■メンタルの弱さが深刻(その2)

 前回のつづき

 それでは日本代表の試合内容を分析します。

守備に関しては、前の試合より少し良くなったと思います。フィジカルの強い相手でも中盤のプレスを厳しく行けていました。

この試合の日本は、4-1-4-1のフォーメーションを使っていましたが、4バックと4人のMFの間をもう少しコンパクトにできれば、もっと良かったですね。

4人のMFがプレスをかけることで相手がバックパスをしたときなどに、こちらの4バックが勇気をもってラインを押し上げることで、全体の陣形をコンパクトに保つことが大事です。

北朝鮮戦と同様、後半20分すぎからは疲れが出て陣形が間延びしたことで、危ない場面もあったでしょうか。

さらに、相手のパスをカットできると思ったときは勇気をもって前へ出て、インターセプトできればなお良いですね。

 攻撃に目を転じますと、ゴールできたのは相手が大きくクリアできなかったボールを拾ってつなぎ、最後に山口選手が個人技(正確なミドル)で決めただけ。

チームとしては相変わらず、組織だった有効な攻めの形がほとんどつくれていません。

せっかく良い形でボールを奪って4対3になったのに、ボール保持者が「ビッグチャンスだから大事に攻めたい」と考えすぎてしまうのか、どこへパスを出すかモタモタ迷っているうちに相手が自陣に戻り、結局シュートまでいけなかったとか、

逆に前線の味方の動きをろくに見ないで、ロングボールを人のいないところへデタラメに蹴ってみたりと、攻撃がまったくのチグハグ。

まず味方のボールホルダーを孤立させてはいけません。周囲の味方が足を使ってフリーでパスを受けられるスペースに積極的に動いてフォローしないと。

ボールホルダーはもっと落ち着いて平常心を保ち、パスを受ける前から周囲の敵味方の配置状況をチェックし、ボールを受けたら、シュートかパスかドリブルか、次にどういうプレーを選択するかの判断時間はどんなに長くても2秒以内にすること。

どこへパスを出すか迷ったら、とりあえず自分より相手ゴールに近いところでフリーになっている味方へ正確に出しておけ! それによって攻撃の展開が新たな局面に入るから、その時のことはそうなった時に考えればいい。

それで攻撃が行き詰るようなら、そこで初めてバックパスして攻撃をつくりなおしても全然問題ありません。

パスをするときは、なるべくグラウンダーのパスを使うこと。この試合のように自分たちより平均身長が高いチームに浮き球のロングは多用するべきではありません。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべき活躍だったのは山口選手。チームを救う見事なミドルシュートでした。中盤の守備もがんばっていたと思いますが、これでパスによる攻撃の展開力がついてくるともっと良いですね。

槙野選手は、身長が2m近いキム・シンウクに手こずりながらもほとんど決定的な仕事をさせなかったのではないでしょうか。ボディコンタクトを恐れずに食らいついて行けば、自分より体が大きな選手の動きをどうすれば封じられるのか、自分なりの対処法が経験として蓄積されていくものです。負けるのが怖いからと一対一から逃げていてはいつまでたっても経験が蓄積されません。そうした意味で槙野選手の勇気を買います。

 逆に森重選手は、PKを与えたプレーは不運でしたが、後半のロスタイムに入る直前、日本のDFラインのウラへ抜け出したキム・シンウクを後ろからひっぱり倒してイエローをもらったプレーは問題。レフェリーによっては一発退場させられてチームが数的不利になる可能性もありました。森重選手は一生懸命オフサイドをアピールしていましたがそれを決めるのは選手ではなくてラインズマンです。自分で勝手にオフサイドと決めつけて相手に簡単にウラを取られるのではなく、オフサイドが取れなかった場合でも大丈夫なように、ウラヘ抜けようとする相手FWに遅れずに最後までついていかないと。
今年1月に開催されたアジアカップ2015で日本がUAEに勝てなかった守備面での原因は森重選手でしたが、あのときと全く同じミスを繰り返しています。あのときもDFラインのウラヘ抜け出そうとするUAEのマブフートに森重選手の反応が遅れ、縦パス一本で簡単に失点を許してしまいました。森重選手がゴール前で1対1の空中戦に弱いのも、簡単に相手FWにウラを取られるのも、ボールばかり見ていて自分がマークすべき相手をまったく見ていないからです。だからいつも相手に先に良いポジションを取られて、簡単にウラを取られてみたり、ゴール前の空中戦で競り負けるのです。
人は困難にぶち当たったとき、その人の本当の底力が試されます。うまくいかない原因を他人のせいにしたり、誰も自分のことを分かってくれないから努力してもムダといって腐ったりした時点でその人の負けです。森重選手は残念ながら、今はセンターバックとして国際マッチを戦えるレベルにはありません。

