■日本代表、若手が躍動もミスミス勝利を逃す

 アギーレジャパン2試合目となったベネズエラとのテストマッチは2-2の引き分けとなりました。

対戦相手のベネズエラは、フランス・スペイン・コロンビアなどでプレーする選手で固められたチームで、日本との実力差はほぼ互角と見ていましたが、こちらにとって有利なホームゲームでは勝利という結果が欲しかったものの、ドローという結果は残念でした。

ただ日本代表の試合内容は、前回よりは良くなったと思います。

本田・長友・岡崎選手らザックジャパンの主軸がそのまま残ったので、アギーレ監督に代わっても大きな戦力ダウンはないだろうと見ていたのですが、経験の無い若手を多めに起用したとはいえ、先のウルグアイ戦は日本のチーム戦力がガクッと急低下したような内容だったので、「この先大丈夫だろうか」と思っていましたが、少しホッとしました。

サッカーとは、ボールを持つ選手と持たない選手との一対一がブツ切りに、前後のプレーとは関係無しに90分間積み重なっていくのではなくて、いかに攻守一体となった一連のプレーで試合の流れを自分たちに引き寄せ、ゲームの流れが自分たちに来ている間にゴールにつなげられるか、試合の流れが相手に行ってしまったときに失点しないようどれだけ辛抱できるかが、勝敗のカギを握るスポーツだと当研究所は考えています。

そうした点において昨日のアギーレジャパンはどうだったのか、いつものようにゲーム展開を振り返っておきましょう。

        ☆        ☆        ☆

 前半は両チーム互角の展開。しかし前の試合でふがいなさを見せた日本は攻守にわたって激しく動き、気迫を見せます。

1分、厳しいプレスからボールを奪って日本の速攻、柿谷のドリブルはいったん防がれたものの、ゴール前やや右でこぼれを拾った本田がミドルシュート、これは惜しくもバーの上。

12分、ロサーレスがゴール前やや右からミドルを狙いますが、GK川島が良くセーブし、CKへ逃れます。

20分を過ぎると日本はペースダウンし、足が止まり始めると攻撃が単調になり、イージーミスからゲームの流れを失っていきます。

29分、細貝のミスパスを相手に奪われ、ゴンサレスが吉田を抜いてシュートしますが川島が左足に当てて、事なきをえます。

33分、柴崎のミスパスからカウンターを食らい、セイハスがミドルシュートを放ちますがバーの上。

38分、柴崎のパスを大迫が戻し、それを受けた森重のスルーパスに反応した柿谷がGKと一対一、柿谷の狙いすましたシュートは惜しくもGKエルナンデスに防がれます。

この流れるようなパスワークで試合の流れを引き戻した日本。

つづく39分、本田からのパスをゴール正面で受けた柴崎がペナルティエリア左にいた柿谷へパス、柿谷が倒れこみながら放ったボレーシュートはエルナンデスがキャッチ。

 後半、柿谷・大迫OUT、武藤・岡崎INでキックオフ。

6分、岡崎へのロングボールのこぼれを拾った武藤がドリブルでゴールやや右へ持ち込みミドルシュート!これが決まって自身とアギーレジャパンにとって記念すべき初ゴールをあげます。1-0。

久しぶりのゴールに日本のモチベーションがあがり、押せ押せになりますが、たった一つのミスで流れを失ってしまいます。

13分、水本のミスパスを拾ったグエラがドリブル、ペナ内に侵入したところを後ろから水本が倒したと判定されPK献上。M.ロンドンのキックがゴールほぼ正面に決まって1-1。

