■岡田ジャパン総括(1)

 それではお約束どおり、岡田ジャパンのワールドカップ南アフリカ大会での成功にはどんな意味があるのか、岡田ジャパンの勝因はどこにあったのかを考える総括を2回ぐらいに分けてやってみたいと思います。 

 カメルーン戦後、ある読者の方から「この勝利が日本のためになるのだろうか」というコメントをいただきました。

その問いに答えるならばもちろんYESです。
というか、絶対にそうしないといけません。

W杯直前までは「代表人気の低迷」「日本人のサッカー離れ」が盛んに言われましたが、日本代表がカメルーンに勝利し、デンマークもやぶって決勝トーナメントに進出したときの国内の盛り上がり方は久しぶりにすごかったと思います。TVの視聴率も。

「W杯に日本代表も参加したい」という段階を越えて「決勝トーナメントに進出してそこで勝ち進む」という次のステップへ歩み出すことを日本国民がいかに強く望んでいたかをあらわしていました。

実はカメルーン戦の当日、帰宅途中の小学生グループとすれ違ったのですが、子供たちの会話の内容がプロ野球セ・パ交流戦だったので正直がっくりしました。

近所の芝生公園でも、最近見るのは野球をする子供たちばかり。

ところがカメルーン戦後の最初の土曜日、芝生公園では野球をしている子供グループ2に対してサッカーをするグループ1になっていました。

決勝トーナメント進出が決まったデンマーク戦後の土・日には、野球2に対してサッカー2になっていました。

子供は正直なもので「勝利するヒーロー」にあこがれます。

日本代表の活躍に胸を熱くした子供たちの中から、きっと第2・第3の本田選手や中澤選手、川島選手が現れることでしょう。

私が常々、代表とJリーグは日本サッカーを発展させる上での「車の両輪」と言ってきたのはそういうことです。

だからこそ、日本サッカーの発展に一番重い責任を負うサッカー協会会長の最も重要な仕事の一つは、「世界で勝てる日本代表をつくりあげることができる監督を選ぶ」ということなのです。

ワールドカップ南アフリカ大会における日本代表の成功は、日本のサッカー界にポジティブな影響を与えました。

これを一過性のブームで終わらせてしまうか、成功が次の成功を呼ぶ好循環のサイクルにするかは、日本のすべてのサッカー関係者の努力にかかっています。

 日本代表がワールドカップで勝利したことで世界が日本を見る目も変わりました。「善戦したけど、カメルーンやデンマークに負けた」ではこうはいかなかったでしょう。

ワールドカップは「プロサッカー選手の見本市」みたいな面を持っているのも事実です。VIP席には欧州クラブ関係者や代理人が陣取って、選手一人一人をチェックしています。

世界のサッカー市場で日本人選手に対する評価があがり、欧州に移籍する選手も増えそうです。

Jリーグ各クラブで不動のポジションを占めていた選手が海外へ行くということは、若手にそのポジションを奪うチャンスが与えられるということです。

「人気選手を海外クラブに取られてしまう」というマイナスの発想ではなくて、海外クラブに選手を高く売ったお金で、次の若手スター選手をJリーグで次から次へと切れ目なく育てて行くというプラスの発想が欲しいです。

それこそ、日本がサッカー強国となるための着実な歩みにつながっていくはずです。

ところでW杯直前、あるサッカー雑誌にサッカー選手の海外移籍を手がける代理人の話が載っていたのですが、そこに書かれていたことはかなりショックでした。

その代理人が言うには、欧州のクラブにとって「日本人選手は文句が多くて使いづらい」のだそうです。

誰とは書いてありませんでしたが、日本人選手は自己評価が異常に高いらしく、「このポジションはやりたくない」「監督の戦術が俺にはあわないから変えてくれ」などと言っては監督やクラブからけむたがられる反面、プレーが消極的で実戦で結果が出せないのだと代理人は言っていました。

サッカー選手は自己主張が大事ですが、その方向性が間違っています。

サッカー選手なら誰よりもゴールするとか、自分のプレーで積極的に結果を出すことで自己主張しないとまわりから認められません。

でなければ、自分がやりたいポジションを獲得することは不可能です。

与えられたチャンスの中でベストを尽くして自分のプレーで結果を出すこと、それプラス前回ちょっと書きましたが、現地の言葉を覚えてチームメートや監督と積極的にコミュニケーションすること、これが日本人選手が海外で成功するのに最低限必要なことだと思います。

