■北朝鮮戦をふりかえる&アジア予選総括

 W杯出場を決めたバンコクでの北朝鮮戦から一夜明けました。代表メンバーも日本に無事凱旋帰国し、大歓迎を受けています。

それでは昨夜の北朝鮮戦の戦評と、アジア予選全体の総括をしてみたいと思います。

さいわいバンコクの雨季名物のスコールこそ無かったものの、気温35度を超える過酷なコンディションとなった北朝鮮戦は、ケガや出場停止の選手も多く、日本代表にとっては、まさに逆境のなかでの試合となりました。

 試合の前半は、緊張のせいもあるのか重苦しいムード。
日本は守備はまずまずも、攻撃は中盤の組み立て、チャンスメークとも今一つ。

日本・北朝鮮の両方に決定的チャンスがありながら決め手を欠き、前半終了。

 後半、FWの鈴木選手に代えて大黒選手を投入すると、日本の攻撃が機能し始めます。 特に積極果敢にシュートを狙う彼の姿勢が、チームにカツを入れ、各選手の動きにダイナミズムを与えることになりました。

後半28分に、相手のヘッドのクリアが短くなったところを柳沢選手がつめて、先制。 試合終了間際にも、大黒のすばらしいカウンターが決まって北朝鮮の息の根を止めました。

 日本代表の攻撃面からふりかえると、よかった点はやはり柳沢・大黒の両FWでしょう。

特に柳沢は、試合を通して「絶対得点してやる」「必ずシュートでプレーを終える」という積極的な姿勢が見えました。

先制点のシーンも、相手のクリアした球の落下点を予測して走り込み、ボレーで押し込んだ、すばらしいものでした。

北朝鮮戦をどう戦うか?で、攻撃の課題として、

>北朝鮮の選手がクロスをクリアしそうな場合は、日本の選手はすばやくボールの落下点を見極めてあらかじめポジショニングしておき、ボールが落ちてきたら体をかぶせつつボレーシュートを狙うべきです。

ということをあげておいたのですが、この課題を見事クリアしてくれました。

また日本、灼熱のバーレーン戦で完全勝利!で、

>(柳沢選手は)自分の目の前に敵ゴールと手の使えない敵フィールド・プレイヤーしかいないにもかかわらず、シュートを打てないのはFWとして致命的

>まず第一にパスを考えているようでは、アタックの選手として、まず世界での成功はありえません。

と書いたのですが、この北朝鮮戦での積極的な姿勢をセリエAの舞台でも絶対に、どんなに苦しいときも忘れないで欲しいと思います。 そうすれば彼のイタリアでの成功は、おのずとついてくるでしょう。

 大黒も好調を維持していました。 球のもらい方、常にシュートを狙うハングリーさ、1対1での落ち着きにすばらしいものを持っています。

何故彼にベンチを温めさせておくのか全く不可解としか言いようがありません。 予選のもっと早い段階から先発で出していれば、FWの得点力不足などという話は出てこなかったのかもしれません。

 課題としては、しょうがない面も多々ありますが、いわば急造チームの弱点とでも言うのか、コンビネーションが今一つだったことを指摘しておきたいと思います。(特に前半)

バーレーン戦のゴールシーンのように創造的なダイレクトパスが消えてしまい、各選手が球を持ちすぎて、考えてパス、考えてパスを繰り返していた結果、攻めのリズムが悪くなってしまいました。

後半はだいぶ改善されましたが、世界で通用する素早い判断力が常に求められます。

 守備に関しては、35度以上の暑さのなか、よくやっていたとは思います。 あの状況で完璧さを求めるのは酷というものでしょうが、

前半20分に日本のゴール前で、マークがずれてどフリーになったホン・ヨンジョに食らったヘッドは危険でした。 日本の選手がボール・ウオッチャーになって許した、テヘランでのハシェミアンの決勝ゴールと全く同じミスを繰り返す形となってしまいました。

ボールがひとりでにゴールへ飛んでいくことはありません。もし、ひとりでに飛んでいくボールがあればGKにまかせればよいのです。
自軍のゴール前では、まず人をつかまえるのが鉄則となります。

後半30分過ぎのキム・ソンチョルの強烈なミドルシュートも、誰もつめに行かず、ゴールマウスを簡単に相手に見せてしまったことが原因でした。

 それでは今回の予選の総括をしますが、中田英選手の「予選突破は通過点。今のこのチームには本大会で勝ち抜ける力はまだないと思っている。」というコメントが、ズバリ的を得ていると思います。

