■今後の強化ポイント

 8月1日よりザックジャパンの合宿がスタートしましたが、今日はブラジルW杯に向けての代表の要強化ポイントを国際サッカー戦略研究所なりに考えてみたいと思います。

 ザックジャパンの今後の強化を考えていく上で、まず焦点となってくるのが遠藤選手がいるボランチのポジションでしょう。

ブラジルW杯が開催されるころには遠藤選手は34歳になりますが、彼がいつまでトップコンディションを維持できるのか、もっか最大の関心事ではないでしょうか。

2010年W杯に向けて、岡田ジャパンは中村俊輔選手を軸にしたチームをつくったわけですが、南アフリカへ行くメンバーの登録をすっかり済ませた後で中村選手のコンディションが大会に間に合わないことが判明。

戦術からフォーメーションから全てを変更せざるを得なくなったわけです。

W杯直前に岡田ジャパンが大敗を繰り返したのは、中村選手のコンディション不良がすべての原因ではありませんでしたが、ブラジルでは同じことを繰り返したくはないものです。

「私のチームに替えの効かない選手はいない」と言うザッケローニ監督もそのあたりはちゃんと考えていると思いますが、遠藤選手がブラジルW杯まで世界で戦えるトップコンディションを維持できるシナリオと、そうすることができないシナリオの両方を想定して、今後の強化を考えていかなければならないでしょう。

たとえブラジルに間に合ったとしても、遠藤選手も永遠に現役というわけにはいきませんから、代表ボランチの後継者づくりは急務です。

ただ、フィジカルが強くてある程度守備のできる本田選手は別としても、ドルトムントの香川選手がいて、ブラジルW杯までにアーセナルの宮市選手が伸びてきた、バイエルンへ移籍した宇佐美選手も成長して是非とも代表のウイングやサイドハーフに入れたくなった、そのうえ長友・内田の両サイドバックが攻撃参加でガンガン上がるなんてことにでもなれば、ボランチに攻撃力はあるが守備力の弱い“レジスタ”タイプを入れると攻守のバランスが崩れて、あまりにも守備のほうが手薄になってしまいそうです。

攻撃陣とのバランスの兼ね合いや今後どういうタイプの選手が伸びてきてポジション獲得競争に勝つかといった諸条件によって、遠藤選手やピルロのような攻撃力のあるレジスタタイプが後継者として入るか、それともデヨングやガットゥーゾみたいなボール狩りの得意なタイプが入ってくるか変わってきそうです。(デヨングの、あまりにも汚いところは見習ってはいけませんけど)

ザッケローニ監督は細貝選手や家長選手、柴崎選手あたりを後継候補と考えているのでしょうか。それとも今回合宿に呼ばれた選手の中から抜擢されるのでしょうか。

個人的には、大けがをしてしまってとても残念なのですが、FC東京の米本選手にも今後の成長を期待しています。

 次に焦点となるポジションはセンターフォワードでしょう。

アジアカップでは磐田の前田選手がレギュラーでしたが、やはりそろそろ後継者を考えなければならない年齢にさしかかっています。

ザッケローニ監督は李選手を継続的に呼んでいますが、残念ながらキリンカップのチェコ戦ではフィジカルの強い相手に苦しみ、ほとんど機能しませんでした。

震災チャリティマッチのころから何度か言っていますが、個人的には甲府のハーフナー選手にも期待しています。

日本にはなかなかこういうタイプのFWがいませんし、身長の高さや体の大きさがワントップ向きのように思います。

香川選手のようなドリブラータイプと組み合わせると、なおさらタイプの違いが生きて代表の攻撃に幅が広がるのではないでしょうか。

それに甲府というシュートチャンスが少ないであろうチームに所属していながら、Jリーグのゴールランキングトップを走ってきたのも評価できます。

ようやく今回の代表合宿に呼ばれましたが、こういうタイプのFWが代表に一人ぐらいいても面白いのではないでしょうか。

 最後にセンターバックについて。

アジアカップで浮かび上がった課題として、日本よりフィジカルで勝る相手がロングボールをガンガン放りこんできてゴリゴリのパワープレイできた場合でも、ビクともしない絶対的な守備の安定感がほしいということがあげられると思います。

南アフリカでも、グループリーグ第3戦で日本に先制されたデンマークがロングボールを徹底して放りこんで来ましたが、中澤・闘莉王の両CBが安定した高さ・フィジカルの強さを見せて勝利に貢献しました。

