■日本代表、総力戦を制し4度目のアジア制覇

 アジアカップ2011カタール大会の決勝戦は文字通りの総力戦となり、延長のすえ日本代表がオーストラリアを1-0で下し、アジア単独首位となる4度目のアジアカップ制覇を果たしました。

決勝の相手となったオーストラリアは、エバートンのケーヒルやガラタサライのキューウェルなど、イングランド・プレミアリーグやトルコでプレーする選手が多いチームです。

ただ、近年オーストラリアは高齢化が進んでおりこのチームのピークは過ぎた感があります。

現時点では日本がやや上、ホームで日本の勝利・アウェーで引き分けぐらいの実力差と見ていました。

中立地でのこの試合、90分以内で相手をしとめられなかった点はちょっと残念でしたが、延長戦まで辛抱して辛抱して最後には日本が勝ちきったという結果については大変良かったと思います。

 それでは120分間の、あの激闘をおさらいしておきましょう。

PK戦までいった準決勝の影響で、日本の選手たちの動きは見るからに重いものでした。

ところが、前の試合を90分で終わらせたにもかかわらずオーストラリアもベテラン選手が多いせいか、かなり消耗している様子。

前半は互角の展開でした。

18分、CKからケーヒルが競り勝ったボールを最後はキューウェルがバックヘッド、GK川島が良く反応してセーブ。

29分、本田圭のパスからペナルティエリアに侵入した岡崎がシュート、相手選手がハンドで防いだように見えましたがレフェリーは流します。

31分、浮き球のクロスをケーヒルがヘッドで落としキューウェルがシュートするが、ゴールマウスを外してくれてホッとします。

36分、本田圭のスルーパスに遠藤がウラへ抜け出したもののシュートではなくバックパスを選択、前田がシュートするもふかしてしまいました。

 後半からだんだんとオーストラリアが日本を押しこみはじめます。

3分、ウィルクシャーのループぎみのシュート?がクロスバーに当たりゴール真下に落ちます。オーストラリアの選手が詰めに行きましたが吉田が懸命のクリア。

10分すぎ、ザッケローニ監督は悪い流れを断ち切るため藤本を外して岩政を投入。長友を左サイドハーフにあげたことで再び試合は一進一退に。

20分、長友がサイドを突破しダイレクトのクロス、岡崎がヘッドするも惜しくもゴール右へ外れます。

26分、ヘッドでボールを浮かして岩政を抜いたキューウェルが川島と1対1の大ピンチ。しかし川島が右足一本でシュートを防ぐ神懸り的ビッグセーブ!

41分、今野のバックパスが弱くなり、キューウェルが詰めてシュートしようとしますが、川島が反応良く飛び出して押さえます。

両チーム一歩も譲らず試合は延長戦へ。

延長前半11分、キューウェルのパスからエマートンがコントロールシュート、ゴール左へ外れヒヤッとさせられます。

延長前半13分、エマートンのクロスをクルーズがヘッド、川島がなんとか防ぎ最後は遠藤がクリア。
つづく日本のカウンターから本田圭がミドルを狙うが惜しくも外れます。

延長後半3分、左サイドを突破した長友がダイレクトのクロス、これをゴール前中央でフリーになった途中出場の李がボレーシュート!ゴールに見事に突き刺さり日本が待ちに待った先制点をあげます。

延長後半15分、日本のゴール前中央でのオーストラリアのFKを防いだ瞬間、日本の4度目となるアジアカップ優勝をつげるホイッスルが吹かれました。

 つづいて攻撃面から試合内容の分析に入ります。

得点シーンですが、まず長友選手によるサイド突破からダイレクトかつ正確なアーリークロスがとても素晴らしかったですね。

サウジ戦・韓国戦と日本代表にとってこの大会の大きな得点源となった長友選手のサイド攻撃ですが、無尽蔵のスタミナといい延長戦になってもクロスの正確さが落ちないところといい、彼は今アジアでまちがいなくNo.1の左サイドバックでしょう。

ユーベだバルサだと移籍の噂話が出ていますがビッグクラブから注目されるのも納得です。

そして李選手のボレーシュートも難しかったと思いますが、良く入れてくれましたね。

ヨルダン戦ではFWらしい仕事をほとんどさせてもらえませんでしたが、最後の最後で大仕事をやってくれました。素晴らしいです。

 ただ、大会6試合目で前の試合はPK戦までいったということもあり、日本の選手はキックオフの時点から体力的にも精神的にも疲れきっている様子がありありとうかがえました。

そのため、個人技や判断・チーム戦術でミスが目だったこともやむを得ませんでした。

日本の選手たちはベストを尽くし全力を出し切ってくれたと思いますし、現時点であれ以上のものを求めるのは酷かもしれません。

ただこのチームの最終目標がワールドカップであることを考えれば、そこへ向けての課題も見えたのではないでしょうか。

W杯はグループリーグこそ中4日で試合をやれますが、決勝トーナメントへ行けばアジアカップと同じ中3日で試合をやり、決勝戦まで行けばアジアカップより一試合多く決勝トーナメントを戦わなければなりません。

