■ベネズエラとのテストマッチは収穫少ないドロー

 札幌でベネズエラとのテストマッチが行われ、日本代表は1-1で引き分けてしまいました。

対戦相手のベネズエラはコパアメリカ2011で4位に躍進、ブラジルW杯予選でもホームでアルゼンチンを破り、南アフリカW杯4位のウルグアイとはアウェーで引き分けるなど、南米の急成長株です。

日本との力関係はホームで日本の勝利、アウェーで引き分け程度と見ていました。

ただし、今回来日したのがメンヘングラードバハのアランゴやルビン・カザンのS.ロンドンら主力を欠く1.7軍といったところだったので、日本が確実に勝利したいところでしたが、引き分けという結果は残念でした。

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 試合立ち上がりは、コンパクトな4-4-2から厳しくプレスをかけてくるベネズエラがやや優勢か。

6分、ベネズエラの速攻から前線でボールを受けたフェドールが伊野波を1対1でかわしシュート、これは川島がファインセーブ!

キックオフから15分ぐらいでベネズエラのペースが落ちて日本の反撃開始。本田から右サイドの駒野へパスが出て、駒野が相手選手の股を抜いて突破してからのマイナスの折り返しを遠藤が冷静に決めて日本先制!

21分、遠藤のパスを受けた岡崎からのパスを本田がシュートするがクロスバーに当たって外れます。

28分、ベネズエラのFKから最後はゴンサレスのミドルシュートを食らいますが、ファーポストをかすめて外れました。

後半もロッカールームでカツが入ったのかベネズエラが立ち上がり優勢。

5分、カウンターからフェドールが右サイドを突破、中央へのパスをセイハスがシュートしますが、水本がかろうじて足に当てて救われます。

15分、左サイドからの長友のクロスを香川がフリーでヘッドしますが惜しくもゴール右へ。

17分、左サイドでボールを奪ったベネズエラのカウンター、マルティネスのドリブルに対して水本が対応を一瞬迷ってパスを許してしまい、ペナルティエリア内でこれを受けたフェドールには吉田がついていたものの、ボールを見失ったところを押し込まれて同点に。

22分、本田からのパスを受けた長友が強烈なミドル、GKが前にこぼしたボールは岡崎に当たり、前田がそれを拾いましたがシュートは打たせてもらえず。

30分、右サイドを突破した駒野のクロスはファーポスト側でフリーだった香川にドンピシャに合いましたが、シュートをクロスバーに当ててしまいます。

試合はこのままドローに終わってしまいました。

        ☆        ☆        ☆

 それでは試合内容の分析に入りますが、海外組は既に開幕を迎えた選手あり、まだプレシーズンマッチの段階の選手ありとコンディションがバラバラで、この前のオーストラリアとのW杯予選よりも、ゲームの質が攻守にわたってがっくりと落ちてしまったのはやむを得ないことなのかもしれません。

陣形がタテにも横にもコンパクトさを保てなかったので、ベネズエラのカウンターから何度か危険な形をつくられて1失点。

攻撃においても、選手の運動量が走れる選手とそうでない選手とでまちまちで、攻めの形が限られていました。

9月のイラク戦までにはすべての選手のコンディションが整って、オマーンやヨルダンとの試合で見せてくれたような高いクオリティーを取り戻してくれるとは思いますが、このままの内容ではもちろん不合格です。

        ☆        ☆        ☆

 選手個人で特筆すべきはまず駒野選手。
豊富な運動量でサイドを突破し、質の高いクロスから再三好機を演出しました。

折り返しを正確にゴールへ流しこんだ遠藤選手も素晴らしいです。ただし、ボールの持ちすぎから相手に囲まれて奪われたシーンがあったのは頂けません。

岡崎選手も攻守に汗をかきサイドからのチャンスメークにがんばりました。後はゴールという結果だけ。

この試合の最重要課題は、次回予選で出場停止の今野・栗原両選手が抜けたDFラインの穴を埋めてくれる選手を探すことでしたが、まず伊野波選手。

ヨルダン戦の記事でも触れましたが、伊野波選手は外国人FWに応対する時いっぱいいっぱいのように見えます。

この試合でも立ち上がり、ペナルティエリア内で相手FWとの一対一で抜かれ、シュートを許してしまいました。

後半からテストされた水本選手ですが、まずまず無難に対応できたものの、失点シーンでは自分に向かってドリブルしてくる相手選手に対し、パスコース・シュートコースを消すために前へ出なければいけないのに一度下がってしまい、彼のこの試合唯一のポジショニングミスが失点の原因に。

