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■アジアカップ総括(その2)

アジアカップ総括その1からの続き)

 それでは選手個々の働きはどうだったのかを見ていきます。

この大会で一番成長が見られたのは主に右サイドハーフを担当した岡崎選手ではないでしょうか。

彼の一番良いところは、隙あらばゴールを狙ってやろうというシュートへの高い意識。

サウジ戦のハットトリックは素晴らしいものでしたし、彼の前へ前へという積極的な姿勢からPKをゲットし何度チームが救われたことか。

韓国戦における前半18分のシュートやオーストラリア戦の後半20分のシュートも惜しかったのですが、日韓戦や決勝戦ということでやや力んだかなと思います。

ああ場面でもシュートを冷静に決められるようになれば、世界で通用するアタッカーにより近づけることでしょう。

左サイドバックの長友選手のインテル移籍はびっくりでしたが、この大会の彼の働きぶりも凄かったですね。

無尽蔵のスタミナで左サイドをかけあがり、前の選手を抜ききらないうちにダイレクトのクロスという形から、岡崎・前田選手などがゴールを量産しました。

日本が優勝を決めたゴールをアシストしたのも彼でしたが、あの試合長友選手は15km以上走っていたはずで、(普通の選手は90分で11kmぐらいが平均でしょうか)そんな状態からあの正確なクロスが出せるのですから本当に驚きです。

インテルでレギュラーポジションを獲得して世界一の左サイドバックになれるよう祈っています。

香川選手も準決勝の途中で負傷退場は残念でしたが、バイタルエリアにおいて個で局面を打開してゴールへ持っていく彼の能力には大きな可能性を感じます。

カタール戦での同点ゴールは圧巻でしたし、正直トップ下に入ったらどうなるか見たい気もしました。

早くケガが完治してほしいものですが、今後の彼の成長がさらに楽しみになってきました。

トップ下を任された本田圭選手は、大会当初はトップ下の感覚が戻っていないのかボールを持ちすぎてしまいチーム全体の攻撃のリズムを悪くしてしまいましたが、カタール戦以降は良いパスをどんどん出せるようになり、攻撃の組み立ての中心として活躍しました。

ただ岡崎・香川両選手に比べると、2列目の選手として流れの中からゴールするというプレーに関しては不満が残ります。

フリーキックもそろそろ一本決めるか、せめてワクの中に飛ばしたいところです。

決勝戦のゴールで脚光を浴びた李選手のボレーシュートは素晴らしかったのですが、まずはクラブでレギュラーポジションを獲得することが課題でしょう。

前田選手も自らゴールしたり他の選手のためにスペースをつくったりと良い動きをしていました。韓国戦の前半43分のシュートシーンですが、「たかだか韓国戦」ぐらいに考えて8割程度の力で冷静にゴールに流し込めるようになれば、もっと良いFWになれるでしょう。

遠藤・長谷部の両ボランチも地味ながらチームを土台からしっかりと支え効いていました。

特に長谷部キャプテンはチームリーダーとして板についてきて、シリア戦で川島選手を退場させたレフェリーに、「間違った判断を下すと決勝トーナメントで笛が吹けなくなりますよ。それはあなたのためにならない」と語りかけたと報じられていましたが、チームの「外交官」としてネゴシエートできるところもとても素晴らしいです。

守護神・川島選手も、シリア戦・カタール戦と今一歩の出来でしたが、準決勝・決勝とまさに鬼神の働き。

90年代前半の松永成立選手に始まり、川口・楢崎の両雄がしのぎを削る時代が長く続き、今は川島選手と日本は良いゴーリーを継続的に輩出できているアジアでは数少ない国です。

私がひそかに期待していた吉田選手ですが、カタール戦では相手の経験豊富なFWセバスチャンにチンチンにやられてしまいました。

でもそういう悔しい経験を乗り越えて選手は大きくなっていくものですし、決勝ではケーヒル・キューウェルを擁するオーストラリアを完封することに貢献できました。

欧州でもっと自分を高めて世界トップクラスのセンターバックになってくれるよう期待します。

 ザッケローニ監督の采配についてですが、準決勝の延長戦終盤に5バックにして追いつかれてしまったのは裏目に出た形になりましたが、交代で投入した選手が次々とヒーローになるなど大部分のところでは納得のいくものでした。

私が彼を外国人監督らしいなと感じたところは、「聖域」となるレギュラー選手をつくらないところですね。

日本人監督の場合、チームの中心選手を外して悪い結果が出るのを恐れ、たとえケガで足を引きずり満足に走れないような状態でも試合に出してしまうことが多いです。

ケガをした本田圭選手がサウジ戦への強行出場を監督に直訴したそうですが、ザッケローニ監督は本田選手に治療に専念するよう言い、控えの選手には「全面的に信頼している」と言ってゲームに送り出したことで、レギュラー選手をより良いコンディションに保ち、控え選手のモチベーションもあげてチーム内に競争を起こし活性化させるという、一石二鳥いや三鳥の効果をもたらしました。

