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■手倉森ジャパンのリオ五輪・総括

 決勝トーナメント進出をかけた手倉森ジャパンのグループリーグ最終戦、スウェーデンとの試合は1-0で勝利を収めたものの、同時刻に行われていた試合でコロンビアが勝利したので、手倉森ジャパンのグループリーグ敗退が決定してしまいました。

勝つしかない手倉森ジャパンは点を取りに積極的に行きましたが、前の2試合に引き続き、中盤までの攻撃の組み立てはなかなか良かったと思います。

しかし相手ゴールまで30mに迫ってからの崩しが雑で、得点を焦っているのかアバウトな浮き球のパスを相手DFラインのウラヘ放り込む攻撃が多かったのですが、なかなかゴールにはつながりませんでした。

中島選手もどういうわけか弱気になっているように見え、シュートを打てる場面で「大事に」パスを選択した結果、相手にひっかけて得点チャンスを逃したり。

それでも後半、左サイドでの良い崩しから交代出場の矢島選手が決めて、ノドから手が出るほど欲しかった先制点をゲット。

守備もまずまず良かったと思いますが前半の終了間際、スウェーデンがセットプレーからゴール前にロングボールを放り込み、GK中村選手がわざとワンバウンドさせてからキャッチしようとしたところ、ボールがイレギュラーしたのかキャッチし損ねて、危うくゴール内に後逸しそうになったプレーがありました。

ゴール前のピッチが荒れていましたし、あそこは前へ出て直接キャッチした方が無難だったのではないでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 それでは手倉森ジャパンのリオ五輪を総括しますが、グループリーグ敗退に終わった一番の原因はブラジルW杯で敗退したザックジャパンと同じで、選手たちのメンタルの持ち方が間違っていたことだと思います。

このグループはスウェーデン以外の、日本・ナイジェリア・コロンビアの3チームに実力の差はそれほどなく、どのチームにも決勝トーナメント進出の可能性がありましたが、手倉森ジャパンはメンタルの持ち方が間違っていたために自分たち本来の力を発揮できなかったり、普段ならありえないようなイージーミスから何度も失点したりして、終わってみればそれがナイジェリア・コロンビアとの大きな差になってしまいました。

初戦のナイジェリア戦では「メダルが取れるかどうかは初戦で決まる。絶対に失敗できない試合だから大事に行かなければ」という決死の覚悟をもって精神的に一杯一杯の状態でゲームに入り、失敗できないからと相手の出方を「慎重に」見ているうちに、そんなことを考えずに最初から積極果敢に攻めてきたナイジェリアのポストプレーへの対応が後手にまわり、あっという間に先制パンチを食らいます。

すぐに同点に追いついたものの、選手たちの精神的な不安定さは変わらず。過緊張で頭が真っ白になっているのか、相手のクロスボールにかぶってしまったり、ゴール前でのクリアが小さくなったりと、普段の練習やゲームならあり得ないようなミスから失点を重ね、初戦を落としました。

次のコロンビア戦でも「絶対に失敗できないから」と考え過ぎて、プロサッカー選手の技術があればクリアするくらい何でもないボールの処理を誤ってオウンゴール、コロンビア戦も日本が勝つ可能性が十分ある試合だったと思いますが、そこで勝ちきれなかったことで手倉森ジャパンの決勝Tへの道は事実上断たれることに。

2試合目でグループリーグ突破を決めたナイジェリアは主力を温存し、最終戦でコロンビアがナイジェリアに勝った時点で日本の敗退が決定しました。

私は、グループリーグ3試合はどれも重要で、どの試合が一番大切という考え方はするべきでないという立場ですが、後から振り返ってみれば、ナイジェリアがトップを走り、2位争いを日本とコロンビアがしたわけですから、「初戦が一番重要」ではなくて、実は第二戦目が日本のグループリーグ突破を左右する一番のポイントになった試合だったんじゃないでしょうか。

