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■日本代表、失敗の経験をどうするか

 W杯アジア3次予選、日本代表の最終予選進出が既に決まっている中で行われたアウェーの対北朝鮮戦は、0-1で落とす結果となりました。

対戦相手の北朝鮮は国内組をベースにドイツやスイスでプレーしている選手を合わせたチーム。ホームでもアウェーでも日本が勝てるだけの実力差があると評価していました。

この試合の日本は控え組中心だったとはいえ0-1という結果は残念でしたし、試合内容も良くはありませんでした。


        ☆        ☆        ☆

○試合経過

 試合は、ほぼ北朝鮮ペースで進みました。

前半6分、ロングボールを受けたチョン・テセが反転してシュート、GK西川がナイスセーブでCKへ逃れます。

16分、右サイドからのクロスをパク・グァンリョンがヘッド、日本のペナルティエリア(PA)内で混戦になりながらも今野が倒れたままクリア。

26分、ゴール前中央で栗原がハンドを取られFK。これをパク・ソンチョルが蹴るが西川がナイスキャッチ。

選手負傷でゲームが止まるとザッケローニ監督が長谷部・中村を呼んで指示、ここから少しゲームをつくれるようになります。

28分、相手ボールをカットした長谷部が右サイドの駒野へパス、駒野のゴール前クロスを岡崎がつめるが届かず。

しかし前半の終盤は防戦一方に。

41・42・45分と北朝鮮にこちらの左サイドを突破されてクロスボールから再三ピンチを招きますが、ゴール前で体を張って相手のヘディングシュートを防ぎました。

 後半5分、セットプレーからのロングボールにゴール前の栗原がマークをずらし、フリーでPA内に落とされたボールを駒野が競り負け、最後はパク・ナムチョルに押しこまれて北朝鮮先制。

15分、前田が落としたボールを岡崎がミドルシュート!これは相手GKがジャンピングセーブ。

後半も半ばになると北朝鮮は1点を守りきる姿勢に転換。
日本も内田を投入して3-4-3システムに変えて局面の打開を図ります。

29分、清武のFKから岡崎がヘッドするもゴール右へ。

34分、相手ボールをカットした内田がミドルシュートしましたがGKがセーブ。

43分、長谷部がドリブルでPA中央へ持ちこみハーフナーへパス、ハーフナーは中央へ折り返し李がゴールへ流し込みましたがオフサイド。

これが最後のチャンスとなって0-1のままタイムアップとなりました。


       ☆       ☆       ☆

 それでは試合内容の分析です。

試合全体を通してですが、日本代表にまずサッカーの一番ベーシックな部分、「1対1の球際の競り合いに闘って勝つんだ」という姿勢が見られませんでした。

こちらが余裕を持ってプレーできないよう北朝鮮は厳しくプレスをかけてきてミスを誘うことに成功していましたが、日本はリトリートしてパスコースを消そうとするだけなので、相手のボール保持者は余裕でボールが持てるために相手の意図するプレーを自由にやらせてしまいました。

また空中から落ちてくるボールも、相手の選手は走りこんでヘッドで競ってくるのに対し、日本の選手はその場で立ち止まって見ているだけのことが多く、これでは1対1の競り合い・サッカーの一番ベーシックな部分で勝つことができません。

Jリーグを見ていて気になるのは、ブンデスリーガやプレミアシップと比べて、相手のボール保持者に対するプレスが弱く、1対1のフィジカルの闘いもさほど厳しくないことです。

W杯本大会で日本が戦う相手というのは、強いフィジカル能力に加えて足元の技術まであるわけですから、言われたからこの試合だけやるということではなくて、日本代表が戦う全ての試合で、こういったサッカーの一番ベーシックな部分でまず勝つんだという気持ち・姿勢を絶対に忘れてはいけません。

 続いて攻撃面ですが、タジキスタン戦でのエントリーでも課題としてあげておきましたが、この試合でもシュート意識の低さ・シュートそのものの少なさが改善されていません。

相変わらずペナルティエリアの中に侵入してさえパスで相手を完全に崩すことにこだわっているため、シュートが打てるのに打たず、細かすぎるパスが相手にひっかかったりしてシュートチャンスを失っています。

後半43分にドリブルでPAに侵入した長谷部選手のスルーパスがオフサイドになったシーンが象徴的。

この試合、日本の選手たちは相手の攻勢とスタジアムの雰囲気に完全に飲まれたように見え、失ったゲームの主導権をピッチ上の選手だけで取り戻すことができませんでしたが、いくらパスを回していてもシュートしなければ相手はまったく怖くありません。

しかし「今のシュートはヤバかった」と相手に思わせるようなシュートを打つことで、相手は後ろを気にせずガンガン攻め上がることをためらうようになり、奪われた試合の主導権を取り戻すことができます。

シュートを打てばGKが前へこぼすかもしれませんし、相手選手に当たってコースが変わりゴールになるかもしれない。

サッカーはシュートを打たないことには何も始まりません。

 また相手はマンマークぎみの5バックのように見えたのですが、チーム全体の運動量を増やし特に前田・岡崎・清武の前線の3人がもっと動いて相手DFをつり出して、空けたスペースを誰かが使うということをやらないと相手の守備が崩れません。

今どき3もしくは5バックでマンマークぎみに守るチームというのは珍しいですが、マンマークの3バックが全盛だった90年代には常識だった崩し方のセオリーを良く思い出して欲しいです。

 さらに中盤のパス回しでも細かいミスが多かったのですが、人工芝への適応に失敗したのではないでしょうか。

グラウンダーのパスを出すとき、自然芝のピッチなら最初は細かくバウンドさせても芝がクッションとなってすぐ完全なゴロになるのですが、人工芝では一度バウンドさせるとトントントンと最後まで続いて完全なゴロになかなかならないというのが特徴でした。

