■日本代表、イラクに冷や汗の勝利

 ロシアW杯アジア3次予選、日本対イラク戦が埼玉スタジアムで行われ、日本が2-1で勝利しました。

対戦相手のイラク代表は、国内組を中心にイタリア・スウェーデン・トルコなどでプレーする海外組を加えたチームで、日本がホームでもアウェーでも勝てる相手というのが、試合前の戦力評価でした。

日本の勝利というこの試合の結果は順当なものでしたが、プレー内容は悪かったと思います。

このグループではタイの次に力が劣る相手と見ていましたが、その相手にこういう内容の試合をやっているようでは危機以外の何ものでもありません。

        ☆        ☆        ☆

 まず、この試合が始まる前に当研究所が推奨していたスターティングメンバーをおさらいしておきましょう。

               本田  
               岡崎            

      原口      清武      浅野
                        本田

            山口   長谷部 
            柏木   

     長友   森重   吉田   酒井宏
    酒井高

               GK
             
(当ブログ過去記事・イラク戦・オーストラリア戦にのぞむ日本代表メンバー発表!

上段の名前が試合前に当研究所が推奨していたスタメンです。

名前が青字になっているところは、タイ戦のスタメンから選手を入れ替えてこの選手を入れるべきと当研究所が推奨し、ハリルホジッチ監督がその通りにした選手。

赤字は、当研究所が使い続けるべきではないと指摘したにもかかわらず、ハリル監督がこの試合でも先発させてしまった選手、もしくは好調なのだから変えるべきではないと当研究所が考えていた選手を変えてしまって、ハリル監督がピッチに送り出した選手です。

結局、青字の選手がこの試合の勝因となり、赤字の選手が苦戦の原因となっていました。

この図からも明らかなように、ハリルホジッチ監督の選手起用の誤りが苦戦を繰り返している理由なのですが、そのあたりも含めて日本代表の試合内容を分析していきましょう。

 まず攻撃面ですが、UAE戦で出た課題は得点を焦った選手がゴール前にベッタリと張りついて4トップ5トップみたいな形になり、相手のマーカーを引っ張ってきてしまうことで、逆に日本が得点から遠ざかってしまうことでした。

この試合では、「3トップのゴール前張りつき」が修正されていましたし、新たにトップ下のポジションを任された清武選手も3トップに吸収されて横一直線に並んでしまうようなことはなく、中盤でパスの組み立てに参加することができていました。

彼がバイタルでパスを受けてミドルシュートを放った前半11分のプレーは良かったですし、26分には清武選手がコレクティブカウンターの中心となり、貴重な先制ゴールをあげることもできました。

トップ下のポジションを不調の選手から代えるだけで、これだけ攻撃内容も変わり結果も出るわけです。

しかしながらまだまだ良くなる余地はありますし、清武選手ならもっとやれるはずです。

この試合、攻撃的なボランチとして使われた柏木選手もそうなんですが、バックラインでボールを回しているとき、清武選手がバイタルエリアに入るタイミングが早すぎて、バックからボールを受けて3トップにパスを供給する人が誰もいなくなり、パスコースを失ったDFがアバウトなロングボールを前線に放り込んでは、ムダにボールを失うというシーンが少なくありませんでした。

味方の4バックがボールを持っているタイミングでは、4-4-2できた相手のダブルボランチの前や横のスペースで、トップ下やこちらのボランチ2枚がもっと積極的にパスを受けて、それを確実に前の選手へつながなければいけません。

同点に追いつかれたあと、なかなか攻撃が機能しませんでしたが、このあたりが改善されてくれば、もっと多くの得点チャンスをつくることができるでしょう。

 次は守備面ですが、あいかわらずコンパクトな守備ブロックがまったく作れていません。

日本の選手たちはそれぞれがバラバラに個の能力だけで守ろうとしており、守備に組織というものがほとんど見られません。

本田選手は最初から守備につく気がサラサラありませんし。

(当研究所はセンターFWなら機能するかもしれないと考えていたのですが、もはやそれすら無理なほど肉体の衰えが激しいようです)