ワールドカップ南アフリカ大会の成功がきっかけとなって、多くの日本人選手が欧州のレベルの高いクラブでレギュラーポジションを獲得してプレーするようになれば、それが将来のベスト8・ベスト4につながってくるはずです。

 今からこういうことを書くと鬼が笑うかもしれませんが、2014年ワールドカップアジア予選のことを考えてみても、南アフリカでの成功は大きかったと思います。

アジアからは日本・韓国・オーストラリア・北朝鮮が出場したわけですが、日本代表はアジア勢ではナンバーワンの成績をあげることができました。

私の記憶が確かならば、PK戦で勝敗がついた場合はFIFAの公式記録では引き分けとなったはずです。

つまり日本も韓国もベスト16どまりでしたが、韓国は決勝トーナメント1回戦で敗北したのに対し、日本は引き分けで韓国を上回ったということになります。

またグループリーグでの成績を見ても、日本代表の2勝1敗、勝ち点6という成績は文句なくアジアナンバーワンでした。(韓国、オーストラリアは勝ち点4、北朝鮮は0)

予選のやり方に変更がなければ、2014年W杯アジア最終予選のシード国は日本と韓国ということになるでしょう。

これで次回アジア予選が戦いやすくなるのであれば、南アフリカでの成功は大きかったということになります。

アジアカップ2004で優勝したので、次の2007年大会は日本は予選免除となるはずだったのですが、アジアサッカー連盟(AFC)の突然の方針転換で日本は予選から戦わなければなりませんでした。

ところが2007年アジアカップでは3位までに入れば再び予選免除だということになって、4位になった日本は貧乏クジばかりを引くことに。

どうもAFCには日本が成功したり有利になったりすることを喜ばない人たちがいるみたいで、日本の第一シード入りに変な妨害が入らないことを祈ります。

 最後に大会直前の記事で私はこう書きました。


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今の日本代表には「谷間の世代」と呼ばれた選手も多いですが、このままそれを認めて引退していくのか。

それとも意地とプライドをかけて南アフリカで勝利をかちとり「谷間の世代」と言った人間を見返してやるか。

パクチソンみたいに外国の選手から名指しで「弱い」と言われて、それを認めておめおめ引き下がるのか。

それとも「日本は弱い」と馬鹿にした選手がいる国よりも南アフリカで良い成績を収めてリベンジを果たすか。

すべては選手しだい。

サポーターも、意地とプライドをかけて全力を出しきった日本代表を見たいはずです。


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岡田ジャパンは単純に11人の個の能力を足していったら、中田英・中村俊・高原・福西・小野・小笠原といった豪華タレントを揃えたジーコジャパンには劣ったのかもしれません。

オリンピックでもぱっとせず、「谷間の世代」なんて言う人も現れましたが、岡田ジャパンは組織の力で不足する個をカバーし、グループリーグで2勝をあげてベスト16進出というジーコジャパンも成し遂げられなかった好成績をあげました。

W杯直前に韓国にホームで2連敗してパクチソンに名指しで弱いと言われるなどこれ以上ない屈辱を味わいましたが、前述のように日本代表は韓国を上回る成績をワールドカップであげることによって、少しだけリベンジを果たすことができました。

とても素晴らしかったと思います。

南アフリカで、「自分たちは勝者に値する」という岡田ジャパンの意地とプライド、魂のこもった戦いぶりをしっかと見させてもらいました。

これからは代表にしろJクラブにしろ、世界を相手に戦う時はワールドカップ・ベスト16の名に恥じないような試合をしなくてはいけません。

すべての日本人選手がその意地とプライドを持って世界とファイトし続けることを希望します。

次回は、戦術面から岡田ジャパンの勝因をさぐります。






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■コメント

■収穫は有ったのでしょうが… [nontedio]

前略 細かく見ればb16がもたらす収穫は色々有ると思います。只残念なのは組織を束ねる協会のスタンスなんですよ、本戦に向けた十分な用意を出来なかったのは心残りとして感じますね。オシムが倒れてから時間的猶予はかなり有ったはずなのに攻撃音痴な岡田jで最後までとうしたのですから。(df出身の監督に有りがちなパターンか)長期的且つ幅広い視野と確かな戦略を持てないのでは、各個人が血反吐吐こうとも無意味になってしまいます。(何かwwⅡみたい)もしwcがどうでもよい大会ならアジア・クラブ・リーグ辺りをもっと盛り上げて行かないと余所の大陸地域と格差が広がりバランス取れないのではないかなあ?jリーグ100年構想の前ではやはり長い期間待たないとダメなのでしょうか。 敬具
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