今よりも体力・精神力ともにもっとタフになり、そして決めるべきところできっちり決めてなるべく90分で相手をしとめていかなければ、W杯でベスト4に入ることは困難です。

前々回の記事で決勝戦の対策として「スピード感を大切にリズム良くショートパスをどんどん回していって、岡崎選手のように最初のシュートチャンスを見逃さずゴールマウスの中にどんどんシュートを打っていくこと」をあげておきました。

前半36分、本田選手のスルーパスに遠藤選手がウラへ抜け出してGKと1対1になった場面ですが、たとえ外してもバックパスではなくシュートにチャレンジして欲しかったです。

遠藤選手の技術力ならかなりの確率でゴールできたでしょうし、あそこで先制できていたら自分たちをもっと楽にしていたはず。

大事な試合であればあるほど、シュートのファーストチャンスで勇気を持って打てるかどうか、そしてゴールを決めて90分間で勝ちきれるかどうかで、W杯の決勝トーナメントでもどこまで上に行けるかが決まってくると思います。

そう考えると、南アフリカでの決勝戦であれほど高いレベルのサッカーを見せてくれたスペイン・オランダ両チームがどれだけ凄いかがわかるでしょう。

 守備では、疲労で足どりが重いなかでも準決勝よりはコンパクトな陣形がつくれていた時間が長かったですし、怖がって下がりすぎたMFのラインがDFラインに吸収されることもあまりありませんでした。

日本の選手はこぼれ球への反応も速く、オーストラリアの攻撃を完封することができました。素晴らしいです。

やはり前々回の記事対オーストラリア戦対策としては、英国系のチームは「Dのエリア」に人を配置してミドルシュートを狙ってくるから注意せよと書いておきました。(下図)

対策
(クリックで拡大)

思ったとおり後半29分にエマートンが、延長前半15分にマッケイが、延長後半13分にキルケニーが「Dのエリア」で待ち構えていて、そこからこぼれ球に反応してミドルシュートしてきましたが、長友選手らが良くケアしていたためゴールを許しませんでした。

これも素晴らしい守備でした。

 選手個々では、ビッグセーブを連発して3点ぐらいは防いだGK川島選手が個人的にはマンオブザマッチの活躍だったと思います。

決勝点のアシストを含め攻守に大車輪の働きだった長友選手も良かったですし、もちろん決勝点を決めた李選手も良くやってくれました。

運動量豊富で、日本キラーのケーヒルを封じこめた長谷部キャプテンも効いていました。

注目された香川選手の代役は藤本選手でしたが、サウジ戦の出来を見れば個人的には柏木選手かなと思っていたので意外でした。

 監督の采配に注目しますと、後半からオーストラリアの攻撃に押される一方になり流れの悪い時間帯が続くと、ザッケローニ監督は岩政選手を入れて藤本選手をアウト、フォーメーションは変えずに長友選手をそのまま左サイドハーフにあげました。

これで流れを五分に戻したばかりか長友選手のサイド突破から決勝点が生まれたわけですから、李選手の投入も含めて監督の采配が当たりましたね。

 というわけでアジアカップ2011カタール大会のフィナーレを飾る決勝戦は、延長戦のすえ日本が1-0でオーストラリアを下し、アジア単独トップとなる4度目の優勝をなしとげました。

とても気持ちが良いです。

そういえばカタール代表のブルーノ・メツ監督が日本代表を「アジアのFCバルセロナ」と呼んでいました。

日本代表がバルサのレベルに達しているかはともかくとしても、決勝戦を観戦した日本人以外のお客さんの反応はかなり日本に好意的だったのが印象的でした。

ロングボールを力任せに放りこんでくる単調なオーストラリアのサッカーよりは、ショートパスをつないで創造力あふれる多彩な攻撃から相手を崩そうとする日本のサッカースタイルの方を好んでいるように見えました。

ザックジャパンは、オーストラリアや韓国を含め他のどのアジアのチームよりも困難なことにチャレンジしていますし、このアジアカップで若い選手が貴重な実戦経験を積めたことに加えて、優勝という最高の結果を得られたことも本当に良かったです。

 次回はアジアカップ2011の日本の戦いぶりを総括したいと思います。(数日後にアップ予定)


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   2011.1.29 ハリファ・インターナショナルスタジアム
                           (ドーハ)

     オーストラリア 0  -  1  日本
                (延長)

                     李 109'



   GK シュウォツァー      GK 川島

   DF ニール          DF 内田
     カーニー           (伊野波 120+)
     オグネノブスキ        今野
     ウィルクシャー        吉田
                      長友
   MF ホルマン       
     (エマートン 65)     MF 長谷部
     ジュディナク         遠藤
     バレリ             藤本
     マッケイ           (岩政 56)
     ケーヒル           本田圭
    (キルケニー 110).      岡崎
   
   FW キューウェル     FW 前田
     (クルーズ 103).      (李 98)




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