■イラク戦・オーストラリア戦にのぞむ日本代表メンバー発表!

 ロシアW杯アジア最終予選のイラク戦(埼玉)・オーストラリア戦(メルボルン)にのぞむ日本代表メンバーが発表されました。
以下のとおりです。


GK 西川 周作 (浦和)
   川島 永嗣 (メス:フランス)
   東口 順昭 (G大阪)

DF 吉田 麻也 (サウサンプトン:イングランド)
   森重 真人 (F東京)
   酒井 宏樹 (マルセイユ:フランス)
   長友 佑都 (インテルミラノ:イタリア)
   太田 宏介 (フィテッセ:オランダ)
   丸山 祐市 (F東京)
   植田 直通 (鹿島)
   槙野 智章 (浦和)
   酒井 高徳 (ハンブルガーSV:ドイツ)

MF 清武 弘嗣 (セビージャ:スペイン)
   山口  蛍 (C大阪)
   長谷部 誠 (フランクフルト:ドイツ)
   香川 真司 (ドルトムント:ドイツ)
   柏木 陽介 (浦和)
   大島 僚太 (川崎)
   永木 亮太 (鹿島)

FW 原口 元気 (ヘルタベルリン:ドイツ)
   浅野 拓磨 (シュツットガルト:ドイツ)
   本田 圭佑 (ACミラン:イタリア)
   岡崎 慎司 (レスター:イングランド)
   宇佐美 貴史(アウクスブルク:ドイツ)
   武藤 嘉紀 (マインツ:ドイツ)
   小林  悠 (川崎)


川島選手と槙野選手が復帰し、鹿島の永木選手は代表初招集です。

もう何人か新しい選手を呼んで手元に置いてみた方が良いような気もしますが、UAE戦・タイ戦でうまくいかなかったからといってそれまでのチームを全否定し、招集メンバーを総とっかえしてみても、チームづくりから継続性が失われてしまい、かえって状況が悪化してしまいかねません。

前の2試合で上手くいったところを伸ばしていき、悪かったところはすみやかに修正するという考え方で、チーム強化を図っていくべきです。

 これまで何度も繰り返していますが、現在の日本代表が上手くいっていない原因は、次の3点。

(1)トップ下や攻撃的なボランチが得点を焦るあまり相手ゴール前にベッタリと張りつき、4トップ・5トップのような形になってしまうこと。これによって相手のマーカーをゴール前に集結させ、フリーでシュートを打ったり得点につながるパスを出すためのスペースを自分たち自身でつぶしてしまい、攻撃に「深さ」も取れないので酒井宏からのクロスが攻撃の唯一のパターンで、相手のバックにとっては「左からやってくるクロスをヘッドでひたすら前方へはね返す、簡単なお仕事」をするだけで良く、アイデアに欠けた単調な攻撃を繰り返していることが得点から遠ざかってしまう最大の原因。いつもゴール前にベッタリと張りつくことで相手DFのウラのスペースも消してしまい、スピードに乗った攻撃ができないことにもつながっている。(下図)

バランスが悪い

(クリックで拡大)

(2)右ウイングの本田選手にボールが入っても、相手に左足でのカットインを徹底的に切られ、かといって右足のドリブルでタテに抜くこともできず、攻めに時間をかけているうちに2人3人と相手に囲まれてバックパスという場面が多く、チームの攻撃にスピードが出ないもう一つの原因に。(これによってクラブでも出場機会を失っている) ウイングとしてサイドでのデュエルに勝って自分のクロスから味方のゴールをアシストしたり、カットインからのドリブルシュートで得点したりといった結果も出せていない。

(3)本田選手を中心に、ボールを失ったあと攻撃の選手が守備に戻るのが非常に遅く、縦にも横にもコンパクトな守備ブロックをつくれていないので、相手のカウンター攻撃にも脆弱で、守備が安定していない。これには(1)も大きく関係している。

当ブログ過去記事・日本代表の試合内容、どこが悪かったのか? 

