■アギーレジャパン初勝利も微妙な内容

 日本・ジャマイカそれぞれの代表監督にとって縁の深い新潟で行われたテストマッチは1-0で日本が勝ち、アギーレジャパンはようやく初勝利をあげました。

(2002年W杯のべニューとなったビッグスワンスタジアムにおいて、アギーレ氏はメキシコ代表を率い、シェーファー氏はカメルーン代表を率いて戦った)

今回の対戦相手ジャマイカは、イングランドやアメリカなどでプレーする選手に国内組をあわせたチーム。ホームでもアウエーでも日本が勝たなければならない相手でしたが、日本の勝利で終わったことは順当な結果だったと思います。

しかし試合内容については課題が多いですね。

 サッカーというスポーツは、ボールを持つ選手と持たない選手による一対一の対決が前後のプレーとは関係なしに、コマ切れのように90分間積み重なっていくゲームなのではなく、

攻守のプレーで試合の流れを自分たちのチームでつかみ、その流れが自分たちの方へ来ている間にゴールに結びつけることができるか、相手に試合の流れが行っているときにどれだけ辛抱して点を与えず、できるだけ早く流れを取り戻すことができるかによって勝敗が左右されるスポーツだと考えています。

それではこのジャマイカ戦、日本は試合の流れをうまくつかめたのかどうか、試合展開を振り返ります。

        ☆        ☆        ☆

 試合は前線から厳しいプレスをかけ、ボールを奪うと長短のカウンターを仕掛ける日本が、まずゲームの流れをつかみました。

6分、本田のゴール右を襲ったFKはGKトンプソンがナイスセーブ。

16分、前線のプレスから岡崎が良い位置でボールを奪取、本田→柴崎とつないで上げたペナルティエリア右からのクロスは、トンプソンがはじきますが、これがDFノスワーシーの体に当たってゴールイン。日本が早くも先制します。

ここから勢いに乗って追加点で相手をたたみかけたいところでしたが、速攻を仕掛けるも、あまり質の高いチャンスはつくれない日本。

それでも32分、相手のミスからボールを奪った酒井を起点にショートカウンター、酒井がウラヘ抜けた本田にスルーパス、相手GKと一対一となった本田が放ったループシュートは惜しくもクロスバーの上。

40分、本田のパスを受けた酒井が右サイドを突破してシュート、相手DFに当たったこぼれ球を岡崎がバイシクルシュートで狙いますが外れます。

 後半も高い位置からのフォアチェックで相手からボールを奪って攻める日本のペース。

11分、酒井からパスを受けた柴崎がゴール右サイド深くから岡崎へパス、これをダイレクトでシュートしますがトンプソンがセーブ。

14分、アギーレ監督は攻撃がうまくいっていないと見たか、岡崎に代えて小林を投入します。

16分、長友のパスを受けた香川がドリブルで相手をかわし左サイドからクロス、武藤がヘッドしますがトンプソンが片手でボールをかき出します。

20分、本田→柴崎→酒井とつないで、酒井が出したゴール前への折り返しを香川がシュートしますが、ゴールの右へ。

22分、ジャマイカの右CKから森重に競り勝ったモーガンがヘッドしますが、ゴール左に外します。

29分、香川とのワンツーから長友がペナへ侵入しGKと一対一になりますが、シュートを打ちきれず相手DFがクリア。

ゴールチャンスを決めきれず、攻守両面でだんだんとリズムを失っていく日本。

34分、長友が自陣でGK西川へ戻したパスが相手選手へのプレゼントボールになり、西川と一対一になりかかるも森重が戻ってボールを奪い返し事なきを得ます。

44分、ショートコーナーから途中出場の太田がクロス、これを小林がヘッドしますが枠をとらえられません。

結局スコアは動かず、1-0のままタイムアップとなりました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容を見ていきましょう。今日はまず守備から。

守備はそこそこ良かったのではないでしょうか。

3トップから始まる厳しいプレッシングでボールを奪ったり、相手のミスを誘ってマイボールにしたりと、良くボールを奪えていたと思います。

こういった守備の姿勢は、カウンターサッカーにしろポゼッションサッカーにしろ絶対に必要な守備の基本中の基本ですから、今後も継続して高いレベルを維持できるようにしていって欲しいですね。

守備隊形をコンパクトにすることもだいたいできていましたが、間延びしてしまう時間もありました。

前からプレスをかけるときはバックラインを押し上げて陣形をコンパクトに保つか、さもなくばバックラインの位置を基準として前の選手がいったん戻ってそこからボールを奪いに行くか、チームとして「ボールの取りどころをどこに置くのか」の意志統一が必要です。

これまでの2試合は、自陣深くでミスをして相手にボールをプレゼントしてゴールを決められてしまい、それが1分1敗という成績につながっていましたから、「自陣深くのミスで相手にボールをプレゼントしない」というのが守備のテーマとなっていましたが、失点こそしなかったものの、この試合でも長友選手が決定的なミスを一つ、森重選手が二つほどやってしまいましたね。

長友選手にしたって、これまでこんなことはなかったのに、アギーレジャパンになってからこのようなイージーミスをチームで連発している理由がよくわからないのですが、本当に注意して欲しいです。

 攻撃に関してはあまり良くなかったと思います。

シュートの決定力については、選手それぞれで個の能力を高めていって欲しいのですが、攻撃の組み立て方にも課題は多かったですね。

この試合も、攻撃の主な形は後ろからロングボールを前へ放り込んで、3トップがボールをおさめて前線で基点をつくり、上がってきたサイドバックを使ってクロスというものでした。

こういうサッカーだと、香川・柴崎の両ハーフの頭上をボールが超えていって、彼らのようなタイプの選手をあまり生かせないように思えます。

浮き球のロングボールが攻撃の主体なのでそのボールを相手DFのウラで受けたくて、2人のハーフまで相手DFと同じラインまで上がってしまうために、4-1-5みたいなフォーメーションになり、「5トップ」が足を止めてバックがロングを蹴るのを待つシーンも目立ちます。

今回は相手がジャマイカでしたから、そこそこ決定機をつくれていましたが、相手の個の能力そしてチーム組織力が自分たちよりも高い場合に機能する攻撃なのか疑問です。

ショートカウンターをやりたいなら良いときのドルトムントみたいに、前線の3人なり4人なりが適切な距離間でもっと有機的にからみ、グラウンダーのパスを中心に次のプレーへの判断を素早く的確にして、相手の守備の急所を突くような攻撃をすることでゴールを奪うシーンをどんどん増やすべきでしょう。

そうすれば、香川選手なんかはもっともっと生かせると思うのですが。

というわけで勝つには勝ったものの、日本代表のゲーム内容はトータルで見ると今ひとつパッとしない出来でした。

        ☆        ☆        ☆

 次回は個人レベルで良かった選手、そうでなかった選手についての評価と、当研究所がこのジャマイカ戦を「ブラジル戦よりも注目している」と予告した理由について、アギーレ監督が目指していると思われるサッカースタイルとからめながら述べていきたいと思います。

次回へつづく



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