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■日本代表、課題が多かったザンビア戦(その2)

前回のつづき

        ☆        ☆        ☆

 引き続き、試合内容を攻撃面から分析しましょう。

攻撃面でも課題が多く出ましたね。

コスタリカとザンビアのサッカースタイルは違いますが、ほぼ同じくらいの実力であり、守備の組織力だけでいえばザンビアのほうが上でした。

前半のザンビアによる「鬼プレス」を上回るスピードで「顔出し」の動きをすることでパスをつなぎ、バイタルエリアにボールを運んで質の高いシュートチャンスを数多くつくることができれば、日本の攻撃をもう一段上のレベルに引き上げられる絶好のテストの場だったのですが、それができず残念でした。

コスタリカ戦と比べるとバイタルエリアで立ち止まっている日本の選手が多く、相手の速いプレスによって味方がフリーになれないのでパスコースも少なく、それで選手がボールを持ちすぎてしまうケースが多かったと思います。

日本はチャレンジャーなのですから、W杯では相手に走り勝たないと、決勝Tへ進出して勝ち抜いていくのが難しくなります。

前回記事で取り上げたようなコンパクトな守備ブロックを崩す戦術を使って、こちらが意図的に相手のバイタルエリアを広げ、そこを使って攻撃するような工夫も必要です。

日本の攻めが空回りしているとき、相手の両センターバック(CB)の前のスペースに意図のわからないパスを出しては簡単にボールを奪われてしまうというシーンも多かったですね。

スペースにパスを出す場合、相手より味方選手の方が先に追いつけるポイントに出すのが鉄則であり、CBの前にある敵選手が何人も密集しているようなスペースにパスを出すのは得策ではありません。なんらかの意図がある場合は別として、相手が密集したスペースでは、味方の足元へ正確にパスを出すのが基本でしょう。

 守備面ではより多く課題が残りました。

攻守の切り替えが遅く、相手ボールになっても日本陣内へ向かってドリブルする相手ボールホルダーへ誰もチェックに行かないというケースが多すぎます。

ザンビアの3点目はまさにこれが原因でした。

ボールを奪われたら、両チームのフォーメーションのかみあわせで自分がマッチアップしている相手を探すのではなくて、相手ボールホルダーに一番近い日本の選手がまず相手に立ちふさがって、日本ゴールへのシュートコースや前方へのパスコースを消さないといけません。

もしコースを消しに行った味方が本来マッチアップしている相手とは違う相手を見ている場合は、まわりの選手が機転を利かせて、ポジションチェンジをしてリトリートする必要もあります。

 長谷部キャプテンは当時のことを良く憶えていると思いますが、岡田ジャパンは連戦連敗の強い危機感から日本ゴール前へ入ってくるクロスやパス・こぼれ球への研ぎ澄まされた反射神経をチーム全員が共有していました。

中澤選手や闘莉王選手を中心に、ゴール前で相手をフリーにせず絶対に競り負けないということが徹底されていたと思います。

しかし、ザックジャパンはそうした部分で今ひとつ危機意識が足りないのではないでしょうか。

ザンビアの1点目も競り負けていますし、2点目のシーンは日本の選手がボールウオッチャーになってしまい、シュートしたシンカラをフリーにしていました。

自分たちのゴール前では、まず相手をしっかりマークし、相手のクロスやパス、こぼれ球への反射神経を研ぎ澄まし、まず自分たちが相手より先にボールに触ってクリアできればベスト、それができないときでも相手に体をしっかり寄せることで相手の体から自由を奪い、相手が意図するプレーをできなくなるよう妨害することが重要です。

そうすることで、たとえボールがゴールに向かっても、勢いが弱ければGKがキャッチできます。

レアルのセルヒオ・ラモスがやたら目立っていましたが、今シーズンのチャンピオンズリーグは、重要な試合の結果がセットプレーからのゴールで左右されるケースが多かったように思います。

そうしたことを踏まえ、ブラジルW杯では各国ともゴール前でのセットプレーを強化してくる可能性があり、日本もブラジル合宿でしっかりセットプレーの守備対策をやっておくべきでしょう。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきは、まず本田選手。PKをきっちり決めてチームを勇気づけ、日本の3点目となった場面は良くあそこに詰めていました。まだ100%復調というわけではありませんが、フィジカルコンディションもだいぶ戻ってきており、ブラジルでの最後の仕上げに期待したいと思います。

香川選手の、誰も触れなくてもゴールになれば良いといった感じのクロスが絶妙でした。このゴールのように、左サイドからドリブルでカットインして左へ行くと見せかけたフェイントで相手DFを振ってシュートコースを空け、その逆をとって左右のゴール隅へ右足からミドルシュート、という形は彼にとって重要な武器になると思います。
相手にリードされているとき、次のプレーを焦ってトラップが雑になりシュートチャンスを失ってしまうシーンが二度ありましたが、そこは修正点でしょう。