それが原因で守りが安定せず、後半勝負に出てきたイラクにパスを回されて自陣でFKを与え、酒井高選手のまずい守備もあって失点してしまいました。

失点したことでチーム内に動揺が走り、それが攻撃面にも悪影響を与え、プレーから自信や思いきりが欠けた結果、なかなか勝ち越し点が奪えませんでした。

(ピッチ内の選手たちも、そんなことでいちいち落ち込むのではなくて、やるべきことはわかっているのですから、気を強く持ち攻守に全力でプレーしないと)

後半になって、中盤で相手からボールを奪い返すことができなくなったのを見たハリルホジッチ監督は、10分すぎから柏木選手の代わりに山口選手を入れようと準備させますが、その前に同点ゴールを食らってしまいます。

しかし山口選手を先発させて、ゾーンディフェンスによるコンパクトな守備ブロックから厳しくプレスをかけていけば、クリーンシートのまま1-0や2-0で終わらせることができたはずですし、またそういうゲーム運びをすべき試合でした。

コンパクトな守備ブロックをつくって守るということに関してはまだ手倉森ジャパンの方が10倍マシです。

(もしこのブログを読んでいて手倉森さんに直接アクセスできる方がおられるなら、次回オーストラリア戦ではしっかり守備ブロックをつくって守れるように手倉森さんが率先して選手たちを指導して欲しいと伝えておいてください)

当研究所が推奨したように、山口・長谷部のダブルボランチで試合に入ってまず守備を安定させ、試合の後半まで勝ち越し点が奪えないようであれば、そこではじめて長谷部選手を下げて柏木選手を入れて攻撃を強化するといった手を打つべきであり、選手起用の順番もまるで逆のように思えます。

こういう綱渡りのような稚拙な試合をしておいて、「山口選手を後半に投入した監督の采配が当たった」と評価するのは適切ではありません。最初から山口選手を起用し堅固な守備ブロックを構築することで、少なくとも1-0で危なげなく勝つべき試合だったのです。

        ☆        ☆        ☆

 「批判をするならハリルにしてください」と繰り返しているので遠慮なくそうさせてもらいますが、当研究所がタイ戦後にすでに表明したとおり、ハリルホジッチ監督をこのタイミングで解任すべきです。

(当ブログ過去記事・タイに勝利も、課題山積(その3)

もう何度も指摘していますが、まず選手1人ひとりのプレーの特徴や長所・短所、選手の優劣を見ぬく目をもっていないことがプロの監督として致命的です。 

選手の現在の実力を見て誰を起用するのか決めるのではなく、「ACミランでやっているから」みたいな選手の肩書きだけで、プレーの中身を見ずにどのポジションに誰を使うか決めているように見えます。

だからチームが機能せず、試合内容も悪くてなかなか良い結果が出ないのです。

選手の起用法も行き当たりばったりで、「調子の良い選手は引き続き起用して伸ばしてやる、調子の悪い選手はいったん外して修正する」といったような、チーム強化の継続性もありません。

前回のタイ戦では、日本の危うい守備を山口選手がバランスを保つことでどうにかこうにか無失点で切り抜けることができました。

攻撃面では浅野選手が得意のスピードで前線をかきまわし、実際にゴールも奪っています。審判によって取り消されたUAE戦のゴールを含めれば、W杯予選で2試合連続ゴール中でした。

ところがこのイラク戦では、2人とも先発を外されてしまいます。

前の試合で選手が良いプレーをして流れに乗ってきたところで、監督によってベンチに座らされることでその流れをブッた切られると、良い意味で選手が調子に乗って成長していくことができません。

この試合もそうでしたが、4-4のコンパクトな守備ブロックをつくって組織的に守るような戦術指導さえできない監督さんは、アジアレベルでも今どき珍しいんじゃないですか。

