■日本代表、ロスタイムの同点弾でブラジル行き決定!

                   

日本代表、ブラジル・ワールドカップ出場決定!!

 2014年W杯アジア最終予選の対オーストラリア戦が埼玉で行われ、日本代表は後半ロスタイムの同点ゴールで辛くもブラジル行きを決めました。

対戦相手のオーストラリアは、イングランド・ドイツ・アメリカ・カタールでプレーする選手プラス国内組という、国際色豊かなチーム。

日本との実力差はホームでもアウェーでも日本が勝てる程度と見ていました。

それを踏まえると、ホームで引き分けという結果は残念でしたし、試合内容もヨルダン戦・ブルガリア戦と比べると少し改善されましたが、全体としてあまり良い出来ではなかったと思います。

それでも何とかW杯出場を決めたわけですから、今は良しとするべきでしょうか。

        ☆        ☆        ☆

それでは日本がW杯出場を決めた激戦を振り返ってみます。

前半はほぼ互角、やや日本が優勢かという展開。

6分、ゴール前左からのFKを遠藤が蹴りましたがゴール左へ。

16分、バイタルエリアに侵入した遠藤がワンフェイントで相手をすべらせると、そのままドリブルしてミドルシュート!惜しくもクロスバーの上。

18分、本田のパスを受けた岡崎がペナルティエリア内でつぶされたこぼれ球を香川が拾ってシュート、GKシュウォーツァーが倒れながら片手一本で防ぎます。

19分、クルーズからパスを受けたブレシアーノのミドルシュート、これは内田が体を張って防ぎました。

34分、オーストラリアのカウンター攻撃。ホルマンからのスルーパスを受けたクルーズがシュートするもGK川島がビッグセーブ。こぼれ球をケーヒルがシュートしますが大きくふかします。

44分、ゴール前で香川・本田らが細かくつなぎ最後は岡崎がミドルを狙いましたが、GK正面。

 コンパクトな守備陣形をつくれず、ボールを失った後の戻りも遅いために、前半はオーストラリアのカウンターに冷や汗をかかされた日本。

ハーフタイムで監督から注意があったのか後半はやや改善され、守備の安定とともに攻撃も良くなってきます。

9分、左サイドを突破した香川がクロス、ファーポストで待ち構えていた本田のシュートは残念ながら枠の外。

11分、ゴール前の本田のキープから香川がミドル、これもGK正面。

13分、遠藤のラストパスを受けた香川が左サイドの角度のないところからループシュート、ボールはバーを直撃してゴールラインを割りました。

18分、本田の無回転FKは落ち切らず、バーの上を通過。

30分、ウィルクシャーに右サイドを突破されてマイナスのクロス、ケーヒルが狙いますが、吉田が体を張ってシュートをストップ!

34分、日本は先に選手交代をしますがこれがチームに微妙な変化を与え、良い流れを失ってしまいます。

37分、左サイドを突破されオアーがあげたクロスが川島の頭上を越えてそのままゴールイン。痛い時間帯で日本はよもやの失点をしてしまいます。

後半ロスタイム、右サイドから本田のクロスがペナの中にいたマッケイの手に当たってPK獲得。本田が蹴ったボールはゴールのど真ん中に決まって値千金の同点弾!!

試合は直後に終了。

日本は5大会連続5度目のW杯出場を、世界最速のオマケつきで決めました。

        ☆        ☆        ☆

 つづいて試合内容を分析しましょう。

まず全体的に、日本の選手の動きが重かったですね。

その原因が、1年におよぶ欧州各国リーグの厳しいシーズンが終わったばかりで選手に疲労が蓄積しているせいなのか、それとも冷涼な欧州の気候に慣れてしまって、日本の蒸し暑さに適応できなかったせいなのかはわかりませんが、コンディション調整があまりうまくいっていないように見えました。

ケガから復帰した本田・長友両選手も、試合勘を含めてまだまだ本調子には至っていません。

 次に攻撃面ですが、ヨルダン戦やブルガリア戦よりも少し改善されました。

シュートに対する意識も前より強くなりましたし、ミドルシュートも少し増えました。

パスを受けたらそのままバックパスするのではなくて、トラップしつつ前方へターンする回数も増えてきました。

ただ中盤における攻撃の組み立てで、次のプレーをどうするかボールを持っている選手の判断が遅すぎます。

子供向け特撮ヒーローもので、○×ライダーが必殺技の名前をとなえながらポーズを決めている間、間抜けな悪役が何もせずそれをボケーっと見ていて、そのままやられてしまうことが良くありますが、今の日本代表はその特撮ヒーローのようです。

