■日本代表、ウズベキスタンに苦杯

 2014W杯アジア3次予選の締めくくりとなるウズベキスタン戦が豊田で行われ、日本代表は0-1と敗れました。

 対戦相手のウズベキスタンは、主力選手数人が前試合でわざと警告をもらって最終予選への累積警告持ち越しを無くそうとした事をFIFAにとがめられ、2試合の出場停止処分を受けています。

よって今回来日したメンバーは国内と中東でプレーする若手が多いチーム。

ホームでもアウェーでも日本が勝利できるだけの実力差があると評価していましたが、ホームで日本の敗戦というのは決してあってはならない結果でしたし、試合内容も悪かったです。

        ☆        ☆        ☆

 まずは試合経過を振りかえります。

立ちあがりは、組織的でハードなプレスをかけてきたウズベキスタンがやや優勢の展開。

日本は、思うようにパスが回らないことに焦ったのかパスミスが多く、リズムをつかめません。

それでも徐々にチャンスを作りだせるようになりました。

16分、香川がドリブルで持ちあがって右サイドへパス、ウラへ抜け出したハーフナーが中央へ折り返すが、相手にクリアされます。

22分、香川からのスルーパスを受けた岡崎がトラップで相手をかわしシュート!惜しくもゴール左上を叩いたボールがはね返りますがハーフナーは触れず。

28分、左サイドからゴール前へドリブルで切れこんだ長友がゴール前へシュート性のラストパス、ハーフナーがスライディングしたが合いませんでした。

44分左CK、遠藤のキックに吉田が飛びこむが、肩に当たってしまいボールはクロスバーの上へ。

 後半も厳しいプレスをかけハードワークしてくるウズベキスタンが優勢な展開。

後半9分、右サイドを突破されハサノフのクロスをナシモフがヘッド、川島がよく足に当てましたがこぼれたボールをシャドリンが決めてウズベキスタンが先制。

ゲームの流れを失った日本はなかなか攻撃の糸口がつかめません。

ようやく27分、ゴール前での混戦から乾→岡崎→李とつないで香川がシュートしますが、倒れこんだ相手選手にブロックされました。

この後、35分すぎからパッタリと足が止まり自陣へ戻れなくなった日本に対してウズベキスタンが再三のカウンターアタック。

相手のシュート精度の低さに助けられ追加点こそ奪われませんでしたが、このままホイッスル。

ホームの日本が相手に勝点3を献上してしまいました。

        ☆        ☆        ☆

 いつものように試合内容の分析です。まず攻撃から。

この試合、ウズベキスタンも最終予選突破が決まっていたものの、本気モードでよく連動した組織的で厳しいプレスをガチガチかけてきました。

それに対して日本の選手はパスが回らないことに焦ったのか、パスミスがとても多かったですね。

そもそもパスを引き出すための運動量が少なく、立ち止まって味方のボールホルダーを見ている選手が多かったので、初めから無理筋のパスを出してはボールを失っていました。

こういう場合、相手のプレスの動きよりこちらが多く動いてポジションを修正していかなければ、パスは回っていきません。

相手のプレスがきつくパスが回らないときも、90分間強いプレスをかけ続けられるチームというのはまずありませんから、焦らず辛抱強く長短のパスで相手を走らせて、相手のスタミナを消耗させるような大人のサッカーができるようにならないといけません。

 バイタルエリアに入ってからの課題は、ここ数試合ずっと言い続けていることですが、最後の最後までパスで崩すことにこだわりすぎて、シュートへの意識が低いこと。

ペナルティエリア周辺で前を向いたら、自分のシュートでゴールを決めるという強い意志を全ての選手に持ってもらいたいです。

敵陣内で時間をかければかけるほど相手は戻っていき、シュートが困難になります。

70%のゴールチャンスが来たのにシュートせず、「もうちょっと手数をかければ100%のチャンスになるんじゃないか」と考え、ペナの中でパスを選択しているうちに相手がポジションを修正してしまい、いざシュートを決断した時にはゴールチャンスが30%に下がってしまいシュートが防がれる、今の日本はそんな感じです。

 次に守備面ですが、前半はコンパクトなブロックをつくって組織的なプレスをかけることができていましたが、後半になるとチーム陣形がバラけてしまって、相手の攻撃にとても脆弱な状態になってしまいました。

特に失点の場面ですが、攻守のトランジション(切り替え)がとても遅く、5人ぐらいしかゴール前へ戻ってきていなかったので、あれではやられるのが当り前。

日本の選手たちに体力面で問題があったのか、「俺たちアジアチャンピオンだから戻って守備しなくても大丈夫」という油断があるのか、トランジションの遅さも3次予選でずっと指摘している修正点ですが、なかなか改善されませんね。

こぼれ球への反応も日本の選手は常に相手に一歩遅れ、「必ずマイボールにする」という研ぎ澄まされた感覚がありません。

相手は公式戦モードで100%ファイトしてきたのに、こちらはフレンドリーマッチ・モードで行ってしまったのかは分かりませんが、相手とのフィジカルコンタクトもほとんど劣勢で、こちらが体を寄せてもウズベキスタンはボールをキープでき、逆に相手にガチガチこられると、バランスを失ってボールを奪われてしまいました。

日本サッカー界も世界一流のコーチを招聘し、相手に当たられてもバランスもボールも失わず、逆にこちらがボールを奪えるような体の使い方の習得、選手の体づくりに抜本的に取り組まないと、この先厳しいと思います。

