■アギーレジャパンは黒星スタート

 アギーレジャパンの船出となる、ウルグアイとのテストマッチが札幌で行われ、日本代表は0-2の黒星発進となりました。

対戦相手のウルグアイは、スペイン・フランス・イタリアなどでプレーする選手で構成され、日本との実力差はほぼ互角、ややウルグアイの方が勝るかというのが当研究所の試合前の評価であり、日本に有利なホームであれば勝利という結果が求められたゲームでしたが、敗戦という結果は残念でした。

新しいシステムによる最初のゲームという点は考慮しなければなりませんが、試合内容もほとんど良いところが無かったように思います。

それでは試合展開をおさらいしておきましょう。

        ☆        ☆        ☆

 日本代表は4-1-2-3の新フォーメーションでスタート。

キックオフ直後は互角の展開。日本もウルグアイも「堅守速攻型」の似たようなスタイルで、お互いショートパスで相手の守備ブロックを崩す攻撃ができないので、ゲームは両チームとも相手のミスを待つような膠着した状態となります。

前半13分、左サイドからウルグアイのロデイロが蹴ったFKをロドリゲスがヘッドしますが、ゴール上へ外れヒヤっとさせられます。

16分、左サイドから岡崎がクロスし、ゴール前でフリーになった皆川のヘディングシュートは残念ながらバーの上。

24分、ウルグアイの右CKを皆川がヘッドでクリアしますが、それを拾ったカバーニの折り返しは誰もさわれず。

34分、バックパスを受けた坂井のトラップが大きくなったところをカバーニにつつかれ、そのこぼれ球からロランがゴール前へパスしカバーニがシュート、すべりこんだ坂井の足に当たったボールがゴールに吸い込まれてウルグアイに先制を許します。

 後半キックオフ。

前半同様、日本は攻撃が単調でほとんど機能せず、チャンスらしいチャンスをつくれません。

前半は厳しく行けていたプレスも時間が経つにつれて弱まり、ボールの奪いどころがあいまいになって、ボールをキープするウルグアイに時間をうまく消費されてしまいます。

17分、森重からパスを受けた田中がミドルシュートを放ちましたがGKムスレラがキャッチ。

攻守にわたって機能しない日本。たまらずアギーレ監督は4-4-2にフォーメーション変更。

25分、右サイドからM.ぺレイラがクロス、これを酒井宏がゴール中央へクリアしてしまい、それを拾ったロデイロがシュート、GK川島が体に当てましたが、跳ね返ったボールを坂井がトラップしようとして相手につつかれ、最後はエルナンデスのシュートが決まって0-2。

28分、左サイドから長友のクロスをゴール前中央の本田が胸トラップしましたが、シュートを打つ前に相手DFにクリアされます。

43分、相手のパスをカットした武藤がそのまま強烈なミドルを放ち左ポストを直撃、惜しくもゴールなりません。

試合はこのままタイムアップとなりました。

        ☆        ☆        ☆

 アギーレ監督初采配となったゲームを、まず攻撃面から分析していきます。日本代表の新システムはこのようになりました。

      
          皆川 
   岡崎           本田

      田中     細貝
    
          森重        

  長友  坂井   吉田  酒井宏

          川島


 しかし、攻撃は単発でほとんど機能しませんでした。

日本はバックからトップの皆川選手へロングボールを放り込む攻撃を多用していましたが、ゴディン・ヒメネスの屈強な両センターバックにほとんど跳ね返され、そのボールが偶然日本の選手のところへこぼれてきた時や、ウルグアイが運よくミスをしてくれ、相手陣内深くでボールを奪えた時だけチャンスになっていました。

運や偶然に頼った攻撃では日本が世界で勝っていくことはできません。

こうなってしまった原因は、前線の5人が足を止めて味方のボールホルダーがなんとかするのを見ているからです。

特に、アンカーである森重選手の前にいるセントラル・ミッドフィルダー(CM)の2人、田中・細貝両選手がもっともっとパスを引き出す動きをし、相手バックラインの前のスペースでフリーでボールをもらって前を向き、前線の3人にパスを供給するための「攻めの基点」をつくらないといけません。

日本代表が4-1-2-3や4-4-2のフォーメーションにこだわらなければならない必然性は全くないと思いますが、どうしても4-1-2-3をやりたいなら「適材適所」を考えて、少なくともCMの1人はパス能力に長けたプレーヤー、例えば本田選手を起用した方が良いのではないでしょうか。