手倉森ジャパンの試合内容を見れば、コロンビア戦も最後のスウェーデン戦もなかなか良かったですし、どうして攻撃でも守備でもこういう内容の試合を初戦のナイジェリア戦から出来なかったのか?という強い疑問を感じました。

それができていれば、初戦も最悪引き分けぐらいにはもっていくことができて、グループリーグ最終戦まで日本の決勝T行きの可能性を残せたのではないかと思います。

でもそれができなかったのは、「初戦が一番重要だから」と考えてゲームに入り、失敗が怖いので「慎重に」ということで自分たちの力を意図的にセーブしたり、過緊張のせいで頭が真っ白になって自分たちの実力を発揮できなかったからですよね。

手倉森監督やリオ五輪代表の選手たち、それに元日本代表の現役プレーヤーに至るまで、「初戦が一番大事」「メダルが取れるかどうかは初戦で決まる」というコメントをさんざん聞いたのですが、初戦をまるで金メダルがかかった決勝戦に臨むかのようにガチガチに緊張しながらゲームに入るという作業を監督・選手たちがするのは、一体何のためなんでしょうか?

もちろん決勝トーナメントに進出して良い成績をあげるためなんですよね?

じゃあそういう作業をして実際に自分たちの望んだ成績につながっているかと言えば、絶対そうではありませんよね?

むしろガチガチに緊張しながら初戦に入ることで自分たちの実力を十分に発揮できず、普段ならありえないようなミスから失点して初戦を落とし、グループリーグで敗退してしまいました。

手倉森さん自身も「初戦で選手たちに大きなものを背負わせすぎてしまった」と言っておられましたが、何の役にも立たない、むしろ試合に勝ちたい自分たちの足を引っ張る、そんな無駄な作業はもう金輪際やめにするべきです。

ところで同じ日に、内村航平選手が体操個人総合で金メダルを獲得しましたが、最後の種目・鉄棒を残した段階までウクライナのベルニャエフ選手にトップを走られ、最後の鉄棒で完璧な演技をしなければ金メダルは取れないというものすごいプレッシャーがかかる状況で、見事それをなしとげての大逆転・金メダル。

頭一つ抜けたダイナミックな演技から着地をピタリと決めたのを観たときは、録画だとわかっていたのに涙が出そうになりましたが、表彰式後のインタビューで彼は「練習では出来ていたので、普段どおりの演技をしようと思った」と答えていて、「ああ、これが真の勝者のメンタルの持ち方なんだな」と学ばされました。

そんな内村選手もロンドン五輪では苦い経験をしていて、「(五輪の)魔物は自分自身で作り出しているもの。ロンドンの時は体操人生で一番いい演技とか、いい結果を求めていた。そこが普段通りじゃなかった」と言っています。(参考記事

内村選手と最後まで競り合ったベルニャエフ選手は、「内村は水泳のフェルプス・陸上のボルトと同じ体操の王様なんだ」とコメントしていましたが、これまでオリンピック金メダルを20個以上獲得しているフェルプス選手が所属する水泳のアメリカ代表にはスポーツ心理学者が帯同していて、選手たちにこう問いかけるそうです。

「君がレースですべきことは何だ?」

選手が「メダルをとること、相手を負かすこと、賞金を勝ち取ることです」と答えると、心理学者はこう否定します。

「いや違う。君がすべきことは、A地点からB地点までできるだけ速く泳ぐことだ。速く泳ぐことはライバルやメダルとは関係ない。大事なのは自分がすべきことに集中することだ。メダルやカネ、競争相手、マスコミ、そんなものは君の足を引っ張る騒音でしかない」(参考記事

かたや手倉森ジャパンはメダルを取ることを強く意識しすぎ、「初戦が一番重要」と思い込んでその試合で最高の結果を出そうとして過緊張で頭が真っ白になり、テストマッチの相手ブラジルや初戦の相手ナイジェリアを恐れすぎて自滅しました。

