■日本代表、オーストラリアとの打ち合いに勝利

 東アジアカップ2013に参加している日本代表男子の二戦目の相手はオーストラリアでしたが、3-2で日本が勝利しました。

オーストラリアと日本との実力差は、日本のホームで日本勝利、アウエーで引き分け程度と見ていました。

ただ、この大会のオーストラリアは初戦の相手・中国代表とは違い、国内組中心の事実上の2軍。そうした意味でJリーグ選抜となっている日本とは互角の条件でしたが、中立地で日本の勝利という結果は順当だったと思います。

日本の試合内容も攻守にわたって前回より改善されてきましたが、やはり守備では課題が残りました。

またしても点の取り合いとなってしまったゲームを振り返りましょう。

        ☆       ☆        ☆

 キックオフから押してきたのはオーストラリア。しかし、日本は落ち着いて相手の攻勢をはねかえし、反撃に転じます。

8分、右サイドをドリブルで突破した斉藤のセンタリングを山田がボレーで狙いましたが、惜しくもゴール右。

24分、オーストラリアのFK。ゴール前でトンプソンが日本DFの前をとってヘッドしましたが、クロスバーを超えます。

26分、バイタルエリアで縦パスを受けた斉藤がターンし、キレのあるドリブルでオーストラリアDF陣をほんろう、最後はワンフェイントいれて放ったシュートが左サイドネットに突き刺さり、日本が先制。

このあと日本がやや守勢にまわり、オーストラリアが攻める展開に。

29分、日本の右サイドからマッケイがクロスをあげミリガンがヘディングシュートしましたが外れます。

37分、左サイドでパスを受けた山田のセンタリングがゴール前の豊田にドンピシャに合いましたが、シュートは残念ながらGK正面。

 後半立ち上がりも早く同点に追いつきたいオーストラリアが攻勢に出ますが、日本も守備ブロックをつくってはねかえしたあとの11分、

ゴール前中央で豊田が落としたボールを斉藤がスルー、その後ろにいた大迫が相手DFのウラへ抜け出し、シュートを落ち着いて決めて2-0と突き放します。

14分、オーストラリアのFKから日本のゴール前でヘッドの競り合い、そのこぼれをミリガンがシュートしましたが、GK権田がナイスセーブ。

攻めるオーストラリアに対し、ここまでコンパクトな守備ブロックでうまく守っていた日本でしたが、疲労のせいか徐々に選手がばらけてくると、一瞬のミスから失点してしまいます。

31分、日本の左サイドで徳永が相手と競ったこぼれをニコルズが浮き球のパス、ゴール前に走りこんだデュークが決めて2-1。

たった1つの失点でパニック状態になってしまった日本。34分にはプレスがまったくかからず、ザドコビッチのラストパスを受けたフリーのジュリッチに決められあっという間に同点に。

しかしその直後、バイタルエリアで豊田からのパスを受けた大迫が相手DFの前からミドルを叩き込み、オーストラリアに精神的ダメージを与える大きな3点目。

3分間のロスタイムもなんとかしのいで、日本がこの大会初勝利をあげました。

        ☆        ☆        ☆
 
 それでは試合内容を分析しましょう。

この試合もまず守備から見ていきますが、中国戦に比べると改善されてきています。

FWのフォアチェックで相手のボール保持者がフリーで前を向けないので、味方のDFがラインを押し上げることができ、後半30分ぐらいまではコンパクトな守備陣形をつくることができました。

相手の縦パスに対しても、相手がボールを受ける前に積極的に前へ出てカットしたり、相手のポストプレーヤーの後ろから足を出してトラップを妨害するなど、「攻めの守備」がかなりできるようになりましたね。

ところが、後半30分をすぎると心身の疲労のせいか、チャレンジ&カバーという守備の原則が守れなくなり、一瞬のポジショニング・ミスを突かれて失点してしまいました。

オーストラリアの1点目は、サイドバックの徳永選手がヘッドではねかえしたボールをニコルズが拾い、ニコルズに応対した鈴木選手のウラへパスを出されたわけですが、フォーメーションからして鈴木選手の右後方を同じセンターバックの千葉選手がカバーしていなければならないのに、どういう理由からかゴールを決めたデュークがパスを受けたそのスペースに彼はいませんでした。

TV中継のスイッチング・ミスで、どうして日本の4バックのラインが乱れたのかその直前のプレーが見えませんでしたが、ボールがサイドにあるとき、4バックが選手間の距離を空けずにスライドして、逆サイドのセンターバック・サイドバックがボールサイドへ絞るというのが戦術上のお約束のはずです。

オーストラリアの2点目も、シュートを決めたジュリッチがバイタルエリアでパスを受ける瞬間、彼をマークしていた千葉選手が逆に離れていってしまい、フリーにした相手にゴールを決められました。

ジュリッチがパスを受ける瞬間、相手に体を寄せてシュートコースを消したり、トラップミスを誘うような守備をしなければ、やられてしまいます。

1点目を取られたあと、「中国戦みたいにやられるんじゃないか」という恐怖感からチーム全体がパニック状態になってしまったのではないでしょうか。「相手に一発で抜かれたくない」という気持ちが強くなりすぎたのか、ボールを持った相手との間合いがどんどん離れていってしまいました。

相手との間合いを遠くすると、確かにすぐにはドリブルで抜かれにくくなるかもしれませんが、相手から見て左右ナナメ前へのパスコースが、がら空きになります。

そうなると相手は前方へ自由にパスを出せるようになり、パスを受ける相手選手へのマークも離していると、1歩も2歩も詰めが遅れてしまう。

すると相手のパス回しについていけず、オーストラリアの2点目のような形でやられてしまいます。

選手ひとりひとりに好みの間合いがあるとは思いますが、相手のボールホルダーと向き合うときは、2mぐらいまで間合いをつめ、ドリブル突破を警戒するとともに前方へのパスコースを消すべきです。