それでも22分、武藤のパスを受けた岡崎が左サイドを突破、彼のセンタリングを逆サイドから走りこんだ柴崎がダイレクトで決めて2-1とします。

ところがまたしても守備が自滅。

26分、シチェロのロングシュートを虚を突かれたように川島がキャッチミス、こぼれたボールがゴール内へ転がり、2-2とゲームはまたしても振り出しへ。

43分、左サイドを突破した長友がクロス、ニアサイドに飛び込んだ岡崎がヘッドしますが、枠をとらえることができません。

試合はこのまま終了となりました。

        ☆        ☆        ☆

 それではアギーレジャパンの試合内容を分析します。まず攻撃面から。

攻撃はウルグアイ戦よりは良くなりました。

各選手が運動量を増やし、パスを受けるための「顔出し」の動きが増えたため、タテにロングボール一本の単調な攻撃だけではなくて、ある程度はグラウンダーのパスで攻撃を組み立て、シュートチャンスも増やすことができるようになりました。

前回記事で、アンカーの前にいる二人のセントラル・ミッドフィルダー(CM)に、パス能力の高い選手をいれるべきと提案しましたが、そこに柴崎選手が入ることによって、攻撃が機能するようになったと思います。

しかしプレーの密度、ザッケローニ前監督が言うところの“インテンシティー”の高さを見せられたのは前半20分まで。これを途中休む時間があっても90分続けられなければ世界では勝てません。

アギーレジャパンの前半20分までのプレー密度以上のものを、ワールドカップ7試合目にもかかわらず、決勝を戦ったドイツとアルゼンチンは後半20分ぐらいまでは保つことができていました。

そこが世界トップレベルと日本との差です。

前半38分に、柴崎選手のパスを大迫選手が落とし、森重選手のスルーパスを受けた柿谷選手がGKと一対一となってシュートを放った、ダイレクトプレーの連続による一連の攻撃は大変良かったと思います。これを継続し、精度を高めていって欲しいですね。

このように「堅守速攻型のサッカー」をする場合でも、味方からグラウンダーのパスを受けられるスペースに動き、その選手がパスを受けたら次にどのスペースでパスを受けるとチャンスが広がるかを予測して別の選手が動く(第三の動き)、ボールを前方へと運ぶルートがなるべく相手ゴールまでの最短距離を通るようにしながら、次のプレーへの判断を速くしてなるべくワンタッチ・ツータッチで相手守備陣の薄い方へ薄い方へと攻撃を仕掛けていくことがとても重要になってきます。

 守備面でも厳しくフィジカルコンタクトし、相手から積極的にボールを奪おうとする姿勢がうかがえました。しかし攻撃と同様、高いプレー密度を示すことができたのは前半の20分まで。

20分を過ぎると足が止まり始め、前の5人(3トップ+2CM)と後ろの5人(アンカー+4バック)の距離が大きく開いて、チーム陣形が間延びしてしまいました。多くの選手が足を止め、味方のボールホルダーを見ているだけです。

そうなってしまうと、味方がボールを奪い返してもパスの出しどころが無くなり、苦し紛れの横パスがミスになって相手に奪われたり、バックからCMへ通すタテパスの距離が長くなり、ミスになったり途中で相手にカットされてカウンターを食らいやすくなってしまいます。

日本がボールを失った後、守備への切り替えや相手ボールホルダーへの詰めもだんだんと遅れ気味になり、シュートコースを簡単に空けてしまうので、ベネズエラに正確なミドル・ロングのシュートを許していました。

この試合の失点はまたしても個人のミスからでしたが、その裏にはこうした原因も隠れています。世界で勝ちたいなら守備でも密度の高いプレーを90分間、持続させなければなりません。

日本のゴール前でのセットプレーでフリーな相手選手をつくってしまうのも相変わらずでした。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々の評価と、おぼろげながら見えてきたアギーレ監督が目指すサッカースタイルについての考察は明日につづきます。



サッカー ブログランキングへ
↑いつも応援ありがとうございます。



  

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 



管理人多忙につき、マメにレスを差し上げられません。
ゴメンナサイ。
もちろん、すべてのコメントは拝見させていただきますが、サイトポリシーに違反したものは、予告なく削除します。
悪しからずご諒承ください。

プロフィール

スパルタク

  • Author:スパルタク
  • FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク






   

ブログ内検索