■なでしこ史上初の銀メダル!!男子は残念...

 10日にイングランドサッカーの聖地・ウェンブリースタジアムで行われた五輪サッカー競技の女子決勝、残念ながらなでしこは1-2でゲームを落とし、アメリカが五輪三連覇を達成しました。

試合はW杯の雪辱に燃えるアメリカの攻勢ではじまり、前半8分に日本のペナルティエリア(PA)内からあがったセンタリングをアメリカのロイドに押し込まれて先制されます。

サッカーは、キックオフ後の10分間とタイムアップまでの10分間に点が入りやすいと言われますが、一番気をつけなければいけない“魔の時間帯”に失点したことにより、苦しいゲーム展開を強いられます。

これが五輪決勝戦の重圧なのかもしれませんが、クロスを入れたアメリカの選手に対する寄せが甘く、日本の選手が数が足りていたのに体が動かずボールウオッチャーになってしまったことで正確なクロスを許し、ファーポスト側にもワンバックをはじめアメリカの選手を二人もフリーにしてしまったことが敗因でした。

ここからなでしこが本来のパスサッカーで反撃に出ますが、シュートは相手GKのファインセーブやクロスバーに弾かれるなどしてなかなか追いつけません。

宮間選手のキックをPA内にいたアメリカの選手が手で止めたシーンもありました。

体の横幅から手を出してボールをはたき落としたのでPKをとっても良かったのではと思いましたが、主審は流しました。

後半もやはり、立ち上がりの魔の時間帯になでしこが失点してしまいます。

ドリブルするロイドに日本の守備陣がズルズル下がって、シュートレンジに入ったところで強烈なミドルを浴びて0-2。

後ろのDFラインが整ったら誰か一人は相手のボールホルダーにプレッシャーをかけないと、こうなってしまいますね。

しかし後半18分、宮間選手・大野選手とつないで澤選手がシュート、これはいったん防がれますが、こぼれ球を澤選手がもう一度プッシュ、最後は大儀見選手が押し込んで一点差に詰め寄ります。

その後、同点に追いつくチャンスもありましたが決めきれず、1-2のスコアのままタイムアップ。

なでしこは銀メダル獲得となりました。

 なでしこのロンドン五輪を総括しますと、「手堅く史上初の五輪メダルを取りに行ったな」というのが私の感想です。

W杯優勝国として対戦相手から研究されたこともあったのでしょうが、どちらかと言えばなでしこ本来の攻撃的パスサッカーを前面に押し出したというよりは、まず手堅く守りから入って、負けないサッカーをやっていたように感じます。

そのため、攻撃面では相手にポゼッションされる試合が多く、本来のパスサッカーが顔を出したのはようやく決勝戦でアメリカに先制されてからという印象です。

守備面でも、連戦の疲労があったのかもしれませんが、この大会のなでしこは陣形がやや間延びしがちであり、特に両センターバックの前のスペースを広く開けていたため、相手に危険な形を多くつくられたり、ボール・ポゼッションで劣勢になる要因の一つとなっていました。

このあたりが、次回W杯や五輪に向けての課題でしょうか。

それでも、女子サッカー界ではオリンピックが事実上最高の大会と位置付けられていますから、日本女子サッカーチームとして初めての五輪メダル獲得、それも銀メダルというのは歴史的快挙だと思います。

選手・監督はじめ関係者の皆さん、本当におめでとうございます。

残念ながら澤選手にとって五輪はこれが最後ではないかと思うのですが、なでしこにとっては一つの時代の区切りを迎えたということであり、日本女子代表が五輪で金メダルを獲得するという壮大なプロジェクトは、次の世代の目標として引き継がれることになります。

なでしこの皆さんは自宅に着くまでがオリンピックですので、気をつけて帰ってきてください。本当におつかれさまでした。

 一方韓国との3位決定戦にのぞんだ男子代表でしたが0-2でこちらも試合を落としてしまいました。

立ち上がりの攻撃をしのいだあとは日本がボールを支配して韓国を押し気味でした。

GKチョン・ソンリョン、ボランチのキ・ソンヨン、攻撃のク・ジャチョルやパク・ジュヨンといったあたりはフル代表の選手たちですから、それを押し込んだ中盤における攻撃の組み立ては悪くなかったと思います。

