■日本代表、先祖返りでオーストラリアに勝利(その2)

前回のつづき

 それでは試合内容を分析します。まず攻撃から。

攻撃に関しては、前半はほとんど機能しなかったんですが、フォーメーションを4-2-3-1に変えた前半35分すぎからは良くなりました。

ただ、パスを回すときに近視眼的になりすぎていたというか、相手選手が密集しているところでわざわざ細かすぎるパス交換をしようとして、ボールを相手に引っかけたりタッチラインを割ったりして失っていました。

そういう場合は素直にサイドチェンジしてスペースがある方から攻めても良いと思います。

 守備面も4-1-2-3で臨んだ前半は相手からなかなかボールが奪い返せず苦しみました。

相手に主導権を握られて苦戦しているときでも失点せずに我慢したのは評価できるのですが、プレスがはまらないとガクッと自信を喪失して、相手ボールホルダーへの詰めが淡泊になってズルズル下がり始めるのは問題です。これはブラジルW杯でハッキリと現れた課題です。

後ろから追えば体を寄せるチャンスはあるのに、ちょっとプレスをかわされると、まだ自分の横に相手選手がいるのに、ボールを奪い返すのをあきらめてしまうシーンが見られたのは残念でした。

相手に押されているときでも、自信をもってやるべきことがやれるだけのメンタル面の強化も必要です。

 相変わらずゲームの締め方もヘタクソですね。

後半40分過ぎから、「この試合はもう勝ちで決まり」という油断しきった雰囲気がチーム全体に広がっているのが外から見てもありありとうかがえ、4-4の守備ブロックがだんだんと崩れ始めて相手ボールホルダーへの寄せも甘くなり、最後はなんでもないクロスからケーヒルのヘッドでやられてしまいました。

もしこれがオーストラリア・ホームのアジアカップだったら、観衆の大応援でオーストラリアがイケイケになり、タイムアップ間際の同点弾から延長・PK戦へという最悪のシナリオもありうる展開です。

「2点差は一番危ういリード」というのはサッカーではもう常識ですし、あそこは2-0でキッチリとゲームを締めないと。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきは、まず今野選手。ホンジュラス戦でゴールをあげた吉田選手と同じ絶妙のポジショニングから、チームに自信をもたらす価値ある先制ゴールをあげました。ボランチのポジションについても、これまでの経験を生かして、まずまずのスタート。

岡崎選手も、味方からのパスを難しい体勢からワンタッチでゴールに結びつけるストライカーらしいプレーで、センターフォワードとしての責任を果たしました。

後半から投入の乾選手は、キレのあるドリブルから何度も惜しいシュートを放ち、気の利いたパスからチャンスメークするなど、相手の右サイドを苦しめました。

 逆に森重選手は試合終了間際の大事な時間帯にボールウオッチャーになり、相手の最も危険な選手ケーヒルをフリーにしてゴールを食らうという、センターバック本来の仕事にあってはならないミス。Jリーグでは問題にならないのかもしれませんが、インターナショナルマッチでは即失点につながります。ドリブルで相手をかわし岡崎選手へ出した価値あるアシストが台無しに。

太田選手も、自分の目の前でケーヒルがマークミスによりフリーになっていて、彼へ向かってクロスボールが落ちてくるのが見えたはずですから、たとえ自分が見るべき相手選手が別にいたとしても、臨機応変に自分のマークを捨ててでもケーヒルと競り、彼が自由に体を動かせないようにすべきでした。ましてや自分が一人余っていたのですからなおさら。前半レッキーに空中戦で競り負けて危ないヘッドを許したシーンもありました。いくら攻撃が良くても守備力のないサイドバックは世界では評価されないと思いますので個の守備能力アップを。

        ☆        ☆        ☆

 いろいろあった2014年の日本代表の活動をしめくくるオーストラリア戦は、2-1で勝利という順当な結果となりました。試合内容も前半苦しみましたが後半はうまく立て直すことができましたね。

4-1-2-3のフォーメーションを使い、堅守速攻を狙うスタイルでスタートをきったアギーレジャパンでしたが、結果が出ないことにしびれを切らしたか、ホンジュラス戦で遠藤・長谷部両選手を呼び戻してパスサッカーへ回帰し、オーストラリア戦では間延びした4-1-2-3の弱点を相手に突かれて苦戦、4-2-3-1に変更して勝利を引き寄せることができました。

これでザックジャパン時代のスタイルへ“先祖返り”したわけですが、アギーレ監督は自分の理想とするサッカーをムリヤリ日本人選手に当てはめるよりも、勝つために現実策を選んだということなのでしょう。

ブラジルW杯直後、長谷部キャプテンが「自分たちがやろうとしていたサッカーの方向性は決して間違っていなかったと思う。負けたから説得力ないかもしれないけど」と語っていましたが、その言葉が正しかったことが思わぬ形で証明されたように思います。

この試合の後半を見る限り、フォーメーションを4-2-3-1にしてトップ下に香川選手を入れたことで、彼のプレーぶりに一筋の光明が見え始めたような気がしますし、香川選手と左サイドハーフに入った乾選手とのからみも今後に期待を持たせてくれるものでした。

W杯の前からずっと言ってきましたが、オーストラリア戦の後半のようなパスサッカーを基本戦術として、もういくつか戦術のバリエーションを加えて、相手や試合展開によって臨機応変に変えていけばいいと思います。

 アギーレ体制が発足してから6試合のテストマッチを消化しましたが、これでハネムーン期間、つまり彼への評価を下す猶予期間は終了です。

来年1月のアジアカップは言い訳の許されない公式戦です。ここからは良いものは良い、悪いものは悪いとビシバシ評価していきたいと思います。

この6試合でアギーレさんがどういうサッカーを志向している監督さんなのかだいたい分かりましたので、次回はそのことと、日本サッカーがこれから目指すべき方向性について述べたいと思います。

私の仕事がどれくらい忙しいかによりますが、来月のアップを予定しています。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇     ◇    ◇

        2014.11.18 ヤンマースタジアム長居 

         日本  2 - 1  オーストラリア

          
         今野 61'      ケーヒル 90'+
         岡崎 68'
          

        GK 川島       GK ライアン
                  
        DF 太田       DF フラニッチ
           森重          ウィルキンソン
           吉田          セインズバリー
           酒井          ベヒッチ

        MF 長谷部     MF ジェディナク
           香川          ルオンゴ
           遠藤         (ニコルズ 53)
          (今野 46)       マッケイ
                       (ケーヒル 73)
        FW 武藤       
          (乾 57)     FW クルーズ
           岡崎         (ムーイ 87)
          (豊田 77)       レッキー
           本田          トロイージ
                       (ブレシアーノ 64)



        ☆        ☆        ☆

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