■日本代表、韓国をやぶって決勝進出!

 アジアカップ2011準決勝、日本対韓国戦は2-2のままPK戦にもつれこみ、3-0でこれを制した日本が韓国を破り決勝進出を決めました。

対戦相手の韓国は、インドに失点してみたりイランを90分でしとめきれなかったりと、この大会に限って言えばあまり良いサッカーをしているようには見えませんでした。

南アフリカで急成長をとげた日本代表が、メッシのいるほぼベストメンバーのアルゼンチンに勝利したあたりで、日韓の力関係は逆転していたように思います。

事実、昨年秋にソウルで行われた日韓戦はレフェリーのハンド見逃しがなければ日本が勝っていた可能性がありますし、現時点ではホームでもアウェーでも日本が韓国に勝つ能力は十分あると評価していました。

この試合韓国を90分間でしとめられなかった点はちょっと残念でしたが、延長戦終了間際に追いつかれてもPK戦で精神力の強さを発揮して韓国を打ち破るという結果をきっちり出したことは大変良かったです。

 それでは激闘となった試合を振りかえりましょう。

韓国は前の試合で120分戦ったせいか、いつものように前半から猛烈に飛ばしてくるのではなく省エネモードに入ったようなスロースタート。

これに対して日本は、日韓戦ということで過緊張ぎみだったのか立ちあがりの動きが硬く見えました。

前半15分、キソンヨンのFKを川島がファインセーブ、はねかえりをイチョンヨンがヘッドで押しこむが今野がクリア。

18分、左サイドで遠藤のスルーパスから長友がサイドを突破、ダイレクトのクロスに前田が韓国DFをつり出し後ろからフリーになった岡崎がヘッドするもポストに当たり最後は韓国GKがなんとかセーブ。

21分、韓国のロングボールに走りこんだパクチソンをペナルティエリア内で今野がショルダータックルしたところPKを宣告されるという不可解な判定。キソンヨンがこれを決めて韓国先制。

失点したことで開き直って固さがとれたのか、ショートパスがうまく回りだし日本が徐々に攻勢を強めていきます。

36分、本田圭のスルーパスに長友が長駆抜け出しペナルティエリアに侵入、いったん後ろに引いて相手DFをひきはがした前田がパスを受けてシュート!日本が同点に追いつきます。

ゴールが決まったことで主導権を握った日本が試合を優勢に進めます。

43分、本田のパスをバイタルエリアでフリーで受けた前田が振り向きざまシュート!しかし日韓戦ということで力みすぎたようでシュートをふかしてしまいます。

 後半もショートパスで相手を崩そうとする日本が試合の流れをつかみます。

1分、長谷部のパスを受け相手選手と入れ違いにターンした香川がチャドゥリと1対1になるという絶好のチャンス、しかしプレーを迷いボールを持ちすぎたことで相手が戻ってしまいシュートチャンスを逃してしまいます。

4分、岡崎のパスを受けた香川がペナルティエリアに侵入、こんどは果敢にシュートしますが相手選手にブロックされました。

その後は1-1という状況に居心地の良さを感じてしまったのか日本はペースダウン。日本の流れのうちに逆転ゴールをあげて相手をしとめることができませんでした。

逆に20分前後からそれまで省エネモードだった韓国がペースをあげはじめ、日本のゴール前にロングボールをどんどん放りこんでくるパワープレー攻勢を強めて日本が劣勢に立たされます。

21分、ゴール前の混戦から相手選手のバックヘッドにイチョンヨンが反応してつめますが、GK川島が危うくキャッチ。

26分、相手のシュートを防いだ遠藤のプレーがファールをとられ、日本のゴール前中央からのイヨンレのFKはゴール右ぎりぎりを外れて行きます。

37分、韓国がゴール前に放りこんだボールを日本のDF陣がバウンドさせてしまい自軍ゴールへ向かってボールを追いかけるという一番やってはいけないプレー。パク・チソンがボールを詰めに行きますが、岩政と交錯しながら川島が危うくキャッチ。

後半の前半までに勝ち越し点を決められず、スタミナ温存で後半勝負に来た韓国のゲームプランに日本はハマリかけましたが、なんとか相手の攻撃を耐えきって延長戦へ。

 延長前半5分、本田圭のラストパスを受けようとした岡崎を韓国DFが倒したとして日本がPKを獲得。本田のPKはGKにいったん防がれますが、途中出場の細貝が良く詰めていて日本が初めてリードを奪います!