しかし、日本は味方のボールホルダーへのサポートが遅く、アタッキングサードで相手を決定的に崩すような運動量が少なかったというのは、準決勝のメキシコ戦と同様。

シュートへの積極性も足りませんでした。

相手を押し込んでもゴールを決められないうちに、前後半にそれぞれ韓国のロングボールのカウンターから2失点。

これまでの五輪の試合でもしばしば見られたことですが、DFの誰かひとりが相手選手と空中戦を競ったり、相手ボールホルダーと一対一になっているときに、正しいチャレンジ&カバーのポジションが取れていません。

一人が空中戦を競ったら離れたところをトボトボ歩いているのではなくそちらの方へ寄って行って、こぼれ球を予測してそれを拾えるカバーのポジショニングを取る。

味方が相手ボールホルダーと一対一になっているときは、味方と横並びになってボールを奪いに行くのではなく、味方の少し後方にポジショニングして、前がプレスをかけてそれを抜きにかかった相手が体からボールを放したときにそれを奪うといったことができていれば、これほど簡単にカウンターにやられることはないはずです。

メキシコ戦では初めてリードを奪われて、リードされた状況を想定した心構えがなかったせいか精神的にガックリ来てそのまま試合を落としてしまいましたから、この3位決定戦では精神的に成長したところを見せてほしかったのですが、やはりそのままチームを立て直せませんでしたね。

 男子のロンドン五輪を総括しますと、グループリーグでスペインを破ってベスト4進出というのは素晴らしい結果でした。

ただ、男子は年齢制限のある大会であり世界最高レベルの大会はW杯ということになります。

日本五輪代表も課題は決して少なくないように思います。

攻撃では、永井選手のカウンターが猛威をふるいましたが、攻撃が単発ぎみでした。

フル代表が半分混じった韓国も含めてアジアレベルではボールをポゼッションできますが、エジプト・モロッコのアフリカ勢やメキシコ・ホンジュラスの中米勢といった世界を相手にすると中盤の争いで押され気味だったということ。

その原因は攻撃における東選手と両ボランチの運動量の少なさ、サポートの遅さにあったと思います。

そのためこちらが先制できたときは良いのですが、一度でも相手にリードされると同点に追いつく力がありませんでした。

「相手に1点取られるとそれがすべて」というのではこの先サッカーになりません。

スペイン戦で引いてカウンターという戦術が当たったので、次の試合以降「とりあえず相手の出方を見よう」といったぐあいに、選手が気持ちで受け身になってしまったのかもしれませんね。

守備では、コンパクトな布陣からのプレスディフェンスで準決勝に進出するまで無失点と良く守りましたが、「(特にボランチやDFは)自陣深くで相手選手をドリブルやフェイントで抜こうとしてはいけない」「味方が相手のボールホルダーにチャレンジしたら、隣のポジションにいる選手はやや後方に下がってカバー」という、U-20までにはしっかり身につけておきたい個人戦術ができていません。

このあたりは選手個人だけでなく、日本の育成システムを含めての課題だと思います。

そのために44年ぶりのメダルを逃すという高い授業料を払うこととなりました。

アメリカのビジネス界では「フェイル・ファスト(若いうちに失敗しておけ)」という言葉があります。

一番重要なのは「大事なところで失敗した選手はもういらない」ではなくて「この経験をどう生かし、困難を乗り越えて成熟したプロのフットボーラーになるか」です。

個人で特筆すべきは、まず大津選手。

運動量がチーム一番であり常にボールに関与しつづけようとする積極性も良いですし、何よりガッツが素晴らしい。準決勝の先制ミドルは本当にビューティフルでした。

大津選手ぐらいがんばれる選手が中盤にあと3人いれば、金メダルも狙えました。

永井選手の速さはイギリスにセンセーションを巻き起こし、ベスト4進出の原動力になりましたね。
ただ、この先高速カウンター一本では研究されて苦しいと思います。

清武選手はカウンターの起点となるなど攻撃の中心に。
フィジカルの強い相手には劣勢になり消える時間帯もあるのが今後の課題。

残りの選手は、テクニック・戦術理解・フィジカル能力そしてメンタルの強さにおいて世界と戦うにはまだまだ物足りません。

 関塚監督については、惨敗したツーロンからチームを良く立て直しベスト4進出は素晴らしい成果でした。

ただ、守ってカウンター以外の戦術オプションが見えなかった点、相手が守備で待ち構えているところを遅攻で崩して点を取りきるまでの戦術指導ができなかった点は、2010年W杯監督の岡田さんと似ていました。

守備で失点に直結する個人戦術の誤りを修正できなかったことも含めて、世界レベルの日本人監督が誕生する上での課題かもしれません、

厳しい連戦おつかれさまでした。男子も気をつけて帰ってきてください。




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