■日本代表、オーストラリアと勝ち点1を分ける(その2)

前回のつづき

 日本代表各選手の個人評価です。

この試合、特筆すべき活躍だったのはまず原口選手。本田選手のスルーパスに絶妙のタイミングでウラヘ抜け出し、ドリブルからGKとの一対一を制して冷静にゴールを決めてくれました。彼のスピードあるドリブルでこの試合何度も左サイドを切り裂き、本田選手のシュート決定機をつくり出すなど攻撃面で最大の貢献。 
 ただし、相手にPKを与えたプレーは完全に冷静さを失っていました。リオ五輪のナイジェリア戦で塩谷選手が同じようなプレーから痛いPKを取られていましたが、あのような場面でフィジカルコンタクトをするのは慎重の上にも慎重に行くべきですし、相手の足をひっかけないように注意しながらボールだけを自分の足でつついてCKへ逃れるか、ユリッチの背後を右からではなく左から回り込んで自分が守るべきゴールと相手選手との間にポジショニングし、相手のシュートなりパスを足を出して防ぐべきでした。
原口選手は6月のキリンカップ・ブルガリア戦でも同じような形で相手にPKを献上しており、そこでしっかり反省できていなかったのがとても残念。ユリッチはゴールから遠ざかる感じでボールを受け、ゴール前には何人もの味方が守っていて、原口選手の戻りが間に合わないなら間に合わないで、あそこまでパニック気味に体当たりしなくても良かったように思います。原口選手の闘争心あふれるプレーはとても魅力的なのですが、ハートは熱くても頭はいつも冷静にお願いします。

センターFWとしてプレーした本田選手は「偽の9番」ぎみに動いて、特に前半は素晴らしい活躍。
相手ゴールからあえて遠ざかるようなポジショニングでDFラインのウラを広く保っていたのはクレバーな動きで、彼はフィジカルコンタクトに強いので足元にちゃんとボールが収まって前線で攻めの基点をつくることが何度もできましたし、素早い反転から原口選手のゴールをアシストしたプレーは秀逸の一言。左サイドを突破した原口選手に相手の目を引きつけて、彼の中央への折り返しから本田選手がシュートしてもう少しで追加点という良いプレーもありました。
岡崎選手ではこうはいかず、日本代表で2トップのフォーメーションを使う時にだけ、岡崎選手をセカンド・ストライカーとして起用すべきです。
ただこのオーストラリア戦からもわかるように、今のところ本田選手にセンターFWとして90分間プレーするだけの持久力がないというのは以前に当研究所が指摘した通りです。

かねてからお約束していたとおり「本田選手再生策」をここで提案しますが、30歳という彼の年齢は老け込むには早すぎます。本田選手のプレーから急速に持久力やキレが失われたのは、シーズンオフにアジア各国やアメリカで子供たちにサッカーを教えるのに忙しすぎて、走り込みなどのスタミナ強化系のトレーニングが不足しているからではないでしょうか。
本田選手のVO2MAX値が現在いくらか知りませんが、普通のサッカー選手に比べかなり低下している可能性があり、OBLAトレーニングの実施を強くお勧めします。運動開始数分後に心拍数が安定してから毎分140~160回の心拍数を維持するような素走りを30~40分間、専門的に言えばVO2MAX値の50~70%にあたる負荷がかかるようにした持久走を、クラブの練習も含めてできれば毎週2回は行うのです。
例えば日曜の午後にセリエAの試合があって、クラブから本田選手がベンチ外だという知らせが来たとします。そこで日曜の午前中にOBLAトレーニングとして前述の条件を守った素走りを30~40分実施し、午後はクラブの試合をスタジアムで観戦、水曜の夜にコッパイタリアの試合があってやはりゲームに出られなかったら、その日の日中にOBLAトレーニングとして走り込みを実施します。最初はきつくてクラブの練習中も体がいつも以上に重く感じるかもしれませんが、それを乗り切ると本田選手のプレーにスタミナとキレが戻ってくるはずです。乳酸が蓄積しすぎるとケガのもとですので、専門のフィジカルコーチに必ずついてもらって無理のない練習計画を立てて実施して欲しいと思います。このブログを見ている方で本田選手に直接連絡が取れる方は是非ともこのことを伝えてください。