当研究所がさんざん指摘してきたことですが、この3つの問題は何も今に始まったことではありません。

これが2次予選初戦のシンガポールとのゲームで引き分けてしまった原因だったのですが、カンボジアやシリアとの試合でも改善されることはなく、2次予選より対戦相手のレベルがアップした3次予選ではとうとうゴマカシが効かなくなり、敗戦につながってしまったのです。

こういう戦術上の問題は監督がその試合中・試合後にすぐ気づいて、少なくとも2次予選をやっている間に修正しておくべきでしたし、そのための時間はいくらでもありました。

当ブログ過去記事・ブラジルW杯の金縛り状態ふたたび(その2) 

当ブログ過去記事・日本代表、シンガポールに3-0の勝利 

当ブログ過去記事・日本代表、またしてもカンボジアに苦戦 

当ブログ過去記事・シリア相手にゴールもいっぱい、課題もいっぱい 

イラク戦前の練習時間も限られているわけですから、まず(3)の守備からチームの立て直しに着手した方が良いでしょう。

「コンパクトな守備ブロックをつくって相手が攻撃で使えるスペースを限定し、ゾーンディフェンスの約束事に従ったプレスをかけて相手に自由にプレーさせず、できるかぎり早くボールを奪い返す」

これを90分間継続できるように、実際にピッチを使った練習で確認するべきです。

(1)と(2)の問題については、不調の選手をいつまでも使い続けていたり、選手がその特徴・長所短所を踏まえた適材適所のポジションで起用されていないことが原因ですから、別の選手にチャンスを与えたり同じ選手を他のポジションで試してみることが必要です。

自分の目で各選手が練習時にどういう動きをしているかチェックできないのがつらいところですが、練習での動きに問題がないという前提で検討すれば、

(1)については、バックやボランチからパスを引き出す豊富な運動量と的確なポジショニングを取りつづける能力があり、受けたボールを適切かつ素早い決断で前方にいる味方へテンポ良くパスし、中盤でチームの攻撃をしっかりと組み立てられる人材が必要です。

(2)と(3)については、右ウイングにスピードや技術で相手との一対一に勝ち、なるべく独力でサイドを崩すことができる選手、攻守が入れ替わるたびにサイドを激しく上下動しても90分間体力が持ち、4-4のコンパクトな守備ブロックを形成する一角を崩すことなく、穴を開けずにちゃんと守備ができる選手を起用すべきです。

今回召集されたメンバーで考えてみますと、


              本田  
            

      原口     清武      浅野


           山口   長谷部   
              

     長友   森重   吉田   酒井宏
    (太田)

              GK

最初に本人が「自分は香川選手のようなタイプ」と自己紹介したことが誤解のもとになっている気がしますが、清武選手はゴールゲッターというよりもパサータイプの選手に見えますし、トップ下には彼を試してみてはどうかと思います。

左サイドにはタイ戦で好調だった原口選手がそのまま入ります。対戦相手の選手との力関係もありますが、守備に問題がなければスピードのある浅野選手を起用して右サイドを崩してもらい、守備時には原口・浅野の両選手がダブルボランチの位置まで下がって4-4のコンパクトな守備ブロックを形成します。

センターFWには本田選手を入れてはどうかと思います。彼はサイドを独力で突破できないので、本来の右ウイングのポジションから大きく離れピッチ中央でプレーしている時間が長く、それによって守備に戻ってくることも難しくなっているからです。

2次予選でも得点などの「結果」を出すことができたプレーエリアはゴール前などのピッチ中央部分であり、自分の得意なところでプレーすることで彼のポテンシャルを最大限に引き出すためにも、守備の負担を軽減させてチーム全体の防御力を落とさないためにも、センターFWで試してみたらどうでしょうか。

ハーフナー選手のようなフィジカルコンタクトに強いタイプが呼ばれていればその選手をセンターFWに入れて、本田選手を攻撃的なボランチにコンバートすることも一つの考え方だと思います。

コメント欄で読者さんからご質問がありましたが、スピードが落ちてきたベテランの攻撃的な選手をボランチに下げて再生させるというのは良く使われる手段で、それが上手いのはドイツ代表です。

2002年W杯で3-5-2のトップ下をやっていたバラックを4-4-2の攻撃的なボランチにコンバートして、2006年W杯では彼が中盤の底からゲームをつくっていましたし、同じ2006年W杯でサイドハーフをやっていたシュバインシュタイガーは、自分のクラブ(バイエルン)に真正ウインガーのリベリーが加入してきたこともあってボランチに転向、2010年・2014年W杯で4-2-3-1のボランチを務め、代表チームにも好成績をもたらしています。

もちろん新しいポジションをやるわけですから選手がボランチというポジションに求められることを勉強する必要がありますが、バラックやシュバイニーの例からも明らかなように本人に適性があれば、昔から長くやっているボランチに絶対にかなわないということはないと思います。

日本でも、中田英寿選手や遠藤保仁選手の例がありますよね。

当研究所は、ロシアW杯2次予選の初戦シンガポールとの試合から本田選手が右ウイングで機能していないことをずっと指摘していましたし、W杯には絶対に出てこないレベルのチームに0-0という結果は、我々に対してそのことを警告するサインだったと思います。