ザッケローニ監督は5バックにして逃げ切りを図りましたが、延長後半15分ゴール前の混戦からファンジェウォンに押し込まれ同点とされてしまいます。

決着はPK戦に持ちこまれ、長友以外3人がきっちりと決めた日本に対し韓国は全員が失敗。

日本が韓国を破り、決勝戦へと駒を進めました。

 いつものように試合内容を分析しましょう。

前回記事で日本代表の選手が試合にのぞむにあたって一番重要なことは「日本代表の勝利を完璧に信じること」であると書きました。

この一試合を通して、日本の選手たちが時々顔をのぞかせる「自分の弱気」と必死に戦ってるさまが見て取れました。

延長戦終了間際に同点に追いつかれた前後の時間帯は、「韓国にまたやられるんじゃないか」という弱気がピークに達していたのではないでしょうか。

ですが、日本代表の選手たちがそこからきっちり頭を切り換えて、強い気持ちでPK戦のプレッシャーを乗り越え、韓国を破ったことは大変評価できます。

若い選手たちが貴重な実戦経験を積み、自分の弱さに打ち勝って精神的に一回り大きく成長できたことも日本サッカー界にとって得がたい宝物となりました。

 ただ冷静に韓国の試合内容を見れば、彼らが決して高度なサッカーをやっていたわけではなく、浮き球を放りこんでゴリゴリのパワープレーに頼ったワンパターンのものでしたし、当たりの強さは別としても個の技術や組織力・アタッキングサードでの崩しの創造力といった面では、日本の方が明らかにレベルが上でした。

にもかかわらず相手と互角の試合をやってしまったのは、日本が韓国をリスペクトしすぎてしまったことが原因だったと思います。

韓国のDFやボランチはハイボールには強いものの、速いショートパスで揺さぶられると日本の攻撃についていけてませんでした。

日本は自信を持って始めから自分たちのサッカーをやりぬくべきでしたが、立ちあがりから動きが硬く相手に先制されてから「点を取るしかない」と開き直れて、そこからようやく本来のサッカーができるようになりました。

同点ゴールをあげた後、流れがこちらに来ているうちに一気に逆転ゴールまでたたみかけ、90分間で韓国をしとめてしまうべきだったと思いますが、「『強い韓国』と1-1だからOK」という意識が強くなったのか、日本は90分で引き分けがあるようなゲーム運びをしてしまいました。

攻撃に関しても、韓国をリスペクトしすぎて「大事な試合だから」ということで選手ひとりひとりがボールを大切に持ちすぎてしまい、パスやシュートに思い切りが無くなってカタール戦までの流れるようなパス回しが徐々に消えていってしまいます。

それを象徴するシーンが後半開始直後、長谷部選手のパスを受けて香川選手が絶妙のターンで相手DFと1対1になったプレーです。

香川選手の技術力ならワンフェイントいれてチャドゥリの前からシュートをゴールへたたき込むことは十分可能だったと思いますが、迷って迷ってドリブルしているうちに相手が戻ってしまいシュートチャンスそのものが無くなってしまいました。

この試合、日本はこういうシーンが多かったですね。

「大事な試合」ほど選手はボールを大切に大切に持ちたがるという本能を持っていますが、アタッキングサードにおいてはその本能にあえて逆らって思い切ってシュートやラストパスが出せる選手こそが、世界でトップクラスにのぼりつめることができるのではないでしょうか。

この試合、日本の選手が自分たちのポテンシャルに気づかず、韓国を過剰にリスペクトしてしまったことで自分自身を苦しくしてしまったと思います。

次の試合に向けての課題となりました。

それでも相手の中心選手パクチソンにほとんど仕事をやらせませんでしたし、韓国を破って決勝に進んだことで、次の試合からは揺るぎない自信を持って戦えることでしょう。

 具体的な戦術面では後半以降、守備の時にDFラインを自分のペナルティエリアの中まで下げてしまい、ボランチがDFラインに吸収されてしまった点が気になりました。

そのため南アフリカでのカメルーン戦後半みたいに防戦一方になってしまう原因となりました。

大会5試合めということで疲れているとは思いますが、怖がってDFラインを下げすぎず、DFとMFで2つの守備ラインをつくってコンパクトな陣形を保ちつづけ、DFがはね返したボールをMFが拾ってクリアしたり反撃につなげたりして欲しいです。(特にヨコの間延びに注意)