大久保選手は、コスタリカ戦ではトラップが乱れてチャンスを逸していましたが、この試合は難しいトラップをピタリと決めてみせ、殊勲の決勝ゴールを奪う活躍。
ただチーム全体の攻撃がうまくいっていないとき、イライラからラフプレーをしてイエローをもらってしまったのは余計でした。大久保選手はもう精神的に大人のプレーヤーになったと聞いており心配はしていませんが、ラフプレーやシミュレーションによる退場で代表チームがピンチに陥ったことがあり、ブラジルでそこだけは注意してほしいと思います。

今はアトレチコ・マドリードの監督をやっているシメオネが、ベッカムを挑発して退場に追い込んだこと(98年W杯決勝T1回戦)や、インテルの長友選手の“師匠”だったマテラッツィにキレたジダンの頭突き(06年W杯決勝)なんかもありましたが、いずれもカッとなってレッドを食らい、退場させられた方のチームが負けています。つねに冷静さを失わず、サッカーのみならず精神面でも相手に勝つことが求められるのがW杯だと思います。

青山選手は出場時間が少ないなかで、決勝ゴールをアシストする正確なロングパスが光りました。あとはショートパスの組立てでチームにフィットすれば、先発出場の機会も十分ありえます。

 逆に、内田選手は相手の先制ゴールにからんでしまいました。対処が難しいボールだったとは思いますが、背後のC.カトンゴを手を広げ自分の体でブロックしてボールをスクリーンしつつ、足でクリアすることでCKへ逃れることができたのではないでしょうか。

西川選手も、先制された場面で対応が中途半端だったと思います。GKがゴールマウスから離れるときは、最低限ボールには触って欲しいです。

山口選手は、ドリブルするムソンダへの詰めが遅れ、ミドルシュートから3点目を許す原因に。日本のDFラインはじゅうぶん人が足りていましたから、山口選手がDFラインに入ろうとした理由がわかりません。ザンビアの2点目も、フリーになっていたシンカラを誰がマークする約束になっていたのかわかりませんが、あれも山口選手のマークだったのではないでしょうか。

遠藤選手は失点にこそつながらなかったものの、後半8分ザンビアのCKの場面でヘディングシュートを放ったC.カトンゴに競り負け、ゴール前での守備に不安が残りました。国際審判はあれをファールとはとらないと思います。

        ☆        ☆        ☆

 W杯前、最後のテストマッチとなったザンビア戦は、最後まであきらめずにゴールを奪い、勝利という結果を出したことは評価できますが、90分を通したゲームの進め方、攻守両面での個人戦術・チーム戦術双方において、課題が多く出た試合でした。

相手がコンパクトな守備ブロックをつくって組織的なプレスをかけてきた場合、先に根負けして簡単に失点するのではなくて、こちらも同じように守備ブロックをつくり、相手に先制点をやらないよう辛抱しなくてはなりません。

日本は、試合終盤でも衰えない攻撃力にストロングポイントがあると思うので、先に失点してしまうのは本当にもったいないです。

岡田ジャパンと違い、ここまでのザックジャパンは心のどこかに油断があるというか、失点の危機を察知する研ぎ澄まされた感覚が欠けているようにも見えます。

2002年W杯で3位になったトルコは、ミラン・インテル・パルマ・レバークーゼンでプレーする選手をそろえた攻撃力の高いチームでしたが、決勝トーナメント1回戦ではホームで有利な日本に対し、あえて90分間がまん強く守備をして、セットプレーの日本のマークミスを逃さず決めた1ゴールを守り切って、決勝トーナメントを勝ち抜きました。

強豪チームが1点を守り抜くと決意するとゴールを奪うのは並大抵のことではないので、日本中が味わったあの悔しさを絶対に忘れずに、失点しないようベストを尽くしてほしいです。

本番まで残された時間は少ないですが、課題を一つ一つ着実に修正していってくれることを望みます。

そこを「しょうがないよ」で済ませてしまうか、それとも一つたりともなおざりにせず確実に修正点をつぶしていくのかで、W杯の決勝トーナメントに進出して勝ち進んでいけるチームとそうでないチームとの差が出てくるのではないでしょうか。

私は、日本代表が着実に課題を修正していけると信じています。

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    2014.6.7 レイモンド・ジェームズ・スタジアム(タンパ)

     日本  4 - 3 ザンビア
 

     本田 40'(PK)         C.カトンゴ 9'
     香川 74'            シンカラ  29'
     本田 75'            L.ムソンダ 89'
     大久保 90'+


     GK 西川           GK ヌサバタ

     DF 長友           DF チセンガ 
        吉田             (チャマ 88)
        今野              スンズ
       (森重 60)           ムトンガ
        内田              ムボラ
       (酒井宏 66)        (J.ムソンダ 90+)

    MF 遠藤           MF シンカラ
      (青山 90+)          チャンサ
       山口              ルング
       香川             (L.ムソンダ 74)
      (斎藤 78)           F.カトンゴ
       本田             (フィリ 90+)
       岡崎              C.カトンゴ
      (大迫 60)
                     FW マユカ
    FW 柿谷             (ムレンガ 53)
      (大久保 46)



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