■日本代表、ブルガリアを圧倒!(その2)

前回のつづき

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず先制ゴールをあげた岡崎選手。柏木選手のクロスに合わせてオフサイドぎりぎりでウラヘ抜け出し、正確にヘディングシュートを決めました。早い時間帯でのゴールはチームを非常に楽にしてくれました。その後も攻守に精力的に動き回りましたが、やや消えてしまったでしょうか。

香川選手もゴール前でうまくフリーになって長友選手からのクロスをヘッドで決めて1点目、さらに清武選手がスルーしたボールをゴール前で俊敏にターンしながらシュートを落ち着いて決め、1試合2ゴールの活躍は素晴らしかったです。代表戦ここ
2試合で4ゴールの荒稼ぎと、ドルトムント移籍直後にドイツで大ブレイクしたゴールゲッターとしての本領が復活してきた感があります。
中盤でのパスの組み立てで、前方にフリーな味方がいるのにパスを迷い、そうこうしているうちにフリーだった味方にマークがついて、結局ヨコパス・バックパスを出さざるを得なくなってしまう場面が少なくないところは改善点です。

清武選手は中盤における攻撃の組み立ての中心として出色の働き。前半、小林悠選手のパスをスルーして香川選手のゴールを、後半は金崎選手のスルーパスにウラヘ抜け出して吉田選手のゴールをアシストするなど、得点機にも良くからんでいました。ザックジャパン時代からプレー内容に着実な成長が見られます。サイドハーフとしてのプレーぶりも悪くはないのですが、彼の高いパス能力を最大限に生かすために、なるべくピッチ中央で攻撃のタクトを振らせてあげたいですね。香川選手のトップ下が外せないのだとしたら、長谷部選手と組ませてボランチの位置から攻撃を組み立ててもらったらどうでしょうか?

宇佐美選手は、高い技術で左サイドを何度も突破してチャンスをつくり、酒井宏選手のクロスをワントラップしたボールの落ち際を冷静にシュートして久しぶりのゴールゲット。守備でも良く戻って相手の攻撃を阻止していました。

浅野選手もスピードと足元の技術で右サイドを切り裂き、自分がゲットしたPKを自ら決め代表初ゴール。彼は若いながらもシュートを打つ時の落ち着きが良いですね。宇佐美選手もそうなんですが、ウイング(サイドハーフ)が個の能力でサイドを突破できると攻撃が非常に楽になりますし、ウイングにスピードのある選手を入れると、チーム全体の攻撃も格段に速くなります。
ただ守備ブロックをつくっているときのポジショニングが怪しいときがあるので、これからサイドハーフとしての戦術理解を。
 
柏木選手は、岡崎選手の先制ゴールをアシストしたクロスが良かったですし、中盤での攻撃の組み立てでも活躍しましたが、バックがボールの出しどころを探しているときに、グラウンダーのパスが受けられるようなポジショニングを取るためにもっと動いて欲しいのと、自分がボールを持っているときに大きい選手に体を寄せられると、あっさりボールを奪われれしまうシーンが何度かあり、フィジカルコンタクトのスキルを高めてボールキープ力をあげたり、ボールを持ちすぎないようにプレー判断のスピードをもっと速めるような努力が必要です。

長友選手は、自らのクロスから香川選手のゴールをナイスアシスト。これまで彼はサイドをタテに突破することにこだわりすぎていて、相手を抜くために体勢を崩しながら不正確なクロスをあげていたことが中で合わない原因となっていましたが、この試合のクロスは相手のサイドバックの前で、十分な体勢から守備側がタイミングを合わせにくいノートラップ・クロスを正確にあげられたことが勝因となりました。こういうクロスがどんどん増えてくれば、アモーレをもっと喜ばせることができるでしょう。自らの軽率なバックパスからあわや失点かという場面を招いたのは反省点です。

酒井宏選手も右サイドでの攻撃参加が良く、自らのクロスで宇佐美選手のゴールをアシスト。守備も改善点はありますがまずまずの出来。

吉田選手は、積極的にゴール前へ詰めて2ゴールをあげる大活躍。しかし守備面で1ゴール分ぐらいは帳消しになってしまいました。最初の失点は吉田選手がピッチ中央方向へクリアしたボールを拾われてのカウンターから。やはり守備のセオリーとして、クリアは敵選手がたくさんいる確率が高く自分たちのゴールにも近いピッチ中央へするのではなく、最悪ラインの外へボールを出してもいいからタッチライン方向へやるべきです。2失点目は金崎選手?と原口選手との間で起こったパスミスが最大の原因ですが、森重選手がボールを奪いに行ったとき、吉田選手が相手のボールホルダーだけを見るのではなく、逆サイドを走る敵選手もケアできるようなボディシェイプとポジショニングを取っていたらベターだったと思います。もしくはああいう危険な場面でマークを受け渡すのではなく、最後まで吉田選手がボール保持者にプレッシャーを掛け続けて、吉田選手の背後を森重選手にカバーしてもらう方法もありましたが、あの瞬間どちらがチェック役でどちらがカバー役なのかあいまいになったことが失点を防げなかった二番目の原因です。

