■日本代表、ウズベクに大勝も危うさチラつく(その2)

 前回のつづき

  選手個々で特筆すべき活躍だったのは、まず青山選手。あの正確なミドルシュートはワールドクラスでしたし、チームを勢いづかせる先制ゴールとなりました。攻撃の基点となるボランチとして、先制ゴールをあげるまでのパス出しもまずまず良かったのですが、そのあとの出来には不満が残ります。バックからボールを良い体勢で受けて2列目の3人へ着実につなぐことができなくなり、チームの攻撃が浮き球のロングボールをひたすら放り込む雑なものになって、後半開始まで相手ペースになってしまったことの一因に。チーム全体が焦って前へのパスを急ぎすぎていたら、自分の状況判断でそれを落ち着かせるようなプレーが求められます。

岡崎選手は、またしても絶妙なポジショニングからのダイビングヘッドでチームの勝利を決定づけるゴールをゲット。柴崎選手のループシュートをかき出そうとする相手選手をブロックする“アシスト”もする活躍。

柴崎選手は、カウンターから相手GKを良く見てロングシュートを決めました。柴崎選手は良い先輩を持ちましたね。ただトップ下としての働きは及第点に届かず。判断やプレーそのもののスピードが遅く、守備でも軽さが目立ちました。

宇佐美選手は、高い技術に加え緩急をつけたドリブルであっという間に相手DFを置き去りにして、正確なシュートを決めてくれました。彼の一番良いところは、入っても外れても本当に楽しそうにシュートを打つところですね。シュートを打つことを楽しむ彼の姿勢が好結果につながっています。すべての日本人選手が見習うべきです。左サイドからカットインしてのドリブルシュートだけでなく、ダイアゴナルランでDFラインのウラヘ抜けてパスを受ける動きも良いですし、スルーパスを出してチャンスメークする能力もあります。
あれだけの才能を持ちながら努力を惜しんでいるとすれば人生の無駄遣いですし、天狗にならず毎日コツコツ努力することができれば、将来もっと大きな舞台でもっと楽しくサッカーができるでしょう。 監督さんが宇佐美選手を先発から起用しないのは、たぶん1試合を走り切るスタミナにまだ不安があると考えているからではないですか。だったら普段のクラブの試合でしっかり守備をするべき。守備をすることで1試合を走り切り長いリーグ戦を乗り切れるだけのスタミナがつきますし、自分が守備をすることで守備側がどういうことを考えて守っているのかを知れば、自分の攻撃にも必ずプラスになります。そして外国語を覚え持久力をつけて、できるだけ早いうちにレベルの高い相手を求め海外へ再チャレンジを! あの素晴らしいドリブルシュートが欧州4大リーグのセンターバックに通用するなら、凄いことになるでしょう。

川又選手も泥臭く相手と競って、うれしい代表初ゴールをあげました。

香川選手はゴールこそなかったものの、トップ下として攻撃を組み立てる中心となり好調を持続。パスの判断スピードもだいぶ速くなりましたし、シュートへの高い意欲も引き続き良いです。

太田選手は岡崎選手の決勝点を好アシスト。自分に来たボールをノートラップでクロスしたことで、相手は周囲を確認してポジショニングを修正する時間がなく、岡崎選手がフリーでシュートできた勝因となりました。ノートラップで正確なクロスをあげられるサイドバックはまだまだ日本には少ないので、本当に良いプレーでした。

川島選手は試合の終盤、ヌルマトフの強烈なシュートをファインセーブ。日本は失点が1少なくてすみました。

 残念だったのは、CK時に相手と競り負け、ゴール中央へ狙い通りにボールを落とされて失点の一因となってしまった森重選手。ボールの落下地点を読み間違えたか、ジャンプするタイミングが遅れたことが競り負けの原因でしょう。たとえ頭にボールを当てられなくても、しっかり空中で相手と競って欲しいですし、もっと対人守備能力向上をお願いします。川又選手へのアシストがあっただけに残念。

今野選手も失点にこそつながらなかったものの、前半の相手CK時にジャンプのタイミングが遅れ、相手に危険なヘディングシュートを許していました。完璧主義の監督さんなら、絶対に見過ごせないプレーのはずです。

        ☆        ☆        ☆

 W杯アジア予選前最後のテストマッチは、ウズベキスタン相手に4点差をつける大勝という結果はとても良かったのですが、試合内容の方は良かったところ半分、修正すべき点や今後問題になりそうな点がチラリと見えたところが半分といったところでした。

