■オーバーエージは必要ない

 手倉森監督が、リオ五輪に出場するU-23代表チームにオーバーエージとして本田選手や香川選手らを招集する意向だと報じられていますが、日本サッカー界全体の利益を考えれば、彼らを招集することによって得られるプラス面よりもマイナス面の方がはるかに大きいと思います。

欧州でプレーしている本田・香川・長友・岡崎ら代表の主力選手たちは、これまでクラブでハードな戦いを1年間続けてきたわけで、彼らにとってシーズンオフで一番重要な“仕事”は、心身に蓄積した疲労をしっかり取り除き、次の1年間を戦い抜くため肉体を十分にケアすることです。

ここを怠ってしまえば、ロンドン五輪に出場したために体を休めるオフがなくなり、グロインペイン症を起こしたサウサンプトンの吉田選手のように、大事なロシアW杯アジア最終予選はもちろん、欧州各国の新シーズンをケガで棒に振って、一番大事な試合に出られないという最悪の事態が起こるリスクが高まります。

またリオ五輪サッカー競技が行われる8月初旬から下旬にかけては、イタリアやドイツなど欧州各国リーグの新シーズンが開幕直前か、すでに開幕したあとであり、シーズン直前のキャンプやテストマッチは、各クラブの監督さんが選手たちに1シーズンを戦い抜くための戦術を理解させる大変重要な時期であり、それはクラブでレギュラーポジションを獲得したいすべての選手にとっても同様です。

もしこの大事な大事な時期に日本の選手たちが五輪に出場するためにクラブのプレシーズンキャンプに参加しないとなれば、クラブの監督さんや首脳陣から「五輪へ行きたいなら行ってもいいけど、クラブの戦力としてはもう当てにしないからね」と、判断されてしまいかねません。

本田選手も香川選手も長友選手も、クラブで確実に先発ポジションが保証されているとはいえない状況ですし、もし新シーズン序盤から日本代表の主力選手たちがクラブから戦力外扱いとなったら、日本サッカー界全体へのダメージは計り知れません。

仮にオーバーエージを使って五輪で金メダルが取れたとしても、それでロシアW杯の出場権が得られるわけではありませんし、むしろ代表主力選手のケガやクラブでの出場機会消滅で、日本代表がW杯アジア最終予選に苦しむリスクが高まるだけで、プラス面よりもマイナス面の方がはるかに大きいです。

男子サッカーの国別対抗戦で、もっとも価値のある最高峰の大会だと世界から認められているのはワールドカップであって、それを忘れてはいけません。

代表の主力選手たちが、「ロシアW杯の予選や本大会に出場するチャンスを失っても良いからリオ五輪に出たい」というなら話は別ですが、ブラジルW杯の借りはロシアW杯でしか返せないのです。

いま日本代表は、ベテランの主力選手たちが欧州で成功した自らの経験を若い選手たちに引き継がせながら世代交代を進めつつ、それと同時にW杯の予選で勝利という結果を出し続けなければならないという大変難しい時期に差し掛かっており、疲労蓄積によるケガやクラブでの出場機会消滅というリスクを冒してまで代表の主力選手たちが五輪に出場できるような余裕があるとはとうてい思えません。

仮に、主力選手を五輪に出場させたことでロシアW杯アジア最終予選を戦う日本のA代表の成績に悪影響が出れば、西野さんをトップする技術委員会やハリルホジッチ代表監督の責任問題となるのは避けられないでしょう。

何より当研究所は、アジア予選で優勝したU-23代表メンバーを中心とする現有戦力だけでも戦術のやり方によっては十分戦えると彼らを信頼していますし、五輪で勝てればそれで良し、たとえ負けたとしても自分たちと世界の同年代の相手との距離がどれだけあるのかしっかり学びとることでさらなる努力へのモチベーションとし、彼らがいずれ欧州四大リーグでバリバリ活躍して日本代表をひっぱる中心選手に成長してくれれば、リオ五輪で十分な成果があったと考えます。

もう一度繰り返します。

リオ五輪に出場するU-23代表に、A代表の主力選手を招集する必要はありません。


(当ブログ関連記事・おめでとう手倉森ジャパン(その2))



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