし30分すぎ、すばやい中盤での組み立てからカカが左サイドに球をはたくと、ロビーニョが中央へ折り返し、走りこんだロナウジーニョに決められて再び突き放されました。

その後ブラジルは自陣内で球回しをして時間を使い、もし日本が前に出てくれば、カウンターでその裏を突いて追加点をとる作戦に切り替え、前半終了。

 後半立ち上がりに二回続けて、日本に惜しいチャンスがありましたが決められず。

ブラジルは後半攻守ともにややスローダウンし、アドリアーノとカカを下げて、このまま2-1のスコアでもよし、日本があせって前へ出てくれば薄くなった裏を突いてトドメをさそうとします。

しかし、よく言えば要領良く、悪く言えばおうちゃくをして相手の攻撃に受身になってしまうのは、ブラジルが苦戦するパターン。

日本も後半は攻めのリズムが悪くなったものの試合終了間際の88分、中村の素晴らしいFKが惜しくも外れてポストに跳ね返ったところを大黒選手がつめて再度同点に。

その後少しあわてたブラジルでしたが、そのまま逃げ切ってブラジルが決勝トーナメント進出となってしまいました。

 まず日本の攻めから分析すると、ギリシャ戦に引き続いて、各選手が正しいポジショニングをとって、ワンタッチ・ツータッチでどんどんパスを回し、ブラジルの守備陣をほんろうしてチャンスを作り出していました。

しかし試合の後半になると、一人一人の距離が開いてしまい、一本一本のパスの距離が長くなると、チーム全体でパスが回らなくなり、攻撃のリズムが悪くなってしまいました。

90分間2トップと最終ラインの間がコンパクトに一定の距離になるように、一人一人の選手の間をあけすぎないようにすることが大切です。

日本のすばやいパス回しによる中盤4人を中心とした組み立ては、世界で十分通用すると思います。 今後はそのプレーが90分間持続するように、そしてプレーの正確性を今よりももっと上げることが必要になってきます。

 個人では中村の動きが光りました。 やはり彼はゴールに近いところで時間を使ったりボールを持つべきで、センターサークルより自陣側でドリブルしたりフェイントで抜きにかかったりして時間をムダにするべきではありません。

また、パスばかりでなくシュート能力も素晴らしく、出し惜しみしないでどんどんシュートして得点すべきです。
これらの点に注意すれば彼はワールドクラスのプレイヤーにもっと近づけると思います。

大黒のポストに球が当たって跳ね返ることを予測してつめていたプレーも素晴らしいものでした。これぞ点取り屋の動きです。 得点の匂いをかぎつけてあらかじめポジショニングしておくFWはスパルタクは好きです。(くどいようですが、何で彼はベンチスタートなのでしょう)

あと加地の好調ぶりも相変わらずチームの攻撃を活性化させています。

 守備面では、中盤でのプレスがギリシャ戦よりもゆるかった様に思います。 技術が高いブラジルの選手に対して飛び込むのを恐れ、彼らのプレーを見てしまったからでしょう。

相手にはかならず体を寄せる、それが難しいのなら内を切って、相手をわざと外側へと誘導して時間を使わせるようなプレスの工夫が必要に思います。

もう一点感じたのは、日本の守備選手はブラジルの攻撃の選手との1対1において明らかに劣勢であるという事です。

これはしょうがありません。 ゲームの流れの中で、相手と2対2といった同数や、2対3といった数的優位を与えるような情況を作らないようにすることで、対応するしかないでしょう。

そして一人が相手に応対に行き、もう一人はその味方選手をカバーするということを忠実にやっていくしか方法はありません。

ですから試合展開をにらみながら、セットプレーを含めた攻めにおいて、前線に上がる人数をどれくらいにするのか、どのポジションの選手にするのかの適切な判断が求められます。

