■日本代表、ギリシャを攻めきれず

 ブラジルW杯、日本代表の第二戦はギリシャとの対決となりましたが、スコアレスドローに終わりました。

対戦相手のギリシャは、イタリア・イングランドなどでプレーする海外組と、国内組で構成されたチーム。

日本との実力差はほぼ互角、ブラジルの中立地であれば日本の勝ち・引き分け・負けのいずれの可能性もあると考えておりましたが、グループリ-グ突破のためには日本が是が非でも勝ちたかった試合。

試合内容はコートジボアール戦よりも良くなってきましたが、引き分けという結果は残念でした。

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 初戦で失敗を恐れ、よそ行きのサッカーをやってしまった日本は、この試合こそは自分たちがやりたいサッカーを取り戻すべく前へ出ます。

これに対してギリシャはやや引き気味に守備ブロックをつくりカウンター狙い。

日本はボールをポゼッションするものの、ギリシャの速いプレスに手こずり、なかなかシュートまでもっていけません。

11分、コネがピッチ中央からドリブルで持ち上がってミドルシュートを放ち、川島が前へこぼしますがすぐにボールをおさえます。

21分、バランスを崩しながらもパスを受けた大迫が相手DFの前から打ったミドルは惜しくもゴール右へ

22分、ギリシャのカウンター攻撃から左サイドのホレバスがゴール前へグラウンダーのクロスを送りましたが、川島が前へ出てキャッチ。

33分、長友が左サイドを突破してクロス、ゴール正面でヘッドした大久保のシュートはクロスバーの上。

38分、日本陣内へ攻めこんだギリシャからボールを奪い返した長谷部が逆襲へ移ろうとしたところ後ろから倒され、二枚目のイエローでカツラニス退場。

しかし、10人になってかえって集中力が高まった感のあるギリシャ。

40分、トロシディスがスルーパスを狙い、スライディングで防がれたところをもう一度トロシディスが強烈なミドルシュート、川島が横っ飛びでナイスセーブ!

 日本は後半から長谷部にかえて遠藤を投入。

15分、ギリシャの右CK、カラグーニスの蹴ったボールをゲカスがヘッドしますが、川島がなんとかセーブ!

後半12分から投入された香川が徐々にゲームに入っていくにつれ、それまでなかなか機能しなかった日本の左サイドの攻撃の歯車が回りだします。

23分、ピッチ中央から香川が右サイドへパス、受けた内田の逆サイドへのクロスを大久保がシュートしますが、大きくふかしました。

26分、左サイドから長友がクロスするも、香川のヘッドはミートせず。しかしギリシャがボール処理をもたつく間に内田がつめてシュートしますが残念ながらゴール右。

32分、遠藤からパスを受けた大久保がゴール前からミドルを放ちますが、GKカルネジスが右へ飛んでセーブします。

このあたりから吉田を前線にあげてパワープレーに出た日本ですが、逆に攻撃が機能しなくなりチャンスがつくれなくなります。

43分、遠藤のゴール右下を狙ったFKはカルネジスがコーナーキックへと逃れます。

ロスタイム、チャンスらしいチャンスもなく試合終了となりました。

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 まず最初に言いたいのは、日本のグループリーグ突破に向けて、ワールドカップはここからが勝負だということです。

これからも日本はずっとW杯に出場を続けなければいけませんし、初戦で負けて二戦目に引き分けたという状況で、どうすれば決勝トーナメント進出を達成できるか、こういったケースでの経験値を増やす絶好の機会なのです。したいと思ってもなかなかできない貴重な経験となります。

この試合、引き分けという結果は残念でしたが、予選突破の可能性が残ったギリシャは最後のギリシャVSコートジボアールが消化試合にならず、グループリーグ突破をかけて死にもの狂いで最終戦を戦うことになるでしょうから、コートジボアールが楽に勝ち点を積み上げることができなくなりました。

もう一試合はコロンビアがコートジボアールを降したことで、決勝トーナメント進出決定となりました。
コロンビアは決勝トーナメントに備えて、日本戦の先発メンバーを代えて主力を休ませてくることも考えられます。

コロンビアにも「どんな試合にも負けられない」というプライドがあるでしょうから簡単なゲームになると考えては絶対にいけませんが、日本が試合に勝つために追い風が吹き出したことも事実です。

勝ち点1という二試合を終えた日本の結果は、サッカーの神様が「優勝」を目標としてきた日本代表選手たちに与えてくれた絶好のチャンスだと考えています。決勝トーナメントの山形を見ると、おそらくブラジルとは別の山に入ることになるグループCの二位通過の方が何かと有利なように思えます。

日本の選手たちがサッカーの神様から与えられたこの試練を乗り超えられたとき、何かとんでもないことが起こりそうな予感がしています。

コロンビア戦は、これからがW杯初戦のコートジボアール戦をやり直すチャンスを与えられたつもりで、これまでのネガティブな気持ちを一切捨て去って、もう一度フレッシュになって、
日本代表には戦ってほしいです。


