■キリンカップが突きつけた課題

 いや~モドリッチのスーパーゴールには度胆を抜かれましたね。
そうかと思えばコパアメリカでは、ネイマールやドグラス・コスタがいなかったとはいえ、ブラジルが「南米の普通にサッカーが強い国」になってしまっていたり。十年ぐらい前までは南米はもちろん、世界でも頭一つ抜けたサッカー超大国だったんですが...。

さて今日から2回に分け、キリンカップ2016によって日本代表に突きつけられた課題を、アジア最終予選はもちろんロシアW杯本大会を見据えつつ、どう解決していくべきか考えてみたいと思います。

 まず本題に入る前に、「世代交代」や「ベテラン選手の扱い方」について当研究所なりの考え方を示しておきます。

私は合理主義者なので、選手を評価する場合に見るのは年齢ではなくあくまでもプレーの中身であって、そのポジションに求められる役割を果たせていれば、その選手が3歳でも90歳でも全然かまいません。

しかし残念ながら、サッカー選手の身体能力は20代に向かってピークとなり、それを過ぎるとゆっくりと衰えていくというのが人間の宿命であり、それから誰も逃れることはできません。少なくとも今のところは。

それでも肉体を丁寧にケアしながら衰えを最小限に食い止め、技術や駆け引きの妙で経験のより少ない対戦相手を出し抜き、30歳を超えてもなお現役の第一線でバリバリやっている選手はたくさんいますし、それならそれでまったく問題ありません。

技術や狡猾さでスピードや運動量の衰えをカバーしきれなくなってきたときは、そのポジションをより若い選手に譲るときが来ますが、それでベテラン選手が「お払い箱」になってしまうわけではありません。

ベテラン選手は、若手選手が持ち合わせていない経験がありますし、若い選手が今まで直面したことのないようなピンチに陥ったときに、的確なアドバイスを与えることによってチーム全体を救うという、指導者の立場により近い重要な役目があります。

若いときは「このチームでレギュラーポジションを獲得したい」といったように、選手個人の立場からチームを見ることが多いでしょうが、ベテラン選手には指導者に近い立場から「チーム全体にとっての利益とは何か」を考えることが求められるということです。

引退後に指導者(監督)の道へ進むことを考えている場合、ベテラン選手もそういう役割を果たすことによって得られる利益は大きいです。

ベンチの監督もベテラン選手にそうした役割を期待して、スピードや運動量をあまり必要としないポジションへコンバートし、チーム全体をかじ取りを任せる「ピッチ上の監督」として起用することもあります。

練習や実戦を共にしながら、ベテラン選手から「成功と失敗、その両方の経験から得られた知恵」が若手選手へと継承されていき、そのサイクルを繰り返しながらチーム全体が絶えずゆっくりと、しかし着実に世代交代と強化が進んでいくというのが理想の形であると考えています。

「世代交代の失敗」の恐ろしいところは、W杯やユーロのような世界的な大会、あるいはその予選で負けてみて初めてそれに気づくケースが多いということです。これはイタリアやオランダ、フランスなど世界を代表するサッカー大国でさえ例外ではありませんでした。

いくらその世代が輝かしい成功を収めたからといって、いつまでも現役として引っ張り続け、若手への世代交代を怖がっていると、目にはハッキリと見えないけれども確実に進んでいくベテラン選手の衰えに気付かないまま、W杯の準優勝国が五輪のアジア予選で敗退という、なでしこジャパンのような大変ショッキングな結果を導いてしまったり、

逆に中東のある金満オイルマネー国のように、ある世代の強化が上手くいかないからといってその世代をスッパリ切り捨て、次に控えていた若い世代をA代表にそっくり持ってきたものの、結果が出るまで辛抱できず再び切り捨てなんてことをやっていると、いつまでたっても経験がチームに蓄積されず、低迷が続いてしまったりしてしまいます。

それくらい世代交代は、簡単なことではないということです。

 現在、日本代表の中心となっている北京五輪世代は、日本サッカー史上最も成功した世代と言えます。

当初の意図とは異なり、オーバーエージを使わずに2008年五輪に参加したこの世代は、ナイジェリアやオランダ相手に惨敗を喫し、3戦全敗で大会を去ります。

しかしこの悔しさをバネにして各選手がめざましい成長を遂げ、本田・長友両選手はイタリアの名門クラブでプレーし、岡崎選手はチームの主力としてプレミアリーグ優勝を経験、香川選手はドルトムントでゴールを量産してリーグ2連覇に貢献し、バイエルンを破ってポカールも獲得するなど輝かしい成功を収めました。

この世代の成功・失敗の経験から得られた知恵をより若い世代に継承させつつ、ロシアW杯に向けてゆっくりと着実に日本代表の世代交代を進めていくことが、日本サッカー界全体の強化にとって極めて重要だと考えています。

これをW杯の予選で勝利という結果を出し続けながら成功させなければならないという意味において、日本代表は大切な時期に差し掛かっていると思います。

こうしたことを頭に入れながら、次回はキリンカップが日本代表に突きつけた課題について考えていきます。

つづく



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