ハリルホジッチ監督が指揮をとってからまだ2試合目ですし、プレスをかける前の6人と4バックとの連携が取れておらず、センターバックの前のバイタルエリアに広いスペースを空けてしまうという問題も、監督さんは気づいているようですので、何らかの対策が取られるだろうと思います。(でないとW杯予選がしんどくなりかねません)

これまで2試合のテストマッチを見た感じでは、攻撃面はパスをどこへ出すかの判断スピードがかなり速くなり、ボール保持者をサポートする動きも改善されています。守備では球際を激しく行って相手からボールを奪い返す強い意志も見られるようになるなど、インテンシティ(プレー強度)の高いゲームができていることをポジティブに評価したいと思います。

しかしこのインテンシティをもったプレーを、負けて痛くもかゆくもないテストマッチだけでなく、W杯の予選や本大会のように、1つのゴールを決めるか決められるかで本大会に行けなくなったり、W杯のグループリーグ敗退が決まるような実際に痛みが伴う公式戦で実行できなければ何の意味もありません。

それが出来なかったことが、日本がブラジルW杯で結果を出せなかった最大の原因だったのですから。

 ハリルホジッチ監督はこの2試合、いろいろな選手を試すということで、これまでやったことがまったく無いメンバーでチームを組み、チーム組織を熟成させる時間をあえて取らなかった結果、前述したとおりプレスをかけるときに10人の連携が取れていないといったコンピネーション上の問題が出ているわけですが、さてどうしますか。

        ☆        ☆        ☆

 Jリーグを視察したハリルホジッチ監督が、「ゴール前でのマークのルーズさ」「フィジカルコンタクトの弱さやボール奪取力の低さ」「体格の小ささ」などを日本サッカーの問題点として指摘していますが、まったく同感ですね。

当研究所でも長年指摘していたのですが、Jリーグや育成年代でほとんど修正されずにここまで来てしまいました。
 
完璧主義の監督さんが本腰を入れて改革に乗り出したようですから、代表選手がJリーグの各クラブへ戻り、チームメイトにも弱点の克服を呼びかけた方が良いと思います。

この2試合で感じたのは、吉田選手を除くセンターバックの層の薄さ、体格の小ささです。

前にも言いましたが、ポリバレントな選手が重宝される現代サッカーにおいても、センターバックは専門職だと思いますし、身長は最低でも185㎝以上欲しいところ。


名古屋 ハーフナー・ニッキ  20歳 197㎝
      大武 峻        22歳 187㎝   
      牟田 雄祐      24歳 187㎝

G大阪  西野 貴治      21歳 187㎝

鹿島   植田 直通      20歳 186㎝

川崎   板倉 滉        18歳 186㎝

鳥栖   笹原 脩平      18歳 185㎝

神戸   岩波 拓也      20歳 186㎝

甲府   熊谷 駿        18歳 190㎝


Jリーグだったらこのあたりの選手を重点的に育成し、欧州4大リーグのようなより高いレベルのクラブに売り込んで、同時に世界レベルのセンターバックに成長させたいところです。

このうち何人かは、守備的MFでもかまいません。1人で守り切れる大型ボランチがいれば、4-1-2-3なんかもできるようになり、戦術選択の幅が広がるでしょう。

でも、まず必要なのは世界に通用するセンターバックです。

        
◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2015.3.31 味の素スタジアム(調布)

        日本 5 - 1 ウズベキスタン

     青山  6'         トゥフタフジャエフ 82'
     岡崎  54'  
     柴崎  80'
     宇佐美 83'
     川又  90'+


    GK 川島         GK A.トゥラエフ

    DF 酒井高        DF ムハンマディエフ
       森重            トゥフタフジャエフ
       昌子            イスマイロフ 
       内田            メルズリャコフ 
      (太田 46)        (ミルザイエフ 59)

    MF 青山         MF ハイダロフ
       今野            L.トゥラエフ
      (水本 46)        (ムラジャノフ 85)
       乾              トゥルスノフ    
      (宇佐美 63)       (サイフィエフ 59)
       香川            ショディエフ
      (柴崎 69)        (クジボエフ 46)
       本田            ラシドフ
      (大迫 72)
                  FW ナシモフ
    FW 岡崎           (ヌルマトフ 77)
      (川又 82)

 


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