 日本代表はW杯出場という結果をちゃんと残しました。
しかし、予選の各試合の内容をみてみると、合格点をクリアした上で+αがあったと言えるのは、アウェーのバーレーン戦ぐらいでした。

日本サッカー界の野心は、W杯出場で満足ではなく、前回を上回るベスト8以上の成績にあったはずです。

一部で「予選を突破したからこれでいいんだ、ジーコ監督で間違い無かったんだ」と言う声が聞こえてきますが、私には疑問です。

思い出してください、アジアカップ2004を優勝したあと、目先の勝利に浮かれて「ジーコで間違い無かったんだ」という声が沸きあがりました。

確かに優勝はすばらしかったですが、アジアカップにおいて、日本も含めた参加国すべてがW杯決勝トーナメントを勝ちぬけるレベルの試合内容ではありませんでした。

そのジーコ・ジャパンがアジアチャンピオンとして望んだ今回のW杯アジア予選では、やはり不安定な戦いぶりで、レベル的に見てもW杯決勝Tを勝ちぬけるものであるとは言い難いものがあります。

今回も、予選突破という目先の勝利に惑わされて「ジーコで間違い無かったんだ」と浮かれて終わりなら、ドイツでの苦戦は必至ですし、ベスト8以上など夢のまた夢ではないでしょうか。

前回の2002年は日本は開催国としてシードされていましたが、ドイツではおそらくシード権はもらえないでしょう。

W杯ドイツ大会での組み分けをシミレーションしてみると、第一シードが欧州だった場合は、

イングランド・チェコ・日本・セネガル

といった組み分けも充分ありえますし、第一シードが南米だったら、

アルゼンチン・オランダ・日本・メキシコ

といった組み分けもありえます。

今の日本代表のレベルではベスト8以上どころか、二位以内でグループリーグ突破を勝ち取ることさえ、大変な努力が必要であると言えるでしょう。

 変な話ですが、ジーコ・ジャパンの試合内容を野球の外野手の守備にたとえるなら、長打コースの打球を劇的なダイビングキャッチで防ぐのではなく、単なる凡フライを劇的なダイビングキャッチでとるようなプレーの連続なのです。

それを見た一部の観客が「さすが”神様”の強運だ。すごいすごい」と言っているように見えるのです。

しかし管理人スパルタクは、「凡フライは、早めに落下点を見極めて構えるという基礎が出来ていれば、ダイビングキャッチしなくても普通にとれるでしょ」

「それでは、本物の長打コースの打球をダイビングキャッチすることは出来ないでしょ」と言っているわけです。

「本物の長打コースの打球」とはもちろん、W杯ベスト8以上の成績のことです。

 この二連戦が始まる前に「予選を突破してもしなくてもジーコは解任すべき」と言いました。 川渕キャプテンは「ジーコで決定」したようですが。

スパルタクは、ジーコが日本サッカー界の発展に与えた貢献は大きすぎるものがあると率直に認めますし、感謝を改めて表したいとも思います。 正に彼に足を向けて寝られません。

しかし、そのことと、彼に代表監督としての能力があるかどうかは全くの別の問題だと思うのです。

(ジーコがつくりあげたと言っても良い”Jリーグ王者の鹿島”が、アジア・チャンピオンズリーグなどで全く勝てないのは、何か暗示的ですが)

ジーコも就任当初の何もしない自由放任主義から、選手を指導する監督へと変身したような気がします。

もしアウェーのバーレーン戦でみせたようなジーコの指導力が本物であるならば、チームがピンチになってからあわてて出すのではなく、常にそれを発揮して欲しいのです。やはり、プロは結果を出してナンボですから。

今後ジーコが指導力を発揮して、決勝Tを勝ちぬけるようなレベルの試合結果・内容を継続して出すことが出来たら前言を撤回しようと思いますが、日本代表を引き続きアツク応援しつつも、目先の勝利の浮かれることなく冷静に見つめていきたいと思います。
  

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■北朝鮮戦→祝★ワールドカップ出場!

大分遅くなりましたが、北朝鮮戦レビュー! っていうかまずは祝★ワールドカップ出場!ですね。 8日の日は周りの目を盗んで、フライング気味に退社→国立へ! 初パブリックビューイングでしたがかなり良かったです! 特に盛り上げてくれたウルトラスの皆さんホントにオツで.

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