その上で相手にプレスをかけ、ヨコパス・バックパスをするように追い込んだらとりあえず成功でしょう。

ただしプレスをかける場合でも、つねに自分の体を相手ボールホルダーと自分が守りたいゴールとを結んだライン上に置くということを忘れてはなりません。

相手のボールを奪うことばかりに気を取られて、そのライン上から自分の体が外れてしまうと、相手と体を入れ替えられて突破されてしまいます。(相手のポストプレーを防ぐときに起こりやすい。下図がその例)

ポストプレーの守備
(クリックで拡大)
             

ポストプレーの守備2


相手のポストプレーを妨害するときは、背後から足を出してボールが奪えればベストですが、ライン上につねに自分の体を置き、相手がゴール方向へ向かってボールと一緒にターンするのを最低限防ぐこと。

その上で相手がトラップする瞬間に足を出して正確なポストプレーを妨害するべきです。

 4人のバックが自陣深くで相手選手に囲まれても、まだ細かいパスをつなごうとしすぎるところも気になります。大きくクリアしたりタッチラインにボールを出すべきところはしないと、コンフェデのイタリア戦みたいなことになりかねません。

 攻撃面は、前の試合に引き続き良かったと思います。

サッカーにおいては、守備よりも攻撃の組織を構築する方が時間がかかり難易度も高いと思いますが、チームを3年も4年も任されているのに、攻撃どころか守備組織も満足に構築できない監督さんを見かけるなか、たった数日で急造チームの攻撃をここまで組織化するザッケローニ監督の手腕は、やはりたいしたものです。

        ☆        ☆        ☆

 選手個々で特筆すべきはまず大迫選手。
1点目のゴールを冷静に決めることができましたし、2点目は相手に精神的ダメージを与える値千金のゴール。大迫選手は相手DFの前から強くて正確なミドルシュートを打てるところが良いですね。
課題はパスを受けるときにトラップミスが多いことと、パスを出すときの判断をもっと速く正確にすることで、そこを改善できればもっとプレーが良くなります。

斉藤選手は持ち味のドリブルを生かし、芸術的なゴールにチャンスメークと大活躍。
ただ、ゴールをあげたあと「今日の仕事はこれで終わり」みたいにペースダウンしてしまったところがちょっと残念でした。いいものを持っているのですから貪欲に2点目3点目を狙いに行ってほしいです。

豊田選手は安定した多彩なポストプレーからアシストを連発。あとはゴールを決めるだけですね。パスを受けたとき、自分の背後に相手DFを背負っていないときはバックパスを決め打ちするのではなく、ボールと一緒に前へターンすると、もっとチャンスになります。

逆に千葉選手は経験のなさを露呈してしまいました。
最初の失点シーンで、どうして鈴木選手をカバーするポジションにいなかったのか疑問が残りましたし、2失点目はゴールを決めた相手選手がパスを受ける瞬間、逆に遠ざかってシュートコースを空けてしまったのが致命傷となりました。鈴木選手もそうなんですが、国際レベルで通用するセンターバックに育てるには、まだまだ辛抱して経験を積ませる必要がありそうです。

        ☆        ☆        ☆

 オーストラリアとのゲームは、日本の勝利という結果は順当なものでしたし、試合内容も守備に課題が残ったものの、前回よりは改善されています。

攻撃の選手がしっかり結果を残し、代表レギュラー陣を脅かしているのが何よりの収穫でした。

レフェリングのほうも、この試合はノーマルな状態に戻ったように思います。

 ところで、この試合のTV中継には強く失望しました。

リアルタイムでのゴールシーンを逃してしまうほど、最悪のサッカー中継もありませんが、韓国のTV局がつくる国際映像に問題があったのか、リプレーだけは中継したフジテレビがスイッチングしていたのか知りませんが、やってしまいましたね。

日本のTV局はどこもそうした傾向があるので指摘したいのですが、決定的なプレーがあると日本のTVスタッフはピッチ上でプレーが再開していても、何度も何度もリプレー映像を流しますよね。

良いシーンはリプレーとして一刻も早く視聴者に見せたいという気持ちはわかるんですが、サッカー中継において一番重要なのはリアルタイムのプレーであって、リプレーなんてあとでプレーが止まったときにいくらでも見せれば良いのです。

リプレーを流し始めてピッチ上でプレーが再開したら、特に両チームのゴール前にボールが来そうになったら、その時点でリプレーを中止してリアルタイム映像に切り替える勇気を持つべきです。

それを最後までリプレー映像を流しきってしまおうとするから、「リプレーの間にゴールが決まってしまいましたー!」なんて大失態が起こるのです。

サッカー中継のテクニックにも、その国のサッカーがどれくらいのレベルにあるのか、国民のサッカーを見る目がどのくらい肥えているのかがハッキリと表れると思います。

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          2013.7.25 華城総合運動場

     日本 3 - 2 オーストラリア

       斉藤 26'       デューク 76'
       大迫 56'       ジュリッチ 79'
       大迫 79'


      GK 権田      GK ガレコビッチ

      DF 徳永      DF マクゴーワン
         千葉         スウェイト
        (栗原 82)      ノース
         鈴木         フランジッチ
         森脇
                  MF ミリガン
      MF 高橋         マッケイ
         扇原        (グッドウィン 89)
        (山口 62)      ザドコビッチ
         斉藤         トンプソン
        (工藤 73)     (ジュリッチ 75)
         山田
                  FW ビドシッチ
      FW 大迫        (ニコルズ 58)
         豊田         デューク



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