 守備面も、前半こそボールを奪うために厳しくプレスをかけるという姿勢が見られましたが、全体的にまだ守備組織としての統一がとれておらず、ゲームが進むにつれてボールの奪いどころがあやふやになっていき、後半はウルグアイにゲームの流れを完全に支配されてしまいました。

新しいシステム・新しいメンバーでチームを組んだばかりなので守備組織の構築はまだこれからということなのでしょう。

しかし、日本がボールを失った瞬間、相手のボールホルダーに対し、一番近くにいる日本の選手がまずプレスをかけて、相手の攻撃を遅らせるということが相変わらずできていません。

これはザックジャパンだからやる、監督が新しくなったからやらなくていいということではなく、守備戦術の基本中の基本なので、常に心がけて欲しいです。

運よく失点にはつながりませんでしたが、セットプレーにおいてもマークの確認がしっかりできていないのか、最低1人は必ずウルグアイの選手がフリーになっていました。

2度の失点シーンはいずれも選手個人のミスからでしたが、自陣深くでのこうしたミスは必ずゴールにつながる致命傷になるのだということが身に染みて理解できたと思います。自陣深くでは安全第一のプレーをお願いします。

「安全第一」で気になったのが、ゴールマウスの前に立つGKへバックパスするケースが非常に多いことですね。

もしGKがトラップミスしてボールを後ろにそらした場合、即失点につながりかねない危険なプレーです。

バックパスをする場合はGKがなるべくゴールマウスを外してバックパスを受けるようにし、フィールドプレーヤーもGKがゴールマウスから外れた位置に移動するのを確認してからパス出ししなければなりません。    

        ☆        ☆        ☆

 良い面で特筆すべき選手はいませんでした。

逆に坂井選手は自陣深くでバックパスを受けたときのトラップミスからボールを失い、それが失点につながってしまいました。2点目は、そもそもゴール中央方向へクリアした酒井宏選手に問題があるのですが、相手のシュートをGK川島選手が防いだ跳ね返りを、坂井選手がダイレクトでクリアするのではなく、ももで一旦トラップしてから処理しようとして相手に奪われ、ダメ押しゴールを食らってしまいました。まだ若くて経験がないということなのでしょう。しばらく辛抱して使ってあげる必要がありそうです。

酒井宏選手はゴール前の空中戦において、タッチライン方向ではなくゴール中央方向へクリアをして相手に追加点を与える要因に。こうしたことをやってはいけないのは個人戦術の基本なので、防げるミスだったと思うのですが...。

川島選手もDF陣のイージーミスからシュートを浴びて気の毒でしたが、股間を抜かれた2点目は残念。

田中・細貝両選手は、奪ったボールを3トップの選手に供給し攻撃の起点となるべきCMとしての役目がまったく果たせず、
日本が攻守にわたって機能しない原因となってしまいました。

        ☆        ☆        ☆

 アギーレ監督の初采配となったゲームは敗戦という結果も残念でしたし、試合内容もほとんど見るべきところはありませんでした。

アギーレ監督はまだ日本人選手の特徴や長所・短所を把握できていないように見えますが、それは現時点では致し方ないと思います。

新しいシステムと新しいメンバーでチームをつくりはじめたばかりですから、攻守にわたって組織を熟成させるためにある程度の時間を彼に与える必要があります。

次のゲームでは目に見えるゲーム内容の改善を期待します。

        ◇        ◇        ◇  

          2014.9.5 札幌ドーム

       日本  0 - 2  ウルグアイ


                  カバーニ   34'
                  エルナンデス 70'

    GK 川島        GK ムスレラ
 
    DF 長友        DF M.ぺレイラ
       坂井          (アギレガライ 76)
       吉田           ヒメネス
       酒井宏         ゴディン
      (酒井高 87)      カセレス
                    (マジャダ 84)
    MF 森重
      (森岡 89)     MF アレバロ
       細貝           ロラン
       田中          (エルナンデス 65)
      (柿谷 76)        コルホ
                    (ゴンサレス 69)
    FW 岡崎           ロデイロ
       皆川           ロドリゲス
      (武藤 58)       (A.ぺレイラ 73)
       本田 
                 FW カバーニ 
                    (ストゥアニ 58)



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