シュートしたフェドールについていた吉田選手も、一度はシュートを防ぎましたがボールを一瞬見失ったところを相手にプッシュされ同点弾を献上。オリンピックからの連戦で疲れていたのかもしれませんが最後まで集中力を保って欲しいですね。

長谷部選手も、中盤の競り合いでフィジカルの強い相手にやや劣勢で、並走してドリブルする相手に振り切られるシーンも。遠藤選手もそうでしたが、相手の攻めに戻りが遅れてセンターバックの前のバイタルエリアを広く空けてしまったのも、失点ゼロに抑えられなかった一因となりました。

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 このテストマッチ最大の課題であったDFラインの再構築ですが、駒野選手は合格点以上でしたがセンターバックの穴は依然として埋められませんでした。

どちらかと言えば伊野波選手より水本選手の方が現時点では見込みがありそうに見えますが、W杯予選で実戦投入できるレベルまで引き上げるにはしばらく辛抱して育てていく必要がありそうです。

特に失点シーンにおいて、ゴールに向かってドリブルしてくる相手への対応に一瞬迷って、後ろに下がってしまったのは決して見過ごせないミスです。

水本選手でも他の選手でも良いですから、今から次のW杯予選がある9月まで、ザッケローニ監督とスタッフ陣がJリーグ各クラブをまわって「これは」と思うセンターバックに対し、「正しい体の使い方」「正しいポジショニングの取り方」など個人レッスンをしてはどうかと思います。

現在の日本サッカー界は攻撃にはだいぶ良い選手がそろってきましたが、世界に通用するセンターバックが手薄というのはやや深刻な問題ですね。

 また、この試合で再びはっきりしたのは、香川選手にとってサイドハーフは適材適所ではないということ。

後半、本田選手をワントップにあげましたが、それをやるなら香川選手をトップ下で試して欲しかったですね。

ザッケローニさんは歴代日本代表監督で最高レベルの指導者であるのは間違いありませんが、あまり機能していない香川選手のサイド起用にこだわったり、将来を見据えて宮市選手に経験を積ませるような起用をかたくなに拒んでいる点について、私は賛成できません。

そこで一つ提案なのですが、もし本田選手のトップ下がどうしても譲れないのであれば、FCバルセロナのメッシのイメージで、香川選手のワントップにして左サイドにはウインガータイプの選手(宮市・永井選手など)を入れたらどうかと思います。

香川選手は彼がもっとも得意とするゴール前中央のバイタルエリアからペナルティボックス内で動き、トップ下の本田選手とタテの関係で入れ替わりながら相手DFラインを崩してどちらからでも点がとれるゼロトップ・システムのようなイメージです。

ペナルティエリア内でのドリブルやワンタッチプレーで崩すなら香川選手、フィジカルを生かしたポストプレーが欲しいなら本田選手が最前線に上がって香川選手がトップ下に下がってサポートする。

これならばゴール前中央で本田選手と香川選手が共存できると思うのですがどうでしょうか。

ゼロトップ
(クリックで拡大)

リスクをおかしてもどうしても1点取りたいという時は、長谷部選手をアンカーに、本田選手と遠藤選手が横並びになる4-1-2-3にするのも一つの案です。

        ☆        ☆        ☆

 今回のテストマッチは、引き分けという結果も残念でしたし、試合内容の方もあまり良くありませんでした。

9月のW杯予選までにはコンディションも含めて、圧勝したW杯予選・ヨルダン戦のレベルまできっちりと調整してきて欲しいです。

イラク戦までに埋まらないセンターバックの問題解決は急務ですし、香川選手をワントップにもってくることも含めて、失敗できるテストマッチがあと一試合ありますから、ザッケローニ監督にはもっと柔軟に、思い切ったテストをやって欲しいと思います。

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          2012.8.15 札幌ドーム

        日本  1 - 1  ベネズエラ

      遠藤 '15     フェドール '62


      GK 川島       GK エルナンデス        

      DF 長友       DF ロサレス
         伊野波        トゥニェス
        (水本 46)       R.フェルツチェル
         吉田          シチェロ
         駒野
        (槙野 87)    MF セイハス
                      (オロスコ 90)
      MF 遠藤           F.フローレス
         長谷部         (ベラスケス 70)
        (細貝 62)        A.フローレス
         香川          (ルセナ 54)
         本田            ゴンサレス
         岡崎         (F.フェルツチェル 74)
        (藤本 74)
                   FW フェドール
      FW 前田          M.ロンドン
        (中村 74)      (マルティネス 61)




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