そのためトラップミス・パスミスをする日本の選手が続出。

3次予選をやる前からピョンヤンでは人工芝でやる可能性があると当ブログでさんざん指摘しましたし、10月の神戸(ベトナム戦)・大阪(タジキスタン戦)合宿で人工芝に慣れておく練習もできたはずなのにやらず、試合前日の北京合宿までひっぱったのは疑問でした。

最終予選突破が決まっていたからと言えばそれまでですが、さらに北京でも選手の疲労を考えて人工芝対策を回避したツケが出てしまった感じです。

この先人工芝ピッチで試合をすることもそうそうないとは思いますが、しっかりと教訓にして欲しいです。

 こんどは守備面を見ましょう。

以前のエントリーで「ウズベキスタン戦のように、タテ・横に間延びした陣形では失点するリスクが高くなってしまいます。相手に押しこまれても、タテ・横にコンパクトな4-4のブロックをつくり、冷静に相手の攻撃を封じこめ、自分たちの流れになった時にゴールをあげて試合を決定づけて欲しい」と書いておきました。 

北朝鮮はロングボールとフィジカルとヘディングを使ってボールを前へ運ぶサッカーをしてきましたが、この試合も日本は守備のときタテ・ヨコに間延びしていたため、1人1人がカバーすべきスペースが広くなりすぎて、ロングボール攻撃を受けるとことごとく相手に拾われ、サイドからクロスをあげられたときも再三危険な形をつくられてしまいました。

そのためゲームの主導権を失い、冷静さを失いゲームを落としてしまいました。

この問題点については前回エントリーでも指摘しておいたのですが、メンバーが入れ替わったとはいえ、やはり改善されません。

昨年は、守備のとき両サイドハーフがボランチの脇まで下がって4-4-1-1になり、タテにもヨコにもコンパクトなゾーンディフェンスができていたので、アルゼンチンの攻撃をシャットアウトできました。

ザッケローニ監督もテクニカルエリアに出て、盛んにアコーディオンを縮めるようなジェスチャーをして、「コンパクトに」と指示を出していましたね。

あの時は本当に点を取られる気がしませんでしたが、今は見る影もありません。

その原因は、3-4-3を練習しているうちに選手がゾーンの4バックのやり方を忘れてしまったからではないでしょうか。

3-4-3より、まずゾーンの4バックを基礎からみっちりとやり直して守備を安定させて欲しいです。でないと最終予選に向けて不安が残ります。

さらにザッケローニ監督は3-4-3をやりたいためにサイドもセンターもやれる万能型DFを多く召集していますが、そういった選手は本職のセンターバックよりもフィジカル能力や高さで劣る場合があり、今回のようにフィジカルを全面に出してガチガチ当たってくるチームと対戦したとき、やはり不安が残ります。


        ☆        ☆        ☆


選手個々で特筆すべきは、まず栗原選手ですが、失点シーンを含めゴール前で相手へのマークを簡単にずらしてしまうシーンや、フィジカル負けしてしまうシーンが目立ちました。

今の状態ですと、インターナショナル・レベルで通用するのは難しいように思います。

細貝選手も、攻撃ではトラップやパスの不正確さが気になりましたし、かといって現状、かつての名ボランチ福西選手(磐田などでプレー)のような絶対的な守備力、フィジカル能力や対人能力があるわけでもないということで、今後どういう特徴を出して代表のポジション争いをしていくのか再考が必要ではないでしょうか。

GK西川選手ですが、GKは攻めの起点であり素早いリスタートが求められるときもありますが、この試合のように相手にゲームの流れが行っていて味方が押されているとき、同点もしくはリードしている状態であるならば、相手のシュートをキャッチしたらわざと時間をかけて相手の良い流れを断ち切るようにしたり、味方に冷静さを取り戻させる時間をかせぐといった工夫が必要です。


        ☆        ☆        ☆


 アウェーでの戦いとなった北朝鮮戦は、結果も残念でしたし試合内容も良くありませんでした。

監督が控え組中心のメンバーを組んだのは、彼らに実戦経験を積ませ成長をうながすという目的があったのでしょう。

その点を踏まえれば、ピッチに送り出された選手たちだけで相手の攻勢を冷静に封じ込め、気迫をもってそれを押し返し、自分たち本来のプレーを取り戻して欲しかったのですが、それができず残念でした。

今後にむけて良い「失敗の経験」になったと思います。

W杯本大会で、スペインやオランダ・ドイツなどを相手に決勝Tを戦うときの重圧はこんなものではありません。

将来これをより大きな成功へと結びつけられれば良いですし絶対にそうして欲しいのですが、前回述べたとおりFIFAランキングが落ちて最終予選の組み合わせに悪影響がでないことを祈ります。


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 2011.11.15 キムイルソン・キョンギジャン(ピョンヤン)

       北朝鮮  1  -  0  日本


 パク・ナムチョル④ '50


   GK リ・ミョングク       GK 西川

   DF チョン・グァンイク    DF 駒野
     (リ・ペフン 75)        栗原
      リ・グァンチョン        今野
      チャン・ソンヒョク       伊野波
      パク・ナムチョル⑭
      リ・グァンヒョク     MF 長谷部
                       細貝
   MF パク・ソンチョル22      清武
      チョン・イルグァン      (李 85)
      パク・ナムチョル④      中村
                       (内田 62)
   FW チョン・テセ           岡崎      
     (パク・ソンチョル⑦35)
     (リ・チョルミョン 87)   FW 前田
      パク・グァンリョン       (ハーフナー 76)




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