久々に先発した川島選手は、試合終盤に相手のPKをストップしたほか、前半22分の相手の決定機を素晴らしい反応でセーブし、2点ぐらいチームを救ってくれたでしょうか。自分の左脇下を抜かれたチームの2失点目は、倒れこむより左足でセーブできたら良かったかもしれません。

 逆に、森重選手は吉田選手へのアシストは良かったんですが、前半22分にゴール前でFWランゲロフをフリーにして決定的なヘディングシュートを許してしまいました。もし川島選手が防ぎきれず早い時間帯に1-1と追いつかれていたら、「ブルガリアに圧勝」というこの試合のストーリーが全く別のものになっていた可能性があります。Jリーグでは問題にならない相手との距離感なのかもしれませんが、インターナショナルレベルでは通用しません。

小林悠選手は、香川選手へのアシストがあったものの、個でも周囲とのコンビネーションでもサイドを崩すシーンがほとんどなく、右サイドハーフとしてはあまり機能していませんでした。もう少し適応するための時間をあげる必要がありそうです。

遠藤選手は失点シーンも含めて守備が淡泊でした。1度かわされても相手のボールホルダーを後ろから追いかけて2度3度と食らいつき、ボールを奪い返すくらいの強い気持ちがないと、リオ五輪では活躍できません。

原口選手は少々厳しい判定でしたがPKを献上。ゴールから遠ざかる方へ相手の体が向いていましたから、あそこまでやる必要は無かったのではないでしょうか。相手のボール保持者と自分が守るべきゴールの間にまずポジショニングして相手からボールを奪う、シュートやパスを防ぐために足を出すといったプレーをやった方が良かったのかもしれません。

        ☆        ☆        ☆

 キリンカップ初戦となったブルガリアとのゲームは7-2で圧勝という結果は素晴らしかったですし、試合内容もなかなか良かったと思います。

一部解説者から「相手が弱すぎただけで、こんな試合いくら勝っても無駄」みたいな自虐的な意見も出ているようですが、それは違うと思います。

もちろんこの結果を額面通りに受け取ることはできませんが、対戦相手が強かろうが弱かろうが普段のテストマッチから攻守にわたって組織プレーができていないチームはW杯本番の公式戦でもできるはずがないわけで、実際この試合にかぎってゲーム内容を分析すれば、日本代表は攻守にわたって選手同士の連動性は確かにありましたし、前の試合と比べても進歩が見られました。

一番重要なのは、この試合のような攻撃・守備をもっと強い相手に、それもW杯本大会のような緊張でガチガチになりそうな公式戦でも平常心で、より高いレベルで出来るようになることであって、そうしたことの出発点となるこの試合がまったくの無駄で収穫ゼロだったとは思いません。アウエー戦でのテストマッチをもっと増やしてほしいというJFAへの要望はありますが。

特に香川・清武両選手のコンビネーションが素晴らしく、守備のバランスも考慮に入れる必要はあるものの、彼らを同じピッチ上に共存させることで日本代表の攻撃がより魅力あるものになったこと、ウイングが個の技術やスピードでサイドを突破できると、チーム全体の攻撃にも速さが出るということの2点が確認できたことも収穫だったと思います。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

            2016.6.3 豊田スタジアム

           日本 7 - 2 ブルガリア

        岡崎  4'        M.アレクサンドロフ 59'
        香川  14'       チョチェフ 82'
        香川  35'
        吉田  38'
        吉田  53'
        宇佐美 57'
       浅野(PK)87'


      GK 川島        GK ミトレフ

      DF 長友        DF S.ポポフ
         森重          (バシレフ 62)
         吉田           テルジエフ
        (昌子 84)        A.アレクサンドロフ
         酒井宏         (I.イバノフ 46)
                       Z.ミラノフ
      MF 柏木
         長谷部      MF ディアコフ
        (遠藤 76)        チョチェフ
         清武           M.アレクサンドロフ
        (原口 70)       (G.イバノフ 76) 
         香川           I.ポポフ
        (宇佐美 44)     (べレフ 58)
         小林悠         マルセリーニョ
        (浅野 59)       (G.ミラノフ)

      FW 岡崎        FW ランゲロフ
        (金崎 46)       (フリストフ 72)





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