柴崎選手は、次にどういうプレーを選択するかの判断が遅く、プレスをかけてきた相手選手にたちまち囲まれてバックパスというシーンが目立ちましたし、長短のパスも一部をのぞいてはミスばかりで、オフェンスリーダーとしてほとんど機能せず。

永井選手も前の試合に引き続いて機能していません。ユースの時から抜群のスピード一本で競争に勝ち抜いてきたことが逆にあだになり、インターナショナルレベルで壁にぶちあたっているようですね。ドリブルしながらフェイントをかけたり、ボールを正確にコントロールしながらドリブルで曲がったりするスキルを身につければ、ドリブルのスピードに緩急をつけることと組み合わせることで、相手を抜けるようになるんですが。今からでも遅くないので練習あるのみです。

興梠選手は、後半23分の相手のセットプレーのとき、自分がマークすべき相手を簡単に放して決定機をつくられてしまいました。幸い失点にはつながらなかったものの、過去の日本代表はゴール前で集中を一瞬でも切らしたときにことごとくやられてきたわけですから、二度とこうしたことがないようにしてもらいたいです。

太田選手はパスやクロスでミスが多かったです。彼は負傷明けですからまだ本調子ではないのかもしれません。

        ☆        ☆        ☆

 監督の采配面で一つ疑問に思ったのは、この試合の日本は自陣に引いて4-1-4-1の守備ブロックをつくり、固く守ってカウンター狙い、前半はどんなに攻撃されても耐え忍んで、後半勝負というゲームプランだったように見えましたが、W杯でドイツやアルゼンチンとの試合というならともかく、相手との力関係を考えれば「守ってカウンター」という「弱者の戦術」で行ったのは、いささか消極的で相手をリスペクトしすぎではなかったでしょうか。

そもそもこの試合で、負けないサッカーで勝ち点1取ることに、どういう意味があったのでしょうか?

日本サッカー協会にとって、東アジアカップは優勝という結果を求めた大会ですか? それとも勝負を捨てて若手の育成に主眼を置いているのでしょうか?

日本代表をこの大会に参加させた目的があいまいになっているような気がします。

        ☆        ☆        ☆

 この試合、引き分けという結果は残念でしたし、試合内容もあいかわらず良くありません。

日本の選手は、攻撃でも守備でも弱気で消極的で慎重になりすぎ。 

2試合を終えて勝ち点1、これで日本の優勝はなくなりましたが、それはたいした問題ではないと思います。

優勝という結果も得られず、かといって将来有望な若手(特に人材が不足しているセンターバック)に長い時間、実戦経験を積ませることもできず、貴重な時間を使ってなんのためにこの大会に参加したのかという疑問を抱かざるを得ないことの方が重要な問題です。

若い遠藤選手がそこそこやれていますし、最初から勝負を捨てているなら、せめてセンターバックはU-22代表からでも呼んだ方が良かったのではないでしょうか。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

          2015.8.5 武漢体育中心

         日本  1 - 1  韓国

        山口 39'       チャン・ヒョンス(PK)27'


       GK 西川        GK キム・スンギュ

       DF 太田        DF チャ・ドンホ
          槙野           キム・キヒ
          森重           キム・ヨンゴン
          遠藤           イ・ジュヨン
                       (ホン・チョル 65)
       MF 藤田
          倉田        MF チョン・ウヨン
         (川又 88)        チュ・セジョン
          山口          (イ・ジェソン 64)
          柴崎           イ・ヨンジェ
          永井           チャン・ヒョンス
         (浅野 70)       (クォン・チャンフン 80)
                        キム・ミヌ
       FW 興梠
         (宇佐美 78)   FW キム・シンウク



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