こういう点は日本人指導者も参考にすべきところが大きいと思います。

決勝戦で今野選手をサイドにまわして長友選手を左サイドハーフにあげたのは選手側からのアイデアで、ザッケローニ監督が了承した結果だと報じられていますが、事実であればそれも興味深いです。

 最後に、この大会から見えてきた日本代表の今後の課題としては、南アフリカW杯での総括でも触れましたが、やはり選手個々のフィジカル能力の向上でしょう。

その記事でも「個の能力で日本人選手が世界から遅れをとっている分野の一つは、相手に体を寄せられてもバランスを失わないフィジカル能力の強さだと思います」と書きました。

欧州でプレーする日本人選手が増えて技術力や判断力など個の能力は着実に向上しているのですが、当たりの強さに関してはオーストラリア・韓国はもちろんヨルダンやシリア・カタールの選手と比べても劣勢でした。

日本の選手が技術では上回っていてもフィジカルの弱さでボールを奪われ、1対1に負けてしまうシーンが見られます。

ヨルダン代表は技術力が低くて日本相手にパスが3本とつながらないようなチームでしたが、ヨルダン戦の失点シーンはまさにフィジカル負けといった感じでした。

韓国・オーストラリアとの試合が特にそうでしたが、相手がロングボールを放りこんできて、前から来たボールをバックなりボランチなりがはね返すというのはサッカー選手にとって本当にベーシックなプレーなのですが、そこで負けてしまうのはちょっとつらいところです。

フィジカル能力は、生まれつきの身体能力やその民族の長年の食習慣なども関係してきますし、足元の技術と違ってなかなか差がつきにくい分野です。

日本サッカー界が総力をあげて取り組むべき課題ですが、技術力の足をひっぱらないようせめて世界平均レベルにまでフィジカル能力を向上させたいものです。

南アフリカW杯以降Jリーグのレフェリングも、倒れればみんなファールを取るような審判がほとんど姿を消したことは大変良い事です。

前回の守備の話とも大きく関係してくることですが、少なくとも日本人選手のフィジカル能力が世界に追いつくまでは、どんな相手であっても守備の時はタテにもヨコにもコンパクトな陣形を維持するべきだと思います。

 課題の二点目は、ピッチ内の選手だけでゲームを決める「勝負どころ」が判断できるようになること。

準決勝の韓国戦、韓国はいつもと違い体力を温存して後半勝負で来ましたが、日本が同点ゴールをあげた後、流れが一気に日本にかたむいたところで「このまま逆転ゴールをあげて試合を決めてしまおう」というチームの共通意識ができれば良かったのですが、実際は同点という状況に安住してしまい後半の韓国の猛攻まで待ってしまったように見えました。

あそこでゴールできていればもっとゲームが楽になったでしょうし、ピッチ上の選手たちでゲームの流れを読んで、一気にたたみ掛けて決勝ゴールをあげてしまう「勝負どころ」が判断できるようになれば、日本代表はもっと強いチームになれるでしょう。

 というわけで、日本代表のアジアカップの戦いぶりを総括してみました。

アジアトップとなる4度目の優勝という結果は申し分のないものでしたし、若くて経験不足な分メンタルがやや不安定なところはありますが、試合内容もおおむね良いです。

攻撃の創造性豊かなところはアジアNo.1だと思いますし、守備も戦術の約束事を思い出すために時間をある程度とってやれば、昨年のアルゼンチン戦のレベルに回復させることはそれほど難しくないはずです。

チームの方向性は正しいと思いますし、このままレベルアップさせていけば、2014年W杯が楽しみになってきます。

W杯南アフリカ大会でベスト16に入り、日本人選手が欧州主要リーグに大挙進出、香川選手を筆頭に大活躍するなど、日本サッカー界が良い方向へ良い方向へと好循環が続いています。

 南アフリカでのベスト16に引き続きアジアカップ優勝を勝ち取った日本代表。

私は、一つの時代が終わり新しい時代が始まったのを感じ取っています。

次回はそれについて、戦術面からじっくり掘り下げてお話したいと思います。

記事作成にはちょっと時間がかかるかもです。

 さて、7月のコパアメリカの話をするのは気が早すぎるのでしょうが、日本の入ったグループではまずアルゼンチンのトップ通過は堅いように思います。

となると力関係から言って、初戦の日本対コロンビア戦に勝った方が決勝Tへ進出するんじゃないかと予想するのですが、またしてもタイトなスケジュールで日本代表はぶっつけ本番でコパアメリカ初戦を迎えてしまいそうです。

これで良いのでしょうか?




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