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 それでは試合内容をみていきますが、まず攻撃面から。

攻撃面は、体が重くカチンコチンだったコートジボアール戦と比べれば、かなり良くなってきたと思います。
しかし、日本が絶好調だったときを100とすると、まだ70ぐらいでしょうか。

中盤における攻撃の組み立てでは、まだ選手一人一人の運動量や連動性が足りません。

前半ギリシャがまだ元気でコンパクトな守備ブロックから、厳しくプレスをかけてきたとき、日本は最終DFラインあたりからトップの大迫へ当てるグラウンダーのロングパスを多用していました。(下図)

タテパス
(クリックで拡大)

しかしこの場合、パスの出し手は途中でカットされないよう、ギリシャのMFのライン(1)とアンカーのライン(2)を同時に抜く、ものすごく速くて強い「鬼パス」を使わなければなりません。

大迫選手らパスの受け手も、ボールを受けるためにフィジカルの強いギリシャDFを背負って、速いスピードでまっすぐ下がってきますから、パスを足元に収めるのが非常に難しくミスが多くなり、前半日本の攻撃があまり機能しない原因の一つとなっていました。

ジグザグ

上図のように、パスの受け手が足を止めず、こまめに「顔出し」の動きをしてやることで、自分が相手ゴールに背を向けて相手DFを背負ってボールを受けるのではなく、半身になってボールを受けないと、プレスを厳しくかけてくるチームの守備はなかなか崩れません。

W杯になって普段と違う攻め方をいきなりやるのではなくて、予選のときから積み上げてきた自分たちの攻撃のやり方を貫いてほしいです。

 後半はゴールを焦るあまり、攻撃のとき前線の選手がみんなゴール前へ集まってウラを狙い、ボール保持者が孤立して、かえって攻撃が空回りしていたという意味では、普段通りのサッカーができなくなっていました。

下図を見てください。後半20分すぎのシーンだったと思いますが、味方のボールホルダーに誰もサポートがいません。
ゴール欲しさにみんながいっせいにウラヘ抜けてパスを受けたがり、逆に攻撃が機能しない原因になっています。

ギリシャ戦1

相手選手の陰で立ち止まり、味方のボール保持者が自分で局面を打開するのを見ているだけだと、その選手はピッチ上にいながら、攻撃のためにぜんぜん役に立っていない将棋で言うところの「死に駒」となっています。

ボールを持っている遠藤選手からボールをもらい、トップにボールを供給する役目のトップ下の役割をする選手がまったくいない状態です。

そうではなくて、いつでもFW-二列目ーボランチの三つのラインのバランスをとり、それぞれのラインの選手が適切な距離感(6~7m)を保ってパスをつなぎ、4人のギリシャDFの前つまりバイタルエリアでボールをもって前を向き、そこから質の高いゴールチャンスをつくってほしいのです。(下図)

ギリシャ戦2

次の図もそうです。みんながボール保持者を遠巻きに見ていて距離が遠く、この局面の攻めの急所のスペースを使おうとする選手もいません。(下図)

ギリシャ戦3

最後は、大久保選手が決定的なシュートを外す直前の攻めですけど、この直後香川選手はウラヘ走った内田選手へパスをします。その判断自体は悪くありませんが、攻めの組み立てのプロセスでは同じような問題を抱えています。

前線の二人がボールをもって待って立ち止まっているから、そもそも香川選手からパスをもらえる位置にいませんし、たとえパスが出たとしても、背後のギリシャDFの圧力によって正確にボールをコントロールすることは難しかったでしょう。

この局面の「攻めの急所」である、二つのバイタルエリアのスペースを使おうというアイデアをもった選手が誰もいないのが残念です。パスの出し手としては、ウラヘ走った内田選手を使う以外、選択肢はほとんどないと言えます。(下図)

ギリシャ戦4

コートジボアール戦は失敗を恐れるあまり、相手の攻めを受けてしまって何もできないまま終わってしまいました。

ギリシャ戦はゴールが欲しいあまり、フォーメーション全体のバランスを大きく崩し、相手ゴール前へ選手が集まりすぎて、逆に得点から遠ざかっていってしまいました。

しかしコートジボアール戦の「何もしなかった失敗」より、ギリシャ戦の「やりすぎてしまった失敗」の方が何倍も意味のあることです。

この試合の教訓を次に生かして、次の試合までに選手ひとりひとりが成長し、コロンビアからゴールをあげて決勝トーナメント進出を勝ち取って欲しいです。

自分がパスを出すまで、相手がボールを奪いに来るのを待ってくれると決めつけたような、ボールの持ちすぎも目立ちました。テンポよくどんどんパスを回して日本の攻め全体のリズムを良くしていって欲しいです。

 守備面は体を張って、ギリシャのシュートを良く防ぎました。

ただ日本のゴール前でのセットプレーのとき、マークのズレからフリーな選手をつくってしまい、ゴール前で危険なヘディングシュートを浴びてしまうケースがまだ散見されます。

できるだけ、そういうミスをゼロにできるよう集中して欲しいです。

 ザッケローニ監督の采配面で、いくつか指摘したい点がありますが、それは明日の記事にしましょう。

つづく

(画像使用に関する当ブログの考え方)



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