「日本代表が苦戦しているのは海外組のコンディションが悪いせいだ」と盛んにマスコミが言っていますが、欧州でプレーする選手が多かったのはザックジャパン時代も同じであり、「W杯の予選はいつも厳しいもの」などと過去の記憶を勝手につくりかえている人もいるようですが、海外組主体だったザックジャパンのブラジルW杯最終予選成績は5勝2分1敗、プレーオフに回った3位ヨルダンとの勝ち点差7の圧倒的強さだったのです。

予選直前の準備時間の短さや欧州でプレーする主力選手の移動といった諸条件は初めからわかりきっていたことで、それも含めて長期計画を練り、段階的にチーム作りをしていくのが代表監督の仕事であって、プロの監督としての能力に大きな差がでるところです。

もう一度ザッケローニ氏を日本に呼ぶべきだとは思いませんが、ハリルホジッチ監督との力の差は明らかです。

そういえば、準備期間が短く国内組だけという同じ条件で臨んだ東アジアカップでもザックジャパンは2013年大会で優勝し、ハリルジャパンは2015年大会で最下位。しかも「準備時間が足りなかった」と言い訳ばかり。

W杯初戦を迎えた時点での理想のチーム構成は、25歳以下の若手がチームの30~40%、27歳以下の中堅が50~60%、豊かな経験でチーム全体を引き締める30歳前後のベテランが10%ぐらい、チームの平均年齢が26~27歳になるのが理想じゃないかと思うのですが、イラク戦の日本のスタメンがそのまま2年後のロシアW杯開幕戦のピッチに立っていたとして、平均年齢が何歳になりますか?

ざっと計算して30歳前後、先発メンバー11人中6人が30歳以上になりますよね。このままではたとえロシアW杯へ行けたとしてもチームが高齢化で走れなくなり、好成績を残すことは難しくなります。

(ブラジルW杯では最高でもアルゼンチン代表の平均年齢28歳)

にもかかわらず、ハリルホジッチ監督が呼ぶ新顔の選手って今の時点で27~28歳ぐらいが多く、いかに彼がいきあたりばったりで、チーム強化の長期的なビジョンを持っていないかがわかります。

「代表は育成の場ではない。その時その時で最高の選手を呼ぶべき」という人もいますが、現代サッカーはチームが攻撃も守備も高度に組織化されているのが当たり前であって、そのようないきあたりばったりの急ごしらえのチームで勝つことは困難です。

クラブでいくら良いプレーをしている選手も、代表で真剣勝負の実戦を何度もプレーさせて経験を積ませないと、個人としてもチームとしても機能させることはできません。

クラブと違って代表チームは実質的な活動日数が短く、真剣勝負の場はW杯の予選試合など極めて限られます。

ザックジャパンでは、磐田の前田選手がセンターFWを務めてW杯アジア予選を突破しましたが、彼に年齢的な衰えが見えはじめると、ブラジルW杯の直前になって急きょ柿谷・大迫らがテストマッチで試されましたが実戦経験の不足は否めず、結局ブラジルではセンターFWが、最後まで誰が出るか決まらない機能しないポジションとなってしまいました。

ですから、W杯の初戦にチームがどういう年齢構成になっているのが理想的なのか長期的な計画をもってチーム強化を進め、25歳以下の若手選手(予選の段階では22~23歳)もW杯予選のような真剣勝負を勝ち抜くという経験を積ませながら、本大会でも十分戦えるだけの実力をつけさせることが極めて重要なのです。

ハリルホジッチ氏の采配ぶりを見ていても、プロ監督としての高い潜在能力といったものがまったくうかがえず、このまま日本代表の指揮を任せても、ロシアで好成績が望めるどころかW杯出場さえ危ういと思います。

彼よりマシと思われる監督がすでにリストアップされているなら、このタイミングで解任すべきです。

適当な人がいないのであれば、とりあえず手倉森さんを暫定監督にして次のオーストラリア戦からチームを任せてみてはどうでしょうか。

 それにしても霜田さん、とんでもないハズレ監督を引っ張ってきてしまいましたね。


次回へつづく



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W杯アジア予選にのぞむ日本代表メンバー発表



  

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