まるでこちらがパスを出すまで、敵がボールホルダーにプレスをかけてボールを奪ったり、フリーになっている日本の選手をマークするためにポジショニングを修正するのを待ってくれるような、真剣勝負の世界では絶対にありえないことを前提とした攻撃になってしまっています。

だからパスを受けて、前方をルックアップして、どこへパスするか考えているうちに、後ろから来た相手選手にボールを奪われたり、

グズグズ迷っているうちにフリーの味方にマークがついてしまい、常に相手の守備体勢が整ってから攻撃するような形になっていて、なかなかゴールできない原因の一つになっています。

 せっかくの日本のカウンター攻撃も、判断が遅いためにゴールにつながっていません。

相手DFが自分のペナルティエリアに入って、もう後退できなくなってからようやくラストパスを出すので、味方がシュートを打つスペースがなくなって、あまり良いチャンスになっていません。

できれば相手DFラインが下がりきる前にラストパスを出して、ウラに抜け出した味方と相手GKとの一対一の局面を作り出したいところです。

カウンターがうまく決まらないもう一つの理由は、サポートしている味方がドリブルするボールホルダーからどんどん離れていってしまうことにあります。

例えば岡崎選手の例をあげると、相手DFのウラでパスを受けたいのはわかるんですが、ひたすら外へ外へと走っていって、ウラへ抜け出してパスを受けた後のことを考えていないように見えます。

アウトサイドへいけばいくほど、パスを受けた後ゴールの角度がなくなってシュートが難しくなります。

ウラへ抜けるダイアゴナル・ランをするときはドリブルする味方とあまり離れすぎず、ウラへ抜け出すときはなるべくゴール中央へ向かって走るべきです。

そうすればパスを受けた後ゴールしやすくなりますし、ドリブルする味方と適切な距離を保っていれば、ボールホルダーが本田選手だとすると、岡崎選手がパスを受けてもう一度本田選手に戻してワンツーの形でDFラインを突破、本田選手と相手GKとの一対一をつくるということもできます。

 今度は守備をチェックしましょう。

前半はコンパクトな守備陣形がつくれず、オーストラリアのカウンター攻撃で危ない場面を何度かつくられてしまいました。

ゲームの後半は監督からの指示があったのかDFラインを高く押し上げて、コンパクトな陣形もまずまずつくれていました。

これによってオーストラリアのロングボール攻撃への対処もうまくいったのではないでしょうか。

まず日本のDFラインを高く押し上げておいて、相手がロングボールをFWへ蹴った瞬間、あえて相手FWをフリーにヘッドさせて、こちらのセンターバックは数m後退します。

そして相手FWがヘッドで落としたボールを拾うことに集中するというやり方をとっていたように見えましたが、これはかつてボローニャでプレーした身長193㎝のスウェーデン人FWケネット・アンデルソン対策として、セリエA各チームがとっていた戦術ではないでしょうか。

ただ、チーム全体として攻守の切り替えが遅く、相手ボールになっても守備への戻りが遅くて、安定感に欠けるものでした。

こちらもまるで、日本の守備が整うまで相手が攻撃するのを待ってくれることを期待するような、のんきなプレーぶりでした。

このままの守備では、ブラジル・イタリア・メキシコのコンフェデ三連戦で、8~9点はとられることを覚悟しなければなりません。

        ☆        ☆        ☆

選手個人で特筆すべきは、プレッシャーのかかる中、見事PKを決めた本田選手。
本当にW杯で優勝を目指すなら、彼のような強いメンタル・積極性・ゴールへの執念を持った選手があと10人は必要です。ただ、まだ試合勘がもどっていないのでしょうが、次のプレーへの判断が遅かったのは致し方ないのかもしれません。

遠藤選手は、相手をフェイントでかわしながらバイタルからのミドルシュートが良かったですね。遠藤選手にあのようなシュートが1試合3本ぐらいあってその1本でも決まれば、日本の攻撃のバリエーションがぐっと厚くなります。

吉田選手は、フィジカルの強い相手に競り負けることなく安定した守備ぶり。ファールで相手をとめざるを得ないシーンもほとんどなかったんじゃないですか。体を張って相手の決定的なシュートも一本止めています。プレミアでレギュラー・センターバックをはっている経験が大きいですね。