せめてフィジカルコンタクトの能力で世界平均まで持っていければ、より技術の高さが生きるように思うのですが。

 選手個々で特記すべきは、まず香川選手。

攻めの中心としてプレーしましたが、以前よりパス能力が上がったのはよいのですが、シュートへの意識が低すぎたのがとても残念。

ドルトムントでやっているように、バイタルエリアで前を向けたらもっと自信をもってシュートを打つべきでしょう。

年齢に関係なく「自分のゴールでチームを勝利に導いてやる」というリーダーシップが欲しいですし、シュートが打てるのに始めからパスに“決め打ち”しているようなプレーが多かったように思います。

藤本選手はバイタルエリアでフリーでパスを受けたのに、トラップミスからチャンスをつぶしていたのがもったいないです。

ハーフナー選手はこういう時こそ、フィジカルの強さを生かして前線でボールをキープし、周りで動く選手を助けるようなプレーをもっとがんばって欲しい。

乾選手は、フィジカルの強い相手にあまり機能せず。香川選手とプレースタイルがかぶっていたかもしれません。

後半投入の李選手もゲームに入れずほとんど消えていました。

 監督の采配面では、長友選手の交代で攻撃のカードを一枚失ったのは不運でしたが、既に行き詰まっている戦局の打開策として、香川選手と似たタイプの乾選手投入はどうだったでしょうか。

香川選手らと一緒にパス・パスで煮詰まっちゃった感じがしました。

むしろ体が大きくてフィジカル能力があり、スピードに乗ったドリブル突破からシュートが打てる宮市選手のような、違うタイプの選手を入れたほうが攻撃に変化が与えられたように思います。

孫子の兵法でしたか、「兵は拙速を尊ぶ」と言いますが、戦術理解が完璧でないから宮市選手を使わないというのは、いささか消極的な理由だったのではないでしょうか。

 ウズベキスタンが相手となった3次予選の最終戦は、あってはならない敗戦という結果となりました。試合内容も攻守にわたってよくありませんでした。

日本の最終予選突破は決まっていますが、目標であった第一シード獲得が可能かどうかは不透明です。

これで6月の最終予選まで皆で一緒にトレーニングや練習試合をする時間がないというのは、かなり懸念される事態です。

 最後にこの試合のレフェリー団ですが、接触すれば95%こちらのファール、ドリブルする長谷部選手が手で引っ張られてもそれを見逃し、後半45分の日本の決定機はオフサイドで取り消し、時間を浪費するようにロスタイムのCKはなかなか笛を吹かないなど、ハッキリと日本に対する“悪意”を感じました。

おそらくアジア最終予選の組み合わせ抽選で利益を得るであろう国の政治力(つまりイカサマ)が働いていたのだと推測しますが、それをものともせず勝つぐらいの強さを日本代表には見せて欲しかった。

それにつけてもおんなじようなことが2010W杯予選、横浜でのカタール戦(あの時はマレーシア人審判でした)でもありましたし、情けないですね。

他のサッカー強豪国のホームで、あからさまなアウェーチームびいきのレフェリングやったら、スタジアム全体から殺気が向けられることでしょう。

日本のホームゲームにそういう審判団がアジアサッカー連盟(AFC)から平気で送りこまれてくるということは、それだけ日本サッカー協会(JFA)が非力でナメられているということです。

ピョンヤンであそこまでひどいことされて、JFAが北朝鮮サッカー協会とFIFAに送ったのが「意見書」ですよ。

で「日本はそういう意見なんですね」でFIFAに軽く流されて終わり。

JFAの皆さんはキ×タ×をカーチャンのお腹の中に忘れてきましたか?
「抗議文」の間違いではないでしょうか?

別にインチキでPKもらえるような力を持てと言っているわけではありません。

せめて日本のホームゲームには公平中立なレフェリーがAFCから送られてくるように、JFAに政治・外交力をつけて欲しいのです。

たぶん欧州でプレーしている選手たちは同意してくれると思いますが、私は以前アメリカ人やインド人の同僚と仕事して身に染みて感じたことがあります。

それは、国際社会において自分がおかしいと思ったことはどんどん主張して戦わないと、大切なものは何も守れないということです。

アメリカではこう言います。

No guts, No glory.

(ノーガッツ・ノーグローリー=度胸なくして栄光なし)

語学力も重要ですけどそれが国際社会で生き抜くための最低限のスキルであって、サッカーに限らずそれを身につけているのがこれからの日本に求められる人材です。

草食系だか知りませんがビクビクしながら場の空気読んで「相手に嫌われるようなことは言わないでおこう」なんてやっていても、「気配りができる人」として尊敬されるのは国内だけ。

国際社会ではアホ扱いされて、周りに都合良く利用されるだけです。

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       2012.2.29 豊田スタジアム

     日本  0 - 1  ウズベキスタン

              シャドリン '53


     GK 川島     GK ネステロフ

     DF 長友     DF イノモフ
       (駒野 84)     イスマイロフ
        今野        フィリポシャン
        吉田        アンドレーエフ
        内田       (ラフマトゥラエフ 58)

     MF 遠藤     MF ハイダロフ
        長谷部       カパーゼ
        岡崎        マグデーエフ
        香川       (キリチェフ 83)
        藤本        ハサノフ
       (乾 60)
                FW ナシモフ
     FW ハーフナー    シャドリン
       (李 66)      (サロモフ 65)




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■コメント

■Re: 日本代表、ウズベキスタンに苦杯 [Cruyffist]

寄せ、シュート意識、審判団などについてはお書きの通りでしょう。
私は今野、吉田のCB陣を以前から危険因子と見ております。この試合でも競り負けが目立ちました。
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