■今はクラブに専念させるべき

 皆さん、ちょっと遅れましたがあけましておめでとうございます。

ようやく日本の景気も少し良くなってきて、自分の仕事もさらに忙しくなってきました。

というわけで、今年も代表戦の前後を中心にぼちぼちと更新していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 ザックジャパンの2013年は、2月6日に神戸で行われるラトビアとのテストマッチでスタートします。

すでに海外でプレーする選手に招集レターが出されたようですが、マンチェスター・ユナイテッドでプレーする香川選手だけは、W杯予選直前に行われる3月のカタール合宿まで、クラブでのプレーに専念させてあげて欲しいと個人的には思います。

そりゃ、代表で香川選手のプレーを見てみたいのはやまやまですけど、香川選手はようやく長期のケガが癒えて、チーム内でのポジションを確立するために非常に重要な時期にさしかかっています。

彼がユナイテッドで成功できるか否かは、日本サッカー界全体にとっても今後の発展に大きな影響を与える可能性がある問題です。

特別な事情がないかぎり、ザッケローニ監督とも話し合って彼の招集は今回は見送りにすべきではないでしょうか。

 さて、その香川選手のクラブでのプレーぶりですが、良くなってはきたものの周囲との連係にまだ課題があるように見えます。

それは、イングランドのサッカースタイルに今一つなじめていないことが原因ではないでしょうか。

イングランドでは伝統的に、なるべく手数をかけずにシュートまで持ち込む「ダイレクトプレー」が好まれます。

具体的に言えば、フォーメーションは中盤をフラットにした4-4-2がオーソドックスで、相手からボールを奪ったらすぐに2トップ目がけてロングボールを放り込みます。

トップが相手バックと競り合いながら落としたボールを、もう一人のFWかセントラル・ミッドフィルダー(CM)が拾ってミドルシュート、あるいはミドルパスで両サイドに展開して味方のサイドバックと協力しながらサイドハーフ(SH)がゴール前へクロスし2トップのどちらかがシュート、という攻撃を基本パターンとするのが伝統的なイングランド・スタイルのサッカーです。これを恐るべきハイテンポでひたすら繰り返します。

これがイングランドのサッカーに特徴的なクセです。

私は試合をフォローしていませんが、今でもフットボールリーグ・チャンピオンシップ(二部)以下のクラブでは見られるスタイルではないでしょうか。

イングランド・スタイルのFWには、ポストプレーで相手バックに競り勝ちヘディングやボレーシュートが得意な、屈強なフィジカルを持つ選手が求められます。

代表選手で言えば、リバプールなどでプレーしポストプレーに抜群に強かったヘスキーや、古いところではアラン・シアラーなんかが典型でしょう。ルーニーは足元も上手いので良い意味であまりイングランドのFWらしくないのかもしれません。

CMは、中盤でのボールの奪い合いに競り勝ち、ロングやミドルのパスで局面を打開するとともに、正確なミドルシュートの能力も求められます。

リバプールのジェラードやチェルシーのランパードが代表でしょう。

SHは、ライン際から正確なクロスをあげる能力や、相手のサイドの守備を突破するドリブル能力が求められます。

前者の代表はかつてユナイテッドでプレーしていたベッカム、後者はチェルシーなどでプレーしたジョー・コールなんかが思い浮かびます。

その点細かいパス交換を多用し、たくさんボールを触ることでリズムをつくっていく香川選手は、本来のイングランドサッカーとはリズムが異なる選手で、こういうタイプの選手はイングランドでは稀でした。

ドイツサッカーは伝統的にワンツーを多用してグラウンダーのパスで攻撃を組み立てていく文化を持っていますので、その中でプレーしても香川選手は違和感がないというか、逆にゴール前で違いがつくりだせる選手として大活躍をしました。

ところが、ユナイテッドはやや古いスタイルのイングランドサッカーを今も引きずっているような印象を受けます。

そのためCMや特にバレンシアのようなクロスが得意なSHから、香川選手が欲しいタイミングでドンピシャのパスが足元に出てこない、というケースが多くなっているのではないでしょうか。

イングランドサッカーは香川選手が好む、バイタルエリアにいる味方の足元に細かいパスをつけて中央突破していくような攻撃は、もともとあまり得意としていません。

もしユナイテッドがチャンピオンズリーグで優勝したいなら、ロングパスを多用してひたすらサイドからクロスをあげるような、大味な「古き良きイングランドスタイル」ではちょっと厳しいと、個人的には思います。

そのあたりファーガソン監督がどう考えているのか今一つわかりませんが、ドイツやスペインなど欧州大陸のチームのようにパスで攻撃を組み立てていくつもりがあるなら、香川選手のプレースタイルは大いに生きてくるでしょう。

ですから香川選手はファーガソン監督と良くコミュニケーションをとって、監督がどういうスタイルを目指しているのかということを再確認すべきです。

「パスで攻撃を組み立てるサッカー」を目指していくつもりなら、チームメイトとも話し合って「こうしたいから、このタイミングでこういったパスが欲しい」と攻撃のイメージを共有した方が良いでしょうし、イングランド的な「ダイレクトプレー」で行くなら、香川選手がそのスタイルに合わせるしかありません。

また「組み立てるサッカー」で行くとしても、プレミアの選手には体に染みついたリズムがありますから、香川選手も多少は周囲に合わせていくことも必要かもしれません。

つまり中盤でルックアップしてボールをゆったり持ちたくなったとしてもそれは避けて、ショートパスでつなぐ場合もなるべく前方へワンタッチで出すダイレクトパスを増やし、ボールを前方へ運ぶのとは直接関係のない、リズムを整えるような味方とのバックパスや横パスの交換をできるだけ削っていくということです。

マンチェスター・シティーのダビド・シルバやチェルシーのフアン・マタなど、プレミアのリズムとは違う異色の選手が活躍している例はあります。

彼らがどうプレミアに適応したのかを研究することは、香川選手にとって大きなヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

 あとは香川選手自身、プレミアでプレーすることをあまり難しく考えすぎないことですね。

プレミアは決して甘いリーグではありませんが、ちょっとクセが違うだけで香川選手が大成功したブンデスとはとんでもなくレベルが違うというわけではないからです。

「ドイツであれだけできたんだから」と良い意味での余裕を持って、まわりの選手をリスペクトしすぎず自信を持ってゴールという結果を積極的に追い求めて欲しいです。

ゴールという結果が出れば、周りからの信頼感も高まって、もっとボールが集まってくるでしょう。

プレミアのクセを理解しそれに適切な対応策をとれば、香川選手ならきっと成功できます。

彼の今後の活躍を楽しみにしています。




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