これは今に始まったことではなくて、リオ五輪アジア予選の初戦・北朝鮮戦でもそうだったんですね。そのことについては「選手のメンタル面に改善すべきところがある」と指摘しておいたはずです。 (当ブログ・関連記事

それが何の対策も取られることなくリオ五輪本大会を迎えてしまったことは大変残念です。

 ポゼッションサッカーで勝つことを目標にしてブラジルW杯で敗退したザックジャパンに対するアンチ・テーゼという意味はなかったとは思いますが、カウンターサッカーを「自分たちのサッカー」に据えてリオ五輪に臨んだ手倉森ジャパンも、グループリーグ敗退という結果に終わりました。

ザックジャパンがブラジルで敗退した時、「ポゼッションサッカーのせいで負けた。これからはカウンターサッカーで行くべきだ」という声が一部のマスコミからあがり、当研究所は「ポゼッションサッカー悪玉論は間違い」であり、「主に精神面の問題により日本は肝心なW杯の本番で、持てるポテンシャルを十分発揮することができなかった」ことが本当の敗因であると主張しました。(当ブログ・関連記事

同じように「初戦が一番大切」と言いながら、ヤヤ・トゥーレを恐れ、ドログバを恐れ、1点のリードを守るためにコートジボアールのパス回しを「慎重に」見ているだけ、相手のドリブルにズルズル下がるだけで、同点・逆転ゴールを次々に浴びて初戦を落としたザックジャパンの姿と、ナイジェリア戦の手倉森ジャパンの姿がダブりました。

過緊張で頭が真っ白になって自分たちの実力を十分発揮できないのであれば、勝てないのは当たり前。

ポゼッションだろうがカウンターサッカーだろうが、あんな個人のミスは戦術うんぬん以前の話です。

 敗退が決まったあと、手倉森ジャパンの一部の選手たちが「やっぱり初戦が一番大切だった」とコメントしていましたが、この大会から間違った教訓を得て欲しくありません。

もし手倉森ジャパンの選手たちが将来ワールドカップに出場した時、「初戦が一番大切」と言いながらまたしても過緊張に陥り、初戦を落とした結果グループリーグ敗退を繰り返してしまったら、リオ五輪の失敗から何も学ばなかったことになります。

そうではなくて、体操の内村選手のように「普段の練習通りに本番でもプレーすること」、フェルプス選手のように自分がやるべきことを「A地点からB地点までできるだけ速く泳ぐ」というふうにシンプルにとらえ直し、本番ではそれに集中すること。

それをサッカーに置き換えれば、「相手より1点でも多くゴールし、できるかぎり失点を少なくすること」になります。

もちろんその大会における自分たちの目標を設定するのは当然のことですが、いったん試合に入ったらそれはスッパリと忘れ、初戦の結果やその大会の最終順位、ライバルとなる競争相手への恐れ、勝利によって得られる年俸アップ、自分のプレーの成功・失敗に一喜一憂するマスコミ、そんなものは自分たちの足をひっぱる雑音でしかないことを心に刻むべきです。

選手がどんなにプレッシャーがかかる試合でも実力を十分発揮できるようにするため、A代表からジュニアユースに至るまで
日本の各年代別代表に実績のあるスポーツ心理学の専門家を帯同させたり、体操の内村選手や水泳の北島康介選手のように金メダルを何個も取っているレジェンドを臨時講師として代表合宿に呼んで、本番に強くなるメンタルの持ち方をコーチしてもらったら良いのではないでしょうか。


 ブラジルW杯が終わった直後から、当研究所は日本のサッカー選手のメンタル強化を何度も訴えてきましたが、過緊張に陥った手倉森ジャパンがリオ五輪で自滅するのを見て、日本サッカー協会の技術委員会はこの2年間メンタル面の問題を解決するために何の対策も取っていなかったことがわかり、大変残念でなりません。

つづく



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