現在のレギュラーは今野選手と吉田選手ですが、今野選手は対人では強いですが世界レベルのチームと当たったとき高さの面ではどうなのか今後チェックしたいポイントです。

高さという点では吉田選手に期待ですが、組織的なゾーンディフェンスのセオリーといった戦術理解や相手FWとの駆け引きなどで、まだまだ経験を積んでいく必要があります。

栗原選手もそれほど代表に呼ばれているわけではなく、アジアカップの決勝で岩政選手がキューウェルとの一対一で何度かやられていたのも気になりました。

こう考えるとセンターバックのポジションは、まだ頭抜けた選手がいない状態ではないでしょうか。

センターバックを軸とした守備の安定なくして勝利はありませんので、このあたりも要強化ポイントでしょう。

その他のポジションには言及していませんが、もちろん「もう強化は必要ない」ということではありません。

日本人監督さんにありがちな「この選手と心中する」といったような、何があっても絶対にレギュラーから外さない“聖域”となる選手をつくるのを私は好みませんし、むしろレギュラー陣を脅かすような選手がどんどん出てきて代表がより一層レベルアップすることを希望します。

ケガやレッドカードのケースもありますし、各ポジションの層は厚ければ厚いほど良いです。

 代表サポが100人いれば100通りの「理想の代表スタメン」が出てくるかと思いますが、個人的には現時点でこういう組み合わせでやったらどうなるか興味あります。


構想
(クリックで拡大)

フォーメーションは従来通り4-2-3-1にしていますが、トップ下には香川選手を入れてみました。

最近、本田選手も流れの中からの得点力をアップさせてきており、誰をトップ下にするかちょっと迷いますが、よりレベルの高いリーグでの得点力の高さをとって香川選手としてみました。

ドリブルからのゴール奪取というドルトムントで香川選手が本来得意とするプレースタイルを生かすならば、やはりサイドハーフよりも相手センターバックの前でプレーできるトップ下の方が良いのではないでしょうか。

実際アジアカップ・カタール戦でのゴールはそういう形からでした。

本田選手は3-4-3の右ウイングに入った時でも動きが良かったので右ハーフとしてみましたが、中へ切れ込んでトップ下の香川選手やワントップのゴールをおぜん立てしても良いですし、香川選手からリターンをもらって本田選手自身が決めても良いでしょう。

本人は嫌がると思いますが、遠藤選手に「もしも」のことがあれば、ある程度守備もできる本田選手をレジスタとして起用してみるのも面白いかもしれません。
 
左サイドハーフは運動量豊富な岡崎選手にしましたが、ブラジルW杯までの宮市選手や宇佐美選手、あるいは他の選手の成長度合いによって、このポジションに入る選手が変わってくる可能性が十分あります。

ボランチは、遠藤選手がいつまでトップコンディションを維持できるかが一つの焦点。

もう一人のボランチでキャプテンの長谷部選手と長友・内田の両サイドバック、そして川島選手が君臨するGKのポジションは、今のところレギュラー陣を凌駕する人材が現れていないように思います。

やはり合宿に呼ばれている柏の大型サイドバック酒井選手も今後のがんばりによっては十分チャンスがあるでしょう。センターバックとしても世界に通用するなら貴重な人材となりますし、ザック監督好みのタイプかもしれません。

具体的な選手名が書いてないポジションは、前述した通りまだ頭抜けた選手がいない要強化ポイントと考えているところです。

もちろんあくまでも「現時点」ですから、今後どういう選手が伸びてくるかによって、誰がどういうポジションに入ってどういうフォーメーションを組むかは変わってくるでしょう。

というか、レギュラー陣を脅かすような世界レベルの選手がどんどん出てきて欲しいですね。

それがブラジルW杯での日本代表の成功につながっていくはずです。

ワントップに関しては、今までのレギュラーは前田選手でしたが、個人的にはハーフナー選手がどれくらいできるか見てみたいです。

 今回は、ブラジルW杯に向けた代表の強化ポイントについて考えてみましたが、W杯予選で勝利という結果を残しながら選手を育てチームを強化していくことは容易いことではありません。ですが、ブラジルで南アフリカ以上の成功を勝ち取りたいなら避けては通れない道です。

最後に、W杯予選では守備の安定が欠かせません。

南アフリカW杯や同じ年のアルゼンチン・韓国とのテストマッチぐらいまでは、相手に点を取られる気がしなかったのですが、アジアカップでは失点がやや多かったですね。

アジアカップ優勝にうかれることなく自分たちの足元をしっかりと見つめ直し地に足をつけて、縦横にコンパクトな4バックのゾーンディフェンスをつくる時の約束事を思い出すための練習を、誰がどのポジションに入るにしても予選が始まる前までにキッチリとやっておかねばなりません。




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