■東欧遠征の評価と今後の課題

 日本代表の東欧遠征は、2連敗・得点0失点3という結果に終わりました。

東欧遠征前の記事に書いておきましたが、9月11日に行われたガーナ戦は、「日本がW杯の決勝トーナメントに進出し、そこを勝ち抜いていく最低限のベースになるレベルのサッカー」であり、「今回の東欧遠征では、そのベースのサッカーをどれだけ精度を高めていけるか、ベースとなるサッカーのクオリティを維持しながら、どれだけ上積みしていけるかが課題」だと見ていました。

横浜でのガーナ戦が合格ラインの60点以上のサッカーだったとすると、それを毎試合コンスタントに維持しつつ、基礎の精度を高め応用力をつけて、65点70点とサッカーのレベルを着実に上積みしていって欲しいというのが、理想の東欧遠征のイメージでした。

もちろん調子を落とすときもあるでしょうが、一時的に合格ラインを下回っても、すぐに復調して最低限のベースとすべきサッカーのレベルをコンスタントに維持し、地に足をつけて少しづつレベルアップしていって欲しかったのです。

図にするとこうなります。(クリックで拡大)

合格

そうでなければ、コンスタントに80点以上のレベルでプレーできる、スペインやブラジル・ドイツといった優勝候補どころか、メキシコやウルグアイといった中堅国にさえ、W杯で力の差をまざまざと見せつけられることになりかねません。惨敗したコンフェデのように。

ところが現実は、ガーナ戦が好調のピークで最低限の合格ラインをコンスタントに維持することさえ出来ませんでした。(下図)

落第

強豪セルビアのホームに乗り込んで勝てるチームは世界でもそう多くはないでしょう。ブラジルW杯欧州予選ではバイエルンのマンジュキッチやレアルマドリードのモドリッチを擁するクロアチアでさえドローでしたから。

(それを考えると、ベオグラードに乗り込んでセルビアを3-0で破ったベルギーの強さがシャレにならないわけですが)

日本のマスコミはW杯に出られない国に連敗したと大騒ぎですが、「W杯に出場できない=サッカーが弱い国」というのは誤解であり、セルビア戦の結果はさほど驚くようなものではありませんでしたが、試合内容において横浜のガーナ戦で出来ていたことが出来なかったということは、チーム状態が悪化しつつある兆しでした。

そしてベラルーシとのゲームさえ落とし、結果はもちろん内容も最悪という状態になってしまいました。

その原因は、攻守におけるサッカーの基本が出来ていないから、自分たちより基本が出来ている相手に負けたという当たり前すぎる真理です。

サッカーの基本とは、前回記事であげた攻撃7つ・守備7つのセオリーです。

これを90分なり120分なりキッチリとおさえたサッカーができれば、合格ラインの60点以上のサッカーができるはずですし、今回の東欧遠征もあのような結果・内容にはならなかったでしょう。

これは「より難しいサッカー」にチャレンジすれば、できなくなってしまうというものではありません。「より難しいサッカー」はこれらの基本の上に成り立つものだからです。

今の日本代表は、「難しい大学の入試(W杯)なのだから」ということで、高いところばかりを見ており、基礎がおろそかになっているのに難問・奇問ばかりに手を出して、それがまったく解けずに自信を失っているような状態ではないでしょうか。

まだ基本である「掛け算・割り算」が完璧にできていないから、より難しい「微分・積分」の問題が解けないわけで、今は足元を見つめなおし、どんな問題を出されても「掛け算・割り算」なら満点を取れるようになってから、難しい応用問題に進んでもまだ遅くはありません。“試験本番”まで8か月あります。

少なくとも一つ言えることは、首席での合格(W杯優勝)を狙っている他の受験生(スペインやブラジル)は、掛け算・割り算のような基本問題で取りこぼすようなことはないということです。

日本はそこで取りこぼしているから、彼らと大きな差がついてしまっているわけで、どんな問題が出されても基本問題はコンスタントに満点が取れるというレベルにまで持っていかなければ、スペインやブラジルを倒してW杯優勝なんて夢のまた夢といわざるを得ません。

それが前述の、コンスタントに60点以上のサッカーをやるという意味であり、そのためには攻守14のセオリーをどんな試合でもやれるというところまでもっていかなければなりません。

それができてはじめて、基本問題が満点なのは当たり前、応用問題でどれだけ点数を上積みできるかで争っている、平均得点が80点以上のスペインやブラジル・ドイツのような優勝候補たちに挑戦する資格が得られるのだと思います。

 選手個々のレベルにおいても、東欧遠征の悪い結果にショックを受けて動揺するのではなくて、地に足をつけて足元を見つめなおし、自らの能力の「たな卸し」をすべきです。

サッカー選手にもとめられる「個の能力」には、フィジカル能力(スピード・スタミナ・ジャンプ力・コンタクトの強さ)、技術力(正確に蹴る・止める・ドリブルする・ヘディングする)・戦術理解力などがあると思いますが、ブラジル行きを目指す日本人選手ひとりひとりが、自分のどの能力が世界に通用してどれが通用しなかったのかを冷静に分析しなおすことが、「能力のたな卸し」の意味です。

そして自分はどういう能力を武器に、代表でもクラブにおいてもチーム内の競争に生き残っていくか戦略を立て、自分に足りない、それを強化したいと思う能力については、毎日の地道なトレーニングで身につけていくしかありません。

コンフェデで感じたブラジルとの個の能力差を縮めていくのは、遠回りに見えてもそれしかないと思います。

クラブチームでは自主トレを禁じているところも多いですから、ケガやオーバーワークを防ぐためにも、監督やコーチなど各クラブの首脳陣と良く相談して、「自分にはこういう能力が足りないからそれを身につけるトレーニングをしたい。それはチームのためにもなるから」という内容の話し合いをもったらどうでしょうか。

「自分にはフィジカルコンタクトの能力が足りない、相手に強く当たられるとバランスを崩し、すぐボールを奪われてしまう」と分析したのであれば、クラブのチームメイトに自分と同じくらいの体格なのにフィジカルコンタクトが強いという選手がいるなら、せっかく欧州クラブでやっているのですから、フィジカルコンタクトに強くなるにはどうしたら良いかアドバイスをもらい、その選手の良いところを積極的に自分に取り入れてはどうですか。

 W杯本番まで、あと8か月。

選手ひとりひとりが地に足をつけて、冷静に自分たちの能力を分析し、「チームの組織力」も「個の能力」も一歩一歩着実に強化していけば、まだ間に合います。

これから各選手が、クラブでの1日1日をどう過ごしていくかが、きわめて重要になってきます。




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