■日本代表、またしてもカンボジアに苦戦(その2)

 前回のつづき

 守備面に関しては相手を格下と見て油断しているのか、組織で守るというところがほとんど見られず、選手個々でバラバラに対応していた感じでしたが、2人いっぺんに敵のボールホルダーに飛び込んで抜かれそうになったりと、相変わらずバタバタしていますね。

1人が相手にチャージにいったら、もう1人はその後方にポジショニングして、味方のファーストアタックで相手がバランスを崩したところで、後ろの選手がボールを奪うといった、守備のグループ戦術の基礎が全然できていないと思います。

監督さんは、いつまでこういう状況を放置するのでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず柏木選手。
オウンゴールを誘発した、相手の嫌らしいところへ蹴ったFKが良かったですし、あれでチームが一気に楽になりました。後半カンボジアの足が止まったことにも助けられはしましたが、後方からパスで攻撃を組み立て、バックと攻撃の選手とのボールのつなぎ役になっていたのも良い働きでしたね。ただ、後半の後半はPKをゲットしたことに味を占めたのかロングパスの比率が多くなりすぎ、プレーが雑でやや大味になってしまったでしょうか。
シンガポール戦の前半も“レジスタ”としての彼の働きでパスがスムーズにつながり、2ゴールをあげることができたわけですが、直前の試合のキープレーヤーをチームづくりの「継続性」を無視して次の試合のスタメンから外し、攻撃面におけるチーム組織を壊してしまったのは、監督さんの采配ミスだと思います。

本田選手は試合の終盤センターフォワードに入り、ヘッドからほぼ試合を決定づけるゴールを決めてくれました。やはり彼が機能するプレーエリアはサイドではなくピッチ中央・ペナルティエリアの横幅の内側でしょうし、適材適所のポジションを考えるなら、センターフォワードか香川選手と横に並べてトップ下にするか、攻撃的なボランチ・レジスタあたりが適任じゃないでしょうか。

藤春選手は正確なクロスから本田選手をナイスアシスト。前半には惜しいシュートもありました。ただ前回記事で述べたように、上がりのタイミングが早すぎるなどポジショニング面で勉強すべきところも。守備面でも味方のカバーリングなどで危なっかしいポジショニングを取る場面が散見されます。

南野選手は出場時間が短かったものの動きにキレがあり、ゴール前での良いポジショニング取りから、惜しいシュートも放ちました。もっと長い時間見たいと思わせてくれるプレーぶりでした。
ザルツブルグでの彼のプレーを見ていて感じることは、「このプレーは世界の誰にも負けない」「自分はこれを武器にして欧州四大リーグでメシを食っていくんだ」というものを見極めて、それを一生懸命みがいていくことが大切ではないかということです。
FWとしてシュートもチャンスメークもポストプレーも何でもソツなくこなそうとして、これといった特徴がないプレーヤーになりつつあるバーゼルの柿谷選手に、誰かそのことを早く教えてあげて欲しいです。

 逆に岡崎選手は、PKを外したことは仕方ないですし、自分からキッカーを志願した勇気は買います。
しかしワンタッチで味方にパスをつなぐプレーは不正確で、センターフォワードとしてほとんど相手に脅威を与えることはできませんでした。クラブで長い時間ゲームに出ていないことで、試合勘が鈍っているのかもしれません。

遠藤&山口選手は、攻撃の組み立てにおいて力不足を露呈。前回記事で述べたようにチームがサイドから攻撃したくても、ボランチが味方のサイドバック・サイドハーフと適切な距離を保ってトライアングルをつくり、パスをつないで攻撃を組み立てていくことができなかったことが、この試合の前半に攻撃が機能しなかった原因の一つとなりました。東アジアカップでサイドバックとして堅実な守備を見せていた遠藤選手は、代表での苦いボランチ・デビューとなってしまいましたが、これを糧として今後の成長に期待します。

香川選手も、ボールにたくさん触らないと調子が出ないという割には、トップ下として味方からパスを引き出す動きが足りていません。前回記事で述べたように、味方のサイドバック・サイドハーフあるいはボランチと適切な距離を保ってトライアングルをつくり、攻撃を組み立てていくべきでした。また、パスばかりでシュートへの意識も足りなかったと思います。テヘランでのアフガニスタン戦で見せてくれたミドルシュートはワールドクラスのプレーでしたが、どうしてあれを継続していかないのでしょうか。

前回指摘したように、宇佐美選手はゴールを焦っているのか、早すぎるタイミングで相手バックのウラヘ動きだし、相手バックを下げさせることでウラのスペースをかえって狭めてしまい、さらに中央へ中央へと流れていくので、左サイドで攻撃に幅をつくることもできなくなってしまいました。春先に比べドリブルやシュートにもキレがなく、1シーズンを戦いきるのに必要な持久力を養うためのトレーニングをさぼってきたツケが、ここで一気に出ているように見えます。

