■日本代表、中だるみもイラクに勝利

 日本代表のアジアカップ第2戦はイラクとのゲームでしたが、1-0で日本が勝利をあげました。

対戦相手のイラクは国内でプレーしている選手を中心に、イングランド3部やトルコのクラブに所属する選手を加えたチーム。日本との実力差は日本のホームで日本の勝ち、アウエーで引き分け程度と見ていました。

中立地で日本の勝利という結果は順当だったと思いますが、試合内容の方はパレスチナ戦よりは良くなったものの、まだ潜在能力の60%ぐらいしか発揮できていないといったところでしょうか。

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 それでは試合内容の分析に入ります。

このところ日本代表の課題になっている、攻守両面におけるインテンシティ(プレー強度)については、立ち上がりからまずまず良かったのですが、先制したあとに悪い意味で落ち着いてしまって中だるみを起こし、ボールを前へ運ぶ迫力やスピードがまったく無くなって、前半30分ぐらいからは反撃に出てきたイラクに押されぎみになってしまいました。

90分攻めっぱなしというのはよほど相手が弱くないかぎり不可能な話ですが先制してもホッとせず、機を見て相手を押し込んでシュートまで行ったり、カウンターを仕掛けたりして相手をヒヤっとさせるような攻撃をしないと、ボールを追い回しているだけでは体力的にもキツくなってきます。

後半キックオフからはもっと状況が悪くなり、日本の中盤が間延びして広く空いたスペースを使われ、防戦一方になりました。

後半20分ぐらいにしびれを切らしたアギーレ監督が今野・清武両選手を投入し、フォーメーションを4-1-2-3から4-2-3-1(守備時は4-4-2)にチェンジすると守備ブロックがコンパクトになり、イラクのボールホルダーにプレスが掛かり始めて、攻撃もパスがつながるようになり、相手を押し込むことができるようになります。

パスをつなぐテンポも良くなったことで攻撃にリズムが出て、流れる様な攻撃からビッグチャンスを何回かつくることができました。

この後半20分からのパスのリズム、次のプレーをどうするかの判断の速さ、攻守両面におけるインテンシティの高いプレーを、キックオフ直後の0-0の状態からやって欲しいのです。それを波はあっても90分間なるべく持続させて欲しいのです。

じゃあ具体的にどういったパスのリズムが必要なのか、適切な判断の速さとはどれくらいかと言えば、プレー状況にもよりますが、1人の選手がボールを持つ平均時間をなるべく2秒未満に保つことです。

ヨアヒム・レーブ監督の話をこれまでにもちょっとしたことがありましたが、彼が就任したばかりの2006年時点でドイツ代表選手の1試合あたり平均ボール保持時間は2.8秒だったそうですが、レーブ監督はトレーニングでこれを8年かけて短縮していき、優勝したブラジルW杯のときには平均1秒ぐらいにまで縮めたといいます。

どうしてボール保持時間を短縮した方が良いのかと言えば、リズム良くパスを回していくことで相手のプレスがかからないようにし、相手が守備陣形を整える前にシュートまで攻めきってしまいたいからです。

速いテンポで正確にパスをつないで攻める→相手がうかつに飛び込めなくなる。飛び込めばパスでかわされてしまう状況をつくる→相手のプレスが弱まることでよけいにパスを回しやすくなる→相手が守備の態勢を整えられないうちに攻めるから質の高いシュートチャンスを数多くつくれる→ゴール!

こういう好循環をつくりたいわけです。

しかし次のプレーをどうするかの判断を3秒も4秒もかけていたらどうなるでしょうか?

ボール保持者が次のプレーをどうするかグズグズ迷う→相手は動きを止めているボール保持者にプレスをかけやすくなる。フリーだった味方にもマークにつく時間を与えてしまう→やむをえず密着マークを受けている味方へパスをする→味方がフィジカルコンタクトに負けてボールをロストしカウンターを食らう→カウンターへの恐怖からボール保持者がミスパスを避けるため、もっと慎重に長い時間をかけてボールを持ってしまう→よけい相手のプレスがかかりやすくなりボールをロストしてついに失点する

こういった悪循環になるわけです。

ブラジルW杯の初戦コートジボアールとのゲームの日本なんて、まさに後者の状態でした。あれを「ポゼッションサッカー」と呼ぶことはとてもできません。

ドイツ代表のインテンシティがW杯のグループリーグでも決勝トーナメントでもあまり変化がなく一定しているのは、ミスになったらどうしようなんて考えるヒマもなく、各選手が平均1秒ほどの判断時間でパスをテンポよく正確につなぎ相手ゴールへボールをスピーディに運ぶということを、頭ではなく体で覚えこんで習慣化するまで、レーブ監督が練習させたからでしょう。

もちろん判断時間を1秒台にすることを最優先にして選手がミスプレーの連続では困るのですが、日本も正確にプレーしながらできるかぎりボール保持時間を短縮していく練習を、これから継続的にやっていくべきです。

当研究所はW杯の直前に、日本代表はポゼッションサッカーをベースとして、相手がこちらより実力が上だったり、押し込まれて苦しい時間帯は守備ブロックをつくって臨機応変に堅守速攻型のサッカーをするべきではないかと提案しましたが、速くて正確なパスを使ったポゼッションサッカーをベースに、試合や相手ごとに戦術を変化させていったドイツのサッカーは現代サッカーの理想形の一つでしょう。

 この試合の攻守の具体的な内容チェックと個人評価、そして監督の采配分析については次回とします。




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