だから6月のキリンカップで、スピードが落ちてきている代わりにボール奪取に必要なフィジカルコンタクトの強さを持っていてパス展開力もある本田選手のボランチへのコンバートを試したらどうかと提案したのですが、それができなかったのはやはり痛かったですね。

 もし上記のシステムで、浅野選手のサイド起用が上手くいかず、FWとして使った方がチームが機能するというのであれば、フォーメーションを4-4-2に変更するというのはどうでしょうか。


                  本田     
            浅野  
           (香川)

      原口               清武

           山口   長谷部   
               

     長友   森重   吉田   酒井宏
    (太田)

              GK


右サイドの守備に大きな穴を開けないというのが前提ですが、右サイドハーフに清武選手をもってきて、原口選手と協力しながら中盤で攻撃を組み立てます。

本田・浅野両選手で2トップを組み、本田選手が場合によってはパスを受けに下がって清武・原口とからみながらチャンスメークし、浅野選手のスピードを生かしてスルーパスやワンツーからゴールを狙わせたり、逆に清武・原口・浅野に生かしてもらって本田選手自身がゴールを決めても良いでしょう。

メンタル面の問題を解決することが大前提となりますが、香川選手はもともとパサータイプのトップ下というより周りに生かしてもらってゴールするのが得意なセカンドストライカータイプだと思いますので、浅野選手の調子が落ちてきたときにFWとして起用するなら香川選手も機能するかもしれません。

以上3つの課題を解決して下の図のようなプレーができれば、良い結果が得られるのではないでしょうか。

バランスが良い


 最近マスメディアがパニックになったようにいろんなことを大騒ぎしていますが、日本代表の選手やコーチングスタッフは、それをいちいち真に受けて自分たちもパニックになるのでなく自分たちがやるべきことだけに集中すべきです。

つまりチームが機能しない3つの問題をすみやかに修正し、それを実際の試合でプレーで表現するということです。

マスコミは「UAE戦は海外組のフィジカルコンディションが悪かったせいで負けた」などと言い始めていますが、的外れな議論だと思います。

私が見る限り選手たちの体が特別重かったようには見えませんでしたし、初戦の緊張でもっとカチコチになるかなと心配していたのですがそれもなく、先制ゴールをあげるまでは動きはまずまず良かったんじゃないでしょうか。

ところがレフェリーによる不可解な判定が続いたことでリズムを狂わされ、日本の選手たちが「早くゴールを取りたい」と焦ってしまった結果、これまで述べたような3つの問題が発生しそれが攻守にわたってチームが機能しない原因となっていました。

ですからどんなに選手の体調が良くても、前述の3つの問題を解決しないかぎりW杯の予選で良い結果を出すことは難しくなります。

多くの海外組選手が試合に出られていないということについても大騒ぎしていますが、日本代表がより強くなってロシアW杯で好成績を残すために、乗り越えなければいけない試練であると私はポジティブに考えています。

欧州四大リーグのクラブでレギュラーポジションが取れていないということは、たとえW杯に出場できても、そのレベルの選手で構成された欧州や南米の代表チームに勝つことは難しいということです。

むしろこれまで述べてきた3つの戦術的な問題点を選手たちだけで気づき、試合中に話し合って修正することができるような「サッカーIQ」が身についていないから、欧州クラブでレギュラーポジションを維持できないのです。

自分がどうしてクラブで試合に出られないのか、現実を直視してその原因を自分の頭で良く考え、自分の代わりにレギュラーポジションを獲得しているライバル選手にあって、自分に無いものがあればそれを盗んで身につけるようにし、サッカー選手としての実力をアップさせなければなりません。

クラブで試合に出られないことは決して良いことではありませんが、「クラブと代表との連戦による疲労の蓄積が無い」と前向きに考えるようにして、今はW杯予選の試合でベストを尽くすしかありません。

永遠にザックジャパン時代のメンバーでチームを組んでW杯予選を戦い続けることは不可能ですし、実力があってチームを勝たせることができるなら、ピッチに送り出される選手たちの顔ぶれが変わることも、日本代表が強くなるために避けては通れない道であると私はポジティブに考えています。

大騒ぎしているマスコミの言うことをいちいち真に受けて「自分たちは調子が悪いんだ」などと自己暗示をかけて試合でのパフォーマンスが落ちないように、「ロシアW杯出場」というみんなで共有している一つの目標を達成するため余計な雑音を一切シャットアウトし、自分たちが今やるべきことをやるということだけに集中できるように、長谷部キャプテンが先頭に立ち日本代表各選手の「心を整えて」欲しいと思います。




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