本田選手は自分の長所を生かせない右ウイングでプレーし続けたことで、キャリアの終盤の大事な2年を無駄にしてしまったように思われますが、彼は右ウイングよりもASローマのトッティのように「偽の9番」的なセンターFWとしてプレーした方が適性があるように思われますし、ゴールチャンスを何度もつくったこの試合の自分のプレーにもっと自信を持つべきです。持久力さえ戻ってくれば本田選手の1トップは日本代表の強力な武器になりえます。バッカの牙城を崩すのは容易ではないかもしれませんが、ミランでも「偽の9番」としての起用や、バッカと本田選手の2トップを戦術オプションとしてモンテッラ監督に提案してみてはどうでしょうか。

長谷部選手は、中盤で厳しく相手にプレスをかけてボールをたびたび奪い返すなど好守備が光りましたし、攻めては、的確かつすばやい決断で本田選手に効果的なパスを供給し、先制ゴールの基点となるなど攻守に素晴らしい出来でした。

山口選手は、イラクよりフィジカル能力が高いオーストラリア相手に臆することなくガチガチ当たりに行き、チームがボールを奪い返すことに大きな貢献。不調にでも陥らないかぎり、彼をスタメンから外すべきではないと思います。

 逆に酒井高選手は、サイドで数的不利をつくられている状況において、あきらかにプレスが間に合わないタイミングでロギッチへの縦パスに食いつき右サイドを突破され、スミスに中央へのクロスを許してPKを誘発する原因に。このプレーはサウジやUAEなど3次予選の他のライバル国によって必ず研究されるでしょうし、こちらとしても対策を用意しておくことが欠かせません。
高徳選手はアバウトなバックパスを出して、もう少しでオーストラリアの選手にかっさらわれそうになるなど、失点につながりかねないミスを連発しています。彼のプレーの中身を評価するのではなく「HSVで先発しているから」という理由だけで起用するのは本当にやめて欲しいです。

PK戦はキッカー有利というのが当研究所の考え方ですが、西川選手はまたしても下手にヤマをかけて動くのが早すぎたんじゃないでしょうか。ゴールの左右上下の両スミはたとえヤマかけが当たったとしてもGKがシュートをセーブすることはかなり困難ですから、初めから捨ててもやむを得ないと思います。
それよりも、ジェディナクが右利きというデータは事前に頭に入っていたと思いますが、キックモーションに入ってからボールを蹴るギリギリの瞬間まで相手を良く見ていれば、ボールにインパクトする直前に彼の右足首が大きく開くことで、真ん中に立っている西川選手から見て少なくともゴールの左半分にボールが飛んでくると読めるはずです。そこで左に飛べば、ジェディナクのシュートはコースが甘くゴールの真ん中よりやや左にボールが飛んできたので、西川選手がセーブ出来ていた可能性は十分ありました。
プレッシャーに負けて相手より先に飛んでその逆に蹴られてしまうのではなく、ギリギリ最後の瞬間まで相手を良く見ていて、助走の角度やスピード、足首が開く角度を良く観察して、自分の右にシュートが来るか、左に来るか、それともパネンカかを読まないと。
西川選手はGKとして体が小さいのですから、そういう読みのところで世界の誰よりもがんばらないとワールドクラスのGKにはなれません。GKがゴールをアシストするよりもPKや決定的なシュートを1本セーブしてくれた方がよほどありがたいですし、彼の努力の方向性が間違っています。残念ながら現在の日本代表で世界から最も遠いポジションがGKになってしまっています。

香川選手は、守備でそれなりにがんばっていましたが、攻撃では存在感がほぼありませんでした。まだ復調していない彼を代表戦に出すのは早すぎました。
本来であれば先制ゴールの基点となる長谷部選手から本田選手へのパスはトップ下の彼に出して欲しいのです。しかしあれが香川選手だと、自分の正面にいる本田選手を見て、次に左サイドを走る原口選手を見て、さらに逆サイドを駆け上がる小林選手を見て、誰にパスを出すか迷いながらボールを持ちすぎているうちに3人とも相手にマークされ、そうこうしているうちに相手のボランチが迫ってきてクルッと半回転してバックパス、というパターンが代表でもクラブでも本当に多いのです。長谷部キャプテンのシンキングスピードや勇気・決断力を本当に見習ってほしいです。
ブンデスリーガ前節のレバークーゼン戦を見ましたが、出場時間は短かったもののバックやボランチからパスを受けてそれを正確に前へつなぐ、ということを地道にやろうとしていたのが見てとれ、ようやく正しい方向へ歩みだすことができていたように思います。そこから次のステップとしてゴールにつながるようなラストパスを出す回数を増やすことでトゥヘル監督の信頼と先発ポジションを取り戻すように努力すべきです。その試合で唯一のシュートチャンスでは早く打ちたいと焦るあまり大きく外してしまいましたが、右からスライディングに来た相手選手をボールを右側へ動かすことでかわしてから落ち着いてシュートすれば決まったかもしれません。ゴール前での決定機こそ「冷静さ」や「心の余裕」が何より必要です。