 ザッケローニ監督の采配面では、延長戦でリードした後5バックにして守り切ることを選択しましたが、イタリア代表ではあれで守りきれるのでしょうけれど、守備の文化が南アフリカW杯で根づいたばかりの日本ではどうでしょうか。

気持ちが受身になりやすい日本人の民族性からすると、攻撃にフレッシュな選手を入れて前がかりになって守備が手薄になった相手のウラを3人ぐらいで突いて、韓国にトドメを刺すゴールをあげてしまったほうが良かったかもしれません。

ザッケローニ監督も、アジアのデルビー(イタリア語でダービーマッチのこと)に影響されて采配が慎重になりすぎたのかもしれませんが、日本人の民族性を良く理解する機会となったことでしょう。

 PK戦についてはサウジ戦の記事で、「PK戦はなんとか日本が先蹴りを取って相手にプレッシャーをかけたい」と書きました。

統計をとったわけではありませんが私の経験上、PK戦は先蹴りの方が勝率が良いイメージがありました。南アフリカでのパラグアイ戦、日本はどちらだったか皆さんは覚えていますか?

PKを蹴った各選手の強い精神力もすばらしかったのですが、遠藤選手が良くコイントスで先行を取ってくれたと思います。彼の強運にも感謝です。

 選手個々では、岡崎選手が本当に良いですね。

この大会で一番成長しているのは彼だと思いますが、ゴールへの強い意識、攻撃シーンにどんどんからんでいく積極性と、岡崎選手が日本の攻撃をぐいぐい引っ張っています。

攻撃の選手で韓国に向かって互角以上にファイトしていたのは、岡崎選手ぐらいでした。

香川選手や本田選手も彼の姿勢から見習う点はとても多いです。

ゴールした前田選手も、ゴール前で相手DFを外してフリーになったり、別の選手をフリーにさせるような動きがすばらしいですね。

逆に、延長終了間際に安易にファールして同点のきっかけとなるセットプレーを与えてしまった、本田拓選手の試合の入り方はややイージーだったのではないでしょうか。

 アジアカップ準決勝を舞台とした日韓戦。

日本の若い選手たちが精神的に一回り大きく成長し、韓国を破って決勝進出を決めました。

苦しみながらも、決勝へ勝ちぬきという結果をきっちり出したことはとても良かったと思います。

この大会の総決算となる決勝戦は、自分の力を完璧に信じて絶対に優勝を勝ち取ってくれることを強く信じています。



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 2011.1.25 サーニ・ビン・ジャシムスタジアム(ドーハ)

       日本  2  -  2  韓国
            (PK3-0)

      前田 36'     キ・ソンヨン 23'(PK)
      細貝 97'     ファン・ジェウォン 120'


   GK 川島         GK チョン・ソンリョン

   DF 長友         DF ファン・ジェウォン
     岩政           チョ・ヨンヒョン
     今野          (キム・シンウク 103)
     内田           イ・ヨンピョ
                  チャ・ドゥリ
   MF 遠藤
     長谷部        MF イ・ヨンレ
    (本田拓 117).      パク・チソン
     香川           ク・ジャチョル
    (細貝 87)        キ・ソンヨン
     本田           イ・チョンヨン
     岡崎          (ソン・フンミン 82)

   FW 前田         FW チ・ドンウォン
    (伊野波 106).     (ホン・ジョンホ 66)




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■Re: 日本代表、韓国をやぶって決勝進出! [furyu1000]

こんばんわ!
韓国戦は前半と後半では日本は違うチームのように
感じました。後半は足が止まってしまって、
前半飛ばしすぎたのかな?と感じました。
次のオーストラリア戦では、ペース配分も
修正してくれればと思います!
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