■器の大きさ

 南アフリカから日本代表が無事帰国し、選手・監督がいろいろなコメントを残しています。

彼らがどういうことを考えてこれまで戦ってきたか、興味深くコメントを一つ一つ拾っていたのですが、一番印象に残ったのがこれでした。

「多くの人が批判してくれたことに感謝している。批判する人がいなかったら、ここまで来られたか分からなかった」

(本田圭佑選手)


本田選手は精神的に大人というか、プロ魂があるというか、若いのに立派だと思います。

いい年をした大人でも、なかなかここまで言える人はいません。

日本のサッカー界では、その人がやっているサッカーについてちょっとでも批判されるとヘソを曲げて、自分の全人格が否定されたと思って感情的になり、大人気ない行動に出る人もいます。

しかしここは強調しておきますが、本来プロスポーツ界の人間にとって一番嫌なこと・一番恐ろしいことは、誰かから批判されることではなくて人々にまったく関心を持たれず無視されることではないでしょうか。

サポーターがわざわざ手間ひまかけて批判するということは、まだその選手なりチームなりに関心や愛情が残っている証拠です。

実際そのスポーツをやっている人たちには申し訳ありませんが、この日本でスケルトン競技について真剣に批判してくれる人がどれだけいるでしょうか?

スケルトンは選手がプロとして一生食っていけるほど経済的に成功しているでしょうか?

残念ながらほとんどの日本国民にとってスケルトンとは、冬季オリンピックを見ていて「へえ、こんなスポーツあったんだ」という程度の存在でしょう。

サッカーでメシを食ってる人間は自分がやっているサッカーについて批判されるのは宿命であり義務であると思いますが、「多くの人が批判してくれたことに感謝している」と言える本田選手のプロ魂はすばらしいと思います。

 ワールドカップ直前にVVV時代の本田選手を密着取材した番組がNHKで放送されていましたが、ご覧になった方はおられるでしょうか。

オランダのVVVに加入した当初の彼は、FKを他の選手に譲ってしまうような日本人らしい自己主張の弱い選手だったのですが、「お前が活躍するのはビデオ映像の中だけか」とチームメートから面と向かってガツンと言われてから変わったみたいですね。

プレーに積極的になりゴールを量産し出した本田選手はそのうちVVVでキャプテンを任されるようになりましたが、若手選手にはキャプテンとしてぐいぐいひっぱっていくような言葉をかけ、プライドの高いベテラン選手には「こうした方が君のためになる」と説得するように話しかたを変えるなど、リーダーとしての気づかいを見せていたのが意外でした。(失礼!)

本田選手が22~23歳ぐらいの話だと思いますが、こういった経験が本田選手を人間的にもフットボーラーとしても大人にしていったのでしょう。

 日本代表がW杯で躍進したことで世界から注目され、日本人選手に欧州のクラブからオファーが増えると思います。

オファーが来た選手は迷わず欧州や南米へ行くべきですし、Jクラブも日本サッカー界全体のために快く送り出してあげて欲しいですね。

次回、岡田ジャパンの総括をやるつもりですが、ワールドカップで0-0の均衡を破るだけのパワーを持っていたのは本田選手だけでしたし、本田選手が先制点をあげられなかった試合はとうとう勝てませんでした。

結局世界で通用する個の能力を持っていたのは、攻撃面では本田選手と松井選手の海外組だけでした。

日本代表がベスト8・ベスト4と勝ち進むためには、最低でも本田クラスの選手が前に4人は欲しいです。

そのためにも日本人選手はどんどん欧州に行って厳しい環境でもまれるべきです。

海外に行く時に重要なことは、「自分は目立たなくてもいいから、縁の下の力持ちになれればいい」みたいな消極的な考えはきっぱり捨て去ることと、自分が行く国の言葉か最低でも英語を絶対にマスターすることでしょう。

お金があるから、サッカーの練習に専念したいからという理由で通訳兼話し相手の日本人を雇う選手は、成功しないと思います。

ゲーム中にチームメートに正確かつ微妙な要求をしたいとき、いちいち通訳を呼ぶわけにはいきませんし、言葉がしゃべれないのはとても不利です。

カカーは流暢なイタリア語をしゃべりますし、モウリーニョはポルトガル語なまりの英語をしゃべりますが、サッカーで成功するためにも語学は大切です。

本田選手の場合オランダでもロシアでも通訳を雇わず、自分以外日本人がまったくいない環境で英語を使って監督やチームメートとコミュニケーションをとっていましたが、彼の成功の理由はそういうところにもあると思います。

これから海外へ行く日本人選手は、成功したかったらまずその国の言葉を覚えるべきです。

 今日は本田選手についてクローズアップしてみましたが、彼の成功は偶然ではないと思います。

身長180cm以上と体格に恵まれたこともありますが、成功哲学を持っているというかまず物事に対する考え方が良いですね。

「本番でゴールしても、練習で外すととても悔しい」と彼が言っているように、練習のように試合して試合のように練習するという、大舞台でも緊張をコントロールする訓練を普段から意識してやっていたり、「パスの美学は捨てた。ゴールの美学を追及している」と言っているところも、海外で成功するのに大切な心構えです。

なんか本田選手をベタ褒めしてしまいましたが、あとは変な勘違いさえしなければと思います。

レアルマドリードで10番をつけるのが夢だそうですが、ぜひその夢が実現するよう応援しています。

 せっかく日本が手に入れたゴール決定力のある選手ですので、今後「出る杭は打たれる」みたいなことがないと良いですね。

私も子供のころ草サッカーをやっていたときにそういう会話を何度か聞きましたが、日本ではFWがゴールすると「あいつばっかり目立ちやがって」と後ろの選手がしばしば嫉妬するんですね。

目立つもなにも点を取るのがFWの仕事なのに、生理的に受けつけないというかいわれなき反感を持つ味方が少なからずいます。

点を取って「出る杭」になると敵はもちろん味方の一部からもたたかれるので、「使われる方(点取り屋)より使う方(パサー)がえらい」という日本サッカー独特の価値観が生まれ、だから中盤のパサーばっかりが出てきて、ゴール決定力のあるFWが生まれないのではないかと私は考えます。

サッカーは点を取って勝つために11人が協力するスポーツという本来の目的を忘れて欲しくありません。

もっとも、出る杭となってたたかれてもへこむようなヤワな本田選手ではないと思いますが。



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