小林悠選手は、サイドでの攻防やセットプレー時の守備にがんばっていたのは評価できるのですが、惜しいヘディングシュートが1本あったものの、攻撃面で今ひとつ物足りなさを感じます。現状では小さくまとまったプレーが目立ち、攻撃面で世界に通用しそうな武器や強烈な個性に欠けるように思います。

        ☆        ☆        ☆

番外編として、この試合に出場はしていませんが宇佐美選手について。

6月のキリンカップではキレキレのドリブルが破壊力抜群で驚いたのですが、たった3か月後のW杯予選、UAE戦での彼のプレーぶりはいかにも体が重そうで動きにもまったくキレがなくなっているのを見てさらに驚きました。アウクスブルクでも完全に出場機会を失ってベンチ外が続いているのはそれが原因なんじゃないでしょうか。

彼がバイエルンやホッフェンハイムで出場機会が得られず、宇佐美選手いわく「しっぽを巻いて日本に帰る」ことになったのは、インテンシティの高い欧州四大リーグで1シーズンを戦い通すだけのスタミナがなかったことが最大の原因だったように思うのですが、このままでは同じ誤りを再び繰り返して、アウクスブルクから日本へしっぽを巻いて逃げかえることになりかねません。

宇佐美選手は子供のときから天賦の才能でセレクションに勝ち抜き、ゲームで大活躍してG大阪のトップチームの選手になれたのではないかと思いますが、それだけにボールを使わない「素走り」のような単調で地道な努力をすることが一番苦手なのではないかと推測され、実際にJリーグの試合中もほとんど守備に戻ることはなく、たぶんそうしたことが原因でプロサッカー選手として必要な持久力が全然身についていません。

このブログを読んでいて宇佐美選手に直接コンタクトが取れる方がおられるなら、是非とも彼に教えてあげて欲しいのですが、足首のケガが治り次第、本田選手と同じようにOBLAトレーニングを始めることを強く勧めます

運動開始数分後に心拍数が安定してから毎分140~160回の心拍数を維持するような素走りを30~40分間、専門的に言えばVO2MAX値の50~70%にあたる負荷がかかるようにした持久走を毎週2回は行うのです。

土曜の午後にリーガの試合があって宇佐美選手がベンチ外だとわかっているなら、その日の午前中にOBLAトレーニングとして前述の条件を守った素走りを実施し、水曜の夜にポカールの試合があってもやはりゲームに出られなかったら、その日の日中にOBLAトレーニングとして走り込みを実施します。

最初はきつくてクラブの練習をやっているときに、いつも以上に体が重く感じるかもしれませんが何週間かしてそれを乗り切れば、持久力がついてくるとともに体が軽くなり、あのキレキレのドリブルが戻ってくるはずです。乳酸が蓄積しすぎるとケガをしやすくなりますので、クラブのフィジカルコーチとも良く相談して必要なら走り込みにつきあってもらい、無理のない練習計画を立てて実践して欲しいと思います。

長谷部キャプテンがボルフスブルクでマガト監督に出場機会を与えてもらえなかったとき、試合にまったく出られなかった3ヶ月間に、普通の選手の2年分くらい走り込みをしたと言っていましたが、宇佐美選手は同じドイツに住んでいるのですから長谷部選手にそのときどういうトレーニングをしたかアドバイスを求めると良いかもしれません。

もしJFAで可能なら、宇佐美選手に専属のフィジカルコーチを派遣しても良いのではないでしょうか。

ドイツで1シーズン戦っても体のキレを最後まで維持することができるようになれば、宇佐美選手は左右ウイングはもちろん、日本代表のトップ下を任せることができるぐらいの能力を発揮できるのではないかと当研究所は考えています。

宇佐美選手が自分が大好きなサッカーをブンデスリーガという舞台でやりたいのなら、どんなに嫌でも我慢して素走りを中心としたOBLAトレーニングを繰り返し、歯を食いしばってでも持久力を身につけるべきです。

それとも「ドイツでプロサッカー選手として成功したい」という宇佐美選手の夢は、「素走りなんてめんどくせえ」という感情に負けてしまう程度の、ちっぽけなものなのでしょうか?

人生はたった1度きりしかありませんし、現役サッカー選手としてプレーできる年数はそれほど長いものではありません。そのあたりを良く考えて、絶対に後悔しないような毎日を過ごして欲しいです。


つづく



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