 逆に、川島選手はビッグセーブもあったんですが、やや不運な形から失点。
オアーのゴールはミスキックだったと思いますし、GKとしても一番難しいボールでしたが、やはりゴールマウスへ向かうボールはGKの責任とせざるを得ません。落下点の判断はどうだったか、後退するときのステップの仕方に改善点はないか、GKとしての能力向上に期待したいです。

        ☆        ☆        ☆

 監督の采配面では、オーストラリアが先制点をあげる直前、79分の選手交代は明らかな采配ミスだと思います。

それまで日本は良い流れでプレーしていましたし、特別いじらなければならないところがあったとは思えません。

ザッケローニ監督としては、栗原選手を入れて「より確実に」引き分けを狙いに行ったのかもしれません。

しかし、サッカーの試合の流れは両チームの微妙なバランスの上に成り立っているものであり、名監督といえどもそれをいじって、流れがどう変わるか完全に予測することも困難だと思います。

押されているとかゲームの流れが悪くなったわけでもないのに選手を替えると、失敗するケースが多いのではないでしょうか。

ザッケローニ監督は同じような采配ミスをアジアカップ2011の準決勝・対韓国戦でもやっています。

日本が1点リードして迎えた延長後半11分、FW前田選手の代わりにDF伊野波選手を投入して5バックにしましたが、攻撃が手薄になって防戦一方となり、ゴリゴリのロングボール攻撃で同点に追いつかれたことがありました。

イタリアのチームですと、「残り10分を失点せず守りきれ」と指示してDFを交代投入しても守りきれるんでしょうけれど、トルシエいわく「守備の文化がない」日本の場合、なかなかそれができないんですよね。

サッカーは守備側に有利なスポーツで、極言すれば「攻撃側にとって今一番嫌なこと」を常にやっておけば、そうそう点を取られることはないはずですが、「まわりに迷惑になることは絶対にしちゃいけません」といって育てられる日本人にとって、相手がやられて今一番嫌なことは何かを考えて実行することに、なかなか慣れないのかもしれません。

ともかく、ザッケローニ監督も3度同じ采配ミスを繰り返さないよう、この試合から教訓をくみとって欲しいと思います。

        ☆        ☆        ☆

 日本のW杯出場が決まって気持ち良い記事が読みたかった方には申し訳ないんですが、日本代表はW杯参加が目的という段階から次のステップへ進むべき時だと思います。

ほとんど負けゲームをドローにした粘り強さは評価できますが、この試合の結果は残念でしたし、試合内容も改善は見られたものの、あまり良くはありませんでした。

2010年W杯でベスト16に進出した後、アルゼンチンにテストマッチで勝ったころまでは、代表の各選手がもっとひたむきに走り回って、攻守にわたってもっと組織的でした。

昨年6月のW杯予選・対ヨルダン戦(6-0)は結果・内容ともザックジャパンのベストゲームだと私は考えていますが、今の代表はあのころのひたむきさを失っているように見えます。

日本人選手はまだまだ個の力が世界トップレベルと比べて弱いので、攻守にわたって相手に走り勝たなければ、W杯で決勝トーナメント進出は見えてこないと思いますが、チーム全体に「ビッグクラブの選手がいるから大丈夫でしょ」みたいなうぬぼれを感じます。

欧州でやっている選手の多くもあまり成長が見られません。

香川選手の活躍で欧州で日本人の評価が高くなっていますが、それぞれのクラブで実力を示せなければ、日本人への評価もバブルと消えかねません。そのあたりどの程度まで危機感をもってやっているのでしょうか。

世界中のプロサッカー選手でも限られた人しかプレーできない、ブラジルW杯という一生に一度の最高の舞台で素晴らしい経験ができるかどうか、それはすべて自分たちの努力次第なのに、地に足をつけず油断したまま大会に突入して惨敗を喫するなら、とてももったいないことだと思います。

 次のイラク戦は厳しい暑さが予想されますが、良い結果と良い内容の試合でW杯予選を締めて、コンフェデへとつなげていって欲しいです。

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            2013.6.4 埼玉スタジアム2002

      日本  1 - 1  オーストラリア

        本田(PK)90'+      オアー 82'



      GK 川島        GK シュウォーツァー

      DF 長友        DF ウィルクシャー
         今野           ニール
         吉田           オグネノフスキ
         内田           マッケイ
     (ハーフナー 85)
                    MF ブレシアーノ
      MF 遠藤           ミリガン
         長谷部         クルーズ
         香川          (トンプソン 90+)
         本田           ホルマン
         岡崎          (ビドシッチ 72)
        (清武 87)        オアー

      FW 前田          FW ケーヒル
        (栗原 79)
 



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