■モイーズ解任

 マンチェスター・ユナイテッドのモイーズ監督が解任されました。

これまでクラブ関係者やユナイテッドOBから「長い目で見るべき」という声もあがっていたのですが、クラブ上層部はもはや忍耐の限界に達したということでしょう。

少なくともユナイテッドを指揮している間のモイーズ監督について言えば、サッカーの本質がよくわかっていないんじゃないかと思うこともしばしばでした。

自分がチョイスした選手なり戦術なりの、どこが良くて試合に勝ちどこが悪くて試合に負けたのか、その原因を正しく理解できていなかったように見えます。

 マタがユナイテッドに来たとき、「香川選手大ピンチ」という報道が非常に多かったのですが、私は、必ずしもそうとは言えない、他の選手を生かすことができるマタと香川選手やルーニーをからませてパスサッカーをすれば、低迷するユナイテッドに革命を起こせるかもしれないと言いました。

(本ブログ記事:本田選手・香川選手のこと)

モイーズ監督は意図しなかったことでしょうが、偶然にもファンペルシーがケガで離脱したことで、モイーズ監督はルーニー・マタそして香川選手を同時起用せざるを得なくなり、実際それで良いゲームをして勝ったこともありました。

ところがトップ下で香川選手を使ってルーニーらとからませるサッカーがせっかく機能して勝ったのに、次の試合はまるで「お膳をひっくりがえすように」4-4-2で香川選手を左サイドハーフにもってくるなんてことをモイーズ監督はやっていたので、これじゃ勝てるわけないわとしみじみ思いました。
 
 ただ、今の香川選手のプレーもあまり良いとは言えません。

特にバイタルエリアで、味方がパスを受けるために顔出しをあまりしてくれないことも原因の一つですが、香川選手自身、失敗したくないという思いが強すぎるのか、ゴール方向に背を向けてパスを受け、そのままパスをくれた味方にバックパスをするという消極的で無駄なプレーが非常に多いですね。

香川選手がパスを受けてドリブルしながら周囲を見渡しているうちに、フリーだったゴール前の味方が相手DFに警戒されてマークにつかれてしまうというケースも多いです。

ミスをしたくないからボールを大切にしたいという気持ちはわかるのですが、それが状況判断の遅さや、せっかくの攻撃チャンスを逃してしまうことの原因となっています。

香川選手がようやく決断して前方にいる味方にパスを出すときも、そのパスがあまりにも速く強すぎて、味方が追いつけなかったり正確にトラップできないというシーンも目立ちます。

結果を出さなければと、肩に力が入りすぎているのかもしれませんが、パスを受ける選手がシュートやパスなど次のプレーにつなげやすいよう配慮する余裕をもつためにも、適度にリラックスしてゲームを楽しむ遊び心をもってプレーができればと思います。香川選手は技術はあるわけですから自信を持ってほしいです。

香川選手自身がバイタルエリアで味方からパスを受けるとき、ちょっとした工夫をすることで、もっとシュートするチャンスを増やせるような改善すべきポイントがあります。

たとえば、味方がバイタルエリアでフリーで前を向いたとき、香川選手が相手DFラインのウラへ走りこんでパスを受けようとするケースがけっこうありますが、香川選手は走りこむスピードが常に一定なので、効果的にパスを受けることができていません。

1例としてエバートン戦の前半のシーンを取り上げたいのですが、香川選手がフレッチャーへパス、彼が前方にいるルーニーへパスする間に、香川選手が相手DFラインのウラでパスを受けようと走りこみます。(図1)

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(図1 クリックで拡大)


ところが香川選手は走りこむスピードが常に一定なので、自分をマークしているエバートンの16番マッカーシーと併走するような形になってマークが外れません。ウラでパスが欲しかった香川選手ですが結局ボールは出てこず、オフサイドラインでひきかえさなければなりませんでした。(図2)


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(図2)


このシーンでは、フレッチャーからパスをもらったルーニーがトラップミスをしてしまい香川選手が望むタイミングでパスが出てこなかったのですが、そういうことも想定しながら、走りこむスピードを一定にするのではなく、たとえば相手の最終ラインの前のスペースで一度立ち止まって、そこでパスを待ち、そのタイミングでパスが出てこなかったら前方へ動いて、相手DFの間のオフサイドラインぎりぎりにポジショニングしパスを待つといったような工夫があれば、パスをもらうチャンスを増やすことができたはずです。

もちろん相手DFは香川選手をフリーにしたくありませんから厳しくマークしてくるでしょうが、そこで相手DFのマークを外してフリーになるための技術が重要になってきます。

たとえば、味方がクロスやパスを出せるタイミングで、自分をマークしている相手DFがこちらを見たときに走り出し、自分についてきた相手DFがボールを見るために自分から目線を外した瞬間、その場で立ち止まったり相手DFとは逆方向に動いたりするとマークが外れます。

前述のシーンにおいて、香川選手がフレッチャーにパスをはたいて前方へ走りこんだとき、マッカーシーがマーカーとしてついてきましたが、そのまま彼と一緒に併走するのではなく、マッカーシーがボールを見ているとき(図3の瞬間)香川選手がピタッと立ち止まれば、ミドルシュートを打つのに絶好な“Dのエリア”でフリーになれます。

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(図3)

“Dのエリア”でボールを持ってフリーになれたら攻めの選択肢が格段に広がります。攻撃の選手ならどうしたらそういうシチュエーションをつくれるか考えるべきです。

上図のシーンなら、香川選手がDのエリア”でパスを受けた瞬間、一人残っているエバートンのセンターバック・ディスタンがシュートコースを消すために寄せてくるでしょうから、彼をフェイントで振って抜ききらないうちにミドルシュート、あるいはドリブルでかわしてGKと一対一の局面をつくってからシュート、さらにディスタンの右にいるマタ(8番)にラストパスを出して彼に決めさせるという選択肢もあります。

足元の技術も重要ですが、このように「自分がフリーでプレーするスペースをつくる技術」も、欧州のビッグクラブでスタメンを張ってワールドクラスのプレーヤーになるためには大変重要だと思います。

暫定監督のギッグスがユナイテッドをどう立て直そうとするのかわかりませんが、残り数試合をケガに注意しながら、来季やワールドカップにつながるようなプレーを香川選手にはしてもらいたいです。




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