■あれじゃあ、サッカーにならない

 東アジアカップ(男子)が昨日開幕し、日本代表は北朝鮮に逆転負けを喫しました。

北朝鮮代表の選手は、ほとんどが国内でプレーしています。日本との実力差はホームでもアウエーでも日本が勝てる程度と見ていました。

ただ、主力選手で固めた相手に対し、こちらは海外組を欠いた2軍チーム。それでも現時点における日本サッカーの代表であり、相手の足元の技術や組織力などサッカーの内容を見れば、勝たなければいけない試合でしたが、敗戦という結果は最悪でした。日本の試合内容も相当ひどかったと思います。

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 試合内容をまず攻撃から見ていきます。

 開始3分、速攻から右サイドの遠藤選手がクロスをあげ、武藤選手がダイレクトで合わせて先制ゴールをゲットし、日本の攻撃は幸先の良いスタートを切ったのですが、そのあとがいけません。

前半25分をすぎた辺りから、どういう狙いなのかサッパリわからないロングボールを、タテへひたすら放り込むだけの攻撃になってしまいました。

この、パスが3本とつながらないような単調な攻撃は試合終了まで続き、日本は攻めの形をほとんどつくれずに、ゲームの主導権を失っていきました。

練習をほとんどやっていない急造チームだったせいもあるのでしょうが、選手たちが「タテへパスを早く入れろ」という監督の指示を守りすぎてしまったことが、こうしたことが起こってしまった最大の原因ではないでしょうか。

まじめな日本人に非常に良くみられる失敗の一つですが、監督の指示を何の疑いもなくひたすら繰り返すのではなくて、攻撃が上手くいっていないと感じたら、ピッチの中にいる選手たちで状況を判断して、チーム全体のやり方を修正して欲しいです。

具体的に言えば、この試合のように自分の直前に相手選手が立ちふさがっていて前方の状況が良くわからないのに、ともかくタテへ速いパスを入れるためにロングボールをデタラメに放り込むのではなく、いったんフリーな味方へ横パス等をして、その選手が前方でフリーでパスを受けられる選手にパスをするといったように、「意図を持った攻めの形」というものをつくらなければなりません。

特に攻撃のリーダーとなるべきトップ下が、速く攻める時は攻める、ボールをキープして落ち着けるべき時は落ち着けるといったように、ゴールに結びつく有効な攻めができるように、攻撃面でチームを指揮しなければいけません。

サッカーの最終目的は「速いパスを前へ入れること」ではなくて、「点をとって試合に勝つこと」です。そのためにその瞬間・瞬間にどういう攻撃が有効なのかを自分の頭で考えて正しい判断を下す能力が欠かせません。日本の選手はこうした能力に問題を抱えています。

 攻撃がまったくダメでしたので、あとは虎の子の1点を守り切らないと勝ち点3が取れないような状況に追い込まれてしまったわけですが、後半の20分を過ぎたあたりから日本の守備陣形が間延びをしはじめ、相手がゴール前へあげたロングボールにこちらのバックが競り負けて、同点・逆転ゴールを許してしまいました。

私が、日本のサッカーチームにロングボールを放り込む攻撃をやらせることを嫌う理由の一つは、選手が攻撃のために上下動を繰り返す距離がどうしても長くなり、体力を消耗することで時間が経つごとに自陣へ戻れなくなって、陣形がどんどん間延びしていくからです。

そうなると、ひとりひとりが守るべきスペースがおのずと広くなり、自陣内で一対一に負けると、それが直接失点に結びつくことになります。この試合のように。

本来、ロングボールを放り込む攻撃というのは、サッカーではもっとも原始的で、もっとも単純で、もっとも防御がたやすい攻撃のはずなんですが、一つだけ例外があります。

それは守備側の選手の一対一の能力、対人守備能力が低すぎる場合です。

キックやドリブルといった足元の技術と違い、フィジカルコンタクトの能力というのは本来一番差がつきにくい分野のはずなんですが、Jリーグでやっている選手はこれが世界平均より劣っているために一対一に弱く、相手の単純なロングボール攻撃を有効にさせてしまっています。

だから当研究所では、日本人選手のフィジカルコンタクトの能力強化を一生懸命訴えてきたわけですが、本当に改善されませんね。

日本の各ユース年代が最近アジア予選で敗退を繰り返していますが、フィジカルの弱さがその最大の要因だと思います。

日本人がフィジカルコンタクトに弱いのは、身体能力の問題というよりむしろ、精神的なものの方が大きいんじゃないかと最近考えています。

日本人選手のフィジカルコンタクトへの恐怖感、弱気さ、消極的な姿勢が一対一に弱い最大の原因ではないでしょうか。

実際、ゴール前でのクロスボールへの対応でも、北朝鮮の選手はボールの落下地点が自分から多少離れていても、落下地点に向かって積極的に走りこんでいき、空中戦を競っています。

勢いをつけて走りこむので空中戦に勝つ確率が高まりますし、たとえ勝てなくても相手DFのクリアが不正確になって味方の前へボールがこぼれ、セカンドシュートを狙える可能性が出てきます。

しかし、これは海外組の選手にも言えることですが、日本の選手はボールの落下地点が自分から3m離れただけで、もう「自分の担当じゃないや」とばかりに足を止めて、相手DFがクリアするのを見ているだけなんですね。

そもそも相手と競ろうとしないのですから空中戦に勝てるわけがありませんし、相手が余裕をもって正確にクリアすることを許すので、こぼれ球を拾ったセカンドシュートのチャンスすらありません。

ゴール前の空中戦は、たった一回の勝ち負けが直接ゴールに結びつき、試合の勝ち負けに大きく関わってきます。

相手ゴール前でちょっとクロスがずれたからといって、相手DFがクリアするのをボーっと見ているだけというのは、もったいなさすぎます。

この試合、センターバックがあっけなく空中戦で競り負けて2失点の原因となったわけですが、監督さんのセンターバックの人選にも問題があるように思われました。

この試合の日本代表は、攻守にわたって組織がダメ、個でもダメで、勝てる要素を見出すことが難しい試合でした。

ともかく攻めでパスが3本つながらないというのではサッカーになりません。

 選手個々の評価は次回にします。



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