■日本代表、ボスニアに逆転負け(その2)

前回のつづき

 この試合、ボスニアのセンターFWジュリッチのポストプレーに苦しめられましたので、日本人選手があまり得意ではない、
身長が高くフィジカルコンタクトに強い相手FWのポストプレーにどう対処すべきかについての特別講座を開きます。

私はかつてユベンティーノだったのでイタリア代表のセンターバック、ファビオ・カンナバーロのプレーは良く見ていたのですが、身長176㎝というセンターバックとしては恵まれない体格だったにもかかわらず、2006年W杯で優勝しバロンドールにも輝いた世界一のDFでした。

もう引退した選手ですが、身長が低い・高いに関わらずコンタクトプレーがあまり得意でない日本人DFにとって学ぶべきところが多いと思います。

Jリーグ組・海外組の別なく日本人DFは、相手のポストプレーヤーがボールを収めるのを見てから、何とかしようと動き出すことが圧倒的に多いのですが、カンナバーロの場合、自分よりデカいFWに先にボールを収められてしまうと苦戦を強いられることがわかっているので、まず相手のプレーを予測し、先手先手で動いてピンチを未然に防いでいくプレーをみがくことで、自分の体格的な不利を克服して世界一のセンターバックになれたのではないかと考えています。

それではカンナバーロの現役時代のプレーを参考にしながら、ポストプレーの対処法について述べていきます。

 まず相手FWがゴール方向に背を向けてポストプレーをしようとしており、その後ろにDFである自分がついているとします。

この時、あまり早い段階で相手FWに密着してしまうと相手は自分の方へ体を預けてきますから、適当な間を取った方が良いと思います。相手が両腕を後方にのばして、自分の背後にDFがいるかどうか探ってくる場合もありますから、その手に触れないようにするか、あえて相手の右手に触れてみて、実は相手の左背後にいるみたいに、相手を幻惑しても良いかもしれません。

そして相手FWの足元へグラウンダーのパスが来た場合、パスコースを読んで相手FWに気づかれないように注意しながらタイミング良く前方へ飛び出し、できるだけパスカットを狙います。

相手がパスを受けるまで黙って見ているから後手を踏まされて状況が悪化していくわけで、そもそも相手FWにパスが通らなければ、その後ピンチが拡大していくことはありません。

 次に浮き球のパスが来て、ポストプレーをしようとしている相手FWが、胸から太もも、足にかけてのどこかでトラップしてボールを収めることを狙っているような場合は、FWがボールをトラップする直前に相手の背後から自分の片足を前方へ出し、足の裏やつま先などで飛んできたボールを安全な方向にクリアします。

これもまず相手にトラップさせないということが重要です。

 最後に、浮き球のパスをFWがヘッドで味方へ落とそうとするプレーについての対処法ですが、自分の方が身長が高くいつもヘディングで競り勝てるというなら問題はありません。

しかし相手が自分より身長が高く、ヘディングで勝つことが難しいケースに限った対処法ですが、相手FWがジャンプするのとほぼ同じタイミングで自分も相手の後方でジャンプしつつ、相手の片方の肩に自分の片手の前腕部を乗せて、自分の両足のジャンプ力にプラスして自分の片腕の力で自分の体を引っ張り上げるイメージで相手より高く飛び、相手の背後からボールを安全な方向にむかってヘディングでクリアします。

キエッリーニなんかも相手FWと競り合う時にこれをやっているのを見たことがありますが、ヘディングする瞬間はレフェリーも一層注目するので、彼の場合は自分の片手の前腕を使って相手より高くジャンプした瞬間、相手の肩に乗せていた自分の手をサッと引っ込めて、ヘディングしていました。

まあ、ぶっちゃけて言えば「マリーシア」の一種です。

ここで注意しなければいけないのは、自分より体の小さい選手に対してこれをやると、「相手にのしかかった」としてファールを取られる可能性があるということです。さらに、片手でも両手でも自分の手のひらで相手の肩を押さえてジャンプすると、かなりの確率でファールを取られてしまうでしょう。

GKがハイボールをキャッチするとき、片ヒザを前に出して相手選手から自分の体を守るのと同様、相手の肩に自分の前腕を乗せてヘディングすることで、相手の後頭部と自分の顔面がバッティングすることを防ぐという意味もあります。

別のやり方として、相手FWがジャンプして自分がそれに遅れてしまい、これから飛んでもどうしてもヘディングで競り勝てないという場合は、遅れても良いから自分もジャンプしつつ、手を絶対使わずに自分の胸で空中を飛んでいる相手FWを押し、相手FWをボールの落下地点から移動させます。

ボールが飛んでくる軌道から外してしまえば相手FWはヘディングできませんし、もし何とか当てられたとしても正確に強いボールを飛ばすことが困難になります。

自分よりデカい相手にヘディングで競り勝つためのこの二つのスキルは、自分たちのゴールを相手のクロスやCK・FKからのヘディングシュートから守る場合にも使えます。

 以上、自分より体が大きいFWのポストプレーに対処する方法を述べてきましたが、こういうフィジカルコンタクト・スキルは、ドイツやイングランドなど“ゲルマン系”の国ではあまり見かけず、ゲルマン系に比べて体がもともとあまり大きくなかったイタリアや南米などラテン系DFが良く使うようなイメージがあります。

長友選手や本田選手がセリエAでやっている同僚のDFに聞いてみれば、似たような話が聞けるんじゃないでしょうか。もしそうなら世界で勝てる日本代表をつくりあげるために、そのノウハウを代表チームに導入して繰り返し練習してみてはどうかと思います。

 相手のポストプレーへの対処以外のシチュエーションで必要とされるコンタクトスキルについては、以下の記事を参考にしてください。

当ブログ関連記事

日本だと、フィジカルコンタクトが弱いと「ともかく筋トレをやれ」という話にすぐなるんですが、サッカー選手に必要のない「筋肉のヨロイ」まで身につけてしまうと、スピードやアジリティが落ちてしまうという弊害が出てきます。

1試合90分間、実戦で体や手を適切に使って相手選手とコンタクトしていくことで、コンタクトプレーに勝つために必要な筋肉が自然と体についてくるはずですし、筋トレは体のどの筋肉を強化するべきか、ちゃんと考えてやるべきです。

あとはコンタクトプレーへの恐怖心を取り除くこと。そのためには格闘技の練習を取り入れると良いかもしれません。植田選手がフィジカルコンタクトに滅法強いのは、子供のときから格闘技をやっていたからではないでしょうか。

思いのほか記事が長くなってしまったので、選手個々の評価は次回にまわします。



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