■手倉森ジャパン、二戦目はドロー

 手倉森ジャパンは、リオ五輪グループリーグの第二戦でコロンビアと対戦し、2-2の引き分けとなりました。

この試合の手倉森ジャパンは、失敗したくないという思いが強すぎて、相手が出てくるところを消極的に受けて立ってしまったナイジェリア戦よりも、守備でも攻撃でも「攻めの姿勢」が出ていました。

そうした意味で、試合内容は前半から悪くなかったのですが、ミスもあって後半立て続けに失点。しかしすぐさま2点を取り返し、その勢いのまま逆転ゴールを奪いたいところでしたがスコアは動かず、そのままタイムアップとなりました。

いったんは2点差のどん底に突き落とされたところから、あきらめず這い上がって来て勝ち点1を奪い取ったことは評価できます。

もちろん「ああすれば良かった、こうすれば良かった」というのはありますがサッと頭を切り替え、次のスウェーデン戦において平常心でのプレーを心掛けながらベストを尽くし、天命を待つしかありません。

それでは、次戦に向けての修正点を。

 最初の失点シーンで、ポストプレーをしたグチエレスに対し、井手口選手がパスカットを狙いに行って、体を入れ替えられてしまったプレーについて。

相手のポストプレーヤーが好き勝手やるのを指をくわえて見ているだけより10倍良かったと思います。その積極性は買いますが、グチエレスの右足に向ってパスが出たのに井手口選手が彼の左側を遠回りしてパスカットに行ったことで、体を入れ替えられて抜かれてしまう原因に。

相手のポストプレーヤーの足元にボールが来たときのパスカットの仕方を基本から再確認しておきますが、ポストプレーヤーのどちらの足にパスが出たのか、パスのスピードはどうかを見極めてから前に出てカットするかどうかを決断します。

パスの出し手とポストプレーヤーとの距離も計算に入れながら、ポストプレーヤーがボールを受ける前に、自分がその選手の前に出てカットすることができる範囲内のパススピードであることが、前に出る決断をするための第一の条件です。

いけると判断した場合、例えば自分に背を向けているポストプレーヤーの右足にパスが来た場合は、最短距離であるその選手の右側を通って前へ出て、パスをカットします。(遠回りして左側から前方へ回り込んでもカットが間に合うというなら、それでもかまいませんが)

相手がパスを出す前に、自分から先に左右どちらかを回ってポストプレーヤーの前へ出ようとしてしまうと、それに気づいたパスの出し手が自分が動いた方向とは逆のポストプレーヤーの足へパスを出すことで、体を入れ替えられ抜かれてしまうリスクが高まります。

こうしたことを一瞬で判断しなければいけませんが、普段の練習や実際の試合で何度も実践することで判断力を磨いていくしかありません。

もし相手選手の前に出てパスカットすることができないと判断した場合は、自分に背を向けているポストプレーヤーの背後数十cmまで距離を詰めて、相手の立ち足を削るのではなく、ボールをトラップしようとする瞬間を狙って後ろからボールを突き、ミスプレーを誘うべきです。

ここで注意すべき点は、常にボールと自分が守るべきゴールとを結んだライン上に立ちながらボールを足で突きに行くということ。このラインから外れてポストプレーヤーの横や前に回りこんでボールを突きに行くと、体を入れ替えられてあとは自軍ゴールまでドリブル一直線なんてことになりかねません。

次にグチエレスのシュートを止めに行った植田選手は対応が難しかったと思いますが、自分で「痛いプレーどんどん来い」と言っていたはずですから、最悪ヘッドで相手のシュートをクリアするつもりで顔を絶対にそむけず、最後まで相手のシュートの軌道から目を離さずに、足などで確実にシュートをはね返して欲しいです。

また自分がマークすべき相手選手との間合いが少し遠いと思います。相手が自分に背を向けているなら数十cmぐらい、自分の方へ向いているなら1mほどまで間合いをしっかり詰めないと、相手のポストプレーやドリブル・パス・シュートへの対応が間に合いません。

 2失点目となった藤春選手のオウンゴールは、「絶対に失敗できない。慎重に行かなければ」という思いが強すぎて、どうすべきかプレーを迷っているうちにボールが自分の足に当たってしまい、それがオウンゴールにつながったように見えました。

「絶対に失敗できないから慎重に行かなければ」は典型的な「負けフラグ」であると、ブラジルとのテストマッチの記事でも言いましたが、平常心で普段どおりにプレーできていれば、あのプレーはなかったと思います。シンプルにゴールラインの外へ蹴ってCKへ逃れるべきでした。

たった1日の練習で急にメッシやCR7クラスまでサッカーが上手くなるわけがないのですから、前日までの練習でベストを尽くしたら、本番の試合では自分の能力以上のことをやって奇跡を起こしてやろうと気負ったり、イレ込んだりして精神的に一杯一杯になるのではなく、自分の普段の実力を100%発揮することだけに集中したら良いのではないでしょうか。