また中田英選手・福西選手の両ボランチの攻撃から守備に切り替わった後のボジショニングが気になりました。

相手の攻めになった瞬間、日本のセンターバックの前のスペースにボランチが一人もいないという状況が何回か見られましたが、相手の攻撃力がこちらの守備力より上の場合、これは特に危険です。

ゲーム中ボランチがサイドに展開したり、二列目へ上がるのは一人だけと決めておいたり、もしボランチが一枚上がったら、誰がカバーするのか、チームの約束ごととして決めておくべきでしょう。

 この試合の総括としては、日本が素晴らしい内容でブラジルから引き分けをもぎ取ったのは間違いありません。

特に攻めのクオリティは高く、今後は今できていることを忘れずに、しっかりと土台にして、攻守のクオリティをさらに高めていくことが目標となります。

「今度の試合はブラジルより弱い相手だから手(足?)をぬこう」では無く、常に高いクオリティを保ちながら、そこを踏み台にしてさらに高いところを目指してほしいと思います。

 ただ忘れてはならないのは、日本とブラジルは、この試合における目標が同じではなかったということです。

日本はブラジルに勝つ事だけを考えて全力でぶつかっていったのに対し、ブラジルの目標はあくまでもこの大会の優勝にあり、日本戦のゲームプランは、疲れている主力を休ませながら、いかにして決勝トーナメントに進めるだけの勝ち点を取るかにありました。

ですから、ブラジルとしては日本に勝たなくても決勝トーナメントにいければOKだったわけで、そのことは忘れるべきでありません。

五輪の陸上の400m競走の準決勝に例えれば、ブラジルは途中まで全力で走って、決勝へ進出できる順位をキープしながらゴール前は流していました。

逆に日本は最後まで全力で走って、決勝のために体力を温存してゴール前を流しているブラジルにあともう少しのところまで迫りましたが追い抜けず、決勝進出はなりませんでした。

日本とブラジルの一見小さくて実は大きな差の意味を、W杯本大会までしっかりと覚えておくべきでしょう。

 この大会全体を通じた日本代表を総括すると、ギリシャ戦・ブラジル戦と攻守に高いクオリティをみせて、大健闘したと思います。

しかし、大会への入り方を失敗してしまい、初戦のメキシコ戦で実力を出し切れなかったのが後々まで響いて、決勝トーナメント進出を逃してしまいました。 このことは大変悔やまれます。

来年のW杯ドイツ大会では、初戦がいきなり決勝T進出のヤマ場となることもありうるという良い教訓となりました。

 今後、W杯本大会までのすごし方ですが、日本サッカー協会の収入が多少減っても、強豪国の二軍を日本に招待してやるようなテストマッチを減らして、強豪国がぶざまな試合ができない相手のホームに日本代表が乗り込んでやるテストマッチを増やすべきだと思います。

そのような、なるべく真剣勝負のテストマッチで常に高いクオリティを我々代表サポに見せてくれるよう期待したいと思います。

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2005.6.22 

ライン・エネルギー・シュタディオン(ケルン)

   日本  2 - 2  ブラジル

 ’27 中村      ’10 ロビーニョ
 ’88 大黒      ’32 ロナウジーニョ

GK 川口     GK マルコス 

DF 田中     DF シシーニョ
   宮本        ルシオ
   三都主       ジュアン
   加地        レオ

MF 中田英    MF カカ
   小笠原      (レナト 62) 
  (中田浩 46)    ロナウジーニョ
   中村        ゼ・ロベルト
   福西       (エドゥ 78)
             ジルベルト
FW 玉田
  (大黒 46)  FW ロビーニョ
   柳沢        アドリアーノ
  (鈴木 73)     (J・バプチスタ 61)


B組最終成績  試  勝 分 敗 点 得失  GD

1.メキシコ  3  2 1 0 7 3-1  2
2.ブラジル  3  1 1 1 4 5-3  2
----------------------------------------
3.日本    3  1 1 1 4 4-4  0
4.ギリシャ  3  0 1 2 1 0-4 -4
  

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