■今年一年ありがとうございました

 2011年最後のエントリーは、FCバルセロナの優勝に終わったFIFAクラブワールドカップの話題です。

決勝のバルセロナVSサントスは皆さんもご覧になられたかと思いますが、まさにバルサの圧勝でしたね。

前半の3ゴールで早くも試合が決まってしまいました。

サントスも従来の南米チームにありがちであった、個の能力の高さだけに頼ったチームでは決してなく、流れの中で3バックと4バックを使い分けつつ、コンパクトな守備ブロックをつくって相手が使えるスペースを限定して守るという、現代サッカーの主流となっている組織ディフェンスでバルサを迎え撃ちました。

しかしその上を行ったのがバルサの攻撃力でした。

相手に限定された狭いスペースをものともせず、シャビを中心にした敵選手のあいだあいだでボールを受けて回していくショートパスによる攻撃の組み立てに、メッシやイニエスタの鋭いドリブルが適切なタイミングで織り交ぜられて、サントスの守備組織をズタズタに引き裂いていきました。

今やアジアのセカンドクラスの代表チームでさえ、縦横にコンパクトな守備ブロックをつくってゾーンで守る組織ディフェンスが常識となっています。

このような守備ブロックを引きぎみに構築されると、相手のDFラインの前にも背後にも使えるスペースが少なくなって、攻撃する側にとってゴールをこじあけるのがとても骨が折れる作業となります。

グラウンダーのショートパスを中心にして、高いチーム組織と高い個の能力がうまく調和したバルサの攻撃スタイルは、現代サッカーで主流となっているそのような組織ディフェンスを崩すのに、もっとも効果的でもっとも成功しているものと言えるでしょう。

ジーコジャパン時代に日本で流行した、「組織サッカーは選手の個性をダメにするから、個の自由にもとづくサッカーが理想である」というトンデモ理論をあざ笑うかのような、バルサの圧勝劇でした。

 次にあげたいのが柏VSサントス戦におけるネイマールの先制ゴールです。

柏のセンターバック(CB)の前方、いわゆるバイタルエリアで前を向いたネイマールは、自分の前に相手DFがいてもお構いなしに、強くてよく曲がる正確なミドルシュートを柏ゴールに叩きこみました。

ワールドクラスの選手になるとあの距離から、例え自分の前に相手DFが立ちはだかってシュートコースを消しにこられても、じゅうぶん正確にゴールにねじ込める範囲内なわけです。

日本人選手がまだ世界と差をつけられている分野の一つですね。

香川選手はミドルシュートの分野において、もう少しで世界レベルに手が届きそうな感じがするのですが、ほとんどの日本人選手は下図のように、パスで相手CBを抜いてペナルティエリア(PA)に侵入してからでないと、なかなかシュートを打とうとしません。

シュートレンジが短い
(クリックで拡大)

いや、PAに侵入した後でさえパスを出せる味方をまだ探している感じがします。

11月の北朝鮮戦におけるロスタイム、ドリブルでPAに侵入した長谷部選手にはハーフナー選手へのパスではなくてシュートを打ちきって欲しかった。

自分のシュートが決まるかどうかで、チームが勝ち点をゲットできるかどうかの非常にプレッシャーがかかる場面でしたが、キャプテンだからこそその責任とプレッシャーに打ち勝ってシュートを打って欲しかったです。

もちろんゴールになれば言うことなしですが、たとえ外れたとしてもシュートという前向きで積極的な挑戦を選択したキャプテンを非難する人はいないでしょう。

プレー選択の優先順位はまずシュートであって、それがどうしてもできないときにドリブルやパスといった選択肢を検討するのが基本セオリーです。

日本人選手は世界と比べて、こうした最重要セオリーを体で憶えることを育成年代で徹底されずに大人になってしまっているように感じます。

世界トップレベルと比べると、日本人選手が正確にシュートの打てる射程距離は短い傾向にあります。

PAの外から、相手CBがシュートコースを消しにきても、その前からシュートを打って正確にゴールに叩きこむことができる選手がチームにいるかどうかで、W杯においてどこまで勝ち進んで行けるか相当違ってくるでしょう。

日本が前回以上の成績、ベスト8以上を目指すなら、このあたりは大きな課題です。

上図の黄色い枠内からシュートを打って50%以上の確率でゴールできる選手がいれば、ベタ引きの相手から点をとらなければならない試合でもかなり楽になると思います。

 今年は東日本大震災という未曾有の大災害があり、「自分の人生これからどうなってしまうのだろう」と考えながら柱にしがみついていることしかできなかったあの30分間は、一生忘れられない長い長い瞬間でした。

日本サッカー界に残された震災の傷跡も大きいものでしたが、震災チャリティーマッチでのカズ選手のゴールと渾身の「カズダンス」、東北魂を見せてくれたベガルタ仙台の大健闘、そしてなでしこジャパンのワールドカップ優勝と、サッカーによって日本が勇気付けられることも多かったですね。

日本がアジア単独首位となる、アジアカップでの4度目の優勝もありました。

今年も多くの良い試合が見られたことに感謝しつつ、読者の皆さん・日本そして世界にとって、来年は良い年になるよう強く祈念いたしております。

それでは皆さん、良いお年をお迎え下さい。






↑今年も応援ありがとうございました。


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