そうすれば、少しは精神的に余裕が持てるはず。

 攻撃では、大島・南野選手らがからんで浅野選手のゴールにつながったバイタルエリアの崩しは、ナイジェリア戦に引き続いて良かったですね。

オフサイドぎりぎりにも見えましたが、A代表の選手たちにも見習ってほしいレベルの高い連携プレーでした。 

チームの苦境を救う中島選手の2点目は圧巻のゴラッソ。

どんな相手でもあのシュートを決められるなら、欧州四大リーグでメシを食っていかれると思いますので、これからもあのドリブルシュートを磨き続けて行って欲しいです。

 攻撃での課題は前半34分、藤春選手がフリーでヘディングシュートさせてもらえたのにゴールを大きく外した場面。

これは藤春選手だけじゃなくて、レスターの岡崎・鹿島の金崎といった内外の日本人トッププレーヤーから、Jクラブ・高校などの育成年代の選手・その指導者に至るまで、日本サッカーに携わるすべての人に言いたいのですが、日本サッカー界であまりにも硬直的なマニュアル教育が行われている結果が、あの大きく外れたヘディングシュートなんじゃないでしょうか。

藤春選手はゴールの枠やGKのポジショニングを一切見ることなく、ニアポスト側から来た味方のクロスを、ただ機械的に首を振ってファーポスト側へ流すことしか考えずにプレーしていたように見えましたし、実際打った瞬間に100%外れるとわかるシュートでした。

W杯の予選のような重要な公式戦で、こういうヘディングシュートをやってゴールを大きく外すところを、岡崎・金崎などA代表の選手でさえ何度も目にしたことがあります。

おそらく日本サッカー界には「ニアポスト側にはGKがいるのだから、ヘディングシュートをするときはニアポスト側を避け、クロスボールを頭を振りながら当ててファーポスト側へ流して決めろ」というマニュアルがあり、選手たちは自分の頭で適切な状況判断をすることなく、マニュアルを鵜呑みにしてひたすら機械的にシュートをしては、大きく外すということを繰り返しているのではないでしょうか?

そういうヘディングシュートが得意で実際に何十点も決めているというのであれば言うことはありませんが、そうでもないかぎり当研究所は推奨しません。現在のところは。

なぜなら、ニアポスト側から来たクロスボールを首を振って頭に当ててファーポスト側のゴールの枠内に正確に流し込んでゴールを決めるというプレーは、難易度がかなり高いからです。

首を振ればボールを頭でミートする際に視線がブレるので、それだけ自分の狙ったところへ正確にシュートすることが困難になります。

また流す分だけシュートのスピードも遅くなり、仮に正確に当てられたとしても、GKにキャッチされたりDFにクリアされたりする確率が高まります。

実戦においては、クロスボールが空中を移動する間にGKも動くので、必ずしもニアポスト側にいるとは限りませんし、ニアポスト側から来たクロスを、同じニアポスト側もしくはゴール中央の枠内にヘディングシュートする方がはるかに技術的に容易であり、ボールをミートする瞬間までしっかり目視できるので、自分の狙ったところへ正確にシュートできる確率も高くなります。

ニアポスト側へ打てば、首を振ってファーポスト側へ流すよりボールスピードが速くて強いヘディングシュートが打てますので、GKの体に当てないように注意しながらゴールの枠内へ正確に打てば、高い確率で決まると思います。

ユーロ2016準決勝のポルトガルVSウェールズ戦でクリスティアーノ・ロナウドが決めた先制ゴールを繰り返し見てください。ロナウドは頭をブリブリ振り回してヘディングしてますか?

ニアポスト側から来たクロスを正確に強くミートすることを心掛けているので、ボールがゴールのど真ん中へ行ってもGKが防げず、シュートが決まるのです。

強いシュートが枠内へ行けば、仮にGKの体に当てられても、前へこぼれたボールを味方がプッシュする得点チャンスが生まれます。逆にいくらマニュアル通りであっても、弱々しいシュートが始めから枠の外へ外れてしまうのでは、ゴールできる確率はゼロです。

サッカーは、得点チャンスが一試合に何十回もやって来るスポーツではありません。であるならば、ゴールが決まる確率がより高いシュート方法を選択すべきです。

(これは余談ですが、日本サッカー界では目の前にゴールとGKしかいないのに、自分でシュートを打たず味方にパスするのが「確率の高いプレー」だとされていますが、必ずしもそうとは言えません。自分でシュートを打てば決まるか外すかの二つに一つですが、味方にパスをすれば自分がパスミスをする可能性・味方がそのパスをトラップミスする可能性・味方がシュートをミスする可能性とゴールを決められないリスク要因がどんどん増えていきます。よって目の前にゴールとGKしかいなければ、自信を持って自分でシュートすべきです)

 次のスウェーデン戦、手倉森ジャパンは平常心でのプレーを心掛けながら自分たちの普段の実力を発揮することだけに集中し、目の前の試合でベストを尽くして、あとは天命を待つしかありません。




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