槙野選手は、ボールを持って攻め上がるのは結構ですが、センターバックから出したパスがミスになり相手のショートカウンターを浴びれば、即失点につながりかねません。センターバックの仕事は何より失点をゼロにおさえることであり、得点力のアピールなどは二の次です。そこを勘違いしないようにしないといけません。

        ☆        ☆        ☆

 カンボジアのホームでシリアが6点差での勝利、シンガポールも4点差をつけて勝っていることを考えれば、 同じ条件で日本が2点差しかつけられなかったのは不満の残る結果でした。試合内容も特に前半が良くなかったと思います。

その原因は、この試合の後半を見れば明らかですが、後方から試合状況を良く見てパスをさばくレジスタとして、バックと攻撃の選手とのつなぎ役になっていたシンガポール戦勝利のキープレーヤー・柏木選手をスタメンから外してしまったことが一番大きかったと思います。

チームづくりをするうえで、「継続性」と「チーム内における競争」という相反する二つの条件をいかにバランスを取って満たしていくのか、そこで監督さんの手腕が問われます。

競争を促すことでチームに良い変化を与えるため、新しい選手を試すことには大いに賛成しますが、スタメンを一挙に8人代えることでチームづくりから「継続性」が完全に失われてしまうと、組織が壊れてしまい、この試合のように攻守にわたってチームが機能しなくなってしまうようなことが起こります。

よって新しい選手を試す場合は、前の試合で悪いパフォーマンスをしていた選手のポジションでやるようにし、これまでチームに良い結果をもたらしてきた、チームづくりの骨格となる選手は残して、「チームの継続性」「チームの良い流れ」を保っていかなければ、良い結果を出し続けることはできないと思います。

もし冒険度の高い選手を試したいのであれば、公式戦のスタメンというプレッシャーがかかる場面でいきなり使うのではなく、主力選手たちがカンボジア相手に4点差5点差つけて完全にチームを安全圏に置いてから、経験の浅い選手をピッチに投入するような配慮が欲しいですね。

今回のワールドカップ予選、なんだかんだ言って大事なところで点を取っているのは、本田・岡崎・香川といったザックジャパン時代の主力選手たちなわけで、監督さんにチャンスをもらっている若い選手たちに、より一層の成長を求めたいです。

代表でもクラブでも、自分が出た試合の映像は繰り返しチェックし、なぜプレーがうまくいかなかったのかその原因を見極めるために、自分のプレーばかりでなく相手チームの動きも良く観察して、同じ失敗を二度と繰り返さず、上手くいったプレーは継続してできるように常に心がけることが、プロのフットボーラーとして成長していくために大切なことだと思います。

 ハリルホジッチ監督が試合後の記者会見で、カンボジアにもっと前に出て攻めて来いと言っていましたが、カンボジアがどういう戦術を選択して戦うかは向こうの勝手ですし、こちらが戦いやすいような戦術で来いと相手に求めるのは、お門違いなんじゃないでしょうか。

ベタ引きの相手からでもゴールを奪ってチームが勝てるように、選手に適切な戦術を授け、そのためのトレーニングをほどこし、選手たちに試合で実行させるのは、高いお給料をもらっている日本代表監督のお仕事です。

守備的なカウンターサッカーをやっていることが、アジアが世界で低い位置にいる原因ともおっしゃっていましたが、日本代表にカウンターサッカーをやらせようとしている監督さんが、そういうこと言っちゃっていいんでしょうかね。

 カウンターサッカーが得意な監督さんが、カウンターサッカーが通用しない相手に手こずり、サッカーという戦いの非情さに少し打ちのめされているようですので、自分たちの一番目の戦術が通用しなかったとき、二手三手先を考えてサッカーをやるというのはどういうことか、次回それをテーマに述べたいと思います。

今度の連休あたりをメドに記事をアップする予定です。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

   2015.11.17 ポー ケイラダン キアテ オウラピク
                           (プノンペン)

       カンボジア 0 - 2 日本

                     ソテアロット(O.G.)51'
                     本田 90'


  GK ウム・セレイラット       GK 西川

  DF ピドー・サムオエン      DF 長友
    (ホン・ペン 60)           吉田
     ソイ・ビサル             槙野
     ヌブ・トラ               藤春
     ネン・ソテアロット
     チン・チョウン         MF 山口
                          遠藤
  MF ビン・チャンタチェアリ      (柏木 46)
     クチ・ソクンペアク         原口
     ケオ・ソクペン            香川
    (チャン・ワタナカ 69)       宇佐美  
     ソス・スハナ            (本田 62)

  FW クオン・ラボラビー      FW 岡崎
    